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m.ripple Dew-001のレビュー。イタリアレザーを贅沢に使ったコンパクトな二つ折り財布の使い勝手、メリット・デメリットについて

m.ripple(エム リップル)は、東京上野にアトリエを構える革工房。財布、カバンなどのさまざまな革製品をラインナップしています。

オーダーした二つ折り財布『Dew-001』が届きました。数ヶ月使ってみてのレビューとなります。

特徴は以下のとおり。

  • 二つ折り財布
  • 独特のフォルム
  • コンパクトでケツポケに最適なサイズ
  • 素材はミネルバボックスとマレンマ
  • 色ツヤが変化する、エイジングを楽しめる

本ページではDew-001の使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。参考にしてみてください。

スペック

ブランドm.ripple
商品名Dew-001
収納力★★★☆☆
お札入れの数1
お札の枚数10
コインの枚数15
カードの枚数6
サイズW90×D108×H25mm
重さ87g
素材ミネルバボックス × マレンマ

取扱サイトでDew-001を見る

動画

ユニークな構造やフォルム。ミネルバやマレンマの表情、エイジングを紹介しています。

m.ripple Dew-001。使い方と特徴。ミネルバボックスとマレンマのエイジング

使い勝手

Dew-001は「二つ折り財布」にカテゴライズされます。

実測で横幅92mm 高さ106mm。少し縦長のフォルムで、一般的な二つ折り財布より小さい。手のひらでしっかりと掴むことができる。このサイズ感がケツポケに最適なんです。

素材はミネルバボックス(詳細は後述)。カラーは、オルテンシアを選びました。

微細な凹凸と柔らかな弾力のある革で、サラリとした触り心地が気持ち良い。使わないときも手に取りたくなる、そんなお財布です。

ミネルバボックスの一枚革を折って仕立てたユニークな構造。革の断面がないため、手に持ったときもミネルバの手触りを堪能できます。

プックリと膨らんだフォルムも特徴のひとつ。柔らかなミネルバだからこそ表現できる造形美です。

厚みは実測で20mm以上あるのだけど、これは新品のときだけ。店舗でエイジングしたDew-001を見せてもらったのだけど、かなりスリムになっていて、ヒップポケットに入れても不快感がありませんでした。

私もケツポケで利用していましたが、3ヶ月ほどでぺたんと薄くなりました。ポケットからの取り出しもスムーズで小回りが効く。手ぶらに最適な財布なのです。

財布を留める仕組みはありません。1アクションで開くだけ。もちろん閉じるときもパタン、です。お金やカードを使うまでのアクションが少ないのも、二つ折り財布のメリットですね。

一般的な二つ折財布とは、構造が違います。結論としてはDew-001のほうがアイテムの出し入れがしやすいです。

各アイテムの使い勝手を解説していきましょう。

カード

カードポケットは2箇所。合計、6枚ほどのカードを収納できます。

メインポケット

財布の中に、カードポケットが備わっています。

ポケットの革は、マレンマ(詳細は後述)。

カードを縦に入れます。

少しカードが顔を出すため、取り出すときにヒョイとつかめます。

ひとつのポケットに、カードを重ねて入れるデザイン。
仕切りはないため、たくさんのカードの中から、使いたいカードを素早く選択することはできません。中央のカードを使いたいなら、一旦、少し出してズラして選別して取り出します。

たくさんのカードを満遍なく使うなら、Dew-001は合わないと思います。段上にカードが並ぶ、長財布をチョイスした方があなたのスタイルに合っていて、ずっと使いやすいと感じるはず。
YUHAKU 束入れ カードポケットのカーブ

ポケットに収納できるカードは、5枚ほど。
仕切りを無くすことでコンパクトかつ、スリムに携帯できるわけです。小さくてたくさん入る財布は存在しません。最低限をコンパクトに持ち歩きたい人に、オススメできる財布です。

注意点がひとつ。
カードポケットには余裕があるため、カード1,2枚で逆さにすると抜け落ちてきます。ただ、財布を逆さにするシチュエーションはほとんどないはず。カバンの中で引っくり返るか、財布を落としたときくらいかな。また、3枚以上入れれば落ちないため、あまり気にしなくてもよいでしょう。

革は伸縮するため6枚以上収納することもできますが、推奨しません。

容量以上にカードを入れると、革が伸びます。伸びた革は、元のサイズに縮むことがないため、ポケットに余裕が生まれてしまう。カード枚数を減らさないなら問題ないのですが、6枚から3枚と減らすと、逆さにしたときにカードが落ちるかもしれません。

サブポケット

コインポケットを留めるフラップ(後述)とボディとの間に、隙間があります。
ここに差し込むことができます。マチはないため1枚だけ。

取り出すときにはフラップを開く1アクションが必要となるため、あまり出し入れしないカード、Suicaなどの交通系を入れておくと 定期にもなるし、決済もできる。便利なポケットです。

強くテンションがかかっていて、キッチリと収まる。フラップを開けた状態で逆さまにしてもカードは落ちません。

お札

内装には、ミネルバボックスの床面(革の裏面)が使われています。

一般的に、床面は繊維がむき出しになるため、外装ほど美しくはありませんし、毛羽立ちがあるため手触りもよくない。お札が引っかかることもあり、出し入れが快適とは言えないのです(お札の滑り止めとしての効果があるため、一長一短。)。

しかし、Dew-001では床面が滑らかに処理されています。お札が引っかかることなく、スムーズに出し入れできます。

サイズ感は1万円札に少し余裕があるくらい。一般的な二つ折り財布より、ずっとコンパクトです。

財布を開いたときに、自然とお札入れのポケットが少し広がる。お札やカードを取り出すまでの所作がカンタンになる、実に機能的なデザインです。

たわみがあるから、お札も数えやすい。使い勝手がいい。

ほとんどの「小さな財布」はサイズを小さくするために、三つ折り構造になっています。三つ折りの財布だと、お札も三つ折りになってしまう。自販機を使うときに、お札を伸ばして平らにしないと、入れにくかったりするわけです。
小さい財布abrAsus 開く様子

一方、Dew-001は一般的な二つ折り財布と同じ構造のため、中央で折れるだけだから、より快適です。

もちろん、「使いやすさ」と引き換えに、三つ折りタイプよりも財布が大きくなってしまうのだけど。ここはトレードオフですね。

収納は10枚くらいがMax。
新品のときは10枚入れると、革のハリで開いてしまう。
ミネルバはエイジングすることで、「しなやか」になるため、使っているうちにピタッと閉じるようになります。

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コイン

カードポケットと反対側にあるのが、コインの収納スペース。
こちらには、革のフタがあります。逆さにしてもコインが落ちることはありません。

フラップ状の革を引き抜くことで、コインの収納スペースがお目見え。
サイドにマチがあるため、そこそこガバッと開く。

ポケットの口も意外と大きいため、入れやすいです。

フラップを受け皿とする事で、ジャラリと滑り出すことができる。コインが落ちないように、手で囲んであげましょう。

収納は15枚くらい余裕で収納できる。十分です。
ただ、10枚くらいの方が、コインが選別しやすいし、財布もスリムになります。

取扱サイトでDew-001を見てみる

特徴

ミネルバボックス×マレンマ。オールレザーの財布

「革財布」の定義は曖昧です。革以外のファブリックを使っているのに「革財布」と言っている財布もあります。しかし革好きなら、やはりオールレザーに惹かれるでしょう。

そういった点でも、Dew-001は満足できる一品です。
外装はミネルバボックス。ポケットのパーツはマレンマ。どちらもイタリアのタンナーが作る、銘革です。

ミネルバボックス

トスカーナ州、バダラッシカルロ社のオイルレザー。

自然でランダムなシボも魅力。ミネルバボックスはいくつも持っているのだけど、シボには個体差があります。手に入れたDew-001は、繊細なシボが均等に入った個体でした。

フニッとした、柔らかな質感。触っていて気持ち良い素材です。

正直キズは付きやすい。新品のときの淡い色合いだと、けっこうキズが目立つものです。ただ、エイジングによって濃色に変化したあとは、揉み込んであげるとすぐに目立たなくなる。ガシガシと使える革なんです。

ミネルバボックス 水への耐性実験
マレンマ

ワルピエ社のオイルレザー。
ワルピエ社の革「ブッテーロ」に、より多く油分を含ませたのがマレンマです。カラーは「赤茶」でオーダーしました。「ブラウン」より、少し赤みがある色合い。

カッチリとハリのある、スムースレザーです。鮮やかなミネルバとのコントラストが楽しめます。

油分をたっぷりと含んでいるため、折り曲がるところはプルアップ現象が起きています。

血筋のある個体もある。天然の革だから当然です。

劇的なエイジングを楽しめる

ミネルバボックスとマレンマは、エイジングを楽しめます。両者のエイジングをご紹介しましょう。

ミネルバボックス

サラリとした表情が魅力ですが、これを楽しめるのは最初だけ。ミネルバは世界一早くエイジングが進む革で、1ヶ月も使えばハッキリと色艶の変化を体感できます。

用途にもよりますが、一年半使ったミネルバボックスのオルテンシアとは全然違う。これ、元は同じ色なんです。

サラリとした触り心地も最初だけ。油分でコーティングされるためか、少しずつキュッとした質感に変わっていきます。ミネルバのシボが薄まっていくこともあります。

当初の色。淡い青です。

使い込むと色・ツヤが変わりました。

透明感も生まれます。  

購入して1年以上。数ヶ月使ったもの。

コバも少し濃くなかったかな。透明感も出てくるんですよ。

マレンマ

新品。

マレンマのエイジング。濃色のため、色の変化は分かりにくいかもしれませんが、ツヤの変化はハッキリとわかります。

キズは避けられないのだけど、少しずつ目立たなくなります。エグれるような大きなキズは修復はできないのだけど、エイジングによって迫力が増す革です。

ミネルバよりも、エイジングスピードはゆっくりめ。数年使ったマレンマのメガネケース。エイジング度合いのご参考になればと。

エムピウ ロトロオッキアリ 使い方とマレンマのエイジング
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豊富なカラーバリエーション

ボデイのミネルバボックスは3つのカラー展開がされています。

  • オルテンシア
  • ナポリ
  • R.アンティコ

オルテンシア

イタリア語で紫陽花を意味する、青系。
使い込むことで、緑がかった深みのある色に変化します。本ページでご紹介しているDew-001です。

ナポリ

いわゆる黄色。こちらも色が深まっていきます。

R.アンティコ

ピンクです。男性は気が引けるかもしれませんが、エイジング後は「しっくりとくる色」になる。

m.rippleの製品は、「エイジング後の色合い」も含めて利用する革の色やステッチの色を決めているとのこと。

どの色も劇的に変化します。はじめてのエイジングを楽しむのにもおすすめな革です。

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独特なデザイン

一般的に、二つ折り財布は10以上に裁断した革を縫製して仕立てられています。

一方、Dew-001はわずか4パーツしかない。ボタンやギボシなどの留め具を一切使わず、数枚の革をステッチするだけで仕立てられています。

独特の構造だから、オーソドックスな二つ折り財布とは異なるルックスになる。人と違う財布は、所有する満足感もバツグンです。

リペアも少ないはず

縫い合わされてる革は4枚です。一般的な財布と比べると縫い合わせる箇所が少ない。シンプルな構造のため、強度も優れるはずです。

例えば、ダメージを受けやすい財布の下部。もっとも強固な「革の銀面」が使われます。一枚革を折りたたんでつくるDew-001だからこそ。

革以外を使っていないから、ボタンが緩んで付け替えるといったリペアも必要ない。
長く愛用できる製品としてデザインされています。

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細部の仕上げ

m.rippleは個人工房です。オーナーの村上氏が、デザインから制作まで一貫して行っているわけですが、細部まで丁寧に作られています。

コバは染料を入れない素磨き。ミネルバとマレンマがサンドイッチされた部位は、革の色が見えて面白い。

数ヶ月使い込んだコバです。透明感が出て良い感じに。

ステッチワークもキレイです。
糸の色は、革と同色。エイジングすることで、グッと濃い色になっていくため、ステッチが目立ってくるのかな。これは後日ご紹介できればと。

捻も引いてあります。 

パッケージ

ブランド独自のパッケージがあると、やはり嬉しい。

永久的に修理を受け付けているとのこと。

不織布を外すときは、いつもワクワクする。

ミネルバの香りが一番楽しめるのも新品のとき。
革の中でもミネルバの香りはけっこうキツイと思うのですが、しばらくすると落ち着きます。

あとがき

小さな二つ折り財布で、エイジングを楽しみたい。
オーソドックスな形ではなく、人と被らない、ユニークなデザインの財布をお探しならDew-001を検討してみてはいかがでしょうか。

取扱サイトでDew-001を見てみる