『ミッレフォッリエ(millefoglie)』はエムピウの代表作です。10年以上前に発売され、少しずつ改良を重ねてきた機能的な財布。今日においてもトップクラスの使いやすい財布です。
私はミッレフォッリエが大好きで、3年半ほど毎日、1000日以上使いました。はじめて購入したのは12年前。今でも様々なモデルのミッレフォッリエを愛用している経験から、本ページではミッレフォッリエの使い勝手や特徴、選び方。メリットやデメリットを分かりやすく解説します。
最後までお読みいただければ、ミッレフォッリエが最適な財布なのか、どのミッレフォッリエを選べばよいのかがわかるはずです。
特徴
まずはミッレフォッリエの特徴をあげてみましょう。
- コンパクトな財布
- 手ぶらで持ち歩ける
- 独特の「箱型」フォルム
- 使いやすい。お会計がスムーズ
- 上質なイタリアレザーを贅沢に使用
- 経年変化(エイジング)を楽しめる
- ケツポケで3年使っても平気。丈夫で長持ちする
- 豊富なラインナップ。たくさんの革から選ぶ楽しみがある
使いやすくて、コンパクト。そこそこの収納力が欲しい方に、おすすめできる財布です。
ただし、100点の財布ではありません(すべての人におすすめできません)。例えば、カード5枚までしか収納せず、コンパクトに持ち歩きたいならストラッチョの方が良いでしょう。
本ページでは、1万5千文字にわたり、ミッレフォッリエの良い所から、悪いところまで、包み隠さずに解説しています。あなたにフィットする財布なのかどうか、見極めましょう。
スペック
ブランド | エムピウ |
---|---|
商品名 | ミッレフォッリエ |
収納力 | ★★★☆☆ |
お札入れの数 | 1 |
お札の枚数 | 10 |
コインの枚数 | 15 |
カードの枚数 | 16 | サイズ | W110×D85×H25mm | 重さ | 100g ※ |
素材 | 牛革 |
動画
ユニークな構造、使いやすさ、使いにくさ、サイズ感や重さ。さまざまな革(ブッテーロ、ミネルバ、コードバン)、エイジングの解説をしています。
なお、動画のミッレフォッリエは購入して10年後のブッテーロモデルです。
以下はリスシオモデルです。3つのミネルバ(色はナポリ)を比較して、100日間使用した色、ツヤ、キズなどの変化をご紹介しています。リスシオのエイジングが伝わるはずです。
最高級のコードバンモデル。定番モデルのP25より2万円以上高価です。価格に納得できるかどうかは人によるでしょう。P25との違い、コードバンの表情、エイジングなどを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
カタチ・構造
片手でしっかりと掴めるサイズ。オーソドックスな二つ折り財布より小さくて、厚みがある。ジーンズのヒップポケットに入れて、ストレスなく持ち歩けるサイズ感です。とはいえ、「小さい財布」と比べると少し大きいです。重さも100gほどあり、軽いとは言えませんが、気にならないでしょう。そもそも財布が重くなるのは小銭をたくさん入れるからです。
素材はイタリアのオイルレザー、ブッテーロ(詳細は後述)。「一枚の革」でくるりと覆うデザインは、エムピウの代表的な意匠。革の美しさ、質感を最大限楽しめます。
財布はギボシ(留め具)でしっかりと留まります。勝手に開いたりしません。
少し切れ目が入っているのが、ポイント。
クイッとひねるときに、切れ目があるから開け閉めしやすい。
片手で財布を抑え、もう片方の手でギボシから革をめくるように外します。慣れるとノールックで開け閉めできるため、ストレスなく使えます。
新品のときは硬さを感じましたが、使い続けるうちに革が馴染んできて、丁度良い感じになります。
耐久性もバツグンです。
一般的に使われるホックやファスナーは、3年位使っていると壊れたりすることがあります。
では、ギボシはどうでしょうか?
2,000回は開け閉めしていますが、穴が広がったりしていません。ほつれや破れは一切なく、ゆるまって勝手に開くこともありません。丈夫で長く使えるということです。
使い勝手
カード、お札、コインの使い方、使いやすさについて解説します。
カード
ミッレフォッリエは2種類のカードポケットを備えています。
- フラップポケット
- 3分割ポケット
合計16枚のカードを収納することができます。
すぐにカードを取り出せる、フラップポケット
財布を開くと独特のパーツが目に入ります。ミッレフォッリエでもっとも使いやすいカードポケット。1枚のカードが収納できる、可動式のフラップ構造です。素材は豚の革。10年経ってもヘタレず、色褪せない。軽くて丈夫な素材です。
私はクレジットカードを入れています。カード決済できる店なら、スッと抜き出してお会計完了。お札や、コインにアクセスする必要がなくて、とてもスマートです。
フラップはお札を抑え、支える効果もあります。財布を開いたときに、お札が「丸見えにならない」のも安心。
ちなみに、少し大きなサイズのクオカードもギリギリ入ります。
ただし、ちょっとキツい。スムーズに出し入れできないので、クレジットカードなどの国際規格サイズのカードを収納したほうが使いやすいです。
3つに分けて収納できるポケット
さらに財布を広げると、アコーディオンのような構造のカードポケットが現れます。
このポケットには、カードを重ねて入れます。3つのポケットに分かれていて、それぞれに5枚ずつ、合計15枚収納できます。なおクレジットカードのように厚みがあって数字がエンボス加工されているカードを15枚収納はきついです。薄いカードや厚いカード、バランスよく収納して最大15枚です。
種類別にカードを入れておくと、使いやすい。私は以下のように分けています。
- 免許証や保険証
- クレジットカードや銀行などお金系
- お店のポイントカード
よく使う/あまり使わないカード。のように、使う頻度で分けても良いでしょう。自分のスタイルに合わせて工夫することで、バツグンの使いやすさを実感できるはず。
では、「一般的なカードポケット」と比べてどうか?
段状のポケットはたくさんのカードが並び、見渡せるため「使いたい1枚」を見つけやすいメリットがあります。
比べてみると、ミッレフォッリエのカードポケットは「見やすく、選別しやすい」とはいえません。収納するとポケットの中に隠れてしまうため、カードの表面が見にくいです。
ただ、選びにくいとは感じません。なぜなら、3つのポケットに「種類分け」できるからです。よく使うカードが5、6枚ならば、分けて入れれば、不便に感じません。
言い換えると、「たくさんのカードを、まんべんなく使いたい」なら、ミッレフォッリエはオススメできません。段状のポケットの長財布をセレクトした方が、あなたに合うはずです。
また、一般的な財布のようにカードが見えないため、カードに指を添えて取り出すことはできません(以下の写真のように、見えるカードを取り出すといったアクションはできません)
コンパクトに、たくさんのカードを持ち歩ける
ミッレフォッリエのカードポケットは、「コンパクトに持ち運べる」点でも優秀です。
財布が厚くなる原因は、カードの仕切りです。仕切りが多いほど革の重なりが増える。だから厚くなるし、重くなる。
一方、ミッレフォッリエの仕切りは2つだけ。財布をスリムに、軽くできる。カードポケットにはカード5枚分の隙間が生じるため、カードを入れていないときも分のスペースは生まれる(厚みがある)のですが、カードを入れても、財布の厚みがほとんど変わりません。
カードを重ねるだけの構造によって、財布をキレイに保てるメリットもあります。
段状のカードポケットは、財布を折りたたんだときに、カードが反対側に押し当てられて、革にカードの跡が付いてしまうことがあります(「アタリ」と呼ばれる症状)。
一方、ミッレフォッリエはカードが完全に閉じ込められる。だから、アタリが付きません。
まとめます。
ミッレフォッリエは、フラップポケット、カードポケットと合わせて16枚のカードを持ち歩けます。使いやすくてコンパクト。機能的なカードポケットです。
コイン
コインは「3層のカードポケット」の下に収納します。普段は、ボタンで閉じられています。
カードポケットを外側に引っ張ると、ボタンが外れます。すごいのが、コインポケットがオープンし、自動的にコインが見える状態になること。わざわざポケットを右手で広げなくても、コインが見やすいのです。すぐにコインを選んで取り出すことができます。
「コインの出し入れがスムーズにできること」は、「使いやすさのキモ」だと思うのだけど、ミッレフォッリエは非常に優秀です。
コインポケットはボックスタイプ。一般的な財布と異なり、ガバッと大きく開くのが特徴。
だから入れやすい。たくさんのコインをまとめて流し入れることもできる。慎重に入れる必要がありません。
また、仕切りで囲まれているため、財布を傾けてもコインがこぼれ落ちません。安心です。
15枚ものコインを入れても、広い面に均等にコインが散るため、見やすく、選別しやすい。
左手で財布を支え、右手でコインを取るように使います。探しやすく、取り出しやすい。だから小銭も増えにくくなります。
汚れにくい
コインポケットが汚れないのも、嬉しいポイント。
お札やコインが触れる内装、カードポケットの素材は革ではありません。濃い色の生地です。帆布かな。
500回以上、お札を出し入れしています。しかし、洋服のコットンのように毛羽立ちも無いし、汚れも目立たない。ずっとキレイなまま、気持ちよく愛用できます。
ただし、すべてのミッレフォッリエが濃い色ではありません。革のカラーやモデルによっては、内装に明るい色が使われています。例えば、コードバンモデルやヌメ革モデルは、ナチュラルな淡い色。コインが見やすく取り出しやすいのがメリットです。一方、汚れが目立ちやすい。汚れを防ぐために、こまめに掃除するのも面倒でしょう。
美しさ(汚れにくさ)と機能性(コインの見やすさ)は、トレードオフです。どちらが正解ということはないので、お好みでセレクトすれば良いでしょう。
お札
使い方
お札を使うときは、カード入れのついたフラップを開いてアクセスします。
お札の左半分が、小銭入れの下の「スリット」にはさまれている状態。スリットの縦のサイズは「お札の縦の長さ+αの余裕」があります。
10枚のお札をテキトウに突っ込んでもスッと収納できて快適。ストレスを感じません。
収納後、フラップで抑えます。フラップは自動的に倒れてくるため、「手で倒す」操作は不要です。
お札の中央は、丸見えの状態になります。不安に思うかもしれませんが、機能的には問題なし。フラップで支えられているため、お札が散らばらないし、スルリと抜け落ちることもありません。1000日以上使って、お札が落ちたことは一度もありませんでした。
フラップを開けると、お札がパラリとめくれる状態になる。見やすく、数えやすい。使いたいお札と枚数が決まったら、スッと抜き出すことができる。とても使いやすい。
収納力は多くない。けれど、十分メインの財布になる
エムピウ公式の収納枚数は、お札10枚。
革が馴染むと、少しだけキツイ感じがなくなる。コインを大量に入れていないことが前提ですが、15枚くらい収納できるようになります。ATMでお金を降ろしたりすると、10枚以上になることがあると思いますが、なんとか入る。これがミッレフォッリエの限度です。3万円ほどしか持ち歩かない人にとっては十分です。
10枚を超えると、折りたたんだときに「お札の端」が曲がりやすいです。10枚に抑えたほうが気持ちよく使えます。
また、お札が増えるほど「クルリと巻いて、ギボシで留める」ことが難しくなります。頑張ってはめ込む感じになる。
ミッレフォッリエは何十枚ものお札を持ち歩くのには適していません。長財布ほどは収納できません。20枚以上のお札を入れておきたいなら、長財布を選んだほうが良いです。
お札を入れるスペースは1つだけ。重ねて収納するため、お札やギフトカードの収納分けはできません。お札(千円札も1万円札も)、商品券、レシートを共有するスペースになります。レシートを入れた分も、厚みが生まれる(お札の収納枚数が減る)。たくさん貯めこむ使い方には適していません。
仕切りがある財布のように「お札やレシートの仕分け」ができません。
では、ミッレフォッリエは使いにくいのか?
答えは、人による。です。
たくさんのお札、商品券、レシートなどを持ち歩かないライフスタイルなら、十分に使いやすい。結局のところ、「財布をコンパクトにするコツ」は、使う人の「気づかい」です。レシートを捨てる人、整理が上手な人なら、快適に使えるはずです。
ミッレフォッリエの特徴はコンパクトなこと。手ぶらで持ち歩けるサイズに、たくさんのお金は入りません。本作に限らず、「小さくてたくさん入る財布」は存在しないのです。
「たくさんの収納」と「コンパクト」は、トレードオフです。ミッレフォッリエは両者のバランスが取れた、使いやすい財布だと思います。
収納量
使いやすさ、重さ、財布への負担を考慮すると、お札10枚、コイン10枚、カード16枚までが良いでしょう。
お札15枚、コイン15枚、カード15枚も入るけど、ぷっくりとしてしまいます。これはこれで可愛いのだけど、財布に負担がかかります。収納量は抑えた方がいいですね。
最大まで入れると、厚みは30mm前後になります。一般的な長財布や、他ブランドの「小さい財布」と比べると厚みが気になると思います。コンパクトが第一優先なら、ミッレフォッリエ以外をセレクトしたほうがよいでしょう。
使い勝手のまとめ
ミッレフォッリエの使い方は、これまでの財布と違います。
留め具を外し、くるりと開くと、カード・お札・コインを見渡せ、すべてのアイテムを自由自在に扱えます。これもミッレフォッリエでしか体験できない「使いやすさ」です。
お釣りを収納するときもスマートです。
- お札を受け取る
- お札とコインを一緒に受け取る
- カードをもらう
どのパターンでも、スムーズに収納できます。財布を開いた状態から、止まったり、アレコレと持ち替えたりすることなく、スムーズに収めることができます。
レジ前で開け閉めを繰り返したり、財布の各部を行ったり来たりといった所作は不要。落ち着いて支払えます。
特徴
シンプル、かつ独創的なルックス
ハコ型の独特のフォルム。やはり目を惹くのは、このプロポーションでしょう。パット見、財布ではなく、カードケースに見えるかもしれません。
外側をくるりと1枚の革で覆い、真鍮のフック(ギボシ)にかぶせることで財布を留めるデザインとなっています。革の吸いつくような手触りを、どこを触っても楽しむことができます。
革以外に見えるのは、ギボシのみ。ギボシも丸みを帯びたフォルムのため、手への当たりも優しいです。
上質な革で、リーズナブルな価格
ミッレフォッリエ【Ⅱ P25】は10種類のカラーを取り揃えています。面白いのはカラーによって、革が違うこと。
- ブッテーロ
- ミネルバ・ボックス
- ミネルバ・リスシオ
革ごとに特徴を紹介します。
ブッテーロ
blueで使われる革が「ブッテーロ」。イタリアのタンナー、ワルピエ社の革です。
牛の肩(ショルダー)を使った革です。ハリがありとても丈夫。透明感のある色あいが特徴です。(写真は、エムピウのフェルマ。青いブッテーロの新品です)
スムースな表情に見えます。が、よく見ると1mm未満の微細なシボが並んだ表情。サラサラとした手触りです。
ミネルバ・ボックス
rose、navyで使われる革です。
ミネルバ・ボックスは、イタリア老舗タンナー、バダラッシ・カルロ社の革。風合い、やわらかさ、発色の良さから人気があります。日本有数の革工房でも利用されています。
モミ加工によって生まれた繊細なシボの表情が特徴です。
使っているうちに、ツメで引っ掻いてしまうことがあります。キズは付くのだけど、シボのおかげで(後述するミネルバ・リスシオより)目立ちにくいです。揉み込んであげることで傷が消えますし。ただし、深いキズは消せません。
エイジングすることで、油分コーティングされるので水にもそこそこ強いんです。
ミッレフォッリエではないのですが、ミネルバボックスです。
薬品を使った加工ではないため、部位によって表情が違います。ギュッと詰まった箇所があれば、スムースな箇所もある。自然で繊細な表情を楽しめる革です。
新品のときは、マットな表情。ですが、使い込むうちに徐々に光沢が出てきます。数ヶ月で、テリ感が生まれます(エイジングについては後述)。
ミネルバ・リスシオ
その他のカラーで使われている革です。牛のショルダーを使った丈夫な革。以下は「napoli」。明るい空間では鮮やかな黄色。
暗い空間では落ち着いた色味になる。マットな表情で、ミネルバ・ボックスと比べるとハリを感じます。スムースでしっとりと手に吸い付き、馴染む感触です。
共通する特徴
ブッテーロとミネルバ。どちらもイタリアの伝統製法で作られた革。味わい深いエイジングを体験できます。
タンニンなめしされた革は、色・ツヤの変化を楽しむことができます。
また、染料仕上げで染色されているため、使い込むことで深みと風合いが増していきます。エイジングによる変化を楽しみたい人におすすめ。逆に、新品のときの見た目を長く楽しみたいなら、顔料仕上げの財布をおすすめします(つまり、エムピウは避けたほうがよいです)。
嬉しいことにオイルやクリームの追加は不要。メンテナンスフリーです。革の芯までたっぷりとオイルを含んでいますから、少しずつ革の表面にオイルが出てくるんですね。また、普通に使うだけで、手から油分がが財布に移ります。手入れをしなくても、色は深みを増し、ツヤが生まれてきます。
まとめます。
どの革も美しく上質。育てる楽しみが十分に味わえるいうことです。
たくさんありすぎて、迷うかもしれませんね。
ブッテーロ、ミネルバのミッレフォッリエを両方を使ってきた経験からのオススメは、以下のとおりです。
カッチリとしたハリ、ゆっくりとしたエイジングを楽しみたいなら、ブッテーロ。
柔らかな質感、スピーディーかつガラリと変わるエイジングを楽しみたいなら、ミネルバ。
革の経年変化がスゴイ。深みのある色に変わり、ツヤが生まれる
エイジングも、ミッレフォッリエの醍醐味です。革や色によって異なる変化を楽しめます。色ごとの経年変化を見てみましょう。
blue
ブッテーロのblue。1000日以上使用した姿がこちら。ツヤが生まれました。落ち着きのある深く暗いブルーに変化しました。
同じくブッテーロのblueを使った、エムピウのフェルマを買ってみたので比べてみましょう。
左がほぼ新品。右がミッレフォッリエ。もともと濃いブルーですが、並べてみると違いがハッキリと。色は深みを帯びています。
新品のときの「微細なシボ」が、スムースになり、ツヤが増しました。
購入して10年経ちました。小キズもたくさんある。
カーブの光沢は10年後も健在。素晴らしい。大好きな素材です。
動画でもご紹介しています。
使い込むことで少しずつ経年変化(エイジング)していきます。質感も手に馴染むように変わっていきます。濃い青のため、色の変化は控えめです(落ち着いた変化を楽しめます)。凛とした表情がお好きな方にオススメ。
napoli
ミネルバ・リスシオは経年変化がグングンと進むのも特徴。色とツヤの深まるエイジングを、スピーディーに楽しめます。
半月で色の変化が楽しめ、3ヶ月でグッと深みが出てきますね。
160日使用。ワックス、クリームは一切使っていません。
特にnapoliカラーのような淡色の場合、色の変化も顕著です。
tabacco
濃色のカラーは色の変化が控えめ。ツヤの出が素晴らしいです。
(ここからの画像は、公式サイトの写真を引用させていただいています)
ミネルバボックス/リスシオは、世界一劇的にエイジングする革だと思います。別カラーですが、色ツヤの変化の参考になる動画です。
grigio
最初のグリーンカラーは見当たらないほど。茶色っぽく変化し、ツヤが生まれます。
cognac
ミッレフォッリエではありませんが、10年使い込まれたミネルバリスシオです。
rose
ヌメ革
変化がもっとも楽しめるヌメ革はこちら。
留め具のエイジング
変化するのは、革だけではありません。真鍮(brass)の留め具も、変わっていきます。
新品時がこちら。アンティークな風合いの色味です。
3年使ったものがこちら。真鍮の色が出て、金色に変化しました。ピカピカした色味ではなく落ち着きのあるゴールド。
真鍮ですから、鉄のようなサビは出ません。ただし、青いサビ(緑青)が付着してしまいます。
とても丈夫。お尻ポケットの1000日間で、型崩れ無し
ミッレフォッリエはとても丈夫。ヒップポケットに入れて持ち歩いていたのですが、美しい姿を保つことができました。ここには、2つの理由があります。
シンプルな構造
財布のパーツが多く、複雑なつくりであるほど、メンテナンスが必要になります。
たとえば、ファスナーのある財布はファスナーが摩耗する。少しずつ劣化し、いつか修理が必要となります。
一方、ミッレフォッリエは「ギボシ」で留めるだけのシンプルな構造。そもそも、壊れるパーツが少ないため、財布の寿命も長くなる。エムピウのコンセプト「シンプルで、カンタンなパーツを使う」が活かされたデザインです。
ギボシは革に打ち込むタイプのため、非常に丈夫。1000日以上使っていますが、歪みや緩みは一切出ていません。ギボシを止める穴も広がることなく使えています。
ハコ型のフォルム
トランクのようなハコ型のカタチは「新品のときのフォルム」を保つことに役立ちます。
「二つ折り財布」は、コンパクトでスリムなため、お尻ポケットにスッポリと入れることができます(ケツポケ)。ケツポケを続けると「財布のカタチ」が変わります。ほとんどの財布は、端に強度がないため、簡単に曲がってしまう。最初はカチッとハリのある財布も、角が曲がり、財布全体が丸みをおびて、財布のカタチが変わってしまう。
以前、カジュアルブランドの二つ折り財布はケツポケを続けて、寿命は1年半足らずでした。見ていられない姿に型崩れしたので、ミッレフォッリエに乗り換えたわけです。
一方、ミッレフォッリエはトランクのようなハコ型。そもそも角が無いため、端が曲がるということが起こりません。また、25mmと一般的な財布よりも厚みがあって丈夫。カード、お札、コインがピッタリと入ることで、財布の中にスペースが無くなることで、歪みにくい。
ヒップポケットに入れて座ってしまっても、ぐにゃりと曲がりません。「圧迫による歪み」にとても強いのです。ほぼ毎日お尻ポケット。1000日以上使ったミッレフォッリエは型崩れしていません。くたびれたようにも見えません。
ダメージを受けやすい財布のフチは、革を折り返す「ヘリ返し」で作られています。
革の断面が見えないから、美しい。財布のフチに革の表面がくるから、丈夫なんです。ダメージを受けやすい部分ですが、破れもありません。ステッチは1つもほころんでいません。
見えない工夫
ミッレフォッリエは革と生地だけで作られているわけではありません。見えないところに丈夫に長持ちするための工夫が散りばめられています。
たとえば、お札の収納スペース。革と生地を張り合わせただけではなく、その間にさらに素材が埋め込まれています。これによりハリが生まれ、キチッとした箱型のフォルムをキープできます。
ほぼすべての財布は「財布の耐久性」を公称していません。使い方は人によるため「○年使える」とは公称できないのです。でも、私の実体験から「ミッレフォッリエはお尻ポケットで1000日持つ」と言えます。極めて丈夫。長く愛用できる財布です。
ミッレフォッリエを購入して11年目になりますが、今でも十分に使えます。
機能や素材から選べる、たくさんのモデル
ミッレフォッリエには様々なモデルがあります。大きく分けると、機能と素材が違います。
- 機能:カードが入る枚数
- Ⅱ P25:16枚
- ヌメ革:20枚
- Ⅱ P30:30枚
- 素材:革の種類(牛革、コードバン、タンニン鞣しヌメ革)
では、どれを選べばよいのか?
はじめてのミッレフォッリエなら、Ⅱ P25 or P30を選びましょう。カード15枚までならP25。それ以上ならP30。これ以外のモデルには、ちょっとクセがあります。
各モデルの違いを見てみましょう。
Ⅱ P25
オススメのモデルです(本記事でご紹介しているのと同じモデル)。
カードは16枚収納可能。メインの財布として十分使えるのではないでしょうか。
10色以上のカラーリングがあります。お気に入りが見つかるはず。カラーによって異なる革を使っていますが、どれも素晴らしい素材です。
ちなみに、本ページでご紹介したのは、右利き用。ボディを左手で支え、右手でカードやお金が出し入れしやすいように、フラップが配置されています。
フラップの取り付け(開き方)が逆になった、「左ききモデル」もあります。どちらの手で、カードやお金を出し入れするかで、選べばよいでしょう。右利きなら通常モデルをセレクトして間違いありません。
定番のミッレフォッリエは、内装に豚革とファブリックが使われています。
一方、内装にも革が使われた、オールレザーモデルも販売されています(例えばクロムエクセルモデルなど)。
「はじめてのミッレフォッリエ」なら、オールレザーにこだわる必要はないでしょう。オールレザーモデルのほうが重い。携帯しやすさを優先するなら定番モデルがオススメです。また、高価ですが、クオリティが上がるかというとそうでもないです。
レビュー:ミッレフォッリエ クロムエクセルモデル
Ⅱ P30
こちらはカードの収納量が2倍。30枚入るモデル。カードをたくさん持っている方も、安心してメインの財布として使えます。
BUSCHETO
イタリア、プッチーニ社の革、ブスケットを使ったモデル。質感はブッテーロに似ています。ミネルバより固め。
ミネルバと比べると少し濃い色合いです。キズがつきにくい感じ。1ヶ月くらい使ってみましたがほとんどキズがつかない。ただ、流石にガリッとひっかくとキズが付きます。
濃い目の色で、色の変化もゆっくりめですね。ミッレフォッリエで硬めの革がお好きならおすすめです。
以下の動画をクリックすると、ブスケットの表情や質感などが分かるシーンから始まります。
quadretti
qauadretti(クアドレッティ)とは、イタリア語で「四角」を意味します。名前の由来は、格子状の表情からでしょう。
タンナーは公表されていません。革はTEMPESTI社のバベルかな。ワルピエ社の革かもしれない。イタリアのタンニンなめし革ですから、エイジングします。網目模様がハッキリと出て、触れるとザラッとしています。
いくつか製品を見て購入しましたが、表情に個体差があります。
サイズはP25と同じですが、重量は115g。P25と比べると15g重量アップです。持ち比べてみると違いがわかりますが、一般的な長財布よりはずっと軽いですね。quadrettiは内装にピッグレザーを使っているため、他モデルより高級感があります。革がお好きなら、quadrettiに満足できると思います。
Ⅱ CORDOVAN 27
革のダイアモンドと呼ばれる、貴重なコードバンモデルがこちら。
馬のお尻の革(コードバン)を使ったモデル。とても高級感ある逸品です。
きめ細やかな表情は、最初はマット。使い込むほどに輝き、ツヤがあがってきます。陶器のようにヌラリと光る、独特のエイジングはコードバンでしか楽しめません。
コードバンは繊維がギュッと詰まった革です。牛革の2〜3倍の堅牢性があるため、6年以上は使えるでしょう(乱暴に扱われやすい「コードバンのランドセル」が6年使われていますね)。
このモデルは内装もヌメ革。総革仕立ての贅沢なミッレフォッリエとなります。
2タイプあって、カード枚数が違います。スタイルに合わせてセレクトできます。
【Ⅱ CORDOVAN】は15枚のカード。廃盤です。- 【Ⅱ CORDOVAN 27】は20枚のカード。2mm厚みが増します。
※2017年から、1タイプのみとなりました。
コードバンは水や汗に弱いもの。夏場はお尻のポケットに入れないようにしましょう。
コードバンモデルを購入してみました。コードバンに興味があれば、ご覧ください。
コードバンモデルが制作中止となりました(コードバンが入荷できなくなったためとのこと)。現品限りですから、気になっている人は、急いでゲットしましょう。エムピウに聞いたところ、次の販売開始時期は未定とのことです。
2018年6月。再販されました。コードバンの質感が、以前のモデルよりも少しマットになっています。
2019年3月。コードバンの価格高騰により、販売終了が発表されました。ご検討中の方はお早めに。
2022年3月4日。コードバンモデルが復活しました。ワックス加工のコードバンの特徴、エイジング、P25との違いなどを動画解説しています。
Ⅱ TAN27
淡色のヌメ革を使ったモデルです。水染みや汚れなどが目立ちやすいため、玄人向けのレザーです。もっとも色の変化が顕著。アメ色のエイジングを味わえるのは、本モデルのみです。
カードは20枚収納可能となっています。
ORIGINAL
あまりオススメできないモデルです。
お札をはさむフラップに、カード用ポケットがついていません。(写真のようにカードを収納できない)
つまり、「よく使うカードを、早く出す」ことができません。メインの1枚を素早く取り出せる機能は、ミッレフォッリエの「ウリ」だと思うので、ちょっと残念ですね。メインのクレジットカードがあるなら、【Ⅱ P25】の方が使いやすいはずです。
また、内装の素材がナイロンのため、高級感も控えめ。
機能と素材を節約しているモデルですから、【Ⅱ P25】より2,000円安価になっていますが、何年も使うわけですから【Ⅱ P25】をセレクトした方が満足感が高いと思います。
あえて言うなら、【ORIGINAL】はカードの利用が少ない学生さんには良いかと思います。カードポケット以外の機能は変わらないため、「初めての革財布」としてチョイスしても良いかもしれません。
2018年3月。ORIGINALモデルの制作終了が発表され、在庫限りとなりました。お安く使ってみたい方は、売り切れ前にぜひ。
どこで買えるのか?
amazonなどの様々な店舗で購入できますが、ほぼすべての店舗で在庫切れです。
定価購入できる方法は3つです。
1.公式サイトの抽選販売に応募する。当選者のみが購入できます。
抽選販売開始は、公式サイトのトピックスや公式instagramで告知されます。
2.取り扱い店舗で、入荷タイミングに買う。運が良ければ買えるという状況。
3.ヤフオクやメルカリで買う。定価以上になっているのでおすすめできません。
まとめ
今日、「機能性の高い財布」はたくさんあります。しかし、そのほとんどはエッジが効いたものばかりです(中には、万人にはオススメできない財布もあります。)。
そういった中で、ミッレフォッリエはほとんどの人が満足できる、使いやすい財布です。3年以上使った私が、自信をもってオススメできるオールインワンの財布です。
はっきり言いましょう。ミッレフォッリエは、財布の1つの完成形です。
10年以上、作りをほとんど変えず販売されていることは、その裏付けとして十分です。エムピウの財布の中で最も人気があるのも、多くの人に愛され続けている結果です。
エムピウはたくさんの財布をリリースしています。そのほとんどを利用してきました。比べてみると、使いやすさでは、ミッレフォッリエがダントツです。
使い勝手が良く、ソコソコ入る。小さくて、手ぶらで出かけられる。こういった機能を財布に求めるなら、ミッレフォッリエに代わる財布はありません。一番使いやすい、コンパクトな財布といえます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。本記事がお役に立てば、シェアやブックマークしてもらえると大変うれしく思います。
参考リンク:
エムピウのユニークな財布に興味をお持ちなら、以下もオススメです。エムピウのすべての財布について、その特徴を紹介しています。
https://func-wallet.click/summary/m-piu_wallet-sumally/