本ページでご紹介するのは、革工房COTOCULの「ミニ財布」です。
特徴をピックアップすると、以下のとおりです。
- 小さな財布
- 使いやすい
- そこそこの収納量
- 美しい表情
- ジャパンメイド
他ブランドの「小さい財布」とは違うユニークな1品。メリットだけでなく、デメリットも含めて、本作の特徴をわかりやすく解説します。
スペック
ブランド | COTOCUL |
---|---|
商品名 | ミニ財布 |
収納力 | ★★★☆☆ |
お札入れの数 | 1 |
お札の枚数 | 10 |
コインの枚数 | 20 |
カードの枚数 | 7 | サイズ | H80×W99×D28mm | 重さ | 55g |
素材 | 牛革 |
使い勝手
一般的な財布よりもずっとコンパクト。手にすっぽりと収まるサイズです。あらゆるポケットでストレスを感じないのは、小さい財布だからこその醍醐味ですね。
今日では、「小さい財布abrAsus」など、「極小の財布」はたくさんあります。そういったものと比べると、本作は少し大きめ。バツグンに小さいとは言えません。
しかし、それで良いのです。
なぜなら、本作はミニマムを追求した財布ではなくて、使い勝手とのバランスを目指した一品だから。極小財布より、少しサイズアップすることで、収納量とアイテムの使いやすさを向上させた1品なのです(詳細は、後ほど紹介)。
1枚革で仕立てられた継ぎ目のないボディは、キメ細やかでサラリとした質感。手にやさしくフィットします。
なお、財布の上部には、ハトメ穴があしらわれています。アイデア次第で使い勝手がグッとあがるはず。
財布はフラップをかぶせて、ホックで留めるデザイン。
開くとこんな感じ。
3つのポケットに分かれていて、お札、コイン、カードを分けて収納できるようになっています。すべてのアイテムを一望できるデザインは、本作の代表的な意匠です。
一般的な財布とは、つくりも、使い勝手も異なります。
それでは、各アイテムの使い勝手について、見ていきましょう。
カード
カードポケットは1つだけ。
折込マチがカードと干渉するため、折込の前後にカードを重ねて入れることになります。7枚ほどがMAXとお考えください。
折込マチの前後で、以下のように分けて入れると便利です。
- 手前に、よく使うカード
- 奥の方に、あまり使わないカード
さて、一般的な財布は、段状にカードポケットが配置されています。
こういったものと比べると、本作のカードポケットは見やすさ・取り出しやすさの点で一步劣ります(重なったカードの中から、使いたいものを抜き出すため)。
とはいえ、本作は「小さい財布」です。携帯性を重視した財布に、たくさんのカードの収納や、使いやすさを求めるのは酷でしょう。(「小さい財布」のほとんどは、5枚ほどのカードしか収納できませんし、そもそもマチが無いため使いやすいとは言えません)。
コイン
中央のポケットがコインの収納部。両側が折込マチになっているので、ガバッと開きます。見やすく、取り出しやすいですね。
他ブランドの小さい財布はコインポケットも小さく、マチが無いため、見づらく、扱いにくいのです。
一方、COTOCULのミニ財布は、「ポケットのつくり」が違います。大きなポケットには、20枚くらいは余裕をもって収納できます。また、マチがあるため、ガバッと開くのもポイント。使いやすいんですね。
なお、ポケットの内側には、「革の裏面」が使われています。
ザラついた質感で、触り心地はあまりよくありません。ここは、財布のスリムさと、プライスを優先したということなのでしょう(裏張りすると厚みが増し、価格も高くなります)。
お札
ほとんどの「小さい財布」は、お札を折ってから収納しなくてはいけません。お札を使うときも仕舞うときに、お札を伸ばす・折りたたむといったアクションが必要になってしまいます。使いやすいとは言えません。
一方、COTOCULのミニ財布は、そういった不便を、これまでにないデザインで解決しています。もっとも気に入ったポイントです。
お札ポケットに、そのまま差し込むことで収納できるのです。わざわざ、お札を折リたたむ必要はありません。
コインとカードポケットの下のスペースが、空洞になっています。宙に浮いたつくりで、このスペースを通って、反対側にお札が抜けるようデザインされています。
ちなみに、ストッパーが無いため、奥まで差し込むと、端っこのスリットから顔を出してしまいます。(普通に使えば、こういう状態にはならないので、気にしなくてよいです)
お札の収納部には、革が張られています。サラリとした高級感ある仕上がりになっています。
コインポケットのようにザラつきがないため、お札のひっかかりは感じません。ただ、つねに1枚のお札を入れておくことをおすすめします。お札が0の状態だと、スムーズに収納することが難しいからです(ちょっとコツがいる)。1枚でも入っていると、お札の上を滑らせるようにカンタンに収納できます。
収納は10枚ほどが最適でしょう。もっとたくさん収納することもできますが、出し入れがスムーズではなく引っかりやすくなります。また、お札がはみ出てしまうため、フラップを閉じたときに、お札の端に折り目が付いてしまいます。
特徴
斬新で、使いやすい
COTOCULのミニ財布の真髄は、使いやすいデザインにあります。
財布を開いたときに、すべてのアイテムがずらりと並び、使いやすいのです。
あれこれと財布を持ち替えることなく、お札、コイン、カードを使うことができます。この機能性をコンパクトなボディにギュッと詰め込んだのが本作のスゴイさ。COTOCULのミニ財布だけのデザインです。
本作は、日本のクラウドファンディングサイトである、Makuakeで出資を募っていたプロダクト。目標を大きく上回る2100%もの出資金を集めることができたのは、「小さくて使いやすい」のコンセプトに、多くの人が賛同したことの証です。
美しいバリエーション
ミニ財布には、素材やカラーの異なるモデルがラインナップされています。
牛革モデル
標準のモデルが牛革タイプ。さまざまなカラーバリエーションがあります。
ちなみに、本ページでご紹介したのが、このモデルの「土」というカラー。
特徴は、美しい色合いにあります。「ぼかし染め」と呼ばれる染色によって、濃淡の移り変わるグラデーションを味わうことができます。
「小さい財布」は、その小さすぎるため、素材の良さはどうしても隠れてしまいがちです。
一方、本作は、きめ細やかでスムースな牛革に、美しいグラデーションが映えるデザイン。小さなフォルムでも、バツグンの存在感を生み出しています。
質感はマットでサラリとしています。新品のときのブッテーロに似た表情ですね。
染料で彩られているため、エイジングも楽しめるでしょう。使い込むことによって、色は深みを増し、ツヤが出てくるはずです。
「COTOCUL」とは、京都市に居を構える「京でん」が、地域の伝統的な技術や素材を活かしたモノづくりをコンセプトに立ち上げたブランドです。このぼかし染めも、京都の職人による伝統的な技法であり、COTOCULの意匠です。
黒桟革モデル
こちらは素材が珍しい1品。
高価な甲冑などに使われる高級素材、黒桟革(くろざんがわ)が使われています。
シボとツヤ感のあいまったユニークな表情が特徴です。凛とした気品を感じられる仕上がり。
新品の状態でわずかに輝いてみるのは、漆(うるし)でコーティングされているからです。
黒桟革の方が高級感を感じられる仕上がりです(実際、高価なのですが‥)。スーツに添えても違和感がないため、ビジネスシーンにも最適です。
素材を際立たせるデザイン
フラップは、少し厚みのある革で裏張りされていて、2mmほどの厚みがあります。ハリがあり、しっかりとしたつくりのため、長持ちしそう。(財布を接合するパーツのつくりが粗雑なものは、すぐにダメになってしまうものです)。
これはプロダクトの寿命を高めるだけでなく、質感も高めるデザインです。
裏張りした内側の革にだけ、ホックを取り付けることで、財布の外側には金属パーツが見えないようにデザインしているのです。(言うまでもなく、財布の外側に直接ボタンを付けたほうが手間が少ないわけです)。
美しい表情が主役であり、それを邪魔するものをできるだけ見せない。その心意気が、プロダクに活かされているわけです。
ジャパンメイドの上質さ
ステッチ
財布のカラーと同じ糸でステッチされています。革の美しさを邪魔しないデザインですし、ステッチも、均等かつ美しい仕上がりです。
あとがき
小さな財布をお探しなら、本作は検討の価値ある1品です。
リーズナブルなプライスですから、サブの財布としてセレクトするのもおすすめ。
プレゼントとしてもチョイスしやすいですね。