・12/7 22:00 ココマイスターのコードバン財布が再販開始
コードバンの財布は特別です。他の革とは一線を画す気品・美しさ・存在感がある。高価で希少性もある。革マニアが憧れるひとつのゴールといえます。
では、「どのようにコードバン財布をセレクトすると正解なのか?」
多くのブランドから販売されており、その中から「後悔しない最高のコードバン財布」をセレクトするのは難しいはずです。
30以上のコードバン財布を購入した経験から、本ページでは「長く愛用できる最高のコードバン財布」を切り口に解説します。
最後までお読みいただければ、お気に入りのコードバン財布を見つけることができます。
本ページは、2部構成。
前半は、上質なコードバン財布を見極めるポイントについて。
「はじめてのコードバン財布」なら絶対に読んでください。あなたに合うコードバン財布の選び方がわかります。
後半は、コードバン財布のブランドの紹介。
日本の革工房の中から、上質なコードバン財布をつくるブランドを厳選しました。メイドインジャパンにこだわり、熟練の職人が仕立てる革工房です。ブランドごとの特徴、メリットだけでなくデメリットにも切り込んで紹介します。
本ページを見てからの購入でも遅くないはず。コードバン財布選びの参考にしてください。
目次
コードバンとは何か
コードバンとは、馬のお尻の革から採取した「コードバン層」を使った革のことです。
以下の特徴があります。
- バツグンの輝きと、透明感
- ツヤと光沢が増していくエイジング
- 牛革の2倍の強度。10年は使える丈夫な素材
詳細は、別のページにまとめています。より詳しく知りたい方はご覧ください。
コードバン財布を見極める、4つのポイント
本章では、最高のコードバン財布を手に入れるポイントを解説します。
長く愛用できる、お気に入りのコードバン財布をセレクトできるようになりましょう。
1.最高品質のコードバンを選ぶ
「コードバン」とは革の総称です。世界にはコードバンを作る会社(タンナー)がいくつもあります。タンナーによって、以下のような特徴が異なるのです。
- 表情
- 輝き
- 色合い
- エイジング
「最高品質のコードバン」を作るタンナーは、世界に2社あります。
ひとつは、アメリカの「ホーウィン社」
もうひとつが、日本の「新喜皮革(しんきひかく)」。
なお、新喜皮革のコードバンを特別に仕上げた「レーデルオガワ社 のコードバン」もあります。本ページではレーデルオガワのコードバンも、新喜皮革として解説しています。
どちらも、トップメゾンで採用される最高峰のコードバン。
ホーウィンと新喜皮革のコードバンなら、間違いありません。日本有数の革工房 GANZOやココマイスターは、2社のコードバンを使い分けてシリーズ化しているほどです。
どちらも美しい。気に入ったコードバンをセレクトして問題ありません。特徴が異なるため、甲乙つけがたい。つまり、どちらが良いということはなく「どちらを気に入るか」です。
以下の写真は、すべて新喜皮革とホーウィン社のコードバン財布。暗い空間でも妖艶に光る美しさがあります。「革のダイヤモンド」と呼ばれる理由が、リクツ抜きに伝わってきますね。
コードバンの見分け方
ホーウィンと新喜皮革のコードバンの見分け方を、押さえてみましょう。
ホーウィン社の見分け方
ホーウィン社のコードバンはブランド化するほど人気があるため「社名」が記載されています。表記はさまざまですが、以下はホーウィン社コードバンの証です。
- Horween
- Horween shell cordovan
- Horween Genuine Shell Cordovan
財布に型押ししてあるケース。
また、ホーウィンシェルコードバンの裏面にはスタンプが押してある部位があります。
スタンプはコードバン1枚に1箇所だけ。極めて希少で人気があるため「あえてスタンプを見せる」財布もあります。(写真はLAST CROPSのタング)
新喜皮革の見分け方
「新喜皮革のコードバン」または「レーデルオガワ」と公表している財布ブランドがあります(GANZO、Crevaleathco
など)。
「使用しているコードバン」を公表しているブランドはオススメです。他ブランドが同じコードバンを使っても、品質で負けない自信があるからこそ、素材を公開できるからです。
ただ、タンナーを記載していないブランドもあります。新喜皮革かどうかを見分けるのは難しいでしょう。日本のコードバンタンナーは、新喜皮革以外にもあるため「国産コードバン」と記載があっても、新喜皮革とは限りません。
記載がない場合、ブランドや店員さんに確認しましょう(高島屋などのデパートでは店員さんも答えてくれます)。答えてくれないなら、店員さんの知識不足かもしれない。または、ライバルの同業と思われているのかもしれません。高価な財布です。納得出来ないなら無理に買う必要はありません。
2.価格の違いを押さえる
予算に合ったコードバン財布を選びましょう。
「同じようなコードバン財布」を比べて、値段が違うことがあります。たとえば、「コードバンの二つ折り財布」で、数万円ほどの差があることも。
ポイントは「高いものが良いとは限らない」ということです。
各ブランドが、使う人の好みや予算に合わせてセレクトできるよう、ラインナップしているのです。
コードバンが違う
コードバンはタンナーによって値段も異なります。高い順に並べると以下のとおり。
ホーウィン社 > 新喜皮革 > その他
ホーウィン社は高価ですが、日本への輸入税(革は税関か高い)も関連しているはず。
私のおすすめは、新喜皮革、またはホーウィン社のコードバンです。
両者を使い比べている革マニア視点での正直な感想は、安定した品質のコードバンを選ぶなら、国産のコードバン(新喜皮革)です。コードバンの表情が均整で個体差が少ないため、「イメージしたとおりのコードバン」を手に入れられる可能性が高い。
一方、ホーウィン社のコードバンは、色ムラがあったりします。そして、飛び抜けて高価です。迷ったら、新喜皮革を選んで問題ないでしょう。
新喜皮革のコードバン財布は十分にコードバンを堪能できます。ホーウィン社との価格差が、品質に比例するとは思いません。というか、見た目も質感も違うため、どちらが良いとは断言できないのです。
なお、私は「どのブランドが作った」より「機能美」や「素材の良さ」に惹かれるタイプ。私から見ると両方とも魅力的なコードバンです。どちらがNo1か決めるのは野暮でしょう。
どちらも味わい深い、最高峰のコードバンです。初めてのコードバンという人にこそ、この2社のコードバンをセレクトしてもらいたいと思います。
語りだすとキリがないので、ざっくりと特徴をまとめてみます。
ラフな風合い・迫力を求めるなら、ホーウィンのコードバンをセレクトしましょう。ギラリとした光沢感は、あらゆる革の中でNo1。革の王と呼ばれる理由を実感できるはずです。
一方、新喜皮革は、スムースで均一です。
より詳しく知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。両社を使い比べてみての特徴をまとめています。
安すぎるコードバンについて
安すぎるコードバン財布はおすすめしません。
コードバンの価格から考えると、1万円以下のものは怪しい。ホーウィン社や新喜皮革のものではありません。予算に合わせてセレクトすることは大事ですが、中途半端なものを手に入れて「コードバンは良くない」と思ってほしくないのです。
コードバンはトップクラスの耐久性を誇る革です。大切に扱えば5年以上は余裕で使えます。乱暴に扱われがちな「ランドセルの素材」として採用されているのは「6年間、毎日使い続けても壊れない」実績があるからです。
長く使えるものだからこそ、上質なコードバンをセレクトすることをオススメします。数千円の価格差をケチって「本物以外」を買っても満足できないと思います。
コードバンを使う量が違う
コードバン財布は「すべてコードバン」で作られているとは限りません。内装にコードバン以外の革を使うことで、値段を抑えた財布がラインナップされています。
たとえば、GANZOの「コードバンの札入れ」。外装はコードバン。美しさと力強さが相まった、とろけるような光沢を楽しめます。
一方、内装はヌメ革。つまり、外と内で、異なる素材を使った財布です。「内装にコードバンを使わない」ことで、手が届きやすい値段になるのです。
「すべてコードバン」にこだわる必要は無いと思います。外装がコードバンなら、コードバンの魅力を十分に味わうことができるからです。
たとえば、エイジング。手やモノと触れ合うことが多い「外装」の方が、より早く・顕著に変化します。外装だけがコードバンでも「コードバンの美しさやエイジング、見た目や手触り」を十分に楽しむことができます。
もっとも高価なタイプは、外も内もホーウィン社コードバンで作られた財布。贅の限りを尽くした財布で、高級感はダントツです。
内装にもホーウィンのシェルコードバンを使った財布は、ココマイスター、二宮五郎商店、キプリスしか作っていません。
3.長く使えるコードバン財布をセレクトする
高価なコードバンだからこそ、長く使える1品をセレクトするべきです。ポイントを押さえてみましょう。
シンプルなつくりの財布を選ぶ
コードバンは引き裂きや押し込みに強い素材です。油分がキープされていれば、破れたりすることはありません。
ただし、財布を構成するパーツは、いつか壊れます。
例えばファスナー。開け閉めを繰り返すとファスナーが劣化する。リペアする日が来ます。
ファスナーのような「消耗しやすいパーツ」が少ない財布は長持ちします。
ただし、4万円以上するコードバン財布なら、気にする必要はありません。YKKの最高峰ファスナー「エクセラ」が使われていることがほとんどだからです。極めて丈夫なファスナーです。事実、4年以上使っているエクセラは壊れていません。
また、構造がシンプルな財布ほど、リペアに時間もかからず、修理代も安くなります。
もっともシンプルな財布は「かぶせ蓋の財布」です。パタンと閉じるだけ。
一番長持ちするのは「小銭入れ」が付いていない「札入れ、束入れ」です。
以下は、二つ折りタイプ(札入れ)です。
長財布(束入れ)は、こんな感じ。
左右対称のデザインだから、折り畳んだときに歪まない。コインが入らないから凹凸が生まれず、財布に負担がかかりにくい。型くずれしにくいのです。「コインケースを別に持つ」なら、このタイプもありです。
ただし「使い勝手」とはトレードオフです。お会計のときに2つの財布を使い分けるのが面倒なら、「お札、コイン、カード」をひとまとめに収納できる財布をセレクトしましょう。オススメは2タイプ。
かぶせ蓋の長財布。
またはラウンドファスナー財布。
どちらも、たくさんのお金やカードを収納できます。また、長財布は「面が広い」ため、コードバンの魅力を最大限味わうことができます。
使い方に合わせて、財布のカタチを決める
どういったシーンで、どのように財布を使うでしょうか?
ライフスタイル、使い方によって、ピタリとはまる財布は違ってきます。たとえば、「札入れ」は、「身軽に持ち歩けて、コインは必要ない」人にハマる財布です。コインもひとまとめにしたいなら、買ってはいけません。
ライフスタイルごとの、おすすめは以下のとおり。
携帯性を重視するなら、スリムな「札入れ、束入れ」。
携帯性とオールインワンを重視するなら「二つ折り財布」。
たくさんのお金やカードを持ち歩きたいなら「長財布」。
万能選手は、さまざまな財布の中で、もっとも使い勝手の良い「オーソドックスな長財布(かぶせ蓋タイプ)」です。迷ったら長財布を選べばよいでしょう。
以下のメリットがあります。
- 広い面でコードバンを楽しめる
- 小銭入れが広くて、使いやすい
- 二つ折り財布よりも、たくさん収納できる
- スリムだから、スーツの胸元にスッキリ収まる
ちなみに、ラウンドファスナーは、かぶせ蓋よりも「厚み」があります。カバンに入れて持ち運ぶことになるため、携帯性を重視するなら、かぶせ蓋の方が良いです。
まとめます。
「これが一番イイ」と断言できる、万人に合うカタチはありません。
あなたのスタイルに合わなければ「長く愛用すること」は難しいでしょう。利用シーンにマッチする財布をセレクトするのが一番です。
汚れが目立たないものを選ぶ
何年もキレイなままで使いたいなら、内装が濃い色のものをセレクトしましょう。
たとえば、ブラック、またはブラウンなどです。
コイン、カード、お札が触れる内装は、どうしても汚れが付きます。明るい革では、汚れが目立ちやすい。この変化も含めて「アジ」だと思えるかは人によるはず。
内装が濃い色だと、そもそも汚れが見えないため、気になりません。気持ちよく、長く愛用できます。
4.日本製を選ぶ
たくさんの国で、財布を見てきましたが、コバや念引き、ステッチの処理、マチのつくりなど、財布の仕立て技術において、日本はNo1です。
細部の仕上げが美しい財布ほど、「コードバンの美しさ」が映えます。
ぜひ、メイドインジャパンの財布を選びましょう。もちろん、本ページで紹介するブランドは、すべて日本の革工房です。
ここからコードバン財布のブランドを紹介します。
オーソドックスなコードバン財布
コードバンの財布を長く愛用するには、どのような財布を選ぶべきか?
答えは「シンプルなものを選ぶ」こと。これに尽きます。シンプルな財布ほど、飽きずに長く愛用できます。
コードバン財布の魅力は、コードバンの表情にあります。ゴテゴテとした装飾は必要ありません。むしろ無粋でしょう。装飾がないオーソドックスな財布は、ごまかしが効きません。コードバンの質と、仕立ての良さで勝負しなくてはいけないからです。シンプルこそが上質の証です。
ここでご紹介するのは、上質な仕立てに太鼓判を押せるブランド。オーソドックスなコードバン財布をセレクトするなら、間違いありません。
ココマイスター
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有/無)、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
ココマイスターは日本の革工房。オーソドックスな財布をラインナップしています。
素材のコードバンは、新喜皮革、ホーウィン社のみ。世界2トップのコードバンです。
内装がヌメ革のものから、すべてコードバンのものまでラインナップされているため、予算に合わせてセレクトできます。
内装も外装もすべて「ホーウィン社シェルコードバン」を使った財布を作っているのもココマイスターの特徴です。贅沢な財布です。
カラーラインナップの豊富さも、本シリーズのスゴイところ。ブラック、#8(ナンバー8)の定番カラーだけでなく、ネイビー、ウィスキーも取り扱っています。4色を定番にしているのは、ココマイスターだけ。
シェルコードバンシリーズは、数ヶ月に一度しか販売されない限定品です。販売開始10分ほどで売り切れてしまうため、公式サイトの「販売お知らせメール」を登録しておくと良いでしょう。入荷時に連絡してもらえます。
ホーウィン社のコードバンは、供給が安定しない希少な革。そのため、定番ラインナップすることは難しい。ほとんどのブランドが、外装にのみホーウィン社のコードバンを使っているのは、そもそも手に入らないからです。
最高級のコードバンを堪能できる財布をお探しなら、満足できる1品です。
参考:ココマイスターのコードバンとは何か。全シリーズの特徴に鋭くせまる
参考:シェルコードバン スタンフォードのレビュー(長財布)
参考:シェルコードバン アーチデュークのレビュー(ラウンドファスナー)
Flathority(フラソリティ)
種類 | ラウンドファスナー長財布 |
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コードバン | ホーウィン社 |
価格 | 4万円台〜 |
Flathorityのコードバン財布は、ひとつだけ。オーソドックスなラウンドファスナー長財布です。
ホーウィン社シェルコードバンを使ったラウンドファスナーは、ごく少数の革工房でしか作られていません。
「はじめてのホーウィンシェルコードバン」なら、最初に検討してほしいブランド。理由は4万円台で手に入るリーズナブルさにあります。Flathorityはダントツに安価ですね。
内装は明るいヌメ革。ここは好みが分かれるかもしれません。お金やカードが見やすいけれど、汚れが目立ちやすい。エイジングによってアメ色になっていくので、色ツヤの変化を楽しみたい人にピッタリです。
またカラーラインナップも豊富。
- Black
- Wine
- Navy
BlackとWine(おそらく#8)はメジャーですが、Navyは貴重です。定番ラインナップしているブランドは、Flathorityとココマイスターだけです。
ラウンドファスナーの大きな面で、ホーウィンのコードバンを堪能したい。しかも安価に。であれば、FlathorityがNo1です。
参考:Flathority ホーウィンシェルコードバン ラウンドウォレットのレビュー
二宮五郎商店(にのみやごろうしょうてん)
種類 | 長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 1万円台〜 |
東京に居を構える二宮五郎商店。創業60年以上の老舗。「最高の素材のみで仕立てた、オーソドックスな財布」を作る革工房です。
素材にこだわる二宮五郎商店は、ホーウィン社のシェルコードバンのみ。
内装もすべてコードバンを使った財布は、二宮五郎商店のベテラン職人だけが仕立てることが許される、最高峰の逸品です。
お値段も最高価格ですが、オーソドックスで上質なコードバン財布をお探しなら、きっと満足できるはずです。
キプリス
種類 | 二つ折り、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 1万円台〜 |
キプリスは、老舗かつ大きな工房です。こちらもホーウィン社と新喜皮革、お好きな方をチョイスできます。
魅力は、豊富なラインナップとリーズナブルな価格。小銭入れの有/無、内装の素材などバリエーションが豊富。コードバンの財布だけで、50種類以上もあります。ラインナップは世界一といっても過言ではありません。他ブランドと比べて、リーズナブルな価格で手に入るため、初めてのコードバンという方にもおすすめです。
たくさんあって迷うと思いますので、おすすめのシリーズを2つピックアップしてみます。
ひとつめは、コードバン&シラサギレザーのコンビ財布。
シラサギレザーは、キプリスが国内タンナーと共同開発した革。しなやかで丈夫な素材です。
もうひとつが、コードバン&リンピッドカーフ。
リンピッドカーフの、サラリとした質感とツヤのコントラストが楽しめます。エレガントな装いですね。
この両シリーズは、内装に濃い色の革が使われているため、汚れが目立ちません。長く愛用するコードバン財布として最適です。
コインケースをお探しなら、イチオシは馬蹄型。私は3年以上愛用しています。複雑な手縫いが必要なため、上質であることが約束された財布とも言えます。手のひらに収まるコードバンは、所有欲を十分に満たしてくれる名品です。
財布以外のコードバンアイテムも豊富です。小銭入れやキーケースといった小物は1万円台から。どのアイテムも、高級感はバツグンですから、大切な方へのプレゼントにピッタリだと思います。
K.T.ルイストン
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、小銭入れ |
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コードバン | 非公開 |
価格 | 2万円台〜 |
ホーウィン社のコードバンを取り扱ってきたラコタは、コードバンのプロフェッショナルです。そのラコタが手がけるオリジナルブランドが、K.T.ルイストン。
店舗が少ないためか、あまり知名度は高くありません。しかし、ジャパンメイドの丁寧なつくりは、唸る出来栄えです。
K.T.ルイストンのラインナップは財布に限りません。個人的には、コードバンのベルト、IDケース、スリッパなどの珍しいコードバンのアイテムを愛用しています。コードバンのアイテムを揃えたいなら、押さえておきたいブランドです。
GANZO(ガンゾ)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜〜 |
GANZOは100年以上の歴史を持つ、日本の革工房です。オーソドックスながらも、丁寧なつくりに定評があります。
世界トップレベルの2社のコードバンを使い分けて、3シリーズをラインナップしています。違いは以下の通り。
コードバン:外装に新喜皮革コードバンを使用
コードバン ルチダ:外装、内装に新喜皮革のコードバンを使用
シェルコードバン2:ホーウィン社のコードバン
表情の美しさは圧倒的ですね。
ガンゾのコードバン財布を一言で説明すると、「端正」といったところでしょうか。ステッチやコバなど、細部にいたる丁寧な仕立ては流石です。細部の仕上げが美しいからこそ、コードバンの美しさが際立ちます。
オーソドックスな財布なのは、小細工が不要だから。上質なコードバン財布をお探しなら、GANZOを検討してみるとよいでしょう。
土屋鞄製造所(つちやかばんせいさくしょ)
価格22,000円〜
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有/無)、小銭入れ |
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コードバン | 新喜皮革 |
土屋鞄は、50年以上続く老舗。もっともメジャーな革工房といっても過言ではないでしょう。
あまりラインナップは豊富ではありません。シンプルかつオーソドックスなコードバン財布のみ。
土屋鞄の使うコードバンは、国産の水染めコードバン。新喜皮革のものです。
さらにコードバンの仕上げを専門とする企業、レーデルオガワのコードバンを使っています(新喜皮革のコードバンに染色する企業です)。
池之端銀革店
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
池之端銀革店は日本の革工房。
あまり馴染みがないかもしれませんが、長年にわたり著名ブランドの革製品を作ってきたファクトリーブランドです。2004年から、オリジナルブランドとして革製品を中心としたアイテムの販売を開始しました。
池之端銀革店のコードバンシリーズは、同社のハイエンドライン。コードバン以外の素材は一切使っていない、総コードバン仕立ての財布のみラインナップされています。
コードバン専用のクリーム、ケアブラシ、クロスまで付いていることからも、長く使うことを前提とした財布といえます。
無二(むに)
種類 | ラウンドファスナー、長財布(小銭入れ有)、小銭入れ |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
無二のラインナップは、新喜皮革のコードバン財布のみ。コードバン以外の財布は1つもありません。
無二は、宮崎氏による個人工房。コードバンの仕入れから、デザイン、仕立て。すべての工程を、一人で行っています。少数精鋭でもなく、あくまでも個人。ですから、量産できません。一番人気のラウンドファスナーは、オーダー待ち1年とのこと。
取扱店舗は少なく、知名度は高くありません。しかし、個人工房だからこその上質さとコダワリを見て取れます。たとえば、コバ。 削って・磨いてを何度も繰り返したコバは、一枚革のような美しさ。一気通貫の個人工房だからこその徹底的なコダワリを見て取れます。
ステッチも美しいです。
マスプロダクトにはない、クラフトマンシップが感じられるコードバン財布は所有欲を存分に満たしてくれます。
参考:無二 コードバン コインケースのレビュー
参考:無二 宮崎氏 インタビュー
THE-WARMCRAFTS-MANUFACTURE
種類 | 長財布(小銭入れ有)、ラウンドファスナー、小銭入れ |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
世界屈指のコードバンタンナー、新喜皮革。コードバンを知り尽くす、新喜皮革が立ち上げたオリジナルブランドが、THE WARMCRAFTS MANUFACTUREです。
革のなめしから、一気通貫で仕立てられたコードバン財布は、このブランドだけです。そのため、THE WARMCRAFTSMANUFACTUREだけの珍しいカラーのコードバン財布などがラインナップされていることがあります。伊勢丹などのデパートではコードバンの色を自由に選べるカスタムオーダーイベントが行われています。
財布にブランド名が型押しされています。気になる人は気になるかもしれません。トップクラスのコードバンに、余計な装飾は必要ないと思うのですが・・・。好みが分かれるブランドかもしれません。
取扱いサイトでTHE WARMCRAFTS-MANUFACTUREのコードバン財布を見てみる
美しいコードバン財布
財布は、毎日持ち歩き、人に見られることも多いアイテムです。働く男性にとっては、職場で許される数少ないファッションです。
せっかくなら、美しいコードバンを。そう考える方におすすめのブランドです。
Crevaleathco(クレバレスコ)
種類 | 薄い財布、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー、ミニL字ファスナー |
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コードバン | レーデルオガワ |
価格 | 2万円台〜 |
Crevaleathcoは職人 西森氏がデザインから制作まで一貫して行うトップクラスの革工房です。
取り扱うコードバンはレーデルオガワ。繊細な美しさがあります。
カラーラインナップはオーソドックな黒、青など定番が5種類。カラーオーダーできるのもCrevaleathcoの醍醐味。なんと10色ものコードバンからセレクトすることができます。
コードバンの美しさに目を引かれますが、凄いのは素材だけではありません。細部も凄い。内側は丁寧に裏張り。革の表面しか見せないデザイン。
細かな仕上げも極めて美しく作られています。
オーソドックスな財布が多いですが、つくりは日本トップクラスです。上質なコードバン財布をお探しなら、おすすめのブランドです。
参考:Crevaleathco コンパクトマルチウォレットのレビュー
参考:Crevaleathco コードバン L字ジップハーフウォレットのレビュー
YUHAKU(ユハク)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ無)、ラウンドファスナー、コインケース |
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コードバン | レーデルオガワ |
価格 | 2万円台〜 |
YUHAKUの真髄は、美しいカラーにあります。
ほとんどの革工房は、タンナーから仕入れたコードバンを使って財布を仕立てています。しかし、YUHAKUは違います。職人の手作業でコードバンに彩りを加えています。
コードバンのスムースで美しい表情。そこに映える、奥行きのある透明感と艶やかなグラデーション。この美しさを楽しめるのは、YUHAKUだけです。
YUHAKUのコードバンは、新喜皮革のコードバン。YUHAKUとの共同で作り上げたというカラーリングは、凛とした美しい仕上がり。
内装が「濃いカラー」なのも嬉しいポイント。汚れが目立ちません。
内装に牛革を使ったモデルから、総コードバン仕立てのものまでラインナップされていますから、予算に合わせてセレクトできます。どれも美しい仕上がりですから、ぜひチェックしてみてください。
「美しい色のコードバン財布」なら、YUHAKU以外の選択肢はありません。
参考:YUHAKUのコードバン財布のまとめ
参考:YUHAKUのコードバン二つ折り財布のレビュー
参考:YUHAKUのコードバン長財布のレビュー
参考:YUHAKUのコードバン ラウンドファスナー束入れのレビュー
使いやすいコードバン財布はこちら
お金やカードが扱いやすいことは、財布の本質です。
使いやすさにこだわったコードバン財布をご紹介しましょう。
エムピウ
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、コインケース |
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コードバン | 新喜皮革 |
価格 | 2万円台〜 |
エムピウの財布は、機能性の高い、ユニークなものばかり。「ありきたりな財布」はありません。
エムピウのコードバンは、新喜皮革です。イチオシは、使いやすい財布「ミッレフォッリエ」です。
コードバンは外側にのみ使われていて、内部はヌメ革となっています。そのため、手に入れやすいプライスになっています。コードバンの入手が難しいとのことでラインナップから削除されました。
2018年6月:再販。ただし、お値段は以前よりも1万円以上アップ。世界的な需要の高まりと、職人さんの工賃アップが要因でしょう。コードバンは買いたいときが買い時なのです。
ミッレフォッリエは、コンパクトなボディにお札10枚、カード15枚、コイン15枚を収納できる、とても使い勝手の良い財布。コンパクトでそこそこの収納量、そして使いやすさを求めるなら、本作以上のものはありません。
参考:ミッレフォッリエのレビュー
参考:ミッレフォッリエコードバンモデルのレビュー
2019年3月。コードバンの価格高騰により、販売終了が発表されました。ご検討中の方はお早めに。
力強い、ボリュームのあるコードバン財布
コードバンは、「美しさ」が抜きん出た革です。そのためか、エレガントな財布がほとんどです。
そういった中で、「革のカタマリ感」も味わえる、迫力あるコードバン財布ブランドをご紹介しましょう。
WILDSWANS(ワイルドスワンズ)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れあり) |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革、レーデルオガワ |
価格 | 4万円台〜 |
WILDSWANSの財布の真髄は、その力強さにあります。しっかりとしていて、革の風合いと重厚な存在感を楽しみたい人におすすめのブランドです。ただし、オーソドックスな財布はありません。玄人向けだと思います。
無骨とも言える「革のカタマリ感」は、あらゆるブランドの中でNo1。所有欲を十分に満たしてくれます。だからこそ、(私を含めた)革マニアに選ばれるのです。
言い換えると「大きくて、重くて、かさばる」といった弱点があります。気軽に・快適に持ち歩きたいなら、他のコードバンブランドをセレクトした方が幸せになれるでしょう。
WILDSWANSは、ホーウィン社と新喜皮革のコードバンを扱っています。
コードバンモデルは、定番として売られていなかったのですが、2019年から、ホーウィンシェルコードバンのブラックと#8が準定番としてラインナップされました。
オーダーメイドで6ヶ月待つか、直営店のXX周年でもコードバンモデルが手に入るでしょう。
参考:WILDSWANSのコードバン財布とは何か
参考:WILDSWANS パーム シェルコードバン #2のレビュー
参考:WILDSWANS パーム シェルコードバン グリーンのレビュー
参考:WILDSWANS パーム シェルコードバン ロシアハッチのレビュー
参考:WILDSWANS クリッパー シェルコードバンモデルのレビュー
LAST CROPS(ラストクロップス)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れあり) |
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コードバン | ホーウィン社、新喜皮革 |
価格 | 5万円台〜 |
LAST CROPSは、迫力ある革製品を得意とするブランド。革へのコダワリがモノスゴク、高級皮革しか取り扱っていません。LAST CROPSも玄人向けかな。
LAST CROPSは、2トップのコードバンをシリーズ展開しています。
- 新喜皮革:国産コードバンシリーズ
- ホーウィン社:ROUGH-OUT(ラフアウト)シリーズ
LAST CROPSは、さまざまな種類の財布をラインナップしているのですが、残念ながらコードバンは限定商品(定番はブッテーロを使っています)。
ROUGH-OUTシリーズの財布は、どれも1点もの。売り切れたら数ヶ月は入手できません。どうしても欲しい人は、公式ブログでチェックをおすすめします。
参考:LAST CROPS ホーウィン シェルコードバン タングのレビュー
参考:LAST CROPS 国産コードバン財布 カスケードのレビュー
とにかく安いコードバン財布
ここで紹介するブランドは、広告にお金をかけないことで、安価なプライスを実現しています。
サンユウ
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、ラウンドファスナー |
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コードバン | 非公開(国産コードバン) |
価格 | 5千円台〜 |
1986年から、革小物を作り続けてきた革工房です。
革の選定から財布のデザインまで自社で行うことによって、非常に安価なプライスで財布を販売しています。
安かろう悪かろうではありません。使うコードバンは、すべて新喜皮革のものです。
あとがき
紹介したブランドは、すべて日本の革工房です。コードバン財布で後悔しないもの。10年は使える、間違いのない逸品をセレクトするために、厳選してご紹介しました。
メイドインジャパンのため高価ですが、仕立てが良いから壊れにくく、仮に壊れても修理できます。長く使えることを考えれば、安価で修理できない海外製よりずっとリーズナブルでしょう。プレゼントや、頑張った自分へのご褒美に選んでみてはいかがでしょうか。
コードバンは、使い続けることで、色の深みが増し、ツヤが生まれてきます。長く愛用して、コードバンライフを楽しんでください。
SNS/YouTube
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