間違いのないDバックルの選び方。使い比べてみて分かったDバックルの特徴と違い。おすすめのDバックルを紹介する

腕時計の「Dバックル」について、質問をいただきました。

Dバックルはどれを選べば良いですか?
おすすめを教えてください。

たしかに、これは悩ましい。

たくさんのDバックルが販売されていて、どれを選べば正解なのか、わかりにくいのです。

そこで本ページでは、Dバックルについて、三部構成でご紹介します。
ちょっと長いですが、最後までお読みいただければ、あなたに最適なDバックルが、はっきりするはずです。

第一部はDバックルの概要。
一般的なピンバックルと比べたときの、Dバックルのメリット・デメリットに鋭く迫ります。Dバックルが必要なアイテムなのか、はっきりさせましょう。

第二部は、Dバックルのタイプについて。
Dバックルには、「三つ折タイプ」「観音開きタイプ」の2種類あります。
両方使い比べて気付いた、それぞれの特徴、メリット・デメリットに迫ります。

第三部は、おすすめのDバックルの紹介。
いくつか購入してみた中から、おすすめのDバックルをご紹介します。

Dバックルは、何年も利用できるアイテムです。本記事を読んでから購入しても遅くないはず。

ぜひ参考にしてみてください。

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Dバックルについて

Dバックルとは何か

正式名称は、デプロイメント バックル(Deployment-Buckle)
略して、Dバックルです。

おなじみの尾錠留めがこちら。ピンバックルといいます。

対してDバックルがこちら。

あまり違いが無いように見えるかもしれませんが、Deployment(展開する) Buckle(尾錠)の名のとおり、ガバっと開くのが特徴です。(写真は三つ折タイプ。詳細は後述)。

Dバックルの機能を一言で説明すると、
「革ベルトを、金属ベルトのようにカンタンに着脱できる」。これに尽きます。

ピンバックルとDバックルの違い

ピンバックルから、Dバックルに切り替えることで、どのような変化があるのか。

両者を比較してみましょう。

素早く、簡単に着脱できる

Dバックルは、金属ベルトとほぼ同じように、カンタン、スピーディーに着脱できます。

ピンバックルの着脱

剣先とピンバックルが離れています。

時計が落ちないように、時計を支えながら、バックルに狙いを定めて剣先を通します。これにまず時間がかかる。

バックルに通した後、ギュッと引いて。

小さなベルトホールにピンを通す。

この状態から。

さらに、剣先をクイッと曲げて、定革、遊革に差し込みます。

装着完了。ここまで15秒以上はかかる。

外すときはこの逆です。やはり手間がかかる。

この着脱が面倒で、腕時計をしなくなっているのであれば、Dバックルを全力でオススメします。

Dバックルの着脱

三つ折タイプのDバックルで紹介します。

ベルトを腕に通し、定革に剣先を半差しする。最初からバックルとベルトは繋がっているため、「バックルに通す」アクションがそもそも存在しません。

慎重になる必要ありません。エイッと、プッシュしていける。

そのまま差し込んで、バックルを押し込んでいきます。

そのままグイッと押すと、パチンと音がして装着完了。わずか数秒で装着できます。

外すときは、両サイドに1mmほど飛び出たボタンを、両方とも押します。

内部構造のホックが外れた状態になるので、そのままバックルを持ち上げるとDバックルが展開します。何らかの理由で、片方のボタンが押されても、外れてしまうことはありません。

落下しにくいから安全

着脱するときには、腕時計が落ちないように注意が必要です。

ピンバックルの場合は、尾錠から外した状態で、手が滑るとアウト。時計は落下してしまう。忙しい朝も、疲れて帰ってきたときも、気を使います。

一方、Dバックルの場合は、ベルトがループ状で繋がった状態。

だから腕を通したあとに、手を離しても時計が落下することはありません。安全です。

革ベルトが長持ちする

ピンバックルだと着脱のたび、革をグッと折り曲げるアクションが必要です。

特にベルトホールのまわりに負荷がかかります。毎日の着脱によるダメージが蓄積され2〜3年で寿命が来るそう。だから時計の革ベルトは交換が必要になるのです。

Dバックルの場合、ベルトホールにバックルが一体化しています。一度サイズを合わせてピンを固定したら、ピンの着脱アクションは不要です。定革に差し込むときも、ベルトを強く引いたり、折り曲げたりしなくてすむ。革に負担がかからないため、きっと長持ちするはず。

ただし、耐久性がアップするのは、あくまでも伸縮についてのみ。

Dバックルでも、汗による劣化は変わりません。ベルトを外したあとに、ベルトの裏面を軽く拭いてあげるくらいのメンテナンスはしましょう。ベルトに染み込んだ汗や皮脂が除去されるので、長持ちするとのことです。

Dバックルのデメリット

装着感はピンバックルに劣る

ピンバックルは小さなパーツだから、革が肌に触れる面積がDバックルよりも広い。革は吸水性・吸湿性に優るため、肌に触れる面積が大きいほど気持ちよく装着できます。

理屈抜きに、「ピッタリとくっついている感」がきもちいい。

Dバックルも装着した姿は、パット見同じなのだけど。

実際には、3cmほどの金属パーツを手首に沿わせることになる。革ではなく、金属が肌に触れるわけです。

一般的な金属バックルと同じようなイメージですね。

つまり、革の装着感を最大限味わいたいなら、Dバックルよりもピンバックルが勝ります。

サイズが合わないとデスクワークで邪魔

Dバックルはいくつかのパーツが組み合わさっているため、ピンバックルより厚みがあります。

Dバックルがどの位置にくるかは、手首のサイズによって変わるのだけど、もし真下にくるならちょっと気になるかもしれません。 

パソコンを使うとき、バックルが真下にあると手首が少し浮いた感じがします。これは、「薄いDバックル」をチョイスすることで、ある程度解決できます(後述)。

こんなふうに、バックルが真下からズレるなら問題ありません。弾力のある革が机に接するので違和感が少ないからです。

良いものを選ぶと3,000円くらいする

基本的に、Dバックルは別売りです(ベルトを買うと付いてくるものではない)。

質感がそこそこ良く、丈夫で長く使えるものをチョイスすると、3,000円くらいします。

Dバックルの種類と選び方

Dバックルには2種類あります。

  • 三つ折タイプ
  • 観音開きタイプ

少し比べてみましょう。左側が三つ折タイプです。
構造が違うし。 

フォルムも違う。

三つ折タイプの方が、「バックルを開いたときのループ」が小さいのが伝わるでしょうか。どちらも同じフィット感でピン位置を調整しているのだけど、観音開きタイプの方がガバっと開いています。

つまり、観音開きタイプの方がスムーズに着脱できます

だから、「手が大きい人には三つ折タイプは合わない。」と言われることがあるのでしょう。

しかし、結論としては、心配無用です。
私の手首は16cm弱。手のひらは一般的な男性より、ずっと大きめです(バスケットボールを片手でつかめるくらい)。

三折りタイプで、ちゃんと通せます。親指はすぼめなくてはいけないけれど、これは金属ベルトでも同じですね。そもそも金属ベルトと構造が同じわけですから、金属ベルトが通せるなら、三つ折タイプのDバックルでも問題ないのです。

さて、それぞれの特徴を見ていきましょう。

三折りタイプ

つくり

展開した状態。

中央の接合部が可動するので、閉じていく。最後に、カチリとはめる。

手首に面するパーツのカービングは左右対称ではありません。

これは、手首に、このように当てるから。

どの位置がフィットするかは、手首のサイズやカタチによって決まります。

装着方法

冒頭でもご紹介したので、カンタンに。

腕に通して、可動部を動かす。

剣先を定革に差し、グッと押しこんでいく。

最後に、パチンと留めるだけです。

三折タイプのメリットは、この手軽さ。
後述する「観音開きタイプ」より着脱が用意です

三つ折タイプが合わない人

注意点は、手首が細い人に「フィットしない」恐れがあること。

細腕の私の場合、標準的なベルト長(120mmと75mm)では使えない。もっともループが小さくなる位置にセットしても、スペースが生まれてフィットしないのです。

ピンバックルでもっとも短い位置でセットして少し余裕があるなら、フィットしない可能性があります。厳密に調べるなら、腕周りを測ってみてください。160mmくらいがフィットする限界です。それより細いと、余ってしまうはず(ベルトホールの位置にもよりますが)。

腕の細い人が三つ折タイプを使いたいなら、方法は3つ。

穴をあける

革ベルトを購入するときに、開けてくれるお店がありますね。
自分であけてもいいでしょう。

サイズ展開されているベルトを選ぶ

有名な時計メイカーの純正ベルト、たとえばNOMOSなら、短いベルト長もラインナップしています。ただし、純正ベルトは高いです。

ベルトをオーダーする

サイズだけでなく、好みの革やステッチも選べる。何より、楽しい。

ただし、革ベルトのオーダーは安くありません。
小さなパーツを美しく仕立てた革ベルトは、熟練職人による技術の結晶です。作成に時間がかかるプロダクトは高価で当たり前です。

観音開きタイプ

つくり

展開した状態。

片方を閉じて。

さらに片方を折りたたんで留める構造です。

カービングは左右対称。「観音開きタイプの方がフィット感がいい」と聞くのは、このフォルムのためかもしれません。

こちらもどこにフィットするかは、手首のサイズ・カタチにもよるのですが、三つ折タイプと比べると、中央のフィット感が高いですね。

左右対称のデザインだから、側面にいくほどスペースができてしまいます。

装着方法

三つ折タイプより、バックルが大きく開くため、 腕にスッと通しやすい。
ただ、前述のとおり、「手が大きく、手首が細い」私でも三つ折タイプで問題なく通せます。あまりに気にするポイントではないでしょう。

腕にはめたあと、まずは片方、バックルにカチリとはめる。

続けて、もう片方をもってきて。

定革に差し込んで、グッと押していきます。

最後にカチリとはめます。

外すときは、両サイドのボタンを押す。これは三つ折タイプと同じです。

三つ折タイプと比べてのデメリット

着脱のアクションが多い

展開された2つのパーツをはめ込んで装着するため、三つ折タイプより1アクション手間が増えます。

三つ折タイプより厚みがある

机で作業をしないなら、気にする必要はないと思います。
ただ、パソコンを使うなどのデスクワークをするなら、あまりおすすめしません。バックルが厚いほど手首がより浮いた状態になる。ストレスを感じるかもしれません。

もしかしたら、もっと薄いタイプもあるのかもしれません。ただ、複雑な構造のパーツを薄くするということは、剛性(丈夫さ)とのトレードオフのはず。耐久性が気になりますね。

耐久性、清潔感など

構造が三つ折タイプより複雑ですから、耐久性も落ちるかもしれません。重なり合うパーツも多いので、キレイに保ちたい人は掃除も大変ですね。

観音開きタイプが合わない人

デスクワークをしない細腕の人が、標準のベルト長でDバックルをチョイスするなら「観音開きタイプ」をチョイスしたほうが良いかもしれません。

少しでも早く着脱したい、金属ベルトと同じような装着感を得たいなら、三つ折タイプの方が良いと思います。

三つ折タイプと観音開きタイプ。どちらがいいのか。

私は、三つ折タイプをおすすめします。

理由は、着脱が楽なこと。そして、薄いためデスクワーク時に邪魔になりにくいからです。

着脱は、1日2回だけ(といっても朝は面倒)ですが、装着感は一日中続くのです。

間違いのない、Dバックルの選び方

ポイントは、2つ。

  • 時計に合うサイズを選ぶ
  • お値段3千円以上。信頼できるメイカーから選ぶ

Dバックルのサイズ

Dバックルは18mm、20mm、……と、サイズ展開されています。
このサイズ表記は、尾錠側の幅です。時計ケース側ではありません。

革ベルトの尾錠サイズと同サイズをチョイスすればOK。

まだ革ベルトを持っていないなら、時計ケースのラグ幅を測ってみましょう。

「時計ケースのラグ幅 -2mm」をチョイスしましょう。ケースラグ幅が20mmなら、Dバックルは18mmということです。

-2mmをチョイスする理由は、「より多くのベルトを選ぶことができるから」です。

ベルトの尾錠側の幅は、ケースラグ側の幅-2mmでデザインされています。20-18mm、18-16mmなどですね。このためラグ幅-2mmのサイズで選んでおくと、たくさんのベルトラインナップの中から、選ぶ楽しみが増えます。

もし、ケースラグ幅20mmなのに、Dバックル20mmをセレクトすると、後悔するかも。気に入ったベルトを見つけても、ラグ幅が20mm、尾錠幅18mmだと思います。20mmのDバックルは使えないため、そのベルトを使いたいなら18mmのDバックルを追加購入することになります。

信頼できるメイカーから選ぶ

Amazonや楽天では、さまざまなDバックルが売られています。

1,000円程度のDバックルは、避けましょう。安すぎて信用できません。

Amazonの安すぎる商品のレビューは中国のショップによる不正レビューが横行しています。すべてがヤラセとは言えないけれど、レビューを見てみると、高評価も悪い評価も付いています。

評価とは、価格に対する満足度です。

安いDバックルでも、値段に見合っていれば、★5をつける人もいる。
つまり、高評価だからといって、品質が高いとはいえません。

たとえば、こちらのDバックルはノーブランド。質感や、はめたときのパチンとする音が安っぽい。安価なDバックルには、上質さを求めることはできないのです。

1000円のものは避けて、3000円以上のものをチョイスしましょう。その方が満足度が高いです。

Dバックルは何年も使えるパーツです。もし5年使うなら、2,000円の差など400円/年の違いでしかないのです。

おすすめの三折Dバックル

私のおすすめは、BAMBI、またはSEIKOのDバックル。
どちらも日本の老舗メイカー。3〜4,000円で手に入ります。

私は以下の両方を愛用しています。

もちろん、もっと高価なものもあります。
たとえば、SEIKOのハイエンド、GrandSeikoのDバックルは4万円ほどします。高価なものほど、精密な装飾がほどこされ、仕上がりも美しいですが、機能は3,000円のものと変わりません。どこまでお金をかけるかは、あなた次第。私がアレコレ言うのは野暮ですね。

BAMIBIとSEIKOの三つ折タイプの比較

では、SEIKOとBAMBIでは、どちらのDバックルがいいのか?

3mmまでの厚みのベルトを使うなら、BAMBIをおすすめします。

違いを見ていきましょう。

ゴールド:BAMBIのDバックル
シルバー:SEIKOのDバックル

縦横のサイズは一緒。

カーブの角度、長さも一緒。寸分違わないフォルム。たぶんOEMでしょう。

ベルトを留めるパーツのカタチが違いますね。
ロゴや加工、見た目の違いもありますが、これは好みによるのでお好きな方をどうぞ。

機能的な違いが、このピンの部分にあります。

左側がSEIKOです。

SEIKO:BAMBIよりも高さがあり、弓なりのフォルム。
BAMBI:SEIKOより低く、フラットなフォルム。

この違い、カタログスペックに書いてないのですよ・・。なんとかしてほしい。

SEIKOの方が、パーツ自体も少し厚いですね。剛性があって丈夫だと思います。

これにより、2つの差異が生じます。

SEIKOは厚みのあるベルトも装着できる

装着できるベルトの厚みが違います。

革ベルトには、表面がフラットなものと、ふっくらとしたものがあります。

BAMBIが得意なのは、フラットな方。高さ3mmくらいはイケます。一般的なベルトなら問題ないということです。 4mm以上の厚みのあるベルトの装着は、避けたほうが良いでしょう。無理やり留めると負荷がかかりますし。何かの拍子で外れてしまう恐れがあります。

こちらが、ふっくらとしたもの。内部に芯材が入っていてるのです。写真では伝わりにくいかもしれませんが、ベルトの表情を豊かになっています。「肉盛り」という技法ですね。

肉盛りしたベルトは、ベルト中心部に厚みが生まれます(フラットではない)。SEIKOが得意なのはこちらですね。SEIKOは4mmくらいイケそうです。

BAMBIの方がデスクワークが快適

パソコンなどのデスクワークでは、より薄いBAMBIのほうが、気持ちよく使えます。

あとがき

ピンバックルをお使いなら、Dバックルへの変更をおすすめします。

最後に、Dバックルのメリットをまとめます。

  • 着脱がカンタンだから、朝の忙しい時間を節約できる
  • 革ベルトに負荷がかからないから、高価なベルトを長く愛用できる
  • パチンと留める機械的な構造が、男ゴコロをくすぐり、所有欲を満たしてくれる

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