ちょっと珍しいコインケースを紹介します。
WILDSWANSの、『カクタス(CACTUS)』です。
特徴をピックアップしてみましょう。
- 馬蹄型のようなフォルム
- 収納できるのはコインだけ
- 大容量。30枚のコインを収納できる
- WILDSWANSらしい、美しい仕立て
本ページでは、使い勝手や特徴に鋭く迫っていきます。
スペック
| ブランド | WILDSWANS | |
|---|---|---|
| 商品名 | カクタス(CACTUS) | |
| 素材 | ホーウィン社 シェルコードバン | |
| 収納 | カード | - |
| お札 | - | |
| 小銭 | 30 | |
| サイズ | W70 × H70 × D20mm | |
| 重さ | - | |
本品は、残念ながらすでに廃盤。
本ページで紹介するカクタスは、ホーウィンシェルコードバンを使った、高島屋特注のアイテムです。偶然見つけた展示品を購入したものです。
使い勝手
本作はコインケースにカテゴライズされる一品。お札やカードは収納できません。
丸いフォルムが特徴です。コロンとしたルックスは、どこかWILDSWANSらしくない。小さくて手に収まるサイズです。

サイドから見ると厚みがある。ここはWILDSWANSらしいですね。革の折り重なるデザインは、さながらミルフィーユのよう。立体的なフォルムに仕立てられています。

小さいながらも所有欲が満たされるのは、プックリと膨らむボリュームのおかげでしょう。

シングルホックで停めるデザインです。

開くとこんな感じ。内装は、サドルプルアップです。

コインの収納スペースはこんな感じ。

収納力は、極めて高い。20枚くらい収納しても、2/3くらいしか埋まりません。30枚くらいは入れることができます。コインをスロットインするデザインだから、視認性はよくありません。取り出さないと使えないのは、「馬蹄型のコインケース」と同じですね。

たくさん詰め込むと、折りたたまれた革が伸びるデザイン。外側から見たときに、ミルフィーユのように見えたのは、この構造のためです。手間がかかっています。

さて、同じようなカタチの「馬蹄型」と呼ばれるコインケースがあります。
ちょっと比べてみましょう。
正面から見ると、よく似ている。
カクタスの方が、厚みがあります。

カタチはよく似ていますが、使い勝手がまったく違います。
馬蹄型コインケースは、コインをスライドさせることで、受け皿にコインが溜まり並ぶ。「U字型の返し」が壁となって、コインが落ちません。見やすくて取り出しやすいわけです。

ところがカクタスの場合、受け皿に「返し」がほとんどありません。スライドさせたコインがこぼれ落ちてしまうから、手のひらで支えなくてはいけない。馬蹄型のような使い方ができないのです。

ハッキリ言って、馬蹄型の方が使いやすい。
コインケースにはさまざまなカタチのものがあります。WILDSWANSのファンでない限り、あえてカクタスをチョイスする必要はないでしょう。WILDSWANSのコインケースなら、「タング」の方がずっと使いやすいです。

現在、カクタスはWILDSWANSの定番アイテムとしてラインナップされていません。つまり、欲しくても手に入らないのです。
入手するならヤフオクやメルカリ。または、WILDSWANSの創業記念でラインナップされるかもしれない。それを待つ必要があります。
人気ブランドのアイテムが、定番から外される。これも興味深い。カクタスが定番販売されていない原因は、使いにくく、売れないからでしょう。
特徴
最高級レザー、ホーウィン社シェルコードバンを使用
外装は、世界一高価なスムースレザー、ホーウィン社のシェルコードバンです。

ホーウィンシェルコードバンは、新喜皮革のコードバンよりも、ラフな表情です。さらに、本ページでご紹介しているカクタスは、制作されてから数年経った個体。そのためか、ちょっとオイルが抜けている気がします。
決して「良い環境」で保管されていたわけではないのでしょうが、スムースな表情は健在です。指のカタチまで映し出す表情は、バツグンに美しい。革のダイアモンドと呼ばれるだけのことはあります。

もとから新品ではなかったわけですから、あまり気負わずにガシガシと使ってみたいと思います。淡色のシェルコードバンは、生産ロットが少なく、なかなか手に入りません。ブラックや#8よりも色の変化するエイジングを味わえるのも醍醐味です。
内装にも高級なレザーを使用
内装の素材は、サドルプルアップ。
ベルギーの老舗タンナー、マシュア社の代表作です。
スムースレザーですが、中央にはシワが寄っています。カクタスは折り畳まれた状態がデフォルトだからでしょう。染料が移動する「プルアップ現象」が起きて、シワの部分のみ淡い色に変わっています。

こういったエイジングも本作の楽しみ。外装も内装も、変化していくのです。上質なタンニンなめしを使った、レザープロダクトだけの醍醐味です。
美しい仕立て
WILDSWANSは日本でもトップレベルの品質だと思うのですが、その代表的な意匠のひとつがコバです。
このコバは、裁断されて塗料を塗っただけではありません。
面取りし、何度も磨くことで、ラウンドしたフォルムに仕立てられているのです。だから、触っていて気持ちいい。

アパレルブランドでは、ありえない。流麗なコバは、WILDSWANSか、LAST CROPSでしか見ることができない醍醐味なのです。
あとがき
カクタスだけの魅力とは何か?
それは、コバなどのWILDSWANSの意匠、ラウンドした可愛げなフォルム。これに尽きると思います。
革のプロダクトとしての満足感はバツグン。ここに惹かれる人にオススメのコインケースです。
