当サイトで紹介したアイテムの中から、2019年に「よく使った革製品」を紹介します。
掲載ルール
それぞれの革製品に良し悪しがあるから「オススメの掲載」は難しい。
フェアに紹介したいので、触った・使った回数が多いプロダクトを、製品カテゴリごとにピックアップすることにしました。
このルールだと2019年12月に購入したプロダクトは挙げられないのだけど、そこは来年に・・・。
財布
もっとも購入したプロダクトは財布ですし、一番使った種類が多いのも財布。
今年も20以上使いました。中でも使用頻度の多いものを6つご紹介。
WILDSWANS パーム
コンパクトな二つ折り財布、パームです。
よく使ったモデルは、ホーウィン シェルコードバンとサドルプルアップ。合計100日くらい使ったはず。
シェルコードバンは、世界一の光沢とスムースさを誇る、大好きな革です。キズや染みができやすいのがネックかな。パームは水に濡らしてしまったのだけど、メンテナンスしながら愛用しています。
キズ・染みが付いてしまったときは大変ショックだけど、諦めもつくもの。どんな製品だってそうですね。キズ予防のため布袋に入れて持ち歩いたりもしたけれど、使い勝手を犠牲にするからやめました。「ガシガシ使うからこその変化」を楽しみたいと思います。
好きなところ
- フォルム
- ボリューム感
- 美しいコバ、ステッチ
- クラシックな二つ折り財布よりもコンパクト
気になるところ
- お札の出し入れをするときに引っかかることがある
参考:パームのレビュー
three2four POCKET
three2fourの「ミニL字ファスナー」にカテゴライズされるお財布。
2019年はPOCKETとSIZの使い比べもしました。
エイジング検証だったり、気軽さだったりで、POCKETの方が使用日数は多かったです。合計、70日くらい使ったかな。
POCKETの色はバーボン。シェルコードバンのカラーラインナップで、ナチュラルに次ぐ淡いカラー。濃淡に個体差もあるし、使い方によって変化も変わるでしょう。透明感が好き。
ポケットに入れて持ち歩いていました(POCKETは、ラフに使いたいのです)。当然ながらキズも付けてしまった・・・。さて、どのように変化していくでしょうか。
ちなみに、コードバンはワックス・クリームによるメンテナンスで、美しいツヤを復活させることができます。ガンガン使って大丈夫。
好きなところ
- 気軽に持ち歩ける
- コインが使いやすい
気になるところ
- たくさんのカード、お札は収納できない
- お札を10枚くらい入れると、ファスナーがひっかかることがある
参考:POCKETのレビュー
ハンモックウォレットコンパクト
ポケットに突っ込んで出かけられる「小さな財布」です。
今日、さまざまな「小さな財布」があります。その中で、ハンモックウォレットコンパクトは「コインやカードの使いやすさ」に優れた財布です。
素材はエンボスレザー。キズ・水に強くてガシガシ使えるのもいい。汗が気になるとき(夏場の通勤や、自転車など)、それから国内旅行でも気負わずに使えます。
新品のときより、ヤレ感が出てクタっとしてきました。
好きなところ
- 小さくて使いやすい
- キズや水を気にせず、ガシガシ使える
気になるところ
- お札が三つ折りになる
- 色ツヤの変化が楽しめない
エムピウ ストラッチョ ブッテーロモデル
エムピウの最小財布、ストラッチョです。
ストラッチョは様々な革でラインナップされています。最上位のスペリオーレも持っているけど、もっとも使ったのはブッテーロ。エイジング検証も兼ねて、30日くらいは使ったかな。
素材はブッテーロ。イタリアのタンナー、ワルピエ社のオイルレザーです。薄化粧ですからキズが付きやすく、トラの目立つものも多い。
ポケットの中に入れて持ち歩いたり、自宅でも触ったりしていました。
新品のときはかなりマットで「安っぽく」見えるかもしれないけど、変化したあとの光沢が素晴らしいですね。大好きな革のひとつ。
コバの仕上げなどは最高品質とは言えません。しかし、コンパクトなボディに十分な実用性が詰め込まれています。お気に入りの財布です。
そもそも「安くて上質な財布」は存在しません。1万円以下で手に入る、実用的な小さな財布ならストラッチョはおすすめの1品です。
好きなところ
- 小さい
- 高すぎないからガシガシ使える
- ブッテーロのエイジングを楽しめる
気になるところ
- お札が三つ折りになる
- (高価な財布と比べると)コバの仕上げが気になる
- 札入れが床面(スペリオーレで解決するけど、素材がミネルバになる)
safuji ミニ長財布
カード、コインが使いやすくて、たっぷり収納できる財布。
2019年は、40日ほど使用。
外装はナッパネビア。日本の革工房ではあまり使われていませんね。
イタリアのタンナー、バダラッシ・カルロ社の革です。表面を覆うロウは、すぐに落ちます。
好きなところ
- コイン、カードをサッと取り出せる
気になるところ
- 小さい財布、薄い財布と比べると、厚くて大きい
参考:ミニ長財布のレビュー
キプリス馬蹄コインケース
日本の伝統的なコインケース、馬蹄型(ばていがた)。大好きなカタチです。大好きなコードバンです。ガバッと開き、サッと入れれる使いやすさが特徴。
トータル50日は触ってるはず。
写真やYoutubeの撮影のときに使うコインは、キプリスの馬蹄コインケースからすぐに取り出せるように準備しています。メインでつかっている財布のコインが多くなってしまったら、こちらに収納したりも。
好きなところ
- コードバン
- 使いやすい
- 小さい。可愛い
気になるところ
- カードもお札も入らない
キーケース
2019年は4つくらい使ったけど、WILDSWANSのキーケースがダントツでした。
WILDSWANS CLIPPER 2
WILDSWANSの定番キーケース。ホーウィン シェルコードバンモデル。
300日以上持ち歩いていました。当然、傷もできる。
ポケットに入れて持ち運んでいたため、1日1時間ほど「乾拭き」されていたはず。良い感じに育ちます。
ほとんど型崩れしていない。さすがシェルコードバン、さすがWILDSWANS。
好きなところ
- シェルコードバンを毎日触れる
- シンプルで使いやすい
- 堅牢
気になるところ
- 内装のキズは防げない
- 内部のホックは人によっては必要ない
カードケース(名刺入れ)
ONESWORKER 名刺入れ
香川のONES WORKERの店舗で、手に入れた名刺入れです。アトリエが併設された素敵なお店です。香川に行かれる際はぜひ。
素材はプエブロ。ミネルバと同じく、イタリアのバダラッシ・カルロ社がつくる革です。
ポケットに突っ込んで持ち歩いていました。当初、毛羽立ちのあった表情も、200日弱使うとこうなる。
ツヤツヤです。
好きなところ
- プエブロ
- グングンと進むエイジング
気になるところ
- ツヤが出てくるので、目立つかも(お仕事によっては使いにくい)
- もっちりとした質感は、好みが分かれるかも
カバン
ONES WORKER ボディバック
2017年にオーダーメイドしたカバン。
私にとって、はじめてのカバンのオーダー。
「カスタムオーダーの楽しさ」を教えてくれた、思い出の一品です。
素材はミネルバ・ボックス。色はオルテンシア。大好きな革、大好きな色です。
良い感じに育ってくれています。このクッタリ感も好きなのです。
好きなところ
- 気軽に使えるサイズ感
- ミネルバ・ボックスのさわり心地
気になるところ
- たくさんの荷物は入らない
- 光沢が出るので、カジュアル向けかな
アークテリクス アロー22
※革製品ではありませんが、よく使ったので。
2019年も150日ほと使っているはず。
化繊のカバンは、加水分解したりで3年くらいでボロボロになったものもある。だから、アロー22も寿命は3年ほどと思っていたのだけど・・・。
2019年で7年目を迎えました。「よく使っているカバン」としては人生最長。まさかのランドセル超えです。
革製品をいくつも持ち歩くので、雨が降りそうな日はアロー22に頼ってしまう。
ほぼ完璧な防水性能があるため、安心しがちですが、注意しましょう。ファスナーが少し空いていたことに気づかず、隙間から侵入した雨で、コードバンや栃木レザーにシミを作ってしまいました。しっかりとファスナーを閉めましょう。
好きなところ
- 丈夫
- 雨もヘッチャラ
- シンプルなデザイン
気になるところ
- とにかく人とかぶる
- ちょっと大きい(満員電車では邪魔)
参考:アークテリクス アロー22のレビュー
参考:アロー22 2019年モデルのレビュー
眼鏡ケース
メガネケースもいくつか持っていて併用しています。
エムピウ ロトロ オッキアリ
ほぼ毎日使う。旅行にも持っていく相棒です。
2019年は、150日以上触っているはず。
素材はマレンマ。ブッテーロより油分が多く、テリテリの表情に変化する。
ロトロは革で巻くデザイン、コロンとしたフォルムが好きでずっと使っています。今年はもう1本買いました。
好きなところ
- イタリアの革、マレンマを使用
- どこに触れても革
- フォルムがかわいい
- 防御力が高い
気になるところ
- サッと出し入れできない
- 大きい
ILLBUSETTO 眼鏡ケース
フィレンツェの伝統技法で作られた一品。
「同じようなカタチの眼鏡ケース」は他のショップ、ブランドでも売っていました。10店舗以上回ったのだけど、ILLBUSETTOがバツグンに美しかった(グッと惹かれるものがあった)。
明るい空間ほど、透明感と濃淡を楽しめます。
店舗では、いろいろと相談させていただきました。
「色が変化する革製品が好きで、青い眼鏡ケースを探している」とお伝えしたところ、制作の手を止めて、嬉しそうにいくつも見せてくれた。その中から選んだ一品です。フィレンツェ伝統の革製品の作り方や、染色の方法。色の変化やメンテナンスなど、いろいろ話をさせてもらった。楽しい時間でした。
ご主人のジュゼッペファナーラさんは、日本語を(少し)話せるし、息子さんは英語が話せます。フィレンツェ旅行の際は、ぜひ足を運んでみてください。タンニン革がお好きなら、きっと楽しめるはず。
Il Bussettoの製品はamazonでも売っています。送料が高いのはイタリアからの直送だから。とはいえ、イタリアに行くよりはずっと安いですね。
日本で実物を見たいなら、東京 蔵前のエムピウに行けばあるかもしれません(2019年は数点、展示されていました)。
好きなところ
- 気軽に使える
- 美しいフォルム、表情
気になるところ
- キズは付きやすい
- コバの仕上げは、日本の革製品の方がキレイ
- 入り口が全開のため、持ち歩きには不便かな
椅子
椅子はスペースを占有するため、財布のように沢山買うわけにはいかない。
アレコレと悩んでいたのだけど、2019年に購入しました。
pat woodworking おあげ
革の椅子はいくつもある。
ただし、実用性と美観、色ツヤが変化するエイジングを楽しめる椅子はほとんどない。
私がチョイスした椅子は「おあげ」でした。
結論としては、買ってよかった。ほぼ毎日使っています。
座らないときも「サイドテーブル用途」で高さがちょうど良い。ちょと本を置いたりとか(ただし、天板がカーブしているため、安定性はない。コーヒなどの飲み物は怖くておけません)。
キズは付くけど、目立たなくなるはず。サドルプルアップレザーですから。
安くないし、場所も取る家具です。気にいるかどうか、不安かもしれません。であれば、ぜひWILDSWANSの店舗に行ってみてください。京都と銀座、どちらの店舗にも「おあげ」が置いてあります。私は行くたびに何度も座りました。自宅にあるのに座ってしまう、素敵な椅子です。
好きなところ
- サッと使える
- エイジングを楽しめる
- シンプルで飽きないデザイン
- 上質な木材、革を使っている
- 細部まで丁寧に仕上げられている
気になるところ
- ちょっと重い(木材に黒檀をセレクトしたから。もっと軽い素材を選べば良いです)
デスク用品
自宅での仕事、PC作業用です。
ル・ボナー ブッテーロデスクマット
2019年3月に購入。200日以上触っています。
触らないのは、出張や旅行のときくらい。使用率95%を超えるプロダクト。
使っているとキズも付くのですが、少しずつ目立たなくなる。少しツヤも出てきましたね。
好きなところ
- ブッテーロを使用
- エイジングを楽しめる、大きなデスクマットは本作以外にない
気になるところ
- お風呂上がりや夏場は、汗が気になるかも
- キズはつきやすい
エムピウ カンペット
ミネルバリスシオを使ったマウスパッドです。ボリューム感とちょっと変わったカタチのものが欲しくてエムピウからチョイス。
ミネルバは変化のスピードも凄まじいのだけど、本作は変化が控えめ。
というのも、トラックボール(MX ERGO)を置いて使っているからでしょう。マウスのように動かさないため、ほとんどエイジングしない。通常のマウスで使うなら、もっと顕著に変化するはず。
好きなところ
- 美しいフォルム
- ミネルバリスシオを使用
- エイジングを楽しめる
気になるところ
- 傷つきやすい
IDホルダー
KTルイストン IDホルダー
もう2年以上使っています。毎年200日は持ち歩いています。
ほぼ毎日使っているので、キズもつくし、濃淡も出てきた。
素材はコードバン。キズや水が付いても、メンテナンスすることで光沢を取り戻せる。
IDカードはビジネスパーソンの顔です。清潔に見えるよう、メンテナンスしたほうが良いですね。見違えるほどキレイになります。
before。雨などでシミがついた状態。
after
ちなみに、長谷革屋のワックスを使用。すごくオススメ。ブッテーロ、シェルコードバンにも使えます。ちっちゃいけど、たくさんは使わないので長持ちします。
好きなところ
- コードバンの美しさが堪能できる
- シンプルなデザインで使い安い
気になるところ
- 表面の「透明な板」が傷がついてきた
ブックカバー
一革 シェルコードバン ブックカバー
ホーウィン社、シェルコードバンの一枚革を使った、贅沢なブックカバー。
2019年の後半に購入。
これまでもブックカバーはオーダーしたことがあったのだけど、高価なシェルコードバンでのオーダーは初めて。失敗できないので、やっぱり緊張しますね。
気に入っているところ
- ホーウィンシェルコードバンを手に、読書ができる
気になるところ
- 厚みのある本がセットできない
腕時計の革ベルト
さまざまな革製品があるけど「肌に触れ続ける革製品」といえば、腕時計のベルトでしょう。
もっともよく使う革製品。1年のうち300日はベルトを装着しているはず。1日10時間だとして、年間では3000時間ほど触れている革製品になります。夏もずっと使っています。今年はメタルバンドを一度もつけませんでした。
使っているのは、ほとんどオーダーメイドです。
クロコのベルトを試したくてCASISのベルトを購入してみたのですが・・・。手首のサイズに調整されたオーダーベルトの方が快適だし、着脱も楽。だから、あまり使えてないんですよね(手首のサイズが標準なら、まったく問題無いです)。
気に入っているところ
- 革を身につける楽しみがある
- フィット感、気持ちよさはメタルバンドより上
気になるところ
- 夏は汗が気になるかも(革の種類によっては、夏場は避けたほうが良いでしょう)
参考:腕時計の革ベルトと金属ベルトの違い
参考:Dバックルの選び方
ベルト
CIRCUS OF HAPPINESS ナローベルト
東京 青山に拠点を置く、CIRCLEさんのオリジナルブランド、CIRCUS OF HAPPINESSのベルト。両面にサドルプルアップを使った贅沢なベルトです。
革のベルトもたくさん持っているのだけど、一番使ったのがこちらかな。エムピウのDUEも同じくらい使ったかも。
好きなところ
- サドルプルアップの表情
- 細い。スタイリッシュにキメたいときに
気になったところ
- 25mmは細くてドレス寄り。カジュアルには合わせにくいかも
参考:CIRCUS OF HAPPINESS ナローベルトのレビュー
あとがき
2019年は、YoutubeやInstagramをスタートしました。
紹介方法が変わると、視点も変わる。また違うことに気づく。
ひとつひとつの製品に向き合うことで、2018年よりも丁寧に解説できたのではないかと思います。blogの更新頻度は下がりましたが・・・。
2020年もさまざまな機能的なプロダクトを紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。