本ページでは、イタリアのオイルレザー「プエブロ」についてご紹介します。
プエブロの特徴
動画
プエブロの表情が伝わるように、動画にしてみました。
毛羽立ちのある表情
プエブロの特徴といえば、やはり独特の表情でしょう。
微細に乱舞するのは、毛羽立った繊維です。
こちらは、プエブロ のベースの皮革、ミネルバリスシオ。
スムースな表面のリスシオに、あえて毛羽立ち加工をしているそう。部位によって模様の出方が違う、独特の表情です。
ロットにもよるのだけど、新品のときから小さな引っかき傷にも見えてしまう。好みが分かれる表情かもしれません。
手触り
部位によって毛羽立ち度合いに差があります。模様が多い部位は、触れるとザラッとした質感です。まるで和紙のような質感です。
この手触りも少しずつ変化していきます。
使い込むことで繊維が、より寝ていく。スムースな手触りになっていきます。
キズへの耐性
プエブロは、タンニンなめし、染料仕上げの皮革。
この製法の皮革は、革の素の表情を活かし、薄化粧で彩られただけの状態。どうしてもキズはつきやすい。
スムースレザーと比べると、毛羽立ちのあるプエブロはキズが目立ちにくいです。
ただし、これを気にするかどうかは人によるでしょう。
私なら、「キズの目立つ度合い」で革を選んだりしません。
なぜなら、タンニンなめしのオイルレザーは、表面を乾拭きしたり、エイジングすることで、キズが目立たなくなるからです。
メンテナンスフリー
プエブロはオイルレザーです。
だから、水・カビに強く、オイルを追加する必要はありません。
特にカードケースや財布などは、よく触れるアイテムのはず。手の油分がプエブロの表面に移るため、適度にオイルコーティングされた状態が続くわけです。だから、オイルの追加などは不要。過度なオイル追加は、ハリ・コシが弱まる恐れすらあります。
プエブロの芯部にも、じっくりと時間をかけて浸透させたオイルが入っているため、使わない期間があってもカサついたりしません。
エイジング
色ツヤの変化も革の醍醐味。
プエブロもまた、ミネルバのように劇的に変化していくそう。
プエブロのタンナー
プエブロを生産するのは、バダラッシカルロ社。
イタリア トスカーナ州に居を構える、100年以上続く老舗タンナーです。
バダラッシカルロ社といえば、ミネルバ・ボックス、ミネルバ・リスシオ有名ですね。どちらも大好きな皮革です。
ドラムなめしが一般的になった今日も、伝統的な手作業での「ヴァケッタ製法」で革を作っています。いわゆる、タンニンなめしです。濃度の異なるタンニンのプールを、いくつも用意して、漬け込む製法ですね。
手間、場所、時間がかかるため、生産コストが跳ね上がる。そのため、高価になってしまうのだけど、ドラムなめしと比べると、皮へのダメージを最小限に抑えつつ、皮本来の自然な風合いを活かすことができる製法です。
美しい色合いは、染料を浸透させる「染料仕上げ」。
革の芯まで浸透させることで、彩りを加える手法です。表面に色を載せているわけではないため、革の風合い・表情をそのまま活かせるわけです。(写真はミネルバ・リスシオ)
タンニンなめし、かつ染料仕上げで革をつくる、数少ないタンナーです。
あとがき
プエブロは、その独特の表情から万人にウケル皮革ではないと思います。
最初はリスシオかボックスを。そして、そのエイジングを気に入ったらプエブロをチョイスしてみてはいかがでしょうか。