革工房ル・ボナーの薄い財布、『残心 長札入れ』をご紹介しましょう。
特徴は以下のとおり。
- 長財布
- お札、カードを収納できる
- 最も薄い財布
- 素材はペリンガー社のナヌーカーフ
- 色・ツヤが変化するエイジングを楽しめる
- シンプルで、高クオリティ
本ページでは残心 長札入れの使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
スペック
ブランド | ル・ボナー |
---|---|
商品名 | 残心 長札入れ |
収納力 | ★★★★☆ |
お札入れの数 | 2 |
お札の枚数 | 40 |
コインの枚数 | 0 |
カードの枚数 | 3〜6 | サイズ | W192×D92×H4mm | 重さ | 39g |
素材 | ナヌーカーフ |
カタチ、構造
お札とカードのみを収納できる「純束入れ」にカテゴライズされる財布です。
長財布ですので、お札を折らずに収納できる。一万円札と比べると幅に余裕がありますね。小さいとは言えませんが、余裕のあるサイズだからお札を30枚以上収納できる。そして、出し入れしやすいです(後述)。
残心は極めて薄い財布です。「薄さ」をアピールする財布はたくさんありますが、それらと比べてもダントツに薄い。理論上、本作より薄い財布は難しいですね。
革を薄くスライスすることで、薄い財布になる。しかし、ただ薄いだけでは耐久性がなくなり、長く使えません。残心は革を張り合わせることで、薄さと耐久性を作り込んだ財布です。
外装は型押しナヌーカーフ(詳細は後述)。お色はバイオレットをセレクトしました。
裏面にはブランドロゴ。素押しだから目立たない。美しい革の表情を邪魔しません。このロゴ以外、装飾のないスッキリとした財布です。
ほぼすべての財布はファスナーやボタンで財布を留めるように作られています。一方、残心 長札入れには留める構造がない。両サイドが縫われ、上部は縫われていない。お札、カードをスリット構造のポケットに収納するように使います。
手前が少し低くなっていて、その奥にある仕切りが、少し飛び出ている。
だから、仕切りに指を添えて開きやすい。気持ちよく使える、機能的な財布です。
お札やカードにアセスしやすいです。
内側に仕切りが1つあって、その両サイドにお札を収納することができます。
仕切りには、スリットが設けられていて、カードを収納できます。
使い勝手
カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。
カード
中央の仕切りにスリットがある。
3つに分けてカードを収納できます。
サイズはカード幅ジャスト。厚みのあるプラスチックカード(クレジットカードなど)でしたら、1ポケット1枚。収納できるのは国際規格のカードサイズのため、少し大きめのカード、例えばクオカードは入りません。
3枚のカードが丁度よい。薄いカードだったら重ねて入れることができます。つまり、3〜6枚のカードを収納できます。
残心には蓋がありません。しかし、ジャストサイズで収まるのでカードが抜け落ちない。逆さにして降っても大丈夫。とはいえ、1ポケットに複数入れると革が伸びてカードを抑える力も弱まる。カードが抜けやすくなります。抜け落ちやすくなるはず。あまりカードは詰め込まない方よいかな。
財布を閉じた状態でも、カードの頭が出る。ひと目でわかります。
このまま指をスッと入れて、取り出すこともできる。
使いやすいです。
お札が入っていても、カードが少し顔を出すように収まります。3枚のカードの頭が見えるため、識別しやすく選びやすいです。
お札
仕切りの前後、2つの収納スペースがあります。公式スペックですと50枚ほど収納できるそう。トップクラスの容量です。30枚入れてみて厚み10mm以下。とても薄い。折くせの付いたお札を入れているので多少膨らみます。ピン札だともっと薄くなりますね。
札入れが二つあると便利です。千円札と一万円札、お札とレシート。海外で使うなら日本円と海外紙幣など分けて収納することができますね。
手前側のポケット
外装に指をかけて開きやすいのはカードが見えるほうです。こちらをメインポケットとしてお札を収納したほうが使いやすい。
財布の内側にも「革の表面」が使われています。美しいだけはなく機能的。なぜなら革の表面はスムースでお札を出し入れするときに、引っかからないからです。出し入れがしやすい。
ほとんどの財布は、革を張り合わせて縫っています。だから縫い目がある。
でも、残心には縫い目がありません。革を重ねて、まるで1枚革のようにする「ベタ貼り」という技法です。ステッチがないからスッキリとした見た目になる。革の表情だけを楽しめる。また、機能的にも優れます。糸で縫うとステッチの凹凸によってお札が引っかかっることもあるのですが、それもない。機能的なつくりです。
幅が十分にあるから、30枚入れても余裕。ここまで収納できるのは長財布でもなかなかない。シュッとしたフォルムが多少膨らんではしまいますが、一般的な財布と比べると圧倒的に薄いです。
奥手側のポケット
反対側のスペース。こちらも内装に革の表面が貼られた贅沢なつくり。
カードが見えますが、お札と干渉することはありません。
コイン
コインは収納できません。
特徴
わずか3mm。もっとも薄い、長財布
本作はとにかく薄い。公式スペックでは4〜5mmとのことですが、財布中央での実測値はわずか3.4mmです。(測る場所によって多少違います)。
さて、今日「薄さ」をアピールする財布はたくさんあります。それらと比べて、本作が薄さにおいてNo1といっても良いでしょう。なぜなら、お金、カードを入れた状態でも薄いからです。カードは重ならない、お札も折り曲げない。だから薄い。
ただ薄くするだけなら、革を薄くスライスして作れば良い。けど、本作は革を薄くしたうえで、張り合わせて仕立てています。「ベタ張り」という技法により革をピッタリと貼り合わせているため、縫い合わせる必要がない。すタッチラインがないから見た目がスッキリとして、アイテムを出し入れしやすく、さらに丈夫になる。とても機能的な財布です。
抜群に軽い。スーツの内ポケットに最適
なお、実測の重さは39g。極めて軽い。長財布の中では最軽量でしょう。なお、小さい財布abrAsusで32gですので、最軽量の革財布とは言えません。
とにかく薄くて、抜群に軽い。だからスーツの内ポケットに収納するのにも最適です。薄さを売りにする財布はたくさんありますが、お札10枚、カード3枚を入れて、10mm以下の財布はないです。本作が最薄、最軽量な財布。スーツ姿を崩さず、もっとも快適に収納できるといえます。
ナヌーカーフ×デンマークカーフ
素材が特別。ドイツのタンナー、ペリンガー社のナヌーカーフです。微細なシボが入っています。
ペリンガー社はドイツシュリンクなどで有名なタンナーです。ナヌーカーフの凹凸はドイツシュリンクより控えめですね。
指でなぞるとわずかに凹凸が感じられるくらいの、優しいシボです。
本作はタンニン革。色・艶が変化するエイジングを楽しめるはず。タンニン革と言われてもにわかには信じられないのは、他のタンニン革と比べて品があるからかも。
内装の革はデンマークカーフだそう。こちらはシボのないスムースな革です。手触りも良い。
クオリティ
美しい仕上げです。
コバ
革を裁断した断面(コバ)の仕上げです。黒く染色されています。顔料のようですね。ナヌーカーフはタンニン革のため、磨き仕上げもできるのではないかと思いますが。時間がかかる(値段を上げざる負えない)ためなのかな。
ステッチ
両端が縫われています。ピッチが細かくエレガント。糸の色も良いですね。ボディカラーより少し鮮やかなワインが使われています。
返し縫いされています。長く使えるように作り込まれてますね。
捻引き
革の縁にラインが入っていますね。これを捻(ねん)といいます。
グッと引き締まる印象になる。高級感が増します。
あとがき
使いやすさ、上質さ、そして耐久性もある美しい財布です。お札とカードを薄く持ち歩きたい。高級感があり、上質さを堪能したい方に、おすすめのお財布です。