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ラクリエ式 ミニウォレットコードバンモデルのレビュー。コンパクトなボディにお札、コイン、カードを収納できる財布

岡山に居を構える革工房、La crie(ラクリエ)。

ユニークなカタチの財布をラインナップされています。
その中から、お札、コイン、カードをひとまとめにできる、ラクリエで最も小さな財布を買ってみました。

本日ご紹介する、「ラクリエ式ミニウォレット」です。

特徴はこんな感じ。

  • コンパクトだから、かさばらない
  • ユニークなフォルムだから、人と被らない
  • お札、コイン、カードをひとまとめにできる

極めてシンプルな構造ゆえに、革の質感をダイレクトに味わえます。使い勝手にクセがあるため、万人にオススメとは言えないのだけど。革がお好きなら検討してみてほしい1品です。

スペック

ブランドLa crie(ラクリエ)
商品名ラクリエ式ミニウォレット
収納力★★★☆☆
お札入れの数1
お札の枚数10
コインの枚数15
カードの枚数3
サイズH97 x W87 x D20 mm
重さ-
素材コードバン

動画

コードバンの光沢やハリ感。ラクリエ式のユニークな使い勝手が伝わると良いのですが。

ラクリエ式ミニウォレットの使い方

使い勝手

正面がこちら。

背面がこちら。ほぼ正方形の独特なフォルムです。

パット見、小さなコインケースにしか見えない。というか、財布にも見えないかもしれません。カードサイズ+アルファのサイズしかなくて、とにかくコンパクトです。

ラクリエ式ミニウォレットは、いくつかの素材でラインナップされています。
私がチョイスした素材は、コードバン(素材については、後述)。

サラリとした質感で、触っていて気持ちいい。革の厚みは1mm強かな。極厚ではないのだけど(そもそも厚いコードバンば存在しないのだけど)。非常にハリの強い皮革のため、かなりカッチリとした質感です。

それでは開いてみましょう。正面に差し込まれている革を引き抜きます。

「フラップ状の支え」が飛び出てきます。とにかくハリが強いから、引き出すと飛び出てくる。(この質感はなかなか文章ではお伝えしにくいですね。お時間があれば動画を見てみてください。)

ほぼすべての財布は、ボタンやファスナーなどのパーツによって「財布のフォルム」が決まる。お金やカードを閉じ込める構造になっています。財布を開けるときには、そういったパーツを操作することになる。

本作は、フラップで留めるだけ。使うときに引き抜いて、仕舞うときには差し込む。このデザインが「ラクリエ式」なのです。ギミックが効いていて面白い。

フラップを外すとこんな感じ。シンメトリなデザインが美しい。ヌメ革はかなり淡い色なので汚れが目立つと思います。これは好みが分かれるポイントですね。

中にもギミックが隠されています。

こんな感じで引き出せる。これは後ほど紹介します。

それでは各アイテムの使い勝手を見ていきましょう。

お札

ヌメ革の中間、ここにお札を入れます。

二つ折りにしたお札を入れてみましょう。

意外とスッキリと入る。コンパクトだから引っかからないか心配していたのだけど、するりと収納できますね。Max10枚くらいなので、たくさんのお札を収納するのは苦手です。

さて、ラクリエ式ミニウォレットは「お札を2つに折ってから入れる」アクションが必要。これが面倒なら、オーソドックスな二つ折りをチョイスしたほうが幸せになれると思います。

スムーズに入れるなら、キレイに折りたたむこと。と言ってもこれくらいのズレならば。

ちゃんと入る。

極端だけどここまでずれると。

ひっかかってしまうので、入りません。

お釣りでお札をたくさんもらったときに、慌てず、落ち着いて折りましょう。

折りたたんだお札を重ねているデザインだから、スッキリと収まります。

一般的な二つ折り財布のようにガバっと開いて、紙幣を選別することは苦手。たとえば、1万円札と、千円札を3枚出したいときに、パパっと払うのは難しいのです。

では具体的にどうするかというと、こう掴んで。

引っ張って、お札を引き出す。革のフラップが「下敷き」のようになって、お札をズラリと並べることができる。

「かぶせ蓋の長財布」のように見やすく、使いやすいか?と聞かれると、Yesとは言えないのだけど、ちゃんと見分けることができます。

コイン

お札入れの、下部がコインポケット。

ハリの強いコードバンだからかな。ラウンドした「スペース」ができてますね。

コイン11枚。

フラップが「受け皿」になるので、傾けると「スペース」に吸い込まれるように入っていく。

決して大きくは無いのだけど、かなり余裕を持って収納できます。15枚くらいは入るかな。

取り出すときは、逆に傾ける。

ポケットが深くて、ガバっと開くわけではないので、受け皿に出して選別する感じ。フラップが思ったより広いので、コイン6枚くらいは並びますね。

馬蹄型のように「返し」があるわけではないので、滑り出してきたコインは手で止めてあげないとコインは落ちます。ちなみに「コインが落ちませんか?」はラクリエ式では禁句のようです。「落ちたら拾え式」みたい。

コードバンの床面は非常にスムースです。裏面にするのは勿体無いほど、美しく味わいのある表情です。コインの滑りもいい。

カード

公式にはここがカードポケットのよう。

リベットが通されているため、かなりきつい。カード両端がリベットで擦れてしまうくらいにきついので、出し入れはスムースとは言えません。カードも1枚しか入らないですね。馴染んでくればもう1枚くらいいけるかなといったところ。(コードバンは繊維密度がギュッと詰まった堅牢性が高い皮革だから、伸びが少ないはず。1枚がMaxかも。)

奥まで差し込むとこんな感じ。

ただし、ここにカードを入れると、お札が使いにくい。お札が出しにくいし、カードが指に当たるので気持ちよくない。

なので、お札ポケットに収納したほうが良いと思います。リベットが無いため幅が広く、端っこまでカードが入る。出し入れもスムーズです。

ただ、ここも写真のとおり。お札が隠れてしまうので、お札が取り出しにくくなる。

お札の奥が一番使い勝手がいいですね。

ここに収納するなら、カード 3枚くらいは入ります(もちろん、お札やコインの収納量とのバランスによります)

特徴

コードバンの質感をもっとも堪能できる財布

本作の素材は、日本を代表するタンナー、新喜皮革のコードバン。新品のときから光沢がかなりありますね。

コードバンについて語りだすと長くなるので、本ページでは控えます。ガッツリ知りたい方は以下をご参照ください。

参考:買う前に知っておきたいコードバンのホントのところ。

新喜皮革のコードバンは、ここ数年で様変わりしているように思います。数年前はマットな仕上げのものばかりでした。

使っていくと陶器のようなトロリとした光沢が出てくる。キズや凹みもできてしまうのだけど、そういったヤレ感も含めて、たまならく好きです。(ちなみに、動画でチラリと出している以下の馬蹄型コインケースも新喜皮革のコードバンです。)

最近のコードバンは最初から光沢を見せるのがトレンドなのかもしれません。お店に行ってみると、新喜皮革のコードバン(レーデルオガワかもしれない)は、光沢仕上げのものばかり。なんだかな、と感じたりもする。

コードバンのラフな表情と変化が醍醐味だと思うので、「最初から完成された美しさ」はあまり好みではないんですよね。だから、ラクリエのYoutubeで本作が紹介されたときには、ちょっと迷いました。最初からモノスゴク光沢があったからです。

ただ、結果としては、ハマりました。好きな色合いです。

フラップとボディ部で、濃淡が違いますね。

背面も下のほうが濃く、上の方が淡い。

この、非均一な表情が、たまらない。天然素材の証です。皮の厚みは個体差があるし、部位によって繊維密度も異なるため、ムラのない表情に仕上げることは不可能なはず。

コードバンは表面を強制的に寝かせることでスムースに仕上げている皮革です。だからカーブのあるフラップ部は、寝ていた繊維が少し毛羽立っている。少しザラつきのある質感になっています。 

染料とオイルが移動することで、色の変化が現れる、プルアップ現象が起きています。

本作のコードバンは、ご覧のとおり新品のときから美しい表情。このあとのエイジングがどうなるかは不明です。できれば変化してほしいのだけど。これは後日ご紹介できればと。

シンプルに革の良さを味わえる

背面にブランド名が型押しされている以外、余計な装飾が一切ない。極めてシンプルなルックスです。コードバンの表面にロゴがあるのは好みが別れるかもしれませんね。

ラクリエ代表の宮本氏が運営されているYoutubeチャンネルや公式サイトの写真を見ても、あらゆるプロダクトが極めてシンプルなのです。「余計なものは足さない」コンセプトは、ミニウォレットに限らず、ラクリエのすべてのプロダクトに踏襲されているようです。

革以外の素材は、リベットだけ。黄金色の光沢を帯びたリベットは真鍮製のようです。こちらもエイジングする、魅力的なマテリアルです。

ミニウォレットはUSブライドル、プエブロなど、いくつかの素材でラインナップされています。どの革も味わい深いエイジングを楽しめる素材ですね。良い皮革と上質な仕立てが組み合わされたプロダクトに、余計な装飾は必要ありません。

「革の楽しみ」を邪魔するものを極力排除したプロダクトです。コードバンをダイレクトに味わえるから、ずっと触っていたくなる。そんなお財布です。

どこも縫製されていないから、ステッチは一切ありません。シニュー糸の色の変化も、美しいステッチワークも好きなら、ちょっと物足りないかもしれませんね。

美しい仕上げ

本作はメイドインジャパンのプロダクト。シンプルな作りですが、コバもちゃんと磨かれていて光沢があります。塗料は塗られていないため、革本来の色合いが見える。これは素材によって違うかも(たとえばプエブロは、柔らかい素材なのでコバは磨けないような気がする)。

ツルツルとしていて、触ると気持ちいいです。

あとがき

この世界に存在する、あらゆる財布とも異なるフォルム、異なる使い勝手の一品です。決して万能な財布ではないのだけど、所有欲を満たしてくれる。使っていてカッコいい。そう思わせてくれる、唯一無二のプロダクトだと思います。

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