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SYRINX HITOE FOLDのレビュー。小さな二つ折り財布の使い勝手、特徴、メリット・デメリット

SYRINX(シュリンクス)の二つ折り財布、『HITOE FOLD』を使ってみました。

本ページでは使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

特徴

  • 小さな二つ折り財布
  • カード、お札、コインを分けて収納できる
  • コインが使いやすい
  • イタリアの革、エルバマットを使用
  • 色・ツヤが変化するエイジングを楽しめる

スペック

ブランドSYRINX
商品名HITOE FOLD
収納力★★★☆☆
お札入れの数1
お札の枚数10
コインの枚数15
カードの枚数6
サイズW92×H92×D17mm
重さ58g
素材エルバマット(イタリアの牛革)

HITOE FOLDを取扱サイトで見る

カタチ、構造

正方形の財布。サイズは92 ✕ 92mm。オーソドックスな二つ折り財布と比べると、とても小さい。最小クラスの二つ折り財布です。また、55g(実測です。個体差があります)とそこそこ軽く、持ち歩きやすいです。ケツポケにフィットするサイズ感ですね。

素材はイタリアの革、エルバマット(後述)。表、裏ともにステッチが少ない(最低限しか縫われていない)ため、エルバマットのルックスと手触りを堪能できます。簡素なデザインもHITOE FOLDの特徴です。

HITOE FOLDは、開け締めがユニーク。カードから、革の留め具をめくるようにして外します。

あるいは、左手でカード収納部を握ると、本体が「くの字」に曲がって外れる。

革を折り曲げて開け締めを繰り返すことになるため、使うたびに負担がかかります。新品のときのフラットでスムースな表情にもシワができる。また、革も柔らかくなります。

さて、いざ使おうとすると、財布が開かないことがあります。これはHITOE FOLDを表裏逆に持っているから。「開くことができない方向」で開けようとしているからです。開かないときはHITOE FOLDをひっくり返して、開くことになります。ルックスから表裏を判断しにくく、どちらを開けばよいのか直感的にわかりません。ポケットから取り出して開くとき、数回に一度はHITOE FOLDが開かない。ここはストレスを感じます。

カードが入ってないときは、HITOE FOLDを閉じることができません。パタパタと開く状態。ただし、カードを最低1枚入れるでしょうから気にしなくてよいです。

ちなみに、HITOE FOLDには「留めるためのカード」が1枚付いています。ただ、このカードを入れると1枚分のスペースを使うことになるので出番はないでしょう。

下部がカード収納スペース。右側が開いていて、左側は縫われています。つまり、HITOE FOLDは「右利き用」の財布です。左利きの人には使いにくいです。

その上にはコインポケット。

奥手はお札を収納するスペース。こちらも右側が開く。ここも、左利きの人には使いにくい。

なお、お札の収納スペースは「革の裏面」です。機能性より、見た目を重視した設計です。

閉じるときは、カードと本体の間に、留め具をはめ込みます。このアクションはHITOE FOLDならでは。ギミックが効いていて、はじめは戸惑いますが、数回開け締めすると自然となれるでしょう。

カードと本体の間に隙間がないため、引っ掛けるのが難しいと感じるかもしれません。であれば、隙間を作ればいい。本体を外側に引っ張って、少しスペースを作りましょう。多少ははめやすくなります。

クセがついて、スペースが生まれる。留め具をはめやすくなります。ただ、そもそもこういった細かく、慎重さを要求される操作が気持ち良いか、快適かというと意見が分かれるところでしょう。個人的には使いやすいとは言えません。

カードに引っ掛けることで、2〜3mmほど横にフラップがずれます。

つまり、カードを収納すると正方形のカタチを保つことはできません。公式スペックのサイズより大きくなるということです。

ホックなどの金具は使われていませんが、カードで引っかかっている状態。逆さにしても、振っても外れません。落としても財布が開いて中身が飛び散ることはないでしょう。安心です。

使い勝手

カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。

カード

横に入れます。ポケットに重ねて入れる構造です。仕切りがないため、最も薄く収納できるデザイン。

スッキリと収納できますね。

新品のときは6枚でジャストサイズ。クレジットカードのようにエンボスが施されたカード(厚いプラスチックカード)を6枚入れるのはかなりきついです。「6枚」はオーソドックスな二つ折り財布よりは少ないですが、「小さい財布」よりは多い。たくさんのカードを持ち歩かないなら、十分な容量です。ちなみに、2週間ほど使うと革が馴染むため、7枚収納できるようになりました。詰め込みすぎると革が伸びるので、あまりオススメできないですが。

HITOE FOLDは、国際規格のカード(クレジットカードやSuicaなど)だけを収納できるようにサイズ設計されています。つまり、クレジットカードより大きなカード、例えば、クオカードや名刺、お店のポイントカードなどは収納できません(財布を閉じられなくなる)。つまり、HITOE FOLDはすべてのカードをひとまとめにできません。「最小の二つ折り財布」を目指した結果でしょうが、ここは使い手を選ぶところですね。

一番上のカードは指をスライドさせて取り出せる。大きくカッティングされているので、指を添えて引き出しやすいです。

カードを引き出すと、2枚目以降のカードも一緒に出てくることがあるため、1枚目だけを取り出すようにコントロールするのは難しい。気になるひとは気になるかな。焦って抜き出して落とさないように注意しましょう。

ポケットの部分は、財布を薄くするために、薄くスライスした革が使われています。ここにはデメリットもある。フラットでスムースな表情は長くは続きません。新品のときだけです。

エンボス加工されたカード(クレジットカードなど)を収納して3日ほど使用すると、革の表面にボンヤリと凹凸が出てくる。2週間ほど使用すると数字によっては読めてしまいます(写真は使用3日後に撮影)。

HITOE FOLDのカードポケットは最前面がもっとも使いやすい(効率的に出し入れできる)。つまり、クレジットカード決済が多い人は、最前面にクレジットカードを収納することになります。結果、クレジットカードの番号が浮き出て見えてしまう。だからといって、クレジットカードを2枚目以降に入れると使いにくい(後述)。美観やセキュリティが気になるなら、HITOE FOLDは合わないでしょう。安心して使えないからです。

2枚目より後ろのカードを取り出すときは、カードをすべて取り出して、少しずつカードをずらして選別します。

一瞬で以下のように扇形にカードを展開することはできません。

右側から、前のカードと後ろのカードをはさんで、すべて引き抜く必要がある。これは少し難しいです。コインが落ちないように、お札が倒れてこないように左手でHITOE FOLDをキープしつつ、右手で少しだけカードを出して、ずらすことになる。このカードをずらすというアクションが思ったようにできないため、2枚め以降のカードを取り出すときにストレスを感じることがあるはずです。カンタンに取り出したいならカードは5枚までにしたほうがいい。カードスペースに余裕があると、スムーズに出し入れできます。

コイン

小さなフラップがついているのは、コインがこぼれにくいようにするため。一時的な落下防止です。密封されるわけではないので、コインが入った状態で逆さにしたり、横にした状態で開くとコインがこぼれます。なお、冒頭でご紹介した開き方で、コインが落ちることはありません。であれば、コインの見やすさを多少なりとも損ねるフラップは必要なのでしょうか。好みが分かれそうです。

ポケットが浅い。浅いポケットは、薄い財布abrAsusピアストラが先行して採用したデザインです。それらと比べてHITOE FOLDの方が入れやすいです。マチのある構造、革(エルバマット)が柔らかく、伸びやすいからです。

12枚入れてみました。コインが見える、革も手前に伸びる。見やすいですね。グニグニと曲がる革のため、キチッと感はないです。柔らかい印象。

15枚入れてみました。コインの配置によってはHITOE FOLDを折りたたんだときに、フラットにはならない。歪みます。

コインを綺麗に整列させると、折りたたんた状態でも、薄くフラットなフォルムを保つことができる。しかし、これは手間も時間もかかる。レジで行うのは難しいでしょう。綺麗に並べるなら、レジから離れてやりましょう。

12枚程度であれば、揺らすと厚みが均等になるように配分されます(ただし、ポケットが浅いので慎重に振らないと、コインが落ちる恐れがあります上下に揺らしてはいけない。地面と水平に揺らします)。結果、フラットな状態で折りたたむことができます。

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お札

カード、コインポケットの奥が、お札の収納スペース。

お札は入れにくいです。

お札は「革の裏面」に挟み込むことになる。ザラつきがあります。たとえ裏面であっても「なめらかに処理」することで、お札の滑りをよくすることもできます。しかし、HITOE FOLDでは裏面を処理していない「むき出し」の状態です。特にカードポケットの裏面は、ザラつきが大きい。

だから、お札をスムーズに収納できない(引っ掛かりを感じます)。良く言うと「お札が落ちにくい」のですが、好みが分かれるところでしょう。

お札が少ないとき(2枚など)は、問題ないのですが。お札が増えるほど、お札が綺麗に収まりにくくなる。縦にも横にずれる。10枚をきれいに収納するならストレスを感じます。

落ち着いて入れましょう。力づくで入れ込むとお札が曲がることがある。

キレイに収納しなくたって良い。と、思うかもしれませんが、HITOE FOLDは、お札を奥まで、キチンと収納する必要があります。なぜなら、使い勝手が悪くなるからです。

お札が縦にズレていると、

HITOE FOLDを留めるパーツとお札が干渉して、開け締めがしにくい。カードに引っかけようとすると、お札にひっかかってしまう。無理やり閉じることもできますが、お札に折り目がつく。だから、奥まで仕舞う必要がある。

また、横にずれていると。

折りたたんだときにお札がはみ出ます。幅92mmの最小サイズを目指した結果、収納するのに手間がかかる。わざわざお札を入れ直す必要があります。

さて、お札の取り出しについて解説しましょう。

とても取り出しやすいです。まず、見やすい。お札がパラリと広がる。

その中から、取り出したい枚数を数えやすい。

1枚ずつでも、まとめてでも取り出せる。取り出しやすいです。

最大収納時の使い勝手

HITOE FOLDに無理せず収納でき、使いやすいと感じる量は、カード6枚、お札10枚、コイン15枚です。

これだけ入れても薄いのがすごい。さらに一般的な二つ折り財布より小さいため、ケツポケや胸ポケットに入れても快適です。

気になるのは、お札の収納のしにくさ(上述)。

それと、閉じにくさです。収納量が増えると革で留めにくくなる。入るには入るけど、お札がまっすぐに戻ろうとするため、財布が歪みます。つまり、HITOE FOLDにカード6枚、お札10枚、コイン15枚を収納すると、厚くなる。フラットなフォルムを保つことはできません。

たくさん入れてもフラットで薄い財布が欲しいなら、HITOE FOLDは合わないでしょう。

素材

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イタリアのオイルレザー、エルバマット

イタリアのオイルレザー、エルバマットが使われています。染料仕上げの革ですから、部位によって色の濃淡があるかもしれません。

微細なシボが並んでいます。スムースで、指で触れても凹凸はわかりません。

新品のときからオイリーな質感。クロムエクセルほどではないけれど、しっとり感がある。油分が入っていることがわかります。2mmの厚みがありますが、パリッとした固い革ではない。しなやかな革がお好きなら、気に入るでしょう。

エイジングを楽しめる

マットな質感は最初だけ、色艶の変化するエイジングを楽しめます。

爪で引っ掻くとすぐに傷が付くのですが、エルバマットでは避けられません(染料仕上げの革は傷が目立つ)。色・ツヤが変化することで、少しずつ傷が目立たなくなるでしょう。

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内側はキズ付く

HITOE FOLDはカードを引っ掛ける構造のため、開け締めするたびにキズがつくかもしれない。

財布を開いたとき、あるいはお札を取り出すときにキズが目立ちます。お札である程度隠れるけど、気になる人は気になるかな。

外装に比べるてエイジングしないため「キズが馴染む」のも遅い。というか、キズが馴染む前に、新しいキズが増えます。新品のときのルックスは保てません。

クオリティ

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耐久性について

革の留め具。耐久性は大丈夫かな?エルバマットはしなやかなオイルレザーです。破れることはないでしょうが、開け閉めを繰り返すことで、伸びて外れやすくなるかもしれない。この構造はHITOE FOLDだけですから、使い込んでみないと判断できないですね。

仕上げ

HITOE FOLDの仕上げは美しいです。

捻引き

財布のフチにラインが引かれています。これを捻(ねん)といいます。

引っ掛けるパーツにも捻が引かれています。技術の高さが見て取れます。

コバ

染料を使っていない、素磨き。革の色そのままです。エルバマットの層が見えますね。色合いと光沢を楽しめます。

スムースで手触りがいい。

ステッチ

乱れなく、カーブも綺麗に縫われています。革の色と同じ色の糸が使われているのもいい。エルバマットの美しさを邪魔しません。なお、糸はポリエステルです。

なお、負荷のかかる場所は返し縫いされています。ステッチがほどけにくく作られていますね。

あとがき

カード、お札、コインをなるべく重ねないデザインはSUPER CLASSICの薄い財布エムピウのピアストラが先行して発売されました。アイテムの並びだけ見るなら、HITOE FOLDはピアストラにそっくりです。しかし、コインの使い勝手や美観はHITOE FOLDが優れています。

HITOE FOLDを取扱サイトで見る