ミネルバボックスとミネルバスシリオの特徴。バダラッシカルロ社の銘革で作られた、おすすめの財布を紹介

マルティーニ・オーモンドウォレット ミネルバ・ボックス

ミネルバボックス、ミネルバリスシオ。

ホンモノの革製品に使われ、長年にわたって親しまれている著名な革です。

今回は、この2つのレザーを作るタンナー、バダラッシカルロ社の革と、その特徴をたっぷりとご紹介します。

ミネルバの特徴を知ることで、もっと楽しく革を選ぶことができるようになります。

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ミネルバを作る、バダラッシ・カルロ社について

イタリアのフィレンツェは昔から革工業が盛んな町。
多くのタンナーが存在しています。
(タンナーとは、革を作る会社のことです。)

バダラッシィ・カルロ社はその中でも比較的新しいタンナーです。

創業者のカルロ・バダラッシィは元々レザークラフトの講師をしていました。
講師としてのキャリアを重ねていく中で、自分の教えてきた理論と技術を証明したくなり起業しました。それがバダラッシィ・カルロです。

タンナーの中では小さな規模。
伝統的な製法であるバケッタ製法を頑なに守り、革をつくり続けるタンナーです。

このバケッタ製法は、時間と手間がかかります(詳細は後述)。
また、バダラッシ・カルロは徹底的に品質にこだわるため、大量生産ができません。
しかも、バケーションや船による搬送の影響から、数ヶ月入荷できないこともあるんですね。

そんなバダラッシカルロの革ですが、見事な特徴があり世界中から親しまれています。

  • 美しく、透明感のある色
  • 革本来の風合いを活かした染色
  • オイルレザーのため、汚れや水に比較的強い
  • 色が深まり、ツヤが生まれる。いわゆる「育つ革」として優秀

このように、ずば抜けた特徴があり、世界中の革工房から信頼を得ています。
日本でも、著名な革工房が使っていますね。

このタンナーの代表作が、ミネルバシリーズといわれる革なのです。

バダラッシ・カルロ社の革の紹介

ミネルバリスシオ

エムピウ ゾンゾ フォルム

最初にざっくりと特徴をあげるとこんな感じです。

  • スムースな表情
  • 手に吸いつくような手触り
  • ぐんぐんとエイジングする
  • 革の風合いを活かした、透明感のある表情

順に紹介していきましょう。


リスシオは滑らかなスムースレザー。
ミネルバ・ボックスに比べると、少々固い印象です。

ただ、一度手にすると、印象はガラリと変わるはず。
たっぷりと油分が含まれているのでしなやかさと滑らかさがあり、吸いつくような触り心地を楽しめます。

リスシオは、比較的早くエイジングを楽しめます。
色は深みを増し、ギラリとしたツヤが生まれます。

顔料(水に溶けない染料)で表面を塗りたくる厚化粧の仕上げではありません。
引っかき傷や、水分による色移りも起こります。

その代わり、奥行きのある透明感が特徴の、美しい色に仕上がります。
革の風合いを楽しむことができる革になんですね。

染料が革の芯まで浸透しているため、少しくらいのキズなら大丈夫。
軽く揉んであげれば、革の中のオイルや染料が移動します。
結果として、キズが目立たなくなりますから、あまり気にせず気長に育てましょう。

ミネルバボックス

マルティーニ・オーモンドウォレット ミネルバ・ボックス

通の間では「エム・ボックス」と呼ばれています。

ベースは、リスシオと同様。
違いをざっくりとあげてみます。

  • 手揉みによる、自然なシボ
  • 柔らかな手触り

このレザーは、アルプス地方のステアハイドを使用。
タンニンなめしを行ったステアに染料で染めあげます。

ミネルバ・リスシオとの違いは、その表情。
作り方は途中まで同じなのですが、仕上げに「揉み加工」を施すことで、シボを生み出したのがミネルバ・ボックスです。

シボで有名な「シュリンクレザー」は、薬品を使った縮め加工です。
均等なシボ感を得意としています。

一方、ミネルバ・ボックスは手揉みによる加工です。
部位やロットによって、シボ感に大小の違いが生まれやすいのですが、自然で繊細な凸凹が特徴です。

また、シュルリンクレザーに比べるとしなやかさがあるため、ブックカバーや財布のように手で触れることが多いアイテムに最適です。

シボがあるため、引っかき傷が目立ちにくいという特徴もあります。

作成はすべて手なめし・手染めのオールハンドメイドです。
染料仕上げなので革本来の表情が楽しめるのも魅力です。

経年変化の楽しみはミネルバ・リスシオと同じです。
はじめはマットな印象を受ける表情ですが、使い込むことで、ギラリと光るツヤが生まれ、色も深まっていきます。

その変化はまるで生きているよう。
革の色がグングンと変化する様が、レザー愛好家を魅了しています。


ミネルバの特徴の1つが豊富なカラー。

タバコ、ナポリ、コニャック、ローズ・・・。
これらは、すべて色に付けられた名前です。

エスプリが効いていますよね。
イタリアの陽気な感じが伝わってきます。

言葉での表現が難しい色だからかもしれませんが、茶色、オレンジ、赤といった、ありきたりな表現をしていないのも面白いところです。

ミネルバを使ったアイテムは、豊富なカラーラインナップも特徴。
バダラッシカルロが、彩り豊かな革を作ってくれているからなんですね。

プエブロ

出典:https://ulysses.jp

出典:https://ulysses.jp

リスシオに、ヤスリがけをすることで表面を毛羽立たせたもの。

日本ではあまり目にすることがない珍しい革です。
独特の見た目は、とても目を引きます。

特徴は毛羽立った表情とシットリとした触り心地。

最初は表面の毛羽立ちが目立ちますが、使っていくうちに毛は寝ていきます。

ミネルバシリーズ同様にオイルをたっぷりと含んでいます。
もちろん、色もツヤも変化する楽しみを味わえます。

ナッパネピア

safuji ミニ長財布 ガイド納富
ミネルバの表面にロウ加工を施した革です。

ネピアはイタリア語で「霧(きり)」を意味しています。
上記の写真のとおり、霧がかった表情が特徴です。

最初は、サラサラとした手触り。

使っていくうちにロウが馴染んでいき、霧が晴れるようにロウが無くなっていきます。
ロウは、革に馴染んでいくので、うっとりするほどのツヤが出てきます。

共通する特徴

時間をかけて作られる高級な革

革のなめしとは、皮を柔らかくし、製品に適した素材にかえる作業のこと。
「植物性タンニン」や、「ベジタブルタンニン」はその製法の1つです。

植物から抽出したタンニンを使ってじっくりとなめす伝統的な製法です。
バダラッシ・カルロ社は、手間も時間もかかるこの製法を守り続けています。

実は、日本に出回るレザーアイテムの1割程度しかこの製法で作られていません。
時間も手間もかかる高級品なんですね。

美しい色の変化を楽しめる革

バダラッシカルロの革は、エイジングがハッキリと出るのも特徴。

革の色が変化する理由は、タンニンの成分である「渋(しぶ)」の変化です。
時間の経過や、触れたり押したりすることで、タンニンの成分が表面に出てきます。
このとき、空気に触れることで、タンニン色素が変化し、革の色がグングンと深まっていくんですね。

この変化が実に美しく、目をみはるものがあります。
流通量の多い「クロムなめしの革」はこういったエイジングを楽しめません。
バダラッシカルロの革は、キレイで自然なエイジングを楽しめる革なんですね。

革の色は、染料仕上げされたものです。
染料が入った桶(オケ)に革を漬け込むことで、革の芯までしっかりと染色させています。

「製品になる前の革」は厚みにバラツキがあり、繊維の密度も場所によって違います。
均一な色味にすることは難しいため、色にムラがあったり、濃淡が生まやすいのです。

その代わり、奥行きのある透明感が楽しめる、美しい色に仕上がります。
革の風合いを楽しむことができる革になるんですね。

量産品の「顔料仕上げ」は、革の表面にペンキを塗りたくるようにする染色方法。
キズや汚れに強く、均一でビビッドな色付が可能ですが、革の風合いを殺す厚化粧です。
エイジングも楽しめません。

ツヤが深まる、メンテナンスフリーの革

ミネルバシリーズは、牛脚油を染み込ませたオイルレザーです。

革には油が浸透しにくいので、とても時間がかかる作業ですが、革の芯まで浸透した牛脚油は、油分が抜けにくいんです。

革が完成した後も、ゆっくり・じっくり油分が内部から表面に出てくるため、ツヤが増して大変美しいエイジングが楽しめます。
初めは落ち着いた印象を受ける革ですが、ギラリとした光沢が徐々に生まれてきます。

見た目以外のメリットもあります。
財布のように多くの面積を手で触れるようなアイテムは、普段のあつかいで、手の油が財布に移ります。革の内部からの油と、手から移る油によって適度な油分を保てるんですね。

ですから、ただ普通に使うだけでメンテナンスになります。
わざわざオイルやクリームの追加は不要なんですね。

メンテナンスフリーでエイジングを楽しめるため、革の手入れが苦手な人にもオススメできる革です。

参考:大量生産の革について

日本で手に入るレザーアイテムの90%は、クロムなめし、顔料仕上げのものです。

統一感のあるビビッドな発色や、新品時の色を長く楽しめるため、パット見の見栄えがいいんですね。
ただ、エイジングは楽しめません。
革の風合い、色の変化、透明感のある色とツヤ。こういった特徴は、ミネルバをはじめとする、タンニンなめし、染料仕上げの革でのみ楽しめるのです。

バダラッシ・カルロ社の革を使った財布

バダラッシ・カルロの革の魅力が伝わったでしょうか。

高価な革ですから、使ってみたいというなら、おすすめは財布。
比較的、革の使用量も少ないので、リーズナブルなプライスで手に入れることができます。

また、毎日持ち歩くものですから、革の手触りと経年変化をもっとも楽しめます。

ここでは、バダラッシカルロ社の革を使った財布をご紹介します。

ミネルバリスシオ

エムピウ ミッレフォッリエⅡ P25

millefoglie_2p25_01

1枚のリスシオをぐるりと回しこむように使い、独特なフォルムに仕上げた逸品。
どこに触れても、リスシオの滑らかな感触を楽しむことができます。

リスシオを利用しているカラーは、
tabacco、black、grigio、napoli、cognac、sabbaの6色。

こちらは、napoliの経年変化です。

この色とツヤの変化こそ、私がミネルバシリーズを好きな理由です。
深まった色味の中に、透明感や革の風合いを感じてもらえるのではないでしょうか。

変化を抑えめにしたい方は暗めのカラーをチョイスしてください。

ミッレフォッリエ ナポリ 経年変化

ミッレフォッリエは、色によって使う革が異なるのが特徴。
roseとnavyがミネルバ・ボックスを使っています。
ミッレフォッリエ カラー

店舗によっては、プエブロも取り扱っています。
ミッレフォッリエ プエブロ

参考:ミッレフォッリエのレビューを見てみる

取扱いサイトでミッレフォッリエを見てみる

アヤメアンティーコ ポルタフォーリオグランデ

アヤメアンティーコ ポルタフォーリオ グランデ

アヤメアンティーコはミネルバを使ったアイテムを得意とする革工房。

本作はリスシオを使った、ラウンドファスナー財布です。

カード12枚、フリーポケット2つ。札入れが2つと、ラウンドファスナーならではの収納力が魅力です。

最初は、サラリとした表情も、色味が深まるにつれて、奥行きのある透明感が生まれてきます。

美しいブルーやブラウンが、どんな変化をしていくか楽しみな逸品です。

取扱いサイトでポルタフォーリオグランデを見てみる

ココマイスター マットーネ オーバーザウォレット

マットーネ オーバーザウォレット

リスシオのイントレチャート(編み込み)が美しい財布です。
通常の2倍の革を使った、贅沢なつくりが特徴。

キズが目立ちにくいのもポイントです。

変化したあとの編み込みが美しくなるようにデザインされています。
立体感のある編み込みはエイジングが進むことで、よりいっそう美しくなります。

リスシオを使った、編み込みの財布は本作以外にはありません。

参考:ココマイスター オーバーザウォレットのレビューを見てみる

ココマイスターはミネルバを使った財布のラインナップでは日本一です。
たくさんあるので、興味があればこちらをご参照ください。
ミネルバを使った財布だけをセレクトし、その特徴を紹介しています。

ココマイスターのミネルバを使った財布のまとめ。美しいエイジングを楽しめる財布
ココマイスターは日本の革工房。 世界の著名な革を使って、日本の職人が財布を作っ…

取扱いサイトでオーバーザウォレットを見てみる

リュテス クルバ

carva

ミネルバリスシオを使用したマネークリップです。

厚みが1cmと非常に薄く作られており、ポケットに入れてもかさばりません。

また、マネークリップにしては珍しくコインケース付きです。
カードも3枚収納可能なので、サブの財布としてもオススメです。

ミネルバ・ボックス

アヤメアンティーコ イントルノ・ポルタフォーリオ

アヤメアンティーコ イントルノ・ポルタフォーリオ

ミネルバボックスを使用したラウンドファスナータイプの長財布です。

カード枚数は8枚と長財布にしては少なめです。
その分お札が片方に20枚前後収納できるようになっており、コインケースも大容量。
カードより現金派の方にオススメの長財布です。

カラーは3種類。
特にブルーは、アヤメアンティーコの特注。
本作でしか楽しむことができません。
ayame

取扱いサイトでイントルノ・ポルタフォーリオを見てみる

ココマイスター マルティーニ オーモンドウォレット

ココマイスター オーモンドウォレット

ミネルバボックスを使用したオーソドックスな長財布。
内装も含めて、すべてミネルバボックスで仕上げた贅沢な逸品です。

どこを見ても、どこを触れてもミネルバボックスの上質感を味わえる、まさに上質な財布です。

取扱いサイトでオーモンドウォレットを見てみる

プエブロ

Flathority ラウンドウォレット

flathority ウォレット

Flathorityは創業50年以上の老舗革工房。
使いやすく、壊れにくいという、財布のキホンを押さえた実力に定評があります。

本作は、背面にカードポケットを配置しているのが特徴。

SuicaやPasmoといったICカードの使い勝手がグッと高まる工夫が採用されています。

ブエブロの長財布はとても珍しく、本作以外にはなかなか見かけません。

取り扱いサイトで見てみる

ナッパネピア

safuji ミニ長財布 ガイド納富モデル

safuji ミニ長財布 ガイド納富

霧がかった独特の表情。これを楽しめるのは数ヶ月です。
新品のときの、ロウが取れるとこんな感じです。ミニ長財布 外側

手で触れる外側は、革本来の色になっていきます。

ちなみに、手で触れることが少ない内装は1年使ってもロウが残っています。
ミニ長財布と1万円札を比較

参考:safujiのミニ長財布 ガイド納富モデルの紹介とレビュー

取扱いサイトでミニ長財布を見てみる

まとめ

使えば使うほど、味わい深くなるミネルバシリーズ。

普通に扱うだけで、自分の色に変わっていくその様に、愛着も増すはずです。

油分の多さで半永久的にしっとりしているため、オイルケアも不要です。
他のタンナーの革では味わえない、しなやかさ、エイジング、見た目の美しさを楽しめる上質なレザーといえます。

次の財布を買い替えるときは、ぜひミネルバシリーズから選んでみてはいかがでしょうか。

以上、「ミネルバボックスとミネルバスシリオ」をご紹介しました。

by カエレバ

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