Grand Seikoの金属ベルトから革ベルトへ変更して3年以上使っています。「革ベルトに変更することで、どのような体験ができるのか」、十分に検証できました。
本ページでは、金属ベルトと革ベルトの両方を使ってきた視点で、それぞれの特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
参考にしてみてください。
革ベルトへの変更方法
Grand Seikoを、金属ベルトから、革ベルトに交換する手順です。傷つけずに着脱できるように紹介していますので、参考にしてみてください。
見た目の変化
Grand Seikoの金属ベルトはモデルによって見た目などが異なるのだけど、どれも上質です。ヘアライン加工された太いパーツは落ち着きのある光沢で、スリムなパーツは鏡面のように光る。フォーマルからカジュアルまで、あらゆるシーンで利用できます。
バックルにはGSのロゴ。凹凸のある加工が施されています。バックルは机に面するため、どうしてもキズが付きやすい。印字ロゴだと消えてなくなってしまうのだけど、Grand Seikoのロゴは消えない。SEIKO最高峰の時計ですから、ユーザの所有欲を満たせるよう細部までデザインされているわけです。
ちなみに、数千円ほどのSEIKO製Dバックルだと印字ロゴ。使い込んでいくとロゴが無くなります。キズもついてロゴが霞んでしまう。これはこれで良いのだけどね。
Grand Seikoの金属ベルトは、やはり素晴らしい。ベルト、バックル、そしてケース。3つのパーツが相まり、極めて美しい「最高の普通」が完成する。
SEIKO最高峰の金属ベルトなわけです。それを外してでも、私は革ベルトにしたいと思った。理由はいくつかあります。なお、「革が好きだから」を理由にすると、脱線するので本ページでは言及しません。
一番の醍醐味は、見た目をガラリと変えることができること。これに尽きます。
いくつか挙げてみましょう。
まずは、リザードのネイビー。夏に映えるカラーです。ベルトに遊びのある革・色をチョイスしてみました。ケースのカチッとした装いとのコントラストが生まれる。白と青のコントラストが美しい。「最高の普通」に新しい息吹を与えてくれます。
もうひとつ、青。こちらは藍染のクロコダイルです。 (レビュー:three2four WATCHBELT)
リザードより大きめの鱗になり、個体差が楽しめます。
白×黒。もっともコントラストが出る組み合わせ。クラシカルで面白みがない。という意見もあるかもしれませんが、ここまで締まるルックスはなかなか無い。金属ベルトよりずっとフォーマルです。Grand Seikoのケースがもっとも際立つベルトです。
革の定番カラー、ブラウン。少し濃い色をチョイスすると、やわらかさと力強さがあいまったルックス。黒よりも使いやすいですね。
色や素材が違うと、印象がかなり変わる。「革ベルト」をひとくくりにして語ることはできません。
革ベルトにすることで、デメリットもあります。革ベルトは素材や色によって、使えるシーンが絞られるかもしれません。
たとえば、リザードの青。
ウロコが並ぶエキゾチックレザーは万人受けはしないでしょう。また、鮮やかな青は、使えるシーンも絞られるのではないでしょうか。時計はビジネスで身につける数少ないファッションですが、ある程度のTPOは必要ですね。金融系のお仕事をなさっている方で、こういった「遊びのある色」を付けている人は見たことがありません。
ちなみに、革ベルトを買いに行ったときに「Grand Seikoに付けるなら、良い革を使ったベルトでないと満足できない。」と、話をされたことがあります。
ただ、私はそうは思いません。
気に入った革、気に入った色だったら、それがいい。装着するのは自分なのだから、自分が楽しめることが一番だと思います。次にTPOでしょうか。
人と被らない
ROLEXやOMEGAなどと比べると、Grand Seikoは仕事で利用しやすい時計だと思います。だからでしょうか、人と被ることもあります。
しかし、Grand Seikoに革ベルトを合わせている人はほとんどいません(フォーマルなお仕事だと、いらっしゃるのかもしれませんが・・・)。
Grand Seikoのモデル×革の種類×色で、組み合わせは計測できないほどです。まったく同じルックスのGrand Seikoに出会うことはないでしょう。
軽さの変化
金属ベルトから革ベルトにすることで約20%〜30%軽くできます。
Grand Seikoのモデルによってベルトのパーツ素材・構成、またコマ数によって重さは変わります。
本ページで写真しているGrand SeikoのSBGA211は、金属ベルトのときは92g。なお、ベルトのみで39gです。※重さはコマ数によって変わります。
革ベルト+Dバックルで72g。革ベルト8g(革の種類やベルト長によって変わります)。Dバックル11gです。
20gの違い。ハッキリと軽くなったことが体感できます。
なお、さまざまなタイプのDバックルを試してきましたが、私はBAMBIのDバックルがイチオシです。薄くて軽い。そして耐久性にも問題がありません。
ちなみにDバックルではなく、ピンバックルなら66g。さらに軽量化できます。
SBGA211の金属は軽量なチタンです。ステンレスを使った時計はもっと重く、重い時計ほど軽さを体感できます。ベルトがステンレスの場合などは、かなり変わります。
つけ心地の変化
つけた瞬間の快適さ
革ベルトの方が良いです。
冬。ひんやりと冷たい金属ベルトを装着するのは、ちょっと嫌でした。
革ベルトなら、このヒヤリとした感触が、グッと少なくなる。厳密には、時計ボディとバックルは金属だから、冷たい部分もあるのだけど。手首をぐるりと覆う冷たさとは雲泥の差です。
着用中の快適さ
革ベルトの方が快適だと思います。
ちょっと汗をかいたときも、革は汗を吸収するため、手首まわりはサラリとしています。なお、時計ケース裏には汗が残ります。
ただ、これはシチュエーションや個人差が出るでしょう。気温、通勤時間、汗をかく量などは人によって違うからです。断言はできないのだけど、ほぼデスクワークの私にとっては、夏だからといって革ベルトがNGにはなりませんでした。
一方、金属ベルトだとベルトと肌の間に汗が残るため、汗ばんだ感じが残る。ただし、汗染みを気にしなくていいのはメリットですね。汚れたら洗えばいいので気軽に使えるのもGoodです。
着脱スピードの変化
金属ベルトの方が、圧倒的に早いです。
ただし、革ベルトでもDバックルを利用することで、金属ベルトとほぼ同じスピードで着脱できるようになります。私はDバックルしか使っていません。
あとがき
革ベルトの面白さは、革の表情をGrand Seikoに合わせて、遊べること。これに尽きると思います
時計は高価。いくつも購入しにくいものです。でも、革ベルトなら気軽に交換して、見た目も気分も変えることができる。
これまで革ベルトにしたことが無いなら、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。革がお好きなら、本当におすすめです。