藍染めのプロダクトを得意とする、Bluestone(ブルーストーン)のラウンドファスナー財布をご紹介しましょう。
素材の珍しさ・美しさ、仕立ての良さといった点でトップクラスの1品です。美しいラウンドファスナーをお探しなら、きっと気にいるはず。ぜひ参考にしてみてください。
特徴
- ラウンドファスナータイプの財布
- たくさん収納できる
- オーソドックスな使い勝手
- ジャパンメイドの美しい仕立て
- スクモレザーを使った「藍色」の風合いを楽しめる
スペック
ブランド | Bluestone |
---|---|
商品名 | ラウンドファスナー |
収納力 | ★★★★★ |
お札入れの数 | 2 |
お札の枚数 | 40 |
コインの枚数 | 20 |
カードの枚数 | 14 | サイズ | W193 × H98 × D23(mm) | 重さ | 227g |
素材 | スクモレザー(牛革) |
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使い勝手
本作は、「ラウンドファスナー長財布」にカテゴライズされる1品。
大きなフォルムに映える、その色と表情に惹かれるはずです。
素材は、スクモレザー。微細なシボがとても美しいです。
凹凸が控えめのため、サラリとした触り心地です。
ギュッと押したときも、ふっくらとした素材が、確かな跳ね返りを生み出してくれます。
柔らかさと弾力があいまった質感だから、ガシッと手でつかむことができます。他のラウンドファスナーと比べると大きなフォルムなのですが、ツルリと滑って落とすことはありません。
スクモレザーの一枚革で仕立てた外装は、革の表情だけが楽しめるシンプルなデザイン。
ブランドロゴさえ取り払ったシンプルなデザインは、素材への自身の現れです。上質な皮革だから、ゴテゴテとした装飾で誤魔化す必要がないのです。
ファスナートップも、藍染めのスクモレザー。本体のカラーと合わせた、統一感のある仕上がりです。
一般的なものよりも厚くて長いファスナートップは、掴みやすく、しなやかに曲がります。どんな角度からも、スムーズに開閉できます。
中はこんな感じ。一般的なラウンドファスナーと内装のつくりは同じ。左右対象シンメトリのオーソドックスなデザインです。
それでは各アイテムの使い勝手について見てまいりましょう。
カード
財布の端には、カードポケットが4つ。「念引き」によって、キリッと引き締まったデザインに仕上げられています。
ポケットは両サイドにあるため、合わせて8枚のカードを分けて収納できます。
ポケットの数は一般的なラウンドファスナーと比べると、決して多いとは言えません。しかし、本作はこの他に4つのフリーポケットを備えています。カードが多い場合も十分に収納できます。
最上段はフリーポケットになっています。レシートやチケットなど、少し長めのアイテムも収納することができます。マチが無いため、厚みのあるアイテムの収納は、避けたほうが良いでしょう。
もう1つが、カードポケットの前面。
こちらは折込マチのため、カードだけでなく、通帳やパスポートなどの厚みのあるアイテムも収納することができます。
このようにスッポリと収めることができます。
コイン
中央のファスナー部がコインのポケット。
片側マチになっています。
ガバッと開くデザイン。そして、淡く藍染めされたカラーによって、コインがはっきりと見えます。見つけやすく、取り出しやすいです。
お札の枚数とのバランスもあるのですが、20枚ほどのコインは収納できます。この収納力もラウンドファスナーの魅力ですね。
ただ、個人的には15枚ほどに抑えた方が良いかなと思います。たくさんのコインを入れると探すのが大変ですし、財布が重くなってしまうからです。
結局のところ、財布の使いやすさや、快適に持ち歩くキモは、使い手の気づかいだと思います。
お札
コインポケットの両サイドが、お札ポケット。
本作の内装は、ヤギの革(ゴート)。牛革に比べて、軽くて柔軟性があるため、しなやかに曲がります。ガバッと開くデザインとあいまって、お札がバラけやすく、取り出しやすいです。
札入れは2つあるため、一万円札と千円札。商品券、外貨など、さまざまなお札を分けて収納できるのでとても便利です。
片面に20枚ほど、両ポケットで40枚のお札を、余裕をもって収納できます。
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特徴
藍染のスクモレザーを贅沢に使用
本作の素材「スクモレザー」京都の染め師が仕上げた、日本でしか作られていない高級皮革です。いわゆる「藍色」です。
「藍色」は、英語では「Japan Blue」と称される、日本独自のカラーです。
さて、革を染めるには、2種類の方法があります。
- 顔料仕上げ
- 染料仕上げ
本作は、2.染料仕上げのもの。水に溶かした染料を、革の芯にまで浸透させることで、着色する技法です。革の持つ風合いを活かした、透明感のある表情に仕上げることができます。
そして、「どの染料を使うか」によって、革の色や、表情に違いが生まれます。
スクモレザーで使われる染料は、徳島県の藍(あい)の葉で作った「すくも」。
すくもは、紀元前より使われてきた「青」の染料ですが、作成に手間も時間もかかるため、今日ではほとんど使われていません。(安く、量産するために、化学合成したインディゴ染料を使うのが、一般的なのです)
ではなぜ、手間も時間もかかる「すくも」を使うのでしょうか。
この答えはシンプルです。藍色の美しさは、「すくも」でしか表現できないからです。
(写真で表現するのは難しいのですが、)表情には濃淡があります。自然で豊かな風合いは、天然素材である藍でしか生み出すことができないのです。
暗い場所は凛とした美しさがあり、
明るい場所では、やわらかな風合いを感じれる、この表情の豊かさも魅力の1つでしょう。日本の伝統カラーである「藍」、その美しさをロングフォルムでたっぷりと味わえることが、本作の一番の醍醐味といえるでしょう。
「均一な美しさ」なら「青い顔料」を革に塗りたくればいいわけです。しかし、そういったプロダクトは、のっぺりとした表情になってしまいがちです(塗料で、革の表情・風合いを隠してしまうから)。さらにエイジングも楽しむことができません。
一方、染料で仕上げた皮革は、革の風合いを活かした仕上がりとなります。
また、使い込むことで、色は深みを増し、ツヤが生まれてきます(エイジングですね)。言い換えると、本作は、まだ未完成。変化を楽しみたい人にふさわしい皮革なのです。
ちなみに、「藍」へのこだわりは、Bluestoneのプロダクトに共通するコンセプトです。本作以外にもスクモレザーを使ったアイテムがラインナップされていて、そのすべてが「藍色」を最大限味わえるようにデザインされています。
日本製の美しい仕立て
素材も日本製。仕立てもすべてジャパンメイド。丁寧な仕上げをいくつかご紹介しましょう。
コバ
革の端をコバと呼びます。断裁したままの革は、線維がむき出しの状態になっているため、コバをいかに仕上げるかが、プロダクトの美しさと耐久性を決めるキモになるんですね。
そして、本作のコバは、「ヘリ返し」と呼ばれる技法で仕上げられています。
ブライドルレザーなどの、厚くてハリの強い皮革の場合、磨いて仕上げる「コバ磨き」が適用されるのですが、スクモレザーのようにやわらかい皮革ですと磨いて仕上げることができません。
そのため、革を折り返して、ステッチすることで、革の表面だけが見える「ヘリ返し」で仕上げられているのです。
ステッチ
ステッチは、均等かつ真っ直ぐ。
内装のマチ部の縫製も、素晴らしい仕上がり。
ガバッと開いて使うラウンドファスナーにとって、マチ部はもっともダメージを受けやすいポイントですが、しっかりと返し縫いされています。耐久性を決めるキモです。
ファスナー
ファスナーは、日本が世界に誇るYKKのもの。滑りが良くストレスを感じません。
ファスナーは光沢を抑えたマットな黒銀。ファスナーテープも群青です。
すべてのパーツにおいて、一体感のあるカラーが採用されています。「藍色」がより映えるよう、デザインされているんですね。
あとがき
藍色の美しさをロングフォルムのラウンドファスナーで楽しみたいなら、本作に代わるものはありません。
上品で、上質。オーソドックスな財布をお探しなら、きっと気にいるはずです。