LAST CROPS タング ラフアウトのレビュー。全面ホーウィンシェルコードバンのコインケース

重厚なレザープロダクトを得意とする日本の革工房、LAST CROPS(ラスト クロップス)。
本日はLAST CROPSのコインケース『タング(TONGUE)』をご紹介します。

特徴は以下のとおり。

  • コインケース
  • カードが使いやすい
  • コイン、カードが取り出しやすい
  • 素材はホーウィンシェルコードバン
  • 小さいけれど、革のカタマリ感を堪能できる

本ページでは、さまざまなコインケースを使ってきた財布マニアの視点で、
タングの使い勝手、特徴、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。

スペック

ブランドLAST CROPS
商品名ROUGH-OUT タング
用途サブ
価格(税込み)45,360円
収納力★★☆☆☆
お札入れの数1
お札の枚数3
コインの枚数15〜20
カードの枚数4
寸法W105 x H75 x D24mm
重量70g
素材ホーウィン社 シェルコードバン

動画

タングの構造、シェルコードバンの表情や質感が伝わるように、動画にしてみました。

カタチと構造

タングは「コインケース」にカテゴライズされる財布です。

今日では、さまざまなカタチのコインケースがあるのですが、タングはカードも収納できる万能タイプ。

コインケースの中では大きめ。
と言っても、二つ折り財布よりはずっと小さくて、手のひらにフィットするサイズ感です。

素材は、シェルコードバン(詳細は後述)。
ハリと柔らかさのバランスが取れた革です。

丸みを活かしたデザインは、LAST CROPSの代表的な意匠ですね。

シェルコードバンのもっちりとした質感と相まって、手にスッと吸い付くように収まる。

フラップをダブルホックで留める構造。カチッと閉まるから、勝手に開いたりしません。

アーチを描く開口部は、指を添えやすい。
ルックスだけでなく機能性まで考えられた製品なのも気に入った理由。

パチパチンッ。と、小気味好くボタンが外れる音が響きます。

内側は、仕切りがひとつ。シンプルな構造です。

仕切りは底の方でステッチされていて、フラップのように前後します。

使い勝手

カードやコインの扱いやすさなどを解説していきましょう。

カード

カードポケットは2箇所に収納できます。

背面ポケット

背面のカードポケットがもっとも使いやすい。
わずかにアーチを描いているため、指を添えてそのまま引き抜くことができます。

クレジットカードを入れておけば、すぐに使える。財布を開く必要がないからスマートにお会計できる。

SuicaなどのICカードを入れておくのも便利ですね。タッチで決済完了。
定期を入れてもいいですね。パスケースとしても利用できる財布なのです。

1枚のカードを収納できます。

無理したら2枚入るけれど、推奨しません。

理由はふたつ。

ひとつは、長期的な使用を考えると、使い勝手を損なうかもしれないから。
無理に入れた状態を続けると、革が伸びるかもしれない。いったん伸びてしまった革は元に戻らないのです。2枚→1枚とカードを減らしたとき、隙間が生じてカードが落ちやすくなるかもしれない。

もうひとつは、使いやすさ。
「よく使うカード」を1枚だけ入れておくと、選別する手間がなくて使いやすいです。

というわけで、断然1枚がおすすめ。

仕切りの内側

仕切りの内側に、カードを収納します。

収納量は3〜4枚くらいがバランスがいい。6枚くらい入れることもできるのだけど、仕切りに負担がかかるし、コインの収納量が減ります。

カードだけ入れるなら8枚くらいは収納できますが、それでいっぱい。コインも同時に利用するのは難しいですね。カードケースとして利用するならアリでしょう。

コイン

仕切りの前に収納できます。
両端がマチの構造になっているため、ガバッと開いて見やすい。

さらにコインポケットが浅いのも、使いやすさのポイント。ヒョイッと掴むことができる。

大きく開くから、取り出しやすく、そして入れやすいのです。

仕切りの内側に、カードを3枚収納するとして、15枚くらいがちょうどよいかな。少しボテッとするけど、革のカタマリ感をもっとも楽しめる。10枚ならスリムに携帯できる。

コインはMax20枚くらい。ただし、入れすぎ感がある。コインの選別も大変で、使い勝手も落ちます。

お札

お札も入ります。
ただし、一般的な二つ折り財布のように「そのまま収納」することはできません。

二つ折りにして入れると、

仕切りより上に。けっこうはみ出ます。

さらにもう一度、折って入れるか。

この場合、仕切よりも低くなる。

当然、二つ折りの方が手間がかからないわけですが、端っこに折り癖が付いてしまうので、ちょっと見た目がよくない。

コイン+カードだけを使うならバツグンの使いやすさですが、お札の使い勝手はイマイチ。

タングはあくまでもコインケースなのです。
予備としてお札を2,3枚入れておいて、ほとんどはカード決済。といった用途が使いやすいと思います。

特徴

ホーウィンシェルコードバンを贅沢に使用

素材はシェルコードバン。

100年以上の歴史をもつタンナー、ホーウィン社の代表作であり、世界最高級のスムースレザーです。

馬のお尻の皮の中間層(皮と皮、その間にある「シェル層」)を削り出した貴重な素材。

どの角度からみても、艶のある表情が楽しめる。独特の光沢とツヤ感が、突き抜けています。

吸い付くような触り心地も魅力です。

新品のときから美しい素材ですが、エイジングによって表情が変化していきます。シェルコードバンにはいくつかのカラーがあるのですが(後述)、ナチュラルやバーボンのように淡いカラーの場合、色も深みを帯びていきます。

丸みのあるフォルムとシェルコードバンの弾力があいまって、手馴染みの良さも格別。グニグニとした弾力と、元に戻るハリ感。シェルコードバンの質感を最大限味わうことができるのもタングの魅力なのです。

タングのような小さな財布は、ポケットに入れてガシガシ使って育てるのが楽しい。どうしてもキズは付いてしまうのだけど、使い込むことでキズは目立たなくなるし、それもまたアジになる。

そもそも、最初から小さなキズや毛穴が付いています。「ラフ」な表情は、シェルコードバンの特徴です。キズが一切ない個体を選ぶことはできません。ゆえに、LAST CROPSはシェルコードバンを使ったモデルを「ROUGH-OUTシリーズ」と名付けているわけです。

豊富なカラーラインナップ

タングのシェルコードバンモデル(ROUGH-OUTシリーズ)は、
以下のカラーで制作されています。

  • ブラック
  • バーガンディ
  • ナチュラル
  • バーボン
  • ネイビー
  • グリーン

シェルコードバンの定番カラーであるブラックとバーガンディ(#8)。
この2色はさまざまなブランドでラインナップされています。

しかし、その他のカラー、特にグリーンはかなり珍しいですね。

ほかのタングとの違い

タングはシェルコードバン以外の革でも作られています。

ベーシックモデルは、サドルプルアップ。
その他に、マレンマを使ったモデルもあります。機能やサイズは全て同じ。

では、ROUGH-OUTシリーズとの違いはなにか?というと、素材と内装の仕立てです。

他のモデルでは、コインポケットの内側に、「革の表面」が貼られています。タングの外側と内側で、「革の表面だけ」が見えるように張り合わせて作られているわけです。革を多く使うし、手間もかかる贅沢な仕立てです。

一方、シェルコードバンモデルでは、内装に「コードバンの裏面」が使われています。

これには2つの理由があると考えます。

ひとつは、シェルコードバンの裏面がスムースだから。裏面をそのままで使っても、コインの滑りがよいわけです(一般的に、革の裏面はザラつきがあるため、滑りが悪いし、見た目も良くない)。

もうひとつは、見た目かな。
裏面にのみ存在する、ホーウィン社のスタンプを活かしたデザインに仕上げるためでしょう。

美しい仕上げ

「日本製」をウリにする革製品は、いくらでもあります。
そういった中、LAST CROPSのアイテムには、上位に位置する美しい仕上げを見てとれます。いくつかご紹介しましょう。

コバ

革の断面のコバは、ブランドの品質への姿勢がよく見えるところ。
「コバの仕上げ」にはさまざまな技法があるのだけど、LAST CROPSのコバは、磨き仕上げです。

ギュッと握っても痛くないのは、コバを丸く仕上げているから。

ヘリを落とし、面取りして、何度も磨く。極めて手間のかかる仕上げです。どのコバも丸く仕上げられています。美しく、温かみのある雰囲気を作り出す。それだけでなく、ササクレがなく手当たりがいいため、触れていて気持ち良いのです。見た目と機能が両立した、素晴らしいコバです。

ステッチ

ラウンドフォルムに沿う、均等なステッチワークも上質さの証。
一般的に、コードバンを使った財布では、ステッチの色とコードバンの色を合わせるのだけど。本作ではステッチが目立ちます。ここは好みが分かれるポイントかもしれませんね。言い換えるとステッチに自信があるからこそのデザインといえます。

あとがき

使いやすくて上質なコインケースをお探しなら、LAST CROPSのタングは検討してほしい一品です。コンパクトながら、LAST CROPSの代表的なコバ仕上げやラウンドフォルムを堪能できる、満足感を満たされるお財布です。

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