シンプルで上質な長財布を探しはじめると、ブランドも長財布もたくさんあって選ぶのが大変です。
そこで今回は、上質な長財布を作るブランドからセレクトして紹介します。
革にこだわり、一流の職人が作るメイドインジャパンの逸品。あらゆる財布のカタチ中で、一番使いやすい、「かぶせ蓋タイプ」に絞ってみました。ぜひお気に入りの財布を見つけてください。
価格帯もご紹介しますので、予算に合わせてチョイスできます。
目次
かぶせ蓋の長財布について
まずは、「かぶせ蓋タイプ」の特徴を押さえてみましょう。
かぶせ蓋財布って何?
かぶせ蓋タイプは、財布を開け閉めするためのパーツがありません。伝統的な長財布です。
スッキリとした見た目で、スマートな印象を受けます。どちかというと、男性に人気のある、財布です。
日本の技術の結晶
シンプルに見えるかもしれませんが、細部にさまざまな技術が使われている職人技の結晶です。
- コバの磨き
- 菊寄せ
- 捻引き
どれも日本の革財布に見られる、伝統的な仕上げです。財布の見た目を引き締め、丈夫で長持ちさせるためのキモです。
余計な装飾がないことは、上質さの証です。素材やつくりの良さで勝負するしかないため、ごまかしが効かないんですね。
使いやすい
ファスナータイプのように、ファスナーの開け閉めするアクションが必要ありません
パット開いて、パタンと閉じるだけ。財布を取り扱う所作もシンプルになります。
あらゆるシーンで使いやすい
オーソドックスでシンプルな財布ですから、カジュアル、フォーマルを問わず、様々なシーンで活躍します。
スーツでも快適に使える長財布
かぶせ蓋タイプの長財布は、スーツやジャケットを着こなす男性に特に人気があります。
シンプルなつくりですからスリムなものが多いんですね。スーツの内ポケットに収めたときの快適さはダントツです。
ラウンドファスナータイプも人気があります。ただし厚いためスーツに合わせる財布としてはあまりオススメできません。
safuji(さふじ)
safujiは2010年創業、比較的新しい革工房です。ご夫婦で始められたブランドで、一つひとつハンドメイドで作られています。
safujiの特徴のひとつは、とても使いやすいこと。例えば小銭入れは、ガバッと大きく開きます。もっとも使いやすい長財布です。
また、やわらかさを感じられるデザインも魅力です。
財布になるべくステッチ(縫い目)が見えないように作られています。革の生き生きとした表現風合いを最大限楽しめます。
素材はミネルバが使われています。しっかりとエイジングを楽しめるのも魅力の1つ。グングンと色味が深まり、ツヤが生まれてきます。いわゆる「育つ革」として、世界的にも有名な革なんですね。
さらに嬉しいことに、たっぷりとオイルを含んでいますからメンテナンス不要です。手の油分が適度に財布に移るので、オイルケアをしなくても、美しく変化するさまを味わえます。
safujiの中でも、機能性の高い財布をセレクトして紹介しているのがこちら。気になる方はチェックしてみてください。
https://func-wallet.click/summary/safuji-wallet-sumally/
クレバレスコ
最高級の素材、最高の技術で作られた、最高品質の革製品です。クレバレスコは一人の職人さんが、全ての工程を一貫して担っており、他の量産品とは比較にならないほどに品質が高い製品が揃っています。
かぶせぶたの長財布は、パーツも多く、さまざまな技術が必要になるのですが、手縫いだからこそできる美しく、丈夫な仕立てが随所に見られる逸品です。
キプリス(CYPRIS)
キプリスは1995年に始まったブランド。
株式会社モルフォが手掛ける、最高品質の財布をリーズナブルな価格で提供しています。
高級素材(リザード、クロコダイル)を贅沢に使用したブランド「CYPRIS COLLECTION」も展開しており、幅広い価格帯のニーズに対応しています。
キプリスは多数の職人をかかえる企業だけあって、シリーズ展開が豊富。
革ごとにシリーズが分かれていて、その中でもたくさんの形の財布を販売しているため、お気に入りのものが見つかるはず。
タンナーと協力した独自の素材や技法の取り入れにも積極的です。
例えば、写真の品もその代表的なシラサギレザーの長財布です。
兵庫県姫路市で牛皮を鞣して作ったシラサギレザーを使ったキプリス独自の製品です。
コンビ鞣しにより繊維の詰まったシワの出にくい下地。
使い込むことで光沢が増し、革独自の風合いを十分に味わえる素材です。
高度な技術で染色された革は、表面の独特なムラと透明感から他にはない高級感を漂わせます。キプリスの中では、ビジネスシーンで選ばれる財布として3本の指に入る人気製品です。
CRAFSTO(クラフスト)
CRAFSTOは、東京 蔵前にて財布を作る革工房です。
かぶせ蓋の長財布は、2種類の高級素材でラインナップ。
- カチッとハリのある、ブライドルレザー
- 陶器のような光沢を放つ、ホーウィン社シェルコードバン
CRAFSTOは「壊れにくい製品づくり」を大切にしています。マチの内側など、細部まで丈夫に作られていて、耐久性へのこだわりが分かります。
ステッチなどのほつれが生じた場合には無償で修理してくれるそう。長く愛用したい方におすすめです。
土屋鞄
土屋鞄は1965年にランドセルの製造から始まった老舗ブランド。日本で最も有名な革工房といえるでしょう。
2015年には軽井沢工房展をオープンし、実店舗としても訪れることのできるブランドです。
多くの革製品を作り続けてきた伝統と技術は、財布にも活かされています。
公式サイトでは各アイテムの利用シーンや、エイジングの紹介がされていて、革好きにはたまらない作りになっています。
また、製作中のアイテムが分かるように紹介しています。販売開始とともに売り切れる商品もあるため、販売開始時にメールがもらえるサービスを提供しています。
財布も人気のアイテムが揃っていて、フォーマルで使えるものも多様にあります。
写真の財布は、コンフィオヌメ革長財布。スタンダードな形で、同社の最軽量モデルです。
お値段も2万円程度で手が出しやすい一品。タンニン鞣しのヌメ革ですから革を育てる楽しみも味わえます。初めて長財布を買う方にオススメです。
大峡製鞄
半世紀以上続く老舗で、革職人歴50年以上の人材を多く抱える日本を代表する革工房です。
長財布はシンプルな形状の長財布しか作っていません。
気難しい職人魂が見てとれますね。
他ブランドと比べると少し高めの価格帯からのラインナップになっています。
写真の財布は、束入れ小銭入れつき。
利用している革はサンタクローチェ® ・ヌーヴォ。
イタリアトスカーナ地方でバケッタ製法で鞣され、手染め仕上げされた最高級の革で仕立てた一品です。タンナーと大峽製鞄による共同開発の革ですから、大峡製鞄でしか楽しむことができない財布です。
WILDSWANS
WILDSWANSは財布やカバンを得意とする革工房。
10年以上使えるアイテムを作ることで有名です。
WILDSWANSのかぶせ蓋タイプの長財布はわずか2種類。
中でもおすすめなのが、サーフス。
15mmととてもスリムなボディに、長財布としての使いやすさの基本をシッカリと持つ逸品です。
10年以上使える秘密の1つは、サドルプルアップという革。
ベルギーのタンナー、マシュアの銘革です。ハリとコシ、丈夫さを合わせ持つオイルレザーです。
サーフスもサドルプルアップを使っており、使うほどに、手に馴染み、色の変化、ツヤの生まれなどのエイジングを楽しめます。
ゆるやかなカーブを描いたデザインも美しく、ちょっとした遊び心を取り入れたい人におすすめの財布といえます。
Flatority(フラソリティ)
Flatorityは創業50年を超える、老舗革工房。カバンや財布といった革の小物を得意とするブランドです。
写真の品は、コードバンのお財布。コードバンの仕上げを専門とする、レーデルオガワのコードバンで仕立てた逸品。
YKKエクセラニッケルと、極細のファスナーテープを使うことで、わずか15mmととてもスリムな財布。スリムなコードバン財布を探している方におすすめの長財布です。
万双
万双も老舗革工房の1つです。
「世界最高峰の品質」と「常識的な価格」を謳うだけあってリーズナブルな価格でシンプルな財布をリリースしています。
例えばコードバンの長財布は29,800円で手に入れることができます。
万双の財布にはブランドロゴがありません。
これは万双のこだわりの1つで、使い手と一緒に育っていくことを大切にしているからとのこと。
考えてみると当然ですが、革の質感やエイジングを楽しむのにロゴは不要です。
革財布の本質はロゴではなく、共に育ってきた時間だと考えれば納得できますね。
このコンセプトは、革の質にこだわる方ほど納得できるのではないでしょうか。
写真の品はコードバン 長財布(小銭入付)。
コードバンの1枚仕立てで仕上げた逸品です。
コードバンの特性は質感と耐久性。長く愛用できる財布になるはずです。
スーツの内ポケットに入れて違和感の無い仕様感と定評があります。
GANZO
GANZOの特徴は種類の豊富さにあります。
その数なんと40種類。シンプルで伝統的なフォルムの長財布のみでです。
公式サイトでは有名タンナーの上質な革で仕立てた財布がずらりと並びます。
財布によってはアイボリー、グリーンといった女性にも人気のあるカラーリングを揃えています。
写真は、THIN BRIDLE (シンブライドル) ファスナー付き長財布。
表装にJ&E セジュイックのブライドルレザーを、内装にバダラッシィ・カルロ社のミネルバ・ボックスといずれも高価で人気のある革を贅沢に使った財布です。
ソメスサドル
実は国内屈指の馬具メーカー。武豊氏などプロジョッキーが利用する鞍。洞爺湖サミットでの8カ国首脳夫妻への鞄の贈呈などをしているブランドです
長財布はリーズナブルな価格帯。かぶせ蓋タイプの財布では、コインポケットが付いているものが3種類のみです。
写真はノーマン束入れ。
柔らかくシットリとした手触りの長財布です。
CORBO.(コルボ)
CORBO.は1998年創業のカバンメーカーです。ユニークなバッグは当時売れるはずがないと揶揄されてきましたが、固定ファンの気持ちをガッツリと掴み、成長してきたブランドです。
丁寧な仕事ぶりには定評があり、財布の細かい部分も綺麗に仕上げられています。
長財布のうち半分はカジュアルな印象を受けますが、残り半分はビジネスに使えるもの。
写真の品は face Bridle Leather 束入れ。シンプルだからこそ、革の質の良さが際立ちます。
コバの処理も大変綺麗な一品です。ちなみに、CORBO.のほぼ全商品がamazonでは10%のポイントが付きます。
YUHAKU
YUHAKUはグラデーションの綺麗な染色が有名なブランド。
独自の美しい染色を活かしたプロダクトが多数ラインナップされています。
おすすめはやはり長財布。面積が広いため、その美しさを存分に味わうことができます。
ビジネスシーンでは男性のオシャレは容認されていないことが多いため、他の人と差別化を図ることは難しいものです。
そういった中で財布は自分を表現できる数少ないアイテム。YUHAKU独自のカラーで飾ってみてはいかがでしょうか。
写真はYUHAKUの束入れ。濃淡の移り変わる、繊細なグラデーションはYUHAKUの醍醐味です。
YUHAKUのかぶせ蓋タイプの長財布で最も軽く、薄いモデルです。
フォーマルで使うならDeepBrownもしくはDeepBlueといった暗めのトーンがオススメです。
もちろん、趣味嗜好は人によると思いますから、気に入ったカラーをセレクトして間違いありません。どの色もYUHAKUの美しさを堪能できます。
参考:YUHAKU Veratula束入れのレビュー。日本一番美しい財布を紹介
ココマイスター
ココマイスターは、100名を超える日本の熟練職人を持つ革工房です。
欧州のタンナーの革を使い、日本の職人が仕立てています。歴史あるタンナーから、ブッテーロやマットーネといった上質な革のみを仕入れ、贅沢に使った長財布が並びます。
まとめ
財布がジャパンメイドであることの価値はどこにあるのでしょうか。
ジャパンメイドだからこそ、高品質で、安心して長く使える。これに尽きます。
縫製や、染色、コバ仕上げといった作業で、日本の職人にしかできない技が活かされていること。また、すべての工程を通して高い品質を、製品の個体差なく均一に仕立てるのは海外では難しいでしょう。
多くのブランドを紹介しましたが、いずれも最高の技術で財布を作るブランド。
どれを手に入れても、きっと満足するはずです。