本日ご紹介するアイテムは、WILDSWANSのブックカバー『スーティド(SUITED)-L』。
私はいくつかのブックカバーを愛用していて、スーティドもそのひとつ。
本ページでは、その使い勝手やメリット・デメリットをご紹介しましょう。
最初に特徴をピックアップしてみましょう。
- しおり機能の付いたブックカバー
- エイジングを楽しめる高級レザー、サドルプルアップ
- 日本有数の革工房、WILDSWANSによる丁寧な仕立て
上質なブックカバーをお探しなら、ぜひ検討してみてください。
使い勝手
スーティドは、いたってオーソドックスなブックカバー。取り扱いもカンタンです。
表紙側の差し込み口は、完全にステッチされています。ここに差し込む。
次は背表紙側。
端っこがスリットになっています。
ここに背表紙を差し込んで、折りたたむ。
本の「厚み」はそれぞれ違うわけですが、背表紙の差し込み部を、本の厚みにフィットするように折りこむことで、ジャストサイズになるデザイン。新品のときは、革の跳ね返りがきついのですが、使っているうちに折り癖が付いて薄く、使いやすくなります。
私は、同じような厚みの本で使い続けているためか、同じ箇所に折グセができました。ハリが強いためか、新品のときの「まっすぐな状態」には戻りません。差し込みやすくなるので、少しずつ使いやすさが増します。
中央には、「しおり」として使える革のストラップ。
本体下部から、少しはみ出ているから、一目瞭然でサッと取り出しやすい。
さすがにストラップに、「WILDSWANSのコバ仕上げ」は施されていないのだけど、中央にステッチラインがあしらわれています。ただのヒモに見えないのが、ニクい演出です。
特徴
丁寧な仕立て
WILDSWANSのらしさのひとつは、「コバ」にあると思っています。では、スーティドではどうか?
残念ながら、「磨きコバ」の仕上げではありません。「へり返し」によるコバ仕上げとなっています。
1枚の革をたたんで、ステッチする仕上げですね。
WILDSWANSの財布のように、何層ものサドルプルアップを重ねた厚みのあるエッジではないため、「縁返し」で仕上げるしかないのです。
サドルプルアップを贅沢に使用
素材は、サドルプルアップ。ベルギーの名門タンナー、マシュア社の代表作であり、WILDSWANSが使い続けるオイルレザーです。
ハリが強くて、厚みがあります。長時間持ち続けるブックカバーの素材としてふさわしいのか?と疑問に思ったのですが、大丈夫でした。
「ブックカーバーとして最適な、しなやかさ」になるように、革が薄く仕立てられています。だから厚みは適度。(WILDSWANSの財布のように、ボリューム感があるわけではないのです)
それでいて、サドルプルアップのハリ感を味わえます。
私がチョイスしたカラーは、ブラック。
まだ、2ヶ月ほどしか使っていないため、まだ、マットな質感。これから更にツヤが出てくるので、育てがいがあります。
カバンの中に入れて持ち運んでいます。他のアイテムとぶつかったり、ツメでこすったりすることもしばしば。スムースなレザーだから、生傷が絶えないのだけど、これもアジとなることが分かっています。ガンガン使って、育てる革なんですね。
キズやエイジングが嫌。言い換えると、「新品の美しさを長く味わいたい」なら、本作をセレクトするべきではありません。顔料仕上げのブックカーバーを選んだ方が、きっと幸せになれるはずです(安いですしね)。
正直なところ、同じような機能を持つブックカバーはいくらでもあります。オーソドックスで、エイジングを楽しめる、もう少し安いものをセレクトしても良いでしょう。
ブックカーバーの中でもスーティドは高価な一品です。それでも選んだのは、私がサドルプルアップが好きだから(あと、WILDSWANSが好きだから。)
スーティドのラインナップ
2種類のサイズがラインナップされています。
- 文庫本が、スーティド-M
- 新書が、スーティド-L
本ページでご紹介しているのは、スーティドLですが、どちらも使い勝手は同じ。よく読む本のサイズでチョイスされるとよいでしょう。
あとがき
サドルプルアップを使ったブックカバーをお探しなら、スーティドしか選択肢がないように思います。
WILDSWANSが定番として使いつづけてきた皮革で、だからこその贅沢で美しい仕立てなのです。手のひらいっぱいに、サドルプルアップを楽しみたい、とにかく上質さを求める人にとって、本作は検討の価値あるブックカバーです。