com-onoの財布、『SLIM-005』を購入しました。
特徴は以下のとおり。
- 薄い二つ折り財布
- お札が使いやすい
- カードが取り出しやすい
- 革をたっぷりと使用した美しい財布
本ページではSLIM-005の使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
スペック
ブランド | com-ono |
---|---|
商品名 | SLIM-005JA |
収納力 | ★★★☆☆ |
お札入れの数 | 1 |
お札の枚数 | 10 |
コインの枚数 | 15 |
カードの枚数 | 4〜6 | サイズ | W90 × H95 × D22mm | 重さ | 56g |
素材 | 国産型押しレザー |
カタチ、構造
男性が片手でつかめるくらいのサイズ感。オーソドックスな二つ折り財布よりずっと小さい。
SLIM-005はいくつかのバリエーション(後述)でラインナップされています。本ページでご紹介しているのは、SLIM-005JAというモデルです。素材は型押しの国産レザーとのこと(後述)。カラーはGRAYをセレクトしました。
薄いところで19mm、厚みのあるところで22mmほど。本作より薄さをアピールする財布はありますしから、それほど薄いとは思わないかもしれません。しかし、SLIM-005の特徴は詰め込んだ状態でフォルムをキープできることにあります。
背面はなにもない。
表面もホックもない。ブランドロゴさえない。シンプルなルックスです。
1万円のプライスで、丁寧に作り込まれているのがSLIM-005のすごいところ。たとえば、財布の中に硬い素材が埋め込まれています。だから、カッチリとしたハリがあり、型崩れを防ぐことができる。長く使えるように作り込まれています。1万円の革財布では極めて珍しい。ただ、新品のときから、素材のあとが見える。ここは好みが分かれるかもしれません。
手前でホックで留めるつくり。
ちょっと変わったホック。しっかりと閉まります。開け締めするときの音は軽い感じ。
上段がコインポケット。
下段ポケットがカード収納スペース。
コインとカードを重ねなければ、財布は薄くなる。薄い財布abrAsusから始まり、ピアストラと続き、さまざまなブランドで似たコンセプトの財布が発売されています。
SLIM-005もカテゴリ的には同じなのだけど、本作ならではオリジナリティがある。カードポケットが手前に倒れるんです。
奥手はお札の収納スペース。
ここがすごい。お札の触れる部位は革の表面しか使われていません。美観が良いし、機能的です(後述)。
内装のブランドロゴは金箔押し。ホックがシルバーだからコントラストが生じる。好みが別れるかも。ちなみに、TINY-001では、ホックとロゴで、同一の色でまとめられています。
使い勝手
お札、コイン、カードの使い勝手を解説しましょう。
お札
入れやすい。すっと入る。
お札が触れるところに「革の表面」が使われていて、滑りがよいです。SLIM-005より高価な財布でも床面が使われていたりしています。比べるとかなり使いやすい。
上部にあるフラップがある。ここにお札を入れない状態だと、財布を閉じることができません。お札のトップがホックに干渉するからです。つまり、お札をフラップに入れる必要がある。
フラップの内側は「革の裏面」です。ただし、入れにくいとは感じません。スルリと収納できるので苦にならない。横から収納しても良いし、
本体に収めたあとで、お札を曲げるようにして入れることもできる。
財布を開いたときに、フラップでお札が抑えられることになる。たとえば、似た構造のピアストラやHITOE FOLDはお札が手前に倒れくるので邪魔に感じることがある(指で支えて倒れないようにする必要がある)。けど、SLIM-005はお札が倒れてきません。たとえば、カードやコインを使うときにお札が邪魔することがないので本作の方が快適。
ただ、お札を使うときはフラップから取り出す必要があります。お札を手前に引くか、横にずらす必要がある。1アクション増えるので、ここは好みが分かれるかもしれません。
数えやすく、めくりやすい。
取り出しやすい。
収納枚数は10枚くらいが使いやすいかな。公称スペックどおり、12枚入れることもできます。
コイン
コインポケットに蓋があり、ホックで止められています。つまり、コインを使うときに開く必要があるし、コインを使ったあとは、ホックを留める必要がある。1アクション増えます。
内側にスエードが貼ってあります。革の裏面が見えないから見栄えも良いし、黒いためコインの汚れも目立ちにくい。ただ、ホコリなど付着しやすいので、気になる人は気になるかもしれない。個人的にはあまり気にならないです。
指で広げなくても、コインを収納するためのスペースが空いています。
コイン入れやすいです。とはいえ、オーソドックスな二つ折り財布などと比べると使いやすいとはいえませんが。薄い財布全般に言えますが、コインが「落ちそう感」がある。慎重に出し入れする必要があります。
公称スペックは15枚。ですが、15枚入れるとかなりきつい。
ホックを留めにくいです。スッキリと収納させるにはきれいにコインを並べないといけない。レジ前でやるのはきつい。適当にコインを入れるなら、快適に使えるのは12枚くらいまででしょうか。
ポケットが浅くて見やすい。ただし、本体(お札側)とコインのポケットが倒れてくるのでそれを手の甲などで支えながらコインを探し、取り出すことになる。ここはちょっとなれが必要です(ここはピアストラなどでも同様)。
カード
カードは1つのポケットに重ねて入れます。公称スペックは6枚。プラスチックのカードだと少しきつい。ジャストサイズなので、馴染めばスムーズに収納できるようになると思います。新品のときは4枚くらいが出し入れしやすいです。
ユニークなカードポケット構造です。カードを取り出すときには、カードポケットを引き出すアクションが必要。とはいえすぐに倒れるので、おっくうには感じません。
その後、カードを上に引き出します。カードポケットが手前に倒れるから、コインポケットに干渉しません。ポケットの前面、背面がカッテイングされているため、1枚目と背面側のカードはすぐに取り出せます。使いやすい。
一方、3枚以上のカードが入った状態で、中央のカードを使う場合は使いやすいとは言えません。以下の写真のように少しずつずらすように並べることができない(たまたまこうなることはあるけど)。
カードは入れにくいです。ポケットがカードサイズギリギリで設計されています。横幅に余裕がないため、カードのフチが当たるんですよね。
ジャストサイズでカードが収まる安定感があるけれど、スムーズに出し入れできません。特にカードが5〜6枚になると、ポケットの中でも引っかかる感じがします。革が馴染めばスムーズに出し入れできるかもしれません。
カードポケットが前に倒れる意匠はLuteceの名刺入れが先行しているはず(何年も前から販売されています)。そちらの使い勝手がバツグンに良いため、どうしても比べてしまう。SLIM-005は上述のとおり出し入れしやすいとは言えません。
ここは、サイズと機能とのトレード・オフであり、SLIM-005は使いやすさよりサイズ設計を優先したということなのでしょう。
最大収納時の使い勝手
公称スペックはお札12枚、コイン15枚、カード6枚です。
上記を入れてみました。厚みが26mmとなり、薄くない。
お札を12枚入れるなら、コインは12枚までが良いですね。ただ、コインが見やすく、取り出しやすいので、だいたい10枚未満入った状態になるでしょう。あまり気にならないと思います。
特徴
国産型押しレザーを贅沢に使用
素材は牛革。本ページで紹介しているSLIM-005JAモデルでは、日本製の型押し。微細な格子パターンが並びます。
マットな質感です。
シボに光が当たることで表情が変わる。これも面白いところ。
サラリとした質感で、しっかりと凹凸を感じる。つまり、キズがつきにくいです。
かなりカッチリとした硬い革です。
内装にも同じ革が贅沢に使われています。目に入りやすいところには、革の裏面が見えず、ボディカラーと統一されたデザイン。シンプルだからこその高級感があります。
色が濃くなったり、ツヤがでるような変化はしないはず。つまり、エイジングを楽しみたいなら本作をチョイスせず、SPモデルを選んだ方が良い。その代わり、新品のときの表情が長持ちする革かと思います。ここは好みが分かれるところです。どちらが正解とかはありません。
バリエーション
SLIM-005JA
SLIM-005JAは、SLIM005の中で最も安価です。しかし、機能的にはこれで十分です。上位モデルと機能的な違いはありません。
SLIM-005SP
スペシャルモデル(SP)でしょうか。
違いは素材。イタリアの革が使われています。機能的にはSLIM-005JAと変わらないので、革の好みで決めれば良いですね。透明感、ツヤを求めるなら005SPをおすすめします。
仕上げ
SLIM-005JAは1万円の財布ですので、最上位の仕上げとはいえません。
コバ
革を切り落とした断面をコバといいます。染色も磨きもされていなくて、手触りはザラザラします。ところどころ、ノリがはみ出てたりもする。美しいコバを求めるなら、本作は合わないでしょう。
ステッチ
ボディと同色のポリエステル糸で縫われています。ピッチ感覚は狭すぎず、広すぎず。クラフト感をおさえた、ちょうど良い感じかな。
あとがき
約1万円で手に入る、機能的な財布です。薄い財布の中では、お札、カードが使いやすい財布。リーズナブルな薄い財布を使いたいなら、本作は検討の価値がある一品だと思います。