コードバンの財布は、特別です。一線を画す気品・美しさ・存在感があり、高価で希少。革マニアが憧れるひとつのゴールです。
多くのブランドからコードバンの財布が販売されているため「後悔しない最高の1品」をセレクトするのは簡単ではありません。
では、「どのようにコードバン財布をセレクトすると正解なのか?」
本ページでは30以上のコードバン財布を利用してきたコードバンマニアが「最高のコードバン財布」の選び方を、わかりやすく解説します。
最後までお読みいただければ、お気に入りのコードバン財布を見つけることができます。
本ページは、2部構成。
前半は、上質なコードバン財布を見極めるポイントについて。
「はじめてコードバン財布を買う」なら絶対に読んでください。間違いのない、コードバン財布の選び方がわかります。
後半は、コードバン財布のブランドの紹介。
日本の革工房の中から、上質なコードバン財布をつくるブランドを厳選しました。メイドインジャパンにこだわり、熟練の職人が仕立てる革工房です。ブランドごとの特徴、メリットだけでなくデメリットも紹介します。
本ページを見てからの購入でも遅くないはず。ぜひ参考にしてください。
目次
コードバンとは何か
コードバンは、馬のお尻の革で、以下の特徴があります。
- バツグンの輝きと透明感
- ツヤが変化するエイジングを楽しめる
- 牛革の2倍の強度。10年は使える丈夫な素材
詳細は、別のページにまとめています。より詳しく知りたい方はご覧ください。
コードバン財布を見極める、4つのポイント
まずは、最高のコードバン財布を手に入れるポイントを解説します。
長く愛用できる、お気に入りのコードバン財布をセレクトできるようになりましょう。
1.最高品質のコードバンを選ぶ
世界にはコードバンを作る会社(タンナー)がいくつもあります。タンナーによって、表情、色合い、エイジングが異なります。
では、どのコードバンを選べばよいのでしょうか。
好みが分かれますが、個人的には「最高のコードバン」は世界に2社、ホーウィン社と新喜皮革がおすすめです。
ホーウィン社
世界でもっともメジャーなコードバン。お値段も最高価格です。
新喜皮革(しんきひかく)

日本のコードバンメイカーとしてもっとも有名です。
なお、新喜皮革のコードバンを特別に仕上げた「レーデルオガワ社 のコードバン」もあります。こちらのコードバンも美しいです。
ロカド社
イタリアのタンナー、ロカド社もコードバンを作っています。取り扱うブランドは少ないですが、個人的にはお気に入り。新喜皮革やホーウィンと比べると、ホーウィンに近いかなと思います。
どのメイカーのコードバンも、世界中で採用される最高峰の素材です。たとえばGANZOは、2社のコードバンを使い分けてシリーズ化しているほどです。
特徴が異なるため、甲乙つけがたい。どちらが良いということはなく「どちらを気に入るか」です。気に入ったコードバンをセレクトして問題ありません。
以下の写真は、新喜皮革とホーウィン社のコードバン財布。暗い空間でも妖艶に光る美しさがあります。「革のダイヤモンド」と呼ばれる理由が、わかるはずです。
コードバンの見分け方
ホーウィン社の見分け方
ホーウィン社のコードバンはブランド化するほど人気があるため「社名」が記載されています。表記はさまざまですが、以下はホーウィン社コードバンの証です。
- Horween
- Horween shell cordovan
- Horween Genuine Shell Cordovan
財布に型押ししてあるケース。
また、ホーウィンシェルコードバンの裏面にはスタンプが押してある部位があります。スタンプはコードバン1枚に1つだけ。極めて希少で人気があるため「あえてスタンプを見せる」財布もあります。(写真はLAST CROPSのタング)
新喜皮革の見分け方
「新喜皮革のコードバン」または「レーデルオガワ」と説明している財布ブランドがあります(GANZO、Crevaleathco
など)。
「使用しているコードバン」を公表しているブランドはオススメです。他ブランドが同じコードバンを使っても、負けない自信があるからこそ、素材を公開できるからです。
一方、タンナーを記載していないブランドもあります。特に日本のコードバンを見分けるのは難しいでしょう。日本のコードバンタンナーは、新喜皮革以外にもあるため「国産コードバン」と記載があっても、新喜皮革とは限りません。
記載がない場合、ブランドや店員さんに質問しましょう(高島屋などのデパートでは店員さんも答えてくれます)。答えてくれないなら、店員さんの知識不足かもしれない。または、ライバルの同業と思われているのかもしれません。高価な財布です。納得出来ないなら無理に買う必要はありません。
2.価格の違い
予算に合ったコードバン財布を選びましょう。
「同じようなコードバン財布」を比べて、値段が違うことがあります。たとえば、「コードバンの二つ折り財布」で、数万円ほどの差があることも。
ポイントは「高いものが良いとは限らない」ということです。各ブランドが、使う人の好みや予算に合わせてセレクトできるよう、ラインナップしています。
コードバンが違う
コードバンはタンナーによって値段も異なります。特にホーウィン社は、他のコードバンより高価です。
私のおすすめは、新喜皮革、またはホーウィン社のコードバンです。
両者を使い比べているコードバンマニア視点での率直な感想としては、均等な美しさを求めるなら国産のコードバン(新喜皮革 or レーデルオガワ)です。表情にムラが少ないため、「キレイなコードバン」を手に入れられる可能性が高い。
一方、ホーウィン社のコードバンは、色ムラがあったりします。また、飛び抜けて高価です。
迷ったら、新喜皮革を選んで問題ないでしょう。十分にコードバンを堪能できます。ホーウィン社との価格差が、品質に比例するとは思いません。というか、見た目も質感も違うため、どちらが良いとは断言できないのです。
ロカドも良いのですが、取扱うブランドが少ないです。
なお、私は「どのブランドが作った」より「機能美」や「素材の良さ」に惹かれるタイプ。私から見ると、どちらも魅力的なコードバンです。
語りだすとキリがないので、ざっくりと特徴をまとめてみます。
ラフな風合い・迫力を求めるなら、ホーウィンのコードバンをセレクトしましょう。ギラリとした光沢感は、あらゆる革の中でNo1。革の王と呼ばれる理由を実感できるはずです。
一方、新喜皮革は、スムースで均一です。
より詳しく知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。両社を使い比べてみての特徴をまとめています。
https://func-wallet.click/column/compare-horween_sinnkihikaku/
安すぎるコードバン財布について
安すぎるコードバン財布はおすすめしません。
1万円以下のものは怪しい。予算はあると思いますが、中途半端なものを手に入れて「コードバンは良くない」と思ってほしくないのです。
コードバンはトップクラスの耐久性を誇る革です。大切に扱えば5年以上は余裕で使えます。乱暴に扱われがちな「ランドセルの素材」として使われるのは「6年使い続けても壊れない」実績があるからです。
長く使えるものだからこそ、上質なコードバンをセレクトすることをオススメします。数千円の価格差を気にして「本物以外」を買っても満足できないと思います。
コードバンを使う量が違う
コードバン財布は「すべてコードバン」で作られているとは限りません。内装にコードバン以外の革を使うことで、値段を抑えた財布がラインナップされています。
たとえば、GANZOの「コードバンの札入れ」。外装はコードバン。美しさと力強さが相まった、とろけるような光沢を楽しめます。
内装はヌメ革。つまり、外と内で、異なる素材を使った財布です。「内装にコードバンを使わない」ことで、手が届きやすいプライスになる。
「すべてコードバン」にこだわる必要は無いと思います。外装がコードバンなら、コードバンの魅力を十分に味わうことができるからです。
たとえば、エイジング。手やモノとよく触れる「外装」が、より早く・顕著に変化します。外装がコードバンなら「コードバンの美しさやエイジング、見た目や手触り」を十分に楽しめます。
もっとも高価なタイプは、外も内もホーウィン社コードバンで作られた財布。贅の限りを尽くした財布ですね。高級感はダントツです。
内装にもホーウィンのシェルコードバンを使った財布は二宮五郎商店、キプリスなど、限られたブランドしか作っていません。
3.長く使えるコードバン財布をセレクトする
選ぶポイントを押さえましょう。
シンプルな財布を選ぶ
コードバンは強い素材です。油分がキープされていれば、破れたりすることはありません。
ただし、財布のパーツは、いつか壊れます。例えばファスナーは開け閉めを繰り返すと劣化する。リペアする日が来ます。
ファスナーのような「消耗しやすいパーツ」が少ない財布は長持ちします。ただし、4万円以上するコードバン財布なら、あまり気にする必要はありません。極めて丈夫なYKKの最高峰ファスナー「エクセラ」が使われていることがほとんどだからです。事実、4年以上使っているエクセラは壊れていません。
また、構造がシンプルな財布ほど、リペアに時間もかからず、修理代も安くなります。
もっともシンプルな財布は「かぶせ蓋の財布」です。パタンと閉じるだけ。
一番長持ちするのは「小銭入れ」が付いていない「札入れ、束入れ」です。
以下は、二つ折りタイプ(札入れ)です。
長財布(束入れ)は、こんな感じ。
左右対称のデザインで、コインが入らないから凹凸が生まれない。負担がかかりにくいため、型くずれしにくいのです。「コインケースを別に持つ」なら、束入れもありです。
お会計のときに2つの財布を使い分けるのが面倒と感じるなら、「お札、コイン、カード」をひとまとめにできる財布をセレクトしましょう。
オススメは2タイプ。
かぶせ蓋の長財布。
またはラウンドファスナー財布。
どちらも、たくさんのお金やカードを収納できます。また、長財布は「面が広い」ため、コードバンの魅力を最大限味わえるのも魅力ですね。
使い方に合わせて、財布のカタチを決める
どういったシーンで、どのように財布を使うでしょうか?
ライフスタイル、使い方によって、ピタリとはまる財布は違ってきます。たとえば、「札入れ」は、「コインが必要ない」人にハマる財布です。コインもひとまとめにしたいなら、買ってはいけません。
ライフスタイルごとの、おすすめは以下のとおり。
携帯性を重視するなら、スリムな「札入れ、束入れ」。
携帯性とオールインワンを重視するなら「二つ折り財布」。
たくさんのお金やカードを持ち歩きたいなら「長財布」。
もっとも使い勝手の良い万能財布は「オーソドックスな長財布(かぶせ蓋タイプ)」です。迷ったら長財布を選べばよいでしょう。
以下のメリットがあります。
- 広い面でコードバンを楽しめる
- 小銭入れが広くて、使いやすい
- 二つ折り財布よりも、たくさん収納できる
- スリムだから、スーツの胸元にスッキリ収まる
ちなみに、ラウンドファスナーは、かぶせ蓋よりも「厚み」があります。カバンに入れて持ち運ぶことになるため、携帯性を重視するなら、かぶせ蓋の方が良いでしょう。
まとめます。
「これが一番イイ」と断言できる、万人に合うカタチはありません。
あなたのスタイルに合わなければ「長く愛用すること」は難しいでしょう。利用シーンにマッチする財布をセレクトするのが一番です。
汚れが目立たないものを選ぶ
何年もキレイなままで使いたいなら、内装が濃い色のものをセレクトしましょう。
たとえば、ブラック、またはブラウンなどです。
コイン、カード、お札が触れる内装は、どうしても汚れが付きます。明るい革では、汚れが目立ちやすい。この変化も含めて「アジ」だと思えるかは人によるはず。
内装が濃い色だと、そもそも汚れが見えないため、気になりません。気持ちよく、長く愛用できます。
4.日本製を選ぶ
たくさんの国で、財布を見てきましたが、コバや念引き、ステッチの処理、マチのつくりなど、財布の仕立て技術において、日本はNo1です。
細部の仕上げが美しい財布ほど、「コードバンの美しさ」が映えます。
ぜひ、メイドインジャパンの財布を選びましょう。もちろん、本ページで紹介するブランドは、すべて日本の革工房です。
ここからコードバン財布のブランドを紹介します。
美しいコードバン財布
財布は、毎日持ち歩き、人に見られることも多いアイテムです。男性にとっては、職場で許される数少ないファッション。せっかくなら、美しいコードバンを。そう考える方におすすめのブランドです。
Crevaleathco(クレバレスコ)
種類 | 薄い財布、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー、ミニL字ファスナー |
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コードバン | レーデルオガワ |
価格 | 2万円台〜 |
Crevaleathcoは職人 西森氏がデザインから制作まで一貫して行う革工房です。
取り扱うコードバンはレーデルオガワ。繊細な美しさがあります。
カラーラインナップはオーソドックな黒、青など定番が5種類。カラーオーダーできるのもCrevaleathcoの醍醐味。なんと10色ものコードバンからセレクトすることができます。
コードバンに目を引かれますが、凄いのは素材だけではありません。細部も凄い。内側は丁寧に裏張り。革の表面しか見せないデザイン。
細かな仕上げも極めて美しい。カーブのラインは高い技術の証です。
品質はトップクラスです。上質なコードバン財布をお探しなら、おすすめのブランドです。
見た目の美しさに惹かれがちですが、耐久性もすごい。長く使っても型くずれしないように、見えない部分まで丁寧に作られています。
参考:Crevaleathco コンパクトマルチウォレットのレビュー
参考:Crevaleathco コードバン L字ジップハーフウォレットのレビュー
HIGE LEATHER(ヒゲレザー)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布 |
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コードバン | ロカド |
価格 | 4万円台〜 |
HIGE LEATHERは個人の職人さんの工房です。量産品ではありえない、たっぷりとコードバンを使った、美しい仕立てが特徴。
細部まで、どこを見ても丁寧な仕立て。美しさとコダワリが飛び抜けているブランドです。
YUHAKU(ユハク)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ無)、ラウンドファスナー、コインケース |
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コードバン | レーデルオガワ |
価格 | 2万円台〜 |
YUHAKUの真髄は、美しいカラーにあります。
ほぼすべてのブランドは、タンナーの作ったコードバンで財布を仕立てています。しかし、YUHAKUは違います。職人の手作業でコードバンに彩りを加えています。
コードバンのスムースで美しい表情。そこに映える、奥行きのある透明感と艶やかなグラデーション。この美しさを楽しめるのは、YUHAKUだけです。
YUHAKUのコードバンは、新喜皮革のコードバン。YUHAKUとの共同で作り上げたというカラーリングは、凛とした美しい仕上がり。
内装が「濃いカラー」なのも嬉しいポイント。汚れが目立ちません。
内装に牛革を使ったモデルから、総コードバン仕立てのものまでラインナップされていますから、予算に合わせてセレクトできます。どれも美しい仕上がりですから、ぜひチェックしてみてください。
「美しい色のコードバン財布」なら、YUHAKU以外の選択肢はありません。
参考:YUHAKUのコードバン財布のまとめ
参考:YUHAKUのコードバン二つ折り財布のレビュー
参考:YUHAKUのコードバン長財布のレビュー
参考:YUHAKUのコードバン ラウンドファスナー束入れのレビュー
オーソドックスなコードバン財布
コードバンの財布を長く愛用するには、どのような財布を選ぶべきか?
答えは「シンプルなものを選ぶ」こと。飽きずに長く愛用できるからです。
コードバン財布の魅力は、コードバンの表情にあります。ゴテゴテとした装飾は必要ありません。むしろ無粋でしょう。装飾がないオーソドックスな財布は、ごまかしが効きません。コードバンの質と、仕立ての良さで勝負しなくてはいけないからです。シンプルこそが上質の証です。
ここでご紹介するのは、上質な仕立てに太鼓判を押せるブランド。オーソドックスなコードバン財布をセレクトするなら、間違いありません。
Flathority(フラソリティ)
種類 | ラウンドファスナー長財布 |
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コードバン | ホーウィン社 |
価格 | 5万円台〜 |
Flathorityのコードバン財布は、オーソドックスなラウンドファスナー長財布です。素材はホーウィン社シェルコードバン。
「はじめてのホーウィンシェルコードバン」なら、検討したいブランド。理由はダントツに安価だからです。
内装は明るいヌメ革。ここは好みが分かれるかもしれません。お金やカードが見やすいけれど、汚れが目立ちやすい。エイジングによってアメ色になっていくので、色ツヤの変化を楽しみたい人におすすめです。
またカラーラインナップも豊富。
- Black
- Wine
- Navy
BlackとWine(#8)はメジャーですが、Navyはレアです。
ラウンドファスナーの大きな面で、ホーウィンのコードバンを堪能したい。しかも安価に。であれば、FlathorityがNo1です。
参考:Flathority ホーウィンシェルコードバン ラウンドウォレットのレビュー
ONES WORKER(ワンズワーカー)
種類 | ラウンドファスナー長財布 |
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コードバン | 新喜皮革社 |
価格 | 3万円台〜 |
香川県の工房、ONES WORKERは新喜皮革社のコードバンを使った財布をラインナップしています。
他ブランドとの違いは丸みを帯びたデザインと、耐久性、細部の作りのこだわりです。
例えば、見えない内側にも革を張ることで、長く使っても型くずれせず美しいフォルムが保てるように作られています。
コードバンの美しさを引き立てる、手縫いのステッチも魅力的です。
参考:ONES WORKER ラウンドジップ長財布のレビュー
CRAFSTO(クラフスト)
種類 | ラウンドファスナー長財布、長財布、ミニL字ファスナー |
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コードバン | ホーウィン社 |
価格 | 3万円台〜 |
CRAFSTOのコードバン財布には、ホーウィン社のシェルコードバンが使われています。カラーラインナップも豊富。ブラック、ダークバーガンディだけでなく、グリーンやネイビーもあります。
小さなL字ファスナーでもたっぷりとコードバンを楽しめる、贅沢な仕立て。
内側にも高級なイタリアレザーを使用。丁寧に作られています。
CRAFSTOの財布は、見えない部分も丁寧に作り込まれています。壊れにくく、長く使えるようにデザインされています。
レビュー:CRAFSTO シェルコードバンL字ファスナー財布
二宮五郎商店(にのみやごろうしょうてん)
種類 | 長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 1万円台〜 |
東京に居を構える二宮五郎商店。創業60年以上の老舗。「最高の素材のみで仕立てた、オーソドックスな財布」を作る革工房です。
素材にこだわる二宮五郎商店は、ホーウィン社のシェルコードバンのみ。
内装もすべてコードバンを使った財布は、二宮五郎商店のベテラン職人だけが仕立てることが許される、最高峰の逸品です。
お値段も最高価格ですが、オーソドックスで上質なコードバン財布をお探しなら、きっと満足できるはずです。
キプリス
種類 | 二つ折り、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 1万円台〜 |
キプリスは、老舗かつ大きな工房です。こちらもホーウィン社と新喜皮革、お好きな方をチョイスできます。
魅力は、豊富なラインナップとリーズナブルな価格。小銭入れの有/無、内装の素材などバリエーションが豊富。コードバンの財布だけで、50種類以上もあります。ラインナップは世界一といっても過言ではありません。他ブランドと比べて、リーズナブルな価格で手に入るため、初めてのコードバンという方にもおすすめです。
たくさんあって迷うと思いますので、おすすめのシリーズを2つピックアップしてみます。
ひとつめは、コードバン&シラサギレザーのコンビ財布。
シラサギレザーは、キプリスが国内タンナーと共同開発した革。しなやかで丈夫な素材です。
もうひとつが、コードバン&リンピッドカーフ。
リンピッドカーフの、サラリとした質感とツヤのコントラストが楽しめます。エレガントな装いですね。
この両シリーズは、内装に濃い色の革が使われているため、汚れが目立ちません。長く愛用するコードバン財布として最適です。
コインケースをお探しなら、イチオシは馬蹄型。私は3年以上愛用しています。複雑な手縫いが必要なため、上質であることが約束された財布とも言えます。手のひらに収まるコードバンは、所有欲を十分に満たしてくれる名品です。
財布以外のコードバンアイテムも豊富です。小銭入れやキーケースといった小物は1万円台から。どのアイテムも、高級感はバツグンですから、大切な方へのプレゼントにピッタリだと思います。
K.T.ルイストン
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、小銭入れ |
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コードバン | 非公開 |
価格 | 2万円台〜 |
ホーウィン社のコードバンを取り扱ってきたラコタは、コードバンのプロフェッショナルです。そのラコタが手がけるオリジナルブランドが、K.T.ルイストン。
店舗が少ないためか、あまり知名度は高くありません。しかし、ジャパンメイドの丁寧なつくりは、唸る出来栄えです。
K.T.ルイストンのラインナップは財布に限りません。個人的には、コードバンのベルト、IDケース、スリッパなどの珍しいコードバンのアイテムを愛用しています。コードバンのアイテムを揃えたいなら、押さえておきたいブランドです。
GANZO(ガンゾ)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜〜 |
GANZOは100年以上の歴史を持つ、日本の革工房です。オーソドックスながらも、丁寧なつくりに定評があります。
世界トップレベルの2社のコードバンを使い分けて、3シリーズをラインナップしています。違いは以下の通り。
コードバン:外装に新喜皮革コードバンを使用
コードバン ルチダ:外装、内装に新喜皮革のコードバンを使用
シェルコードバン2:ホーウィン社のコードバン
表情の美しさは圧倒的ですね。
ガンゾのコードバン財布を一言で説明すると、「端正」といったところでしょうか。ステッチやコバなど、細部にいたる丁寧な仕立ては流石です。細部の仕上げが美しいからこそ、コードバンの美しさが際立ちます。
オーソドックスな財布なのは、小細工が不要だから。上質なコードバン財布をお探しなら、GANZOを検討してみるとよいでしょう。
土屋鞄製造所(つちやかばんせいさくしょ)
価格22,000円〜
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有/無)、小銭入れ |
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コードバン | 新喜皮革 |
土屋鞄は、50年以上続く老舗。もっともメジャーな革工房といっても過言ではないでしょう。
あまりラインナップは豊富ではありません。シンプルかつオーソドックスなコードバン財布のみ。
土屋鞄の使うコードバンは、国産の水染めコードバン。新喜皮革のものです。
さらにコードバンの仕上げを専門とする企業、レーデルオガワのコードバンを使っています(新喜皮革のコードバンに染色する企業です)。
池之端銀革店
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
池之端銀革店は日本の革工房。
あまり馴染みがないかもしれませんが、長年にわたり著名ブランドの革製品を作ってきたファクトリーブランドです。2004年から、オリジナルブランドとして革製品を中心としたアイテムの販売を開始しました。
池之端銀革店のコードバンシリーズは、同社のハイエンドライン。コードバン以外の素材は一切使っていない、総コードバン仕立ての財布のみラインナップされています。
コードバン専用のクリーム、ケアブラシ、クロスまで付いていることからも、長く使うことを前提とした財布といえます。
無二(むに)
種類 | ラウンドファスナー、長財布(小銭入れ有)、小銭入れ |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
無二のラインナップは、新喜皮革のコードバン財布のみ。コードバン以外の財布は1つもありません。
無二は、宮崎氏による個人工房。コードバンの仕入れから、デザイン、仕立て。すべての工程を、一人で行っています。少数精鋭でもなく、あくまでも個人。ですから、量産できません。一番人気のラウンドファスナーは、オーダー待ち1年とのこと。
取扱店舗は少なく、知名度は高くありません。しかし、個人工房だからこその上質さとコダワリを見て取れます。たとえば、コバ。 削って・磨いてを何度も繰り返したコバは、一枚革のような美しさ。徹底的なコダワリを見て取れます。
ステッチも美しいです。
量産品にはない、クラフトマンシップが感じられるコードバン財布は所有欲を存分に満たしてくれます。
参考:無二 コードバン コインケースのレビュー
参考:無二 宮崎氏 インタビュー
THE-WARMCRAFTS-MANUFACTURE
種類 | 長財布(小銭入れ有)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
世界屈指のコードバンタンナー、新喜皮革。コードバンを知り尽くす、新喜皮革が立ち上げたオリジナルブランドです。
革のなめしから、一気通貫で仕立てられたコードバン財布は、このブランドだけです。そのため、THE WARMCRAFTSMANUFACTUREだけの珍しいカラーのコードバン財布などがラインナップされていることがあります。伊勢丹などのデパートではコードバンの色を自由に選べるカスタムオーダーイベントが行われています。
なお、財布の外側にブランド名が型押しされており、気になるかもしれません。コードバンに装飾は必要ないと思うのですが・・・。好みが分かれるかもしれません。
THE WARMCRAFTS-MANUFACTUREのコードバン財布を見てみる
ココマイスター
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有/無)、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
ココマイスターは日本の革工房。オーソドックスな財布をラインナップしています。
素材のコードバンは、新喜皮革、ホーウィン社。世界2トップのコードバンです。
内装も外装もすべて「ホーウィン社シェルコードバン」を使った財布を作っているのもココマイスターの特徴です。
カラーラインナップの豊富さもスゴイ。ブラック、#8(ナンバー8)の定番カラーだけでなく、ネイビー、ウィスキー、グリーンも取り扱っています。
参考:ココマイスターのコードバンとは何か。全シリーズの特徴に鋭くせまる
参考:シェルコードバン スタンフォードのレビュー(長財布)
参考:シェルコードバン アーチデュークのレビュー(ラウンドファスナー)
使いやすいコードバン財布はこちら
お金やカードが扱いやすいことは、財布の本質です。
使いやすさにこだわったコードバン財布をご紹介しましょう。
エムピウ
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、コインケース |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 4万円台〜 |
エムピウの財布は、機能性の高い、ユニークなものばかり。「ありきたりな財布」はありません。ちなみに、おすすめは、使いやすい財布「ミッレフォッリエ」です。
2017年以降、廃盤と再販が繰り返されています。ちなみに、再販のたびに価格はアップ(2018年は1万円アップ。2021年はさらに1万円ほどアップ)。世界的な需要の高まりと、職人さんの工賃アップが要因でしょう。コードバンは買いたいときが買い時なのです。
ミッレフォッリエは、コンパクトなボディにお札10枚、カード15枚、コイン15枚を収納できる、使い勝手の良い財布。コンパクトでそこそこの収納量、そして使いやすさを求める方におすすめです。
参考:ミッレフォッリエのレビュー
参考:ミッレフォッリエコードバンモデルのレビュー
力強い、ボリュームのあるコードバン財布
コードバンは、「美しさ」が抜きん出た革です。そのためか、エレガントな財布がほとんどです。
そういった中で、「革のカタマリ感」も味わえる、迫力あるコードバン財布ブランドをご紹介しましょう。
WILDSWANS(ワイルドスワンズ)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れあり) |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革、レーデルオガワ |
価格 | 4万円台〜 |
WILDSWANSの財布の真髄は、その力強さにあります。しっかりとしていて、革の風合いと重厚な存在感を楽しみたい人におすすめのブランドです。ただし、オーソドックスな財布はありません。玄人向けだと思います。
無骨とも言える「革のカタマリ感」は、あらゆるブランドの中でNo1。所有欲を十分に満たしてくれます。だからこそ、革マニアに選ばれるのです。
言い換えると「大きくて、重くて、かさばる」といった弱点があります。気軽に・快適に持ち歩きたいなら、他のコードバンブランドをセレクトした方が幸せになれるでしょう。
2019年から、ホーウィンシェルコードバンのブラックと#8が準定番としてラインナップされました。
オーダーメイドで6ヶ月待つか、直営店のXX周年でもコードバンモデルが手に入るでしょう。
参考:WILDSWANSのコードバン財布とは何か
参考:WILDSWANS パーム シェルコードバン #2のレビュー
参考:WILDSWANS パーム シェルコードバン グリーンのレビュー
参考:WILDSWANS パーム シェルコードバン ロシアハッチのレビュー
参考:WILDSWANS クリッパー シェルコードバンモデルのレビュー
LAST CROPS(ラストクロップス)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れあり) |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 5万円台〜 |
LAST CROPSは、迫力ある革製品を得意とするブランド。革へのコダワリがモノスゴク、高級皮革しか取り扱っていません。LAST CROPSも玄人向けかな。
LAST CROPSは、2トップのコードバンをシリーズ展開しています。
- 新喜皮革:国産コードバンシリーズ
- ホーウィン社:ROUGH-OUT(ラフアウト)シリーズ
LAST CROPSは、さまざまな種類の財布をラインナップしているのですが、残念ながらコードバンは限定商品(定番はブッテーロを使っています)。
ROUGH-OUTシリーズの財布は、どれも1点もの。売り切れたら数ヶ月は入手できません。どうしても欲しい人は、公式ブログでチェックをおすすめします。
参考:LAST CROPS ホーウィン シェルコードバン タングのレビュー
参考:LAST CROPS 国産コードバン財布 カスケードのレビュー
とにかく安いコードバン財布
ここで紹介するブランドは、広告にお金をかけないことで、安価なプライスを実現しています。
バギーポート
種類 | 二つ折り、ミニL字ファスナー |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 1万円台〜 |
新喜皮革のコードバン。しかもワックス加工された珍しいラインナップです。
ワックスが取れると艶が現れる、他のコードバンブランドでは楽しめないですね。嬉しいことに価格は1万円台から。非常に安いです。初めてのコードバンにおすすめです。
レビュー:バギーポート ゴーストコードバン ミニL字ファスナー
サンユウ
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー |
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コードバン | 非公開(国産コードバン) |
価格 | 5千円台〜 |
1986年から、革小物を作り続けてきた革工房です。
革の選定から財布のデザインまで自社で行うことによって、非常に安価なプライスで財布を販売しています。
安かろう悪かろうではありません。使うコードバンは、すべて新喜皮革のものです。
あとがき
紹介したブランドは、すべて日本の革工房です。コードバン財布で後悔しないもの。10年は使える、間違いのない逸品をセレクトするために、厳選してご紹介しました。
メイドインジャパンのため高価ですが、仕立てが良いから壊れにくく、仮に壊れても修理できます。長く使えることを考えれば、安価で修理できない海外製よりずっとリーズナブルでしょう。プレゼントや、頑張った自分へのご褒美に選んでみてはいかがでしょうか。
コードバンは、使い続けることで、色の深みが増し、ツヤが生まれてきます。長く愛用して、コードバンライフを楽しんでください。