革芸人は、クロコを使ったアイテムを得意とする日本の革工房です。
クロコ専門のブランドだけあって、クロコの美しさと迫力を持つ財布を豊富にラインナップしています。
その中でも、一番のお気に入りが、二つ折り財布のWT-034。ただ小さいだけでなく、使い勝手も考えられた逸品です。
本ページでは、その使い勝手や特徴をたっぷりとご紹介します。
WT-034の特徴をカンタンにお伝えしますと、
- クロコ一枚革の美しいルックス
- 内装もクロコで統一された贅沢なつくり
- 使いやすさも備えた、機能美の光るデザイン
といったところですね。
クロコの二つ折り財布をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
スペック
ブランド | 革芸人 |
---|---|
商品名 | WT-034 |
収納力 | ★★★☆☆ |
お札入れの数 | 2 |
お札の枚数 | 15 |
コインの枚数 | 20 |
カードの枚数 | 7 | サイズ | H115×W100×D25mm | 重さ | - |
素材 | クロコ(ナイルクロコ) |
使い勝手
本作は一般的な二つ折り財布のサイズです。
男性の手にすっきりと収まるほどですから、長財布と比べると携帯性はバツグンです。
片手で持てるコンパクトなクロコだからでしょうか。力強さよりも美しさが勝る印象です。
クロコの一枚革でぐるりと覆われた、継ぎ目のないボディが特徴です。
余計な装飾やステッチは一切ありませんから、ウロコの凹凸感が、しっかりと手のひらに伝わってきます。
財布を留めるものはなくて、パタンと折りたたむデザインとなっています。これは一般的な二つ折り財布と同じとお考えください。
財布を開いて、アイテムの使い勝手を見てみましょう。
お札
札入れは2層のポケットになっています。
一万円札と千円札。または、商品券やレシートなど、違う種類のものを分けて収納できます。
お札の出し入れはとてもスムーズです。
もっともサイズの大きな紙幣、一万円札でも快適に出し入れ可能。写真のとおり、札入れの幅には余裕がありますから、少し大きめの商品券などもラクラク収納できます。
内装はブラックのトーン。サラリとした生地で仕上げられています。
滑りが良いので、ストレス無くお札を出し入れできます。ここ、あまり気にしないかもしれませんが、お札を気持ちよく使うたいせつなポイントです。
革には表と裏があって、裏面は毛羽立ってます。
札入れの内装に、革の裏面がそのまま使われている財布は、お札が引っかかって気持ちよく使えないのです(お札が散らばりにくいというメリットもあるのですが)。
札入れにマチはありませんから、たくさんのお札を持ち歩くのは苦手です。
(これは本作に限らず、すべての二つ折り財布に言えることです。)
快適に、ストレス無く持ち運びたいなら、収納できるお札は15枚ほどとお考えください。
革が馴染んでくればもう少し入ると思います。
コイン
こちらがコインポケットです。
個人的に、WT-034の中で、もっとも気に入っているポイントになります。
一般的な二つ折り財布のコインポケットは、「折込マチ」のポケットになっています。コインが少ないときは良いのですが、増えてくると、見つけにくく、取り出しにくいんですね。
このように、コインが重なって、下の方のコインが取り出しにくいのです。
一方、本作のコインポケットはボックス式。
四方を革で囲むようにして、ポケットが準備されています。
ガバッと開くポケットの中に、広い面があり、コインが均等に散るんですね。
コインが見やすく、出し入れしやすいわけです。個人的には、あらゆる小銭入れの中で、もっとも使いやすいカタチだと思っています。
この効果として、財布を軽く、スリムにできるのも嬉しいポイントです。使いやすいからこそ、小銭が増えにくく、結果として財布が膨らんだり、重くなったりしないのです。
そもそも、二つ折り財布を選ぶ理由は、コンパクトに持ち運びたいからのはずです。そういった意味で、本作を超えるものはなかなかありません。私はここ数年でいくつもの財布を手に取ってきましたが、ボックスタイプはエムピウのミッレフォッリエ以来の出会いです。
ちなみに、WT-034はミッレフォッリエよりもコインケースの面が1cmほど広いため、コインの使いやすさで比べるなら、ミッレフォッリエ以上です。
ボタンで留めるつくりで、横からこぼれ落ちることもありません。
札入れ同様、内装がブラックなのもお気に入りです。
コインがこすれ合うことで金属粉は必ず出てしまいますから、薄いカラーの内装だと汚れが目立つんですね。(本作に限らず、キレイな状態を長く楽しみたい方は、内装が暗色のものをセレクトすることをオススメします)
カード
WT-034には、5-7枚ほどのカードが収納できます。
財布を開いて左側に、段状のカードポケットが備えられています。
一般的な二つ折り財布とは違い、カードのスリットが縦に付いているのが特徴です。
奥まで差し込むと、少しカードが顔を出します。
収納できるカードは3つですから、よく使うカードをセレクトして入れるのがベストですね。
さらに、もうひとつ、スリットが備えられています。
こちらのポケットはカードを奥まで差し込むと、完全に見えなくなりますから、普段は使わないけれども持ち歩きたいカードを入れておくのに最適です。私の場合は、免許証や保険証、サブのクレジットカードなどを入れています。
同じつくりのポケットが、コインポケットの裏にも配置されています。
お札の量とのバランスにもよりますが、新品の状態ですと、スリットにはたくさんのカードは収納できません。薄いもので2枚。クレジットカードのように厚みのあるものなら1枚といったところでしょうか。
馴染んでくればもう1枚くらいは入りそうです。
特徴
ナイルクロコの贅沢なつくり
クロコには4種類あって、本作に使われているのはナイルクロコです。
クロコの価値はウロコの並びで決まります。美しいウロコの革ほど高価になるんですね。
ナイルクロコは、ウロコの並びがキレイな種のため、他のクロコよりも高級品として取引されています。
そのナイルクロコがWT-034では贅沢に使われています。
財布を開いたときも、クロコの高級感を味わえる
ナイルクロコを、内装にもたっぷりと使っていることが本作の特徴です。目に入るすべてのパーツで、美しさと力強さを味わうことができます。
クロコ財布は、さまざまなブランドからラインナップされていますが、内装までクロコで仕立てられたものはなかなかありません。満足感の高さではダントツです。
マット仕上げの表情
クロコの原皮はそのままでは腐ってしまいますから、製品として何年も使える「革」にしなくてはいけません。これを行うのが「タンナー」と呼ばれる、革作りを専門とする工房です。(革へ染色したり、革の表情を決めたりといったことは、すべてタンナーが行っています。)
タンナーの最後のお仕事が「仕上げ」です。革の表情や手触りを決める、たいせつな工程なんですね。
さて、本作のクロコはというと、マットな仕上げとなっています。
クロコの表情は、大きく分けて2パターンあります。
1つは、シャイニング仕上げ。
クロコを磨きあげることで、キラキラとした光沢とツヤが特徴の仕上げです。
パーティーなどに添えるアイテムにふさわしい、華やかなシーンに映える表情です。
もう1つが、WT-034で採用されるマット仕上げです。
あえて光沢は出さない落ち着いた雰囲気に仕上るので、あらゆるシーンで使える万能な表情といえます。
シャイニング仕上げほどの華やかさはありませんが、だからこその万能選手といえるでしょう。ビジネスシーンに添えても違和感が無いのはこちらですね。
クロコは美しいと思うのですが、力強さが有り余ると言いましょうか。
その表情だけで十分に主張できるので、シャイニング仕上げのものは、個性が出過ぎているように思います(あくまで私の印象です。)。
ちなみに、最初こそマットな質感ですが、使い込むことで次第にツヤがあがってくるとのこと。人の手には適度に油分があるので、特別なメンテナンスは必要ありません。普通に使うことで、美しくツヤが生まれるエイジングを楽しめるわけです。
日本品質の丁寧な仕上げ
ステッチは財布のふちに沿うように、美しくカーブを描いています。
コバはヘリ返しと菊寄せ。
日本の技術力の高さが見てとれる、丁寧な仕上げです。
ちなみに、革芸人のクロコはすべて、日本のタンナーによって作られたものです。革作りから財布の仕立てまで一貫してジャパンメイドなんですね。
あとがき
今日では「ジャパンメイドのクロコ財布」はたくさんあります。
そのどれもが上質です。クロコの美しさと力強さを上手に表現していますし、丁寧に仕立てられています。ただ、ほとんどがオーソドックスなデザインとなっています。
そういったアイテムと比べてみると、ナイルクロコを内装にも使った贅沢さと、「軽くて、使いやすい」機能美を合わせ持つのはWT-034だけでしょう。
本作の真髄は、この機能美にあるのです。たぶん、日本一使いやすいクロコの二つ折り財布だと思います。