革工房ONES WORKERの財布『コードバン ラウンドジップ長財布』を試供いただきました。本ページでは使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
特徴
特徴は以下のとおり
- ラウンドファスナー長財布
- お金もカードもたっぷり入る
- 最高級レザー、国産コードバンを贅沢に使用
- 内装の素材は、イタリアオイルレザーブッテーロ
- 手縫いによる、美しい仕立て
- 長く使える丈夫な財布
スペック
ブランド | ONES WORKER |
---|---|
商品名 | コードバン ラウンドジップ長財布 |
収納力 | ★★★★★ |
お札入れの数 | 2 |
お札の枚数 | 40 |
コインの枚数 | 20 |
カードの枚数 | 12 | サイズ | W198 × H92 × D25mm | 重さ | 258g |
素材 | 新喜皮革社コードバン×ブッテーロ |
カタチ、構造
本作は「ラウンドファスナー長財布」にカテゴライズされます。コの字型にファスナーで留めることでしっかりと中身を守ってくれる安心感のある財布。カバンの中に入れて持ち運ぶことが前提となるサイズです。
重さは258g。「薄い財布、小さい財布」を基準とすると重く感じるはず。しかし、本作はそもそも方向性が違います。見えない部分にもたっぷりと革を使っています。極薄にスライスした革をあえて使わないことで、型崩れせず、長く使えるように作られた財布です(詳細は後述)。
外装は最高級皮革、「新喜皮革社のオイルコードバン」(詳細は後述)。カラーはナチュラルを選びました。信じられないくらい美しい。ここまで淡い色でこの透明感と光沢を楽しめるのはコードバンならではです。
一枚革でぐるりと巻いた構造で、どこを持ってもコードバンの滑らかな手触りを楽しめます。
引手もボディと同色のコードバンが使われています。財布を使うときに必ず触るパーツです。
まず、この引手がすごい。とても高級感があります。中に素材を閉じ込めることで、立体的に仕立てています。
中に閉じ込める素材も「外装がふっくらとラウンドする形」に整形しているはず。この美しさはミシンではできないよね・・・。と思ったのですが、手縫いされてますね。量産品ではありえない手の込んだ作りです。
ステッチもキレイです。コードバンに食い込み、シワにならないように絶妙な力加減でステッチされています。糸の立体感も美しい。。
見た目が良いだけじゃないです。カッチリと固く、たわみません。つかみやすく、ファスナーを引くときにぶれない。機能的です。
YKKの最高級ファスナー、エクセラが使われています。歯がなめらかで美しい。引手のカッチリ感とあいまって、スムーズに、気持ちよく開閉できます。
中はこんな感じ。左右対称のデザインです。内装にはイタリアのオイルレザー、ブッテーロ(後述)が使われています。
中央はコインケース。
両サイドは札入れ。
外側にはカードポケット。
カードポケットの奥は、フリースペースになっています。
使い勝手
本作は、カード12枚、お札40枚、コイン20枚ほどを収納できます。なお、収納量は各アイテムのバランスです。コインが少なめなら、お札をもっとたくさん入れれますね。
カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。
カード
曲線のラインはONES WOERKERの意匠ですね。片面に6つのポケットがあります。ポケットは両面にあるので、合計12枚のカードを分けて収納できます。
収納したカードは顔を出すので、きちんと識別できます。
カードの横幅より少し余裕のあるサイズ感。きつい感じがしなくてカードが出し入れしやすいですね。馴染んでくると1ポケットに2枚入れれそうですが、ポケットが伸びるし、選びにくくなるのでおすすめしません。
収納しきれなかったカードはフリーポケットに入れることもできます。縦に入れる方が見やすくて、取り出しやすい。
お札のスペースに入れることもできます。
カードポケット以外に入れる場合は、左右対称のボリュームになるよう入れましょう。本作は左右対称に作られているため、片方に入れすぎない方が財布が長持ちします。
お札
収納スペースが2つあるため、分けて管理できます。ついついレシートがたまりがちでも、本作は大容量ですので問題ありません。
- 千円札と1万円札
- お札と商品券
- お札とレシート
- お札とカード
両サイドに20枚ずつくらい入ります。
他の長財布よりも長いため、収納スペースにも余裕があります。そのため、お札がぱらりと広がりやすい。数えたり、選んだりが快適です。
コイン
コインを使うときは、中央のファスナーを開く必要があります。ちなみに、こちらのファスナーもエクセラ。滑らかに動きます。
コインポケットの内側にも「革の表面」が見えます。これ、内側にも革を貼っているんですね。2倍の革を使うだけではない。張り合わせる技術が必要で、手間もかかります。
見た目がよくなるだけじゃないです。ブッテーロの表面はスベスベとしているため、コインの動きが良くなります。
なお、内装の色はオーダーで変更できます。ご紹介している色はナチュラル。コインが見えやすいのですが、コインの金属粉が付着して黒ずみが目立ちやすい色です。汚れが目立ちにくい色が良いなら、黒やネイビーなどの濃色でオーダーをおすすめします。
大きなポケットだから、コインの収納もらくらく。
取り出しやすいです。
素材
新喜皮革社 コードバンを贅沢に使用
素材は新喜皮革社のコードバン。馬のお尻の皮を削り出すことで現れる、コードバン層を使った最高級レザーです。抜群の透明感が魅力の特別な革。
新品のときから繊細な光沢を放つ特別な革です。
大きなラウンドファスナー長い財布を作るためには、コードバンを大きく切り出す必要があります。コードバンは牛革の1/10ほどのサイズしかないため、本作は1枚のコードバンから1つしか作ることができないはず。キズを避けて制作するでしょうから、作ることができないこともあるでしょう。極めて贅沢な財布です。
ピンと張る質感と、バツグンのスムースさ。ずっと触っていたくなる肌です。
コードバンには様々な色があります。本ページでご紹介しているのはナチュラル。もっとも淡い色で、透き通る透明感を楽しめます。
小さな黒ずみや、毛穴(ピンホール)も、濃い色のコードバンより目立ちます。これが苦手なら、ナチュラル以外を選びましょう。ネイビーやバーガンディなどはほとんど目立ちません。
繊維密度が部位によって異なるため、ナチュラルは色ムラが出やすいです。しかし、これが良い。コードバンは特殊な工程を経て作られるのですが、こういった個体を見るとやっぱり天然の素材だなと思います。たまらない。
ナチュラルはもっとも色の変化を楽しめるので、エイジングを堪能したい人におすすめ。
内装はブッテーロ
イタリアのタンナー、ワルピエ社のオイルレザー、ブッテーロが使われています。一般的には財布の外装に使われる高級皮革です。
マットな質感ですが、使い込むことで、色・艶が変化するエイジングを楽しめます。
オーダーメイド可能
本作はカラーオーダー可能です。
外装は新喜皮革コードバン5色から。
- Blue
- Burgundy
- Natural ★本ページでご紹介のカラー
- Green
- Black
色の変化を楽しみたいならBlack以外がおすすめです。
内装のブッテーロは、16色から。
内装はエイジングスピードも緩やかです。NavyやBlackなどの濃い色だと汚れが目立たないです。
また、ファスナーや糸の色も選ぶことができます。一般的には革色と同系色の糸で縫われるのですが、糸色を変えても面白いです。
長く使える丈夫な財布
コードバンの裏面にブッテーロが貼られています。ものすごく贅沢な使い方。固いブッテーロを使うことで型くずれしにくくなる。長く使える財布になります。
マチが2トーンになっています。
ここも2枚のブッテーロを張り合わせています。ブッテーロの裏面が見えないため、美観がよくなるし、耐久性を作り込んでいます。
ダメージを受けやすく、カタチが変わりやすい屈曲部も、革を張り合わせて強度をアップ。
細かい部分ですが、耐久性を底上げしてくれる。長く使っても型崩れを防ぐように作られています。丁寧な仕事ですね。
クオリティ
とても丁寧に作られており、品質が高いです。
コバ
革の断面をコバと言います。
コードバンもブッテーロも、タンニンなめしの革のため、コバを磨くと光る。素材が良いから、革本来の色を活かしたのでしょう。染色されていません。
革のフチは面取りされているようで、手触りもよいです。
ステッチ
内装のパーツはミシン縫い。返し縫いも、糸が重ならないようにキレイにされています。
外装はなんと手縫い。コードバンの美しさを際立てています。
ピッチは少し広い感じがします。それでもハンドクラフト的な印象を受けず、高級感があるのはキレイに縫われているから。革の厚み、ハリ感を見ながら、シワにならないよう縫い締める加減を調整しているのでしょう。斜めに均整に続くステッチラインが美しいです。
糸色は、外装と内装、どちらかの革色でオーダーできるのですが、この美しさならあえてコードバンとは違う糸にしても良いでしょう。コードバンに食い込んで立体的に見えるステッチラインが美しい。
内側も斜めに並ぶステッチライン。ミシンでは表現できない美しさです。
捻(ねん)
革のフチの捻(ねん)もキレイに引かれています。ステッチが美しいとさらに美しさが際立ちますね。
あとがき
最高の素材、コードバンとブッテーロを使い、美しいだけでなく耐久性も丁寧に作り込まれています。たくさんのお金やカードを収納できる上質なラウンドファスナー財布をお探しの方におすすめです。