「はじめての革財布」として、最適な1品はどれか。
さまざまな考えがあると思うのですが、
私なら「革の醍醐味を味わえる財布」をオススメします。
本ページは、二部構成です。
前半は、「はじめての革財布の、間違いのない選び方」をご紹介します。
革財布に興味があるけれど、どれを選んでいいかわからない。
であれば、まずは最適な1品をチョイスするポイントを押さえてみましょう。
後半では、100以上の財布を使ってきた私がオススメする「はじめての革財布」をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
はじめての革財布。間違いのない選び方
「はじめての革財布」にふさわしい一品とは何か。
まずは、その選び方を押さえてみましょう。
私のおすすめする条件は、こんな感じ。
- エイジングする革
- あなたのライフスタイルに合うカタチ
- 2万円以下のプライス。安すぎず、高すぎないもの
順にご紹介しましょう。
エイジングする革を選ぶ
革にはさまざまな特徴があるのだけど、
一番の魅力はやっぱり「エイジング」です。
エイジングとは、色ツヤ、質感が変化していくこと。革だけの醍醐味です。
はじめての革財布。せっかくなら、エイジングする革財布をおすすめします。
エイジングする革はいくつかあるのですが、おすすめは以下。
- ブッテーロ
- エルバマット
- ミネルバボックス
- ミネルバリスシオ
色の変化を楽しみたいなら、「淡い色」を選んでください。
黒よりも茶色。
茶色よりも、黄色。「淡い色」ほど、劇的に変化します。
ツヤの変化だけ楽しめればいいなら、黒でも十分です。色はほとんど変わらず、ツヤが増していきます。
革のエイジングについて、もっと知りたい人は以下をご覧ください。
参考:革のエイジングについて
ライフスタイルに合うカタチで選ぶ
財布にはさまざまなカタチがあります。
2つに分けて考えてみましょう。
- オーソドックスなカタチ
- ユニークなカタチ
1.オーソドックスな、かぶせタイプ
一般的な二つ折り財布。
それから、長財布のことです。
流行の「小さな財布」より、収納力があります。現金払いが多く、カードも6枚以上持ち歩くなら、オーソドックスな財布の方が、使いやすい。
何十年もずっと愛用されている伝統的な財布ですね。面白みはないかもしれないけれど、ビジネスシーンでもカチッと決められる安心感があります。
ただし、高価です。
2.エッジの効いた、ユニークなもの
「小さい財布」、「薄い財布」などは、ここ10年で出てきた新しいカタチ。
ルックスや使い勝手が、オーソドックスなものとは一線を画します。ありきたりなものを避けたい人にも、オススメ。
ただし、使い手を選びます。
たとえば「小さい財布」なら、お金やカードは、最低限しか持ち歩かない。など、財布の使い方がハッキリと決まっている人にふさわしいと思います。
いろいろなカタチに目移りするかもしれませんが、ポイントは2つだけです。
- お金やカードをどれだけ入れるのか
- どのように持ち歩くのか
ライフスタイルで、最適なカタチは変わってくるのです。
あなたの使い方にマッチする財布なら、長く愛用できます。だから、革の醍醐味であるエイジングをしっかりと味わうことができる。「はじめての革財布」でこそ、こだわってほしいポイントなのです。
ライフスタイルにマッチしないものは、「使いにくい」と感じてしまう。革の醍醐味であるエイジングを味わう前に、手放してしまうかもしれません。
無理のないプライスで選ぶ
高いものは避けましょう。
二つ折り財布よりも、長財布のほうが高価です。
たくさんの革を使うし、制作に時間がかかるからです(職人さんのお給料ですね)。
革によっても値段が違います。
たとえば、こちらの財布、ミッレフォッリエ(詳細は後述)。同じカタチの財布でも、ミネルバを使ったものは1万円台。
コードバンを使ったものは、3万円以上します。
どちらも機能は同じ。エイジングを楽しめる革です。素材が違うだけなのです。
この話のポイントは、
高価な財布ほど仕立ては良いし、より高価な革を贅沢に使っている。
けれども、満足度がバツグンに高まるとは限らない。ということです。
高価な革財布を買えば、満足できるのか?
これは使ってみないと分からないものです。
だから「はじめての革財布」として高価なものはおすすめしません。
1万円台でも、革財布の醍醐味を堪能できるものがあります。まずは安価なものをチョイスして、しばらく使ってみる。
革財布にして良かった。もっと上質なものを使ってみたい。そう思ったときに、もう少し高価なものをセレクトしても遅くないはずです。
財布の値段よりも、先ほどご紹介した、
- エイジングを楽しめる革か?
- あなたのライフスタイルに合うか?
これらの方が、ずっと大事です。
「はじめての革財布」を選ぶ条件をまとめます。
私のおすすめは、以下の3つです。
- エイジングする革から、あなたの好みで選ぶ
- デイリーユースで使いやすそうな、カタチで選ぶ
- 失敗しても後悔しない、高すぎないプライスで選ぶ
おすすめの「はじめての革財布」
上記でご紹介した、「はじめての革財布の条件」にマッチする、革財布をご紹介します。
いくつかあるので、財布の特徴を切り口にご紹介します。
使いやすさを求めるならこちら
エムピウ ミッレフォッリエ P25
エムピウのミッレフォッリエ。イチオシの「はじめての革財布」です。
革の種類が豊富です。素材によってモデルラインナップしていて、どれをチョイスしてもエイジングを楽しむことができます。
ラインナップされている革を、ご紹介しましょう。
まずは「ブッテーロ」。ブッテーロとは、イタリアの老舗タンナー、ワルピエ社の代表的なオイルレザーです。ファッションがお好きなら「靴ブランドの名前」としてイメージされるかもしれませんが、革の名前でもあるのです。
ハリのある皮革です。最初はマットですが、次第に艶が出てきます。
時間をかけて、少しずつ変化を楽しみたい方におすすめ。
次は、イタリアのタンナー、バダラッシカルロ社の革、ミネルバ。
こちらはハリは控えめで柔らかい。新品のときからしっとりとしていて、グングンとエイジングが進む。色の変化を楽しみたいなら、淡い色をセレクトするのが面白いと思います。
スムースな表情が、「ミネルバリスシオ」。
リスシオの表情にシボを加えたのが「ミネルバボックス」です。
どちらも非常に魅力的な皮革です。詳しく知りたい方は以下も参考にしてみてください。
参考:ミネルバの特徴について
次は「クアドレッティ」。イタリアレザーをスクラッチすることで、格子状の表情に仕上げたもの。(画像は公式サイトから拝借)。
最後は「コードバン」。陶器のような、とろりした光沢が生まれるエイジングを楽しむことができます。ただし、非常に希少な皮革のため3万円オーバー。革にはまったときに検討してみれば良いと思います。玄人向けの革だと思います。
二つ折りでも長財布でもない、ユニークなフォルムが特徴です。手のひらに収まる箱型のカタチ。外装が上質な革でぐるりと覆われているため、どこに触れても革の質感を楽しむことができます。
使い勝手も独特で、使いやすいです。
財布をくるりと開けると、お札、カード、コインが一望でき、あれこれと持ち替えることなく使うことができる。
お札は10枚くらい。たくさんの現金をひとまとめにするのは苦手ですが、3万円ほどしか持ち歩かないなら、十分な収納力。
参考:ミッレフォッリエ ブッテーロモデルのレビュー
参考:ミッレフォッリエ コードバンのレビュー
持ち歩く快適さならこちら
- ポケットに入れてかさばらないこと
- ジャケットやジーンズに入れたときの、快適さ
これらを一番にするなら、「小さい財布」、「薄い財布」をチョイスするべきです。
いくつかあるのですが、エイジングを楽しめるものをオススメします。
SUPER CLASSIC 小さい財布abrAsus
SUPER CLASSICの代表作「小さい財布abrAsus」です。
発売開始から5年以上経った今日でも、トップクラスの小ささを誇る、革財布です。
いくつかモデルがあるのだけど、おすすめは「ブッテーロモデル」。
色の変化はもちろん、スムースな表面に油分がコーティングされることで、透明感のある表情に変わっていきます。
世界最小のボディに、効率的にアイテムを収納するデザインは本作だけのもの。特許が取られていますので、本作だけのカタチです。
SYRINX HITOE長財布
とにかくスリムな長財布です。
「薄さをウリにした財布」はいくらでもあるのですが、HITOE長財布のスゴイところは、お札、コイン、カードを収納したあともスリムなフォルムを保つところにあります。
しかも、コインが使いやすい。
革はイタリアのオイルレザー、エルバマット。美しいエイジングを楽しめる逸品です。
厚みのある革を、薄くせずにそのあま使っているためハリもあります。
オーソドックスな財布ならこちら
そこそこのお金、カード、コインをひとまとめにするなら、オーソドックスな財布が良いでしょう。
いくつかカタチがありますが、収納するアイテムの量や、持ち歩くスタイルで決めると後悔しません。
お札15枚未満で、カードも7枚くらいなら、二つ折りで十分。手ぶらもイケる(ただし、ケツポケすると財布の寿命が縮むのでおすすめしません)。
お札15枚以上持ち歩くなら、かぶせの長財布、またはL字ファスナー長財布を。
お札20枚以上、12枚以上のカードを持ち歩くなら、ラウンドファスナーをチョイスしましょう。
ただし、オーソドックスな財布は高価です。
パーツが多いのでたくさんの革を使うし、作るのに時間もかかる。美しく仕上げる技術も必要だからベテランの職人さんしか作れない。当然工賃も高い。エイジングを楽しめる上質な革を使った財布は3万円以上して、当たり前なのです。
1万円台では、選択肢はどうしても少なくなってしまうのですが、エイジングを楽しめる財布をチョイスできる、ブランドをご紹介します。
キプリス
全国の百貨店で取り扱われていますね。実際に見て、触れるのも「はじめての革財布」選びに最適なポイントです。シリーズが豊富すぎるので、少し探すのが大変かもしれません。
公式サイトでは、シリーズごとに紹介されています。リーズナブルなものを、いくつか見てみると良いでしょう。
1万円台でオーソドックスな財布を選ぶのは、少し無理があります。
アパレルブランドからラインナップされている財布なら、ほとんどは1万円台で手に入ります。しかし、エイジングを楽しむことはできません。(色ツヤの変化を味わう必要がないのであれば、チョイスしても問題ないと思います。)
2万円以上出せるなら、以下の記事を参考にしてみてください。
参考:2万円台のおすすめ財布
あとがき
私の「はじめての革財布」は、某有名アパレルブランドのものでした。
革が良くなかったのか、使い方が悪かったのか分かりませんが、2年くらいで型崩れし、エイジングも楽しめませんでした。
つまり、革の面白さを感じることはできなかったのです。
だからこそ、あなたには「はじめての革財布」で、革の面白さを味わえる財布をチョイスしてみてほしい。と、思うのです。
革財布を使ってみると、色ツヤの変化、質感。値段。満足感。など様々な考えが浮かんでくると思います。その経験によって、次に買い替えるとき、もっと満足できそうな財布が、ハッキリとわかるはずです。
財布を買い換える数年後、革財布を選ぶ楽しみが増えると思います。