二つ折り財布は、30年以上ずっと愛されているクラシカルな財布です。ほぼ全てのブランドから販売されており、数も豊富。だからこそ、1品をセレクトするのは難しいはずです。
そこで、本ページでは「日本製の上質な二つ折り財布」を切り口に、間違いのない逸品を厳選してご紹介します。
本ページは2部構成。
第一部は、「間違いのない二つ折り財布」の選び方について。二つ折り財布の特徴や、後悔しないためのチェックポイントなどを押さえてみましょう。
第二部は、上質な二つ折り財布を作る日本ブランドをご紹介します。
ピックアップ条件は以下のとおり。「上質な二つ折り財布」を作るブランドを厳選しました。
- 使いやすくデザインされていること
- 大人が満足する、上質な仕立てであること
- エイジングを楽しめる、上質な革で作られていること
オーソドックスな二つ折り財布だからこそ、自慢できる逸品をセレクトしたい。そうお考えなら、満足できる二つ折り財布が見つかるはず。ぜひ参考にしてみてください。
二つ折り財布の特徴
「L字ファスナー」や「小さい財布」などの、財布が人気です。そんな中、今日も二つ折り財布が愛用され続けるのは、他のタイプに無いメリットがあるからです。
一言でいうと「コンパクトで取り回しがよく、使い勝手がバツグンだから」でしょう。
ここでは、二つ折り財布の特徴、メリット・デメリットについて、ご紹介します。あなたのスタイルにフィットするか、チェックしてみましょう。
二つ折り財布のメリット
使いやすいこと
手に収まるサイズだから、片手でしっかりと掴むことができます。取り回しの良さはダントツです。
使いやすさの点でも優れています。財布を留めるものが何も無いため、「財布を開く」1アクションで、お金やカードが使えるんですね。
一方、ラウンドファスナー財布を使うときには、ファスナーを開閉しなくてはいけません(ファスナーによる「安心感」がありますが、1アクション余計に必要なのです)。
二つ折り財布は、あらゆる財布の中で、使い勝手がバツグンに良いのです。
ヒップポケットもOK。バツグンの携帯性
小さなボディですから、ヒップポケットにもスッキリと収納できます。(長財布だとポケットから出てしまいますから、見た目がよくないし、落としそうで怖いです。)
カバンを持たない、手ぶらで出かけたい人なら、二つ折り財布をセレクトした方が、ダンゼン快適です。
二つ折り財布の・デメリット
お札に折り目がつく
財布を折りたたむため、どうしてもお札には折り目がついてしまいます。お札を曲げるのが嫌なら二つ折り財布は合わないでしょう。好みが分かれるところだと思います。
収納力は長財布に負ける
収納力は長財布には及びません。
例えばお札。折り曲げたお札は、真っ直ぐな姿に戻ろうとしますから、たくさんのお札は収納できないんですね。
快適に持ち歩くなら、15枚ほどがベストです。ほとんどのものは、20枚以上になると、財布が勝手に開いてしまいます。
とはいえ、持ち歩くお金が10万円以下で、千円札や5千円札をちゃんと使うなら、15枚で十分です。(10万円以上の現金を持ち歩く人は、長財布の方が良いとでしょう。)
収納できるカードは7枚ほどとお考えください。
カードが少ないほど、コンパクトになりますね。長財布のように広いスペースに分けて収納できないので、分厚くなりやすいのです。
デメリットから言えることを、まとめてみましょう。
もっとたくさんのお金やカードをひとまとめにしたいなら、二つ折り財布はあなたのスタイルに合わないのです。長財布をセレクトした方が幸せになれるはずです。
もう少し多く入れたいなら、かぶせ蓋タイプの長財布。またはL字ファスナー長財布を。
もっとたくさん入れたいなら、ラウンドファスナー財布をセレクトした方が、ずっと快適に感じるはずです。
二つ折り財布と長財布。どっちがいいのか?
少し前、「稼ぐ人はなぜ長財布を使うのか?」という本が、けっこう売れました。キャッチーなフレーズに惹かれて読んでみたのですが、イマイチでしたね。
例えば、こんな感じ。
お札を丁寧に扱えば、お金が入ってくる。財布はお金を受け入れるホテルのようなもの。だからこお札を折り曲げる「二つ折り財布」ではお金が逃げていく。
「大人になった長財布を持つべき」という人もいますよね。
正直、とてももったい。
私の考えは、こうです。
財布は、使う人にとっての「使い勝手」が何よりも大切。利用シーンや、財布をどう見せたいか、どう見られたいかなど、使い手のスタイルに合うものをセレクトするのがベスト。
他の誰がなんと言おうと、あなたのスタイルに二つ折り財布が合うなら、二つ折り財布が最良の選択なのです。
二つ折り財布の選び方
後悔しないよう、あなたのスタイルに合う、二つ折り財布をセレクトしましょう。
そのための、チェックポイントを押さえておきましょう。
革でセレクトする
ぜひ革財布にしましょう。大切に扱えば3年以上は余裕で使えるからです。
逆におすすめできないのがフェイクレザーです。素材のポリウレタンが劣化し、数年で表面がボロボロになってしまうので、おすすめできません。
色でセレクトする
たくさんのカラーがあります。お気に入りのカラーでセレクトするのが一番だと思います。
シーンに応じたカラーの選び方をいくつかご紹介します。
ビジネスシーンに添えるならダークカラーを
ブラックやブラウンなどのカラーは、定番です。
面白みに欠けるな、と思うかもしれませんが、色の濃い財布は、キリッと引き締まった雰囲気を出すことができます。凛とした表情はカッコよくて、スーツに添えるにはふさわしいカラーです。
ダークカラーは、エイジングによる色の変化は控えめですが、ツヤはしっかりと出てきます。
ビジネスカジュアルが許されるなら、お好きなカラーを
殆どの場合、ある程度のファッションは許されるでしょう。毎日持ち歩いて使うものですから、基本的には「自分が好きな色」でセレクトするのが一番だと思います。
きれいに使いたいなら、薄い色はセレクトしない
色を付けていない革は綺麗です。しかし、汚れが目立つ。
エイジングが進んだ「アメ色」もアジがあってたまりません。色の変化を楽しむなら、淡いヌメ革がNo1です。ただし、変化には時間がかかりますし、使い始めはやっぱり汚れが気になっちゃうと思います。汚れが目立つんですよね。
きれいなルックスを保ちたいなら、濃い色の財布をセレクトしましょう。そもそも汚れが目立たないので、キレイな表情をずっと楽しめます。
「均一な色あい」をキレイだと思う人は、ヌメ革ではなくて、色の付いた革をセレクトした方が幸せになれると思います。
機能でセレクトする
二つ折り財布の機能について、チェックポイントは2つあります。
1.お札を分けて入れたいか?
札入れに仕切りがあると、お札を分けて入れることができます。
- 千円札と一万円札
- お札と商品券
- 日本円と外国のお金
仕切りがあるとダンゼン使い勝手がよくなります。
デメリットは、仕切りの分、財布が厚くなること。お札が増えないように、整理する自信があれば、あえて仕切り無しをセレクトするのもアリです。
2.カードを分けて収納したいか?
どの二つ折り財布でも、段状のカードポケットが付いています。見やすくて、取り出しやすいポケットです。
財布によってポケットの数、向きなどの違いはあります。ほとんどの財布で3〜4枚分けて収納できます。
他のポケットをあげましょう。財布によって、ポケットの構造が違います。
段状のカードポケットの裏にあるポケット。
スリットに差し込むポケット。
小銭入れの後ろに収納できるものもあります。
ポケットが多いと、収納分けができて便利です。しかし、以下のデメリットがあります。
- 高価になる
- 革の重なりが増え、厚くなる
- カードを入れすぎて、型崩れを起こす
ポケットの数、位置、構造によって、使い勝手が異なります。以下を考えて選ぶと良いでしょう。
持ち歩きたいカードは何枚?
よく出し入れするカードは何枚?
それらを出し入れしやすいポケットに収納できる?
収納を分けたい?
日本の上質な二つ折り財布
ブランドの特徴を交えながらな、二つ折り財布を紹介します。
LUTÈCE(リュテス)
価格帯 | 2万円台〜 |
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素材 | 牛革(ミネルバ、プエブロ) |
イタリアのオイルレザーを使い、最高品質の財布を作るブランドです。
一般的な二つ折り財布とは異なり、エッジの効いた特徴的なフォルム、構造も特徴。使いやすくて、人と被らない。そんなお財布ばかりです。
内装もすべて総革で仕立てられており、細部までトコトンこだわって作り込まれた財布。
最高品質を求める方に、おすすめできるブランドです。
レビュー:リュテス コンパクトウォレット
otohaci コードバン薄型二つ折り財布
価格帯 | 5万円台〜 |
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素材 | コードバン、ブライドルレザー |
イタリアのオイルレザーを使い、最高品質の財布を作るブランドです。
革工房otohaci(オトハチ)の『コードバン & ブライドル 薄型二つ折り財布』は、縦に開くタイプです。
両面にカードが並ぶため、一般的な二つ折り財布よりカードが選びやすいのが特徴。
最高級のコードバンを使い、手縫いで作られた上質な財布です。
レビュー:otohaci コードバン二つ折り財布
ポーター
素材 | 牛革(カーフ、イタリアンレザー、ブライドルレザー) 馬革(コードバン) |
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日本でもっとも有名なブランド、ポーター。リーズナブルで上質であることも、ポーターのメリットでしょう。
ユニークな財布もラインナップしています。たとえば「メトロ」シリーズでは、小さくて、使いやすい二つ折り財布もあります。
ポーターは学生のためのブランドではありません。上質な革、丁寧な仕立てで作られた大人向けのシリーズだってあるんです。
レビュー:ポーターメトロ 二つ折り財布
YUHKU(ユハク)
素材 | 牛革(カーフ、イタリアンレザー) コードバン |
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YUHAKUの真髄は、美しい色合いにあります。
YUHAKUの職人が、色の付いていないヌメ革に、ハンドメイドで染色をほどこして完成する芸術品。いくつもの染料を重ねることで、奥行きのある透明感が表現できるわけです。
ほぼすべてのブランドは、入荷した革をそのまま使います。YUHAKUのように自社で染色することはありません。
財布はファッションとしても、大事な役割を持つはず。
特に男性にとっては、ビジネスシーンで許される数少ないアイテムの1つです。YUHAKUの美しいグラデーションは、使う本人だけでなく、その財布を見る人も楽しませてくれます。
YUHAKUのアイテムは、革の種類や、染色によってシリーズ分けされています。
シリーズ合計、10種類以上の二つ折り財布をラインナップしていています。どれもユニークで美しい仕上がりですから、なかなか決めきれないかもしれません。
そんなときは、ぜひこちらをご覧ください。各シリーズの特徴、良いところも悪いところも含めて、ありのままにご紹介しています。
YUHAKUは私の好きなブランドの1つ。いくつか購入しています。ベラトゥーラシリーズは、ハッキリとした濃淡が楽しめます。
公式サイトよりもホンモノに近くなるように写真を掲載しています。YUHAKU独自の色合いを知りたい方は参考にしてみてください。
https://func-wallet.click/product/yuhaku-velatura-satsuire/
二つ折りではありませんが、ベラトゥーラシリーズのWineカラーはこちら。
https://func-wallet.click/product/veratula-long-wallet/
一方、全体的に靄がかったフォスキーアは、優しい印象ですね。
レビュー:フォスキーア ラウンドファスナー財布
ETIAM
価格帯 | 2万円台〜4万円台 |
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素材 | ヤギ革(Megisserie Jullien社) コードバン(新喜皮革) |
オーソドックスな二つ折り財布から、カードが使いやすいようデザインされたものまでラインナップされています。
素材も最高級。新喜皮革のコードバンや、フランスのゴートなどの高品質なレザーが贅沢に使われているため、革がお好きな人も満足できるでしょう。
コルボ(CORBO.)
価格帯 | 2万円台〜4万円台 |
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素材 | 牛革(イタリアンレザー、ブライドルレザー) |
コルボは、ユニークな構造の二つ折り財布を作っています。
伝統的な「横型の二つ折り財布」ではなく、縦に開くタイプ。
最上級ラインは「face Bridle Leather」シリーズ。細部まで丁寧に作られています。
レビュー:face Bridle Leather G.E.Wallets
ONES WORKER
価格帯 | 2万円台〜4万円台 |
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素材 | 牛革(ブッテーロ) クロコ |
香川県に拠点をおく、レザーブランドです。
クロコやブッテーロなどの高級素材を使い、手縫いを駆使して美しい二つ折り財布を作っています。
レビュー:シェル型二つ折り財布
土屋鞄
価格帯 | 2万円台〜4万円台 |
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素材 | 牛革(カーフ、イタリアンレザー、ブライドルレザー) 水牛 |
日本が誇る革工房。二つ折り財布もラインナップされています。
定番の形ですが、土屋鞄オリジナルの革などが使われています。間違いのないブランドですね。
キプリス
素材 | 牛革(キップ、カーフ、クリスペルカーフ、ルガトショルダー、ブライドルレザー) コードバン(国産コードバン、ホーウィンコードバン) リザード、カイマン、クロコ |
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ビジネスシーンに添える、オーソドックな二つ折り財布をセレクトするなら、キプリスは外せないブランドです。
キプリスは、もっとも規模の大きな、日本の革工房です。
ですから、ラインナップの豊富さでは、日本No1です(「革財布」に限定するなら、世界でもNo1ではないでしょうか。)
バリエーションの豊富さにおいて、他に並ぶブランドはありません。お好みの革とカラーでセレクトできる自由度の高さは、キプリスだけの醍醐味です。ちなみに、二つ折り財布だけで60種類ほどあります…。
革ごとに、シリーズが別れていて、お値段もピンきり。ちなみに、もっとも高価なお品がクロコを使ったものです。
二つ折り財布はどれもオーソドックスですから、機能的にはほとんど同じです。
どれか1つをセレクトするなら、オイルシェルコードバンモデルはいかがでしょうか。
国産コードバンを内装にも使った、贅沢なつくりなのですが、他のブランドよりも価格が抑えられています。大きな工房だからこそできる、コストパフォーマンスの高い逸品です。
ココマイスター
価格帯 | 2万円台〜7万円台 |
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素材 | 牛革(カーフ、クリスペルカーフ、ミネルバ、ブライドルレザー) コードバン(国産コードバン、ホーウィンコードバン) |
ココマイスターの特徴は、世界の著名な革を使っていること。
最高級のブライドルレザー、米ホーウィン社のシェルコードバン、etc…。あげるとキリが無いのですが、どれも上質な素材です。
革の種類ごとにシリーズ化されていて、どのシリーズでも二つ折り財布はラインナップされています。お気に入りの革でセレクトしやすいかなと思います。
イタリアの名革、ミネルバを使ったシリーズです。柔らかく、手に吸いつくような質感が心地よく、グングンと進むエイジングが魅力です。
バダラッシカルロ社の名革で、風合いや透明感のある色合いの美しさに定評があります。
ぐんぐんと進むエイジングも、ミネルバの醍醐味です。変化するスピードが早く、劇的な変化を楽しめる革です。
こちらの財布はミッレフォッリエ。ミネルバリスシオで仕立てられたものです。劇的な変化が見てとれます。変化の度合いで言えば、あらゆる皮革の中でNo1です。
使い込むことで、マットな質感はツヤを帯び、光沢が増してきます。この美しいBlueはアヤメアンティーコの特注とのこと。どのように変化するのか、とても楽しみな逸品です。
WILDSWANS(ワイルドスワンズ)
価格帯 | 3万円台〜5万円台 |
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素材 | 牛革(サドルプルアップ、フルグレインブライドルレザー) |
WILDSWANSの二つ折り財布でダンゼンオススメしたいのが、GROUNDER(グラウンダー)。私も2年ほど愛用しています。
WILDSWANSの財布は、コバの美しさにおいてNo1です。輝くように美しい。
わずかに丸みを帯びたコバは、角が立っていません。ギュッと握っても痛くありませんし、手当たりが優しいのです。使っていて気持ち良いポイントなんですね。
革を削って、磨いて。時間をおいて、また削って。これを繰り返すことで、まるで一枚革のように見えるコバに仕上げられています。
エイジングも醍醐味です。最初はマットな質感ですが、使うほどにツヤ感が生まれギラリとした光沢に変わっていきます。
厚みのあるボディですから、「スリムな二つ折り財布」をお探しなら、他ブランドのものをセレクトした方がよいでしょう。ただ、厚みがあるからこそ丈夫なわけです。1年ほどケツポケで使っていたグラウンダーは、机の上に立つほどのハリ感が残っています。
オーソドックスな二つ折り財布ですが、多くの人から選ばれ続けるからこそ、10年以上販売が続いているのです。無骨で丈夫。10年使いたい。であれば、グラウンダーは最高の相棒になるはずです。
参考:WILDSWANSグラウンダーのレビュー
参考:WILDSWANSの財布のまとめ
あとがき
本ページでご紹介した財布は、どれも最高の素材を使って、最高の技術で仕立てられた逸品です。あなたのスタイルに合う、お気に入りが見つかれば幸いです。