コードバンと他の革。一体何が違うのか?使い比べて分かったコードバンのメリット・デメリットを徹底比較

コードバン アップ

コードバン、ブライドルレザー、ミネルバ、サドルアップ、etc…。
世界には「名革」と呼ばれる、さまざまな皮革があります。

では、コードバンはこれらの革と、一体何が違うのでしょうか?

私はコードバンだけでなく、さまざまな革の財布を愛用しています。
そこで本ページでは、コードバンの特徴と魅力を、世界の名革と比べながら紹介します。

最後までお読みいただければ、世界トップクラスの革と比べてみての、コードバンのメリット・デメリットがはっきりと分かるはずです。

このページは、「コードバン財布」を検討している方に「納得して手に入れて欲しい」と思って書いています。だからこそ、他の革と比べてみての、コードバンの良いところも、悪いところも、ありのままにお伝えします。

もしかすると、あなたにピッタリの革は、コードバンではないかもしれません。
コードバンの財布を買う前に、その特徴を押さえてみましょう。

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徹底比較!コードバンと世界の名革

さまざまな「名革」の中でも、コードバンは飛び抜けて高価。
にもかかわらず、その人気がダントツなのは、コードバンにしかない魅力があるからです。

ここでは、コードバンと名革を比べてみての、コードバンの特徴を押さえてみましょう。

比べてみる革は、以下のとおりです。

  • コードバン
  • ミネルバリスシオ
  • ブッテーロ
  • マレンマ
  • サドルアップ
  • ブライドルレザー

比較する革について

まずは名革の中から、私が愛用するスムースレザーをピックアップして、その特徴を挙げてみます。

注意:写真は、実際に私が使っている財布ですから、完全な新品ではありません。(とはいえ、「名革」と呼ばれる特徴が伝わるように撮ったつもりです。)

コードバン

コードバン アップ本ページでご紹介するコードバンは、世界トップクラスのコードバンを指します
具体的には、以下の2社のものです。

  • アメリカ ホーウィン社
  • 日本 新喜皮革

両社とも、最高峰のコードバンを作るタンナー。
風合いの違いはありますが、どちらをセレクトしても満足できる逸品です。

コードバンの特徴は、圧倒的な存在感。
そのヒミツは、表情にあります。景色を映すほどの、反射率の高さ、輝きはNo1。革のダイアモンドと称されるだけあって、大変美しく、気品ある装いです。

参考:コードバンのホントのところ。メリットもデメリットもあますことなく紹介
参考:日本の上質なコードバンのまとめ

ミネルバリスシオ

DSC06971イタリア バダラッシカルロ社のオイルレザーです。

柔らかい革ですから、手にすっと馴染む、気持ち良さも人気の理由です。
豊富なカラーラインナップは、流石イタリアといったところでしょうか。ビビッドな美しい色合いもまたミネルバだけの醍醐味です。

エムピウ ゾンゾ カラー

出典:エムピウ公式サイト

色・ツヤの変わっていくスピードと、その劇的な変化ではNo1の皮革です。鮮やかな色合が、深く変化していく様子を楽しむことができます。

ちなみに、同じタンナーが作った、ミネルバボックスも大好きな皮革です。
マルティーニ・オーモンドウォレット ミネルバ・ボックス

写真のとおり、シボがあるタイプです(本ページでは、コードバンとフェアに比較したいため、ピックアップするのはスムースレザーの、リスシオだけ。シボのある革は比較対象から外しています。)

参考:ミネルバとは何か?イタリアの名門タンナーの皮革に迫る

ブッテーロ

DSC06969イタリアのワルピエ社のオイルレザーです。
靴のブランド「BUTTERO」があるため、ファッションが好きな人は、聞いたことがあるかもしれません。

ブッテーロは、牛のショルダーを使った、カッチリとした質感のレザーです。

正直、新品の風合いは、奥行き感のないのっぺりとした印象を受けるかもしれません。しかし、これは最初だけ。使い込むことで、革に透明感が生まれ、色は深いトーンに変わっていきます。ギラリというよりは、凛とした雰囲気を身にまとう皮革です。

マレンマ

マレンマ アップこちらもワルピエ社のもの。

ブッテーロの2倍のオイルを浸透させた皮革です。
こちらは、ブッテーロよりもギラりとするエイジングを楽しめるようになります。

オイルの浸透具合が素晴らしく、ノーメンテナンスで美しく変化していきます。
写真は、4ヶ月ほど使ったもの。薄っすらとツヤをまとっていますね。もちろん、オイルを塗ったりしていません。

サドルアップ

サドルアップ アップ100年以上の歴史を持つ、ドイツの名門タンナー、マシュア社の代表的な皮革です。
コシのある革で、ギラリと光るエイジングを楽しめます。その変化するスピードは、他のレザーと比べてゆっくりと進んでいきます。

上の写真は2ヶ月ほどの状態。まだまだですね。
1年半ほど使うと、こうなります。ツヤをまとっているのが伝わるでしょうか。
dsc06081

かなり厚みのある革のため、男性向けのアイテムとして好まれそうです。
日本の革工房 WILDSWANSが得意とする皮革ですね。

参考:WILDSWANSの定番皮革を使った、サドルアップレザーの財布のまとめ

ブライドルレザー

DSC06983イギリスの皮革です。こちらも100年以上の歴史をもつ、古くから愛用されている皮革。

硬くて丈夫、ハリの強い仕上がりです。
かっちりとした質感と、端正な佇まいが醍醐味ですね。

力強く実直な印象といったところでしょうか。ビジネスシーンに添えるのに最適な革です。


ふぅ。スムースレザーっていっぱいありますね。

ピックアップした名革は、どれも50年以上続く老舗タンナーの代表作。
世界のトップメゾンが採用する、最高峰の皮革です。

それぞれ特徴があって、良いところも違うのです。
だからこそ、多くの革工房が、さまざまな皮革を使って、プロダクトを作っているのです。裏返すと、「コードバンがすべてにおいて優れているわけではない」とも言えますね。

このページでは、「コードバンがNo1」だと証明するつもりはありません。
あくまでも、実直に、コードバンと比べてみてどうなのか、を紹介していきます。

それでは、参りましょう。

ざっくりとした特徴の比較

まずは特徴ごとに、どのような違いがあるのか、まとめてみました。

★が多いほど、その特徴が強いことを表しています。

輝き 反射 ハリ エイジング キズ耐性 水 耐性
コードバン ★★★ ★★★
サドルアップ ★★☆ ★★★
ブライドル ★★★
ブッテーロ
マレンマ
ミネルバ

★の付け方は、私の主観です。
実際に使ってみて感じたものですから、少なくとも「違う人同士が比較したもの」よりは信用できるはずです。

輝き

光を反射し、輝いて見えること。★が多いほど、ギラリと輝く皮革です。

反射

革が、周りの景色を映し出す度合い。★が多いほど、鏡のように映すということです。

ハリ

革を折り曲げたときに、「真っ直ぐな状態に戻ろうとする」度合いです。
(また、曲がりにくい強度でもあります)
★が多ければ硬め、少なければ柔らかな皮革とも言えます。

エイジング

色、ツヤの変化する度合い。
★が多いほど、劇的に変化するということです。

キズ耐性

★が多いほど傷つきにくい皮革です。

水耐性

水に濡れたとき、革が変化しないこと。
つまり、水に強いものほど★が多めです


それでは、各項目において、コードバンと比較しならが解説していきます。

コードバンの輝き

コードバンの真髄は、その表情にあります。
ピックアップした、どの革よりも光輝く表情を持っています
DSC06961-2

スムースタイプの革は、どんなものであれ光を反射します。そのため「輝いて見える」のですが、コードバンは頭一つ飛び抜けています。

装飾のないシンプルな外装にも関わらず、コードバン自身が否応なしにその存在感を主張します。あらゆる空間に映える、目立つ革と言えるでしょう。

コードバンの反射

コードバンは反射率でもNo1。周りの景色を映すほどです。

サドルアップを例に、その違いを見てみましょう。

まずは、サドルアップ。
DSC06995

コードバンだとこうなります。
DSC06991

コードバンの表面に、「指」が映っているのが伝わるでしょうか?
「肌の色」まで映し出すほどです。

少しだけ、このヒミツについて、解説します。

革の正体は「線維の集合」です。
スムースな革も、目に見えないほどの微細な凹凸があります。その凸凹が多い・大きいほど、光を「バラバラの方向に反射」してしまいます。

逆に、線維の密度が高く、表面がなめらかなほど「同じ方向に光を反射」するようになります。そのため、景色をより鮮明に映し出すことができるんですね。コードバンはこちら側の皮革です。(車のボディや、ガラスが景色を映し出すのも、同じ理由です。)

そもそもコードバンは革の密度が高い皮革です。さらに徹底的に磨きあげることで、飛び抜けてスムースな革に仕上がっているんですね。

ピックアップした名革は、すべてスムースレザーです。
パット見、なめらかな表面に見えますが、目で見ても分からないほどの凹凸があり、密度もそれぞれ違います。コードバンに比べて「荒い」のです。

すべての革の中で、コードバンの密度とスムースさはNo1です。だからこそ、バツグンに輝き、まるで鏡のように景色を映し出すわけです。


補足:ツヤについて

革の美しさを語るときに「ツヤ」という表現を目にすることがあります。

この「ツヤ」は、革が滑らかになり、油分で覆われている証です。

表面が摩耗されることで、線維は寝ていきます。次第にスムースになっていくのです。
また、使い続けることで、その表面は油分で満たされます。

これによって、より表面が滑らかになり、「同じ方向に光を反射」するようになります。
「より光輝く」ようになった状態を「ツヤ」と言っているんですね。

革の存在感や高級感は、トコトン磨き上げられたきめ細やかな表情が生み出すもの。
この特徴においては、コードバンはNo1です。右に並ぶものはありません。

コードバンのハリ

ハリの強さではコードバンはトップレベルです。
ただしこれは、「同じ厚みの革」で比べたときの話。

ハリを決めるキモは「革の厚み」です。
コードバンは、他の革と比べてとても薄いのです。

コードバンは馬のお尻の革、その中間層の「コードバン層」という部分だけを削り出して作ったものです。とてもスリムな革で、わずか1mmほどしかありません。「厚いコードバン」は存在しないんですね。スクリーンショット 2017-04-05 23.18.23

「1枚の革」で比べてみると、ハリがもっとも強いのは、サドルアップとブライドルレザーです。続いてブッテーロといったところでしょうか。どの革も牛の肩を使っているため、繊維密度が高く、硬い革です。

ただし、「革の製品」として考えたとき、あまり気にする必要はありません。
(実際のところ、コードバンのハリが弱いということはありません。)

例えば、財布について。
財布は何枚もの革を縫製して仕立てられます。そのため、財布のハリは、重ね合わせた革のトータルになります。
DSC06956

コードバンの財布は高価ですから、「ハリのある革」と組み合わせて、何年も愛用できるように、丈夫に仕立てています。

カッチリとした質感を大事にするのであれば、ブライドルレザーに一步及びませんが、一般的な皮革と比べると、コードバンのハリは平均以上。

「ハリ感」、「革のカタマリ感」は十分に味わえる皮革といえるでしょう。

コードバンのエイジング

エイジングとは、「色」「ツヤ」が変化していくこと。
その度合が大きいものは、何かというと、No1はミネルバです。

イタリアの革らしく、ビビッドな色合いの革がラインナップされています。
ブラックやブラウンといったカラーが少ないため、少しフェアではない気がしますが、やはり色、ツヤの変化の度合いは凄まじいものがあります。
エムピウ 経年変化

さて、コードバンはどうかというと、基本的には「ツヤ」の変化を味わう皮革だとお考えください。

というのも、ほとんどの場合、コードバンのカラーは農色だからです。ミネルバと違って、色のトーンが最初から濃いため「色の変化」は控えめです。

コードバンのキズつきにくさ

キズに強いとは、「ひっかき傷が付きにくいこと、目立ちにくいこと」と定義しましょう。

ではコードバンはどうかというと、中レベルでしょう。

もっとも強いのはブライドルレザーです。
(中でもフルグレインブライドルレザーは、最強です。)

カバンのポケットに入れて、2ヶ月ほど使ったコードバンがこちら。
コードバン キズ

どんなに大切にしていても、気づかないうちに小さなキズは付いてしまうものです。

これはコードバンに限りません。スムースレザーはキズが付きやすいんですね。
(キズが嫌なら、型押しやシュリンクレザーをセレクトした方が幸せになれると思います。)

ただし、このキズも次第に目立たなくなっていきます。
なぜなら、コードバンはタンニンなめしされた革だからです。
タンニン(渋)の成分は、空気に触れたり紫外線を浴びることで、酸化し、色は深みを増していきます。(エイジングによる、「色の変化」はタンニンの成分の変化なんですね)

引っかきキズが付いても、気にせずにガシガシ使い続けましょう。
毎日使うことで、手のオイルが財布に移り、コードバンは潤った状態になります。エイジングとあいまって、次第にキズも目立たなくなっていきます。

コードバンの水への耐性

コードバン以外の革は、「動物のスキン」をそのまま表面として使っています。
そもそも、素材自身が水への耐性があります。オイルを含んだものであれば、さらに水に強いわけです(水とオイルは混ざらないため、革の芯部に水が浸透しない)。

一方、コードバンは水に強くありません。
コードバンは、お尻の革の中間層(コードバン層)を削り出したものです。
そもそも、表・裏というものが存在しません。タンナーは、この削り出したコードバン層を、丹念に磨き上げることで、ダントツにスムーズな表情に仕上げているわけです。馬蹄形 フラップ

コードバンの正体は、密度の高いコーラゲンのカタマリです。
その線維を、磨き上げ、半ば強制的に寝かせることで、とても滑らかな表面を作り出しています。

磨かれていない面(裏面?という言い方が正しいのか分かりませんが…)は、スムースではありません。線維がむき出しの状態で、ベロアやスエードに近いといった方が正しいでしょう。
コードバン 毛羽立ち

きめ細やかな線維だからこそ、水を吸収しやすいのです。水が浸透すると、「ギュッ」と凝縮された線維が「元に戻ろうとする」ため、水染みとして見えてしまうんですね。

あとがき

世界の名革との比較、いかがだったでしょうか。

もっとコードバンが好きになった。
他の革に興味が移った。

いろいろな意見があると思います。

ただし、コードバンの特徴は、コードバンでしか味わえないのです。
コードバンが醸し出す、圧倒的な迫力と存在感は、きっとあなたを満足させてくれるはずです。

参考リンク

コードバンの特徴を、丁寧に、実直にまとめてみました。

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なぜ、コードバンの正直な情報が無いのか?

コードバン、ブライドルレザー、ミネルバ、…etc。

日本人が満足する、トップクラスの革はたくさんあって、それぞれに特色があります。
風合い、表情、美しさ、ハリ感、丈夫さ。革によって、その持ち味は違うわけです。

ですから、コードバンだけをピックアップして「美しい」、「丈夫である」と広告してるのは、ちょっとどうかな、と思うのです。ユーザーが気になる「他の革と比べてどうなの?」「デメリットは?」などについて、ほとんど言及されていません。

コードバンについて、「使う人のための正直な情報が無い」のが現状なんですね。

残念ながら、これは「大人の事情」です。

大きな工房ほど、たくさんのタンナーからいろいろな種類の革を仕入れます。人の趣味嗜好はそれぞれ違いますから、ラインナップを増やしたほうが、よりたくさんの人にアプローチできるからです。

すべての工房は「革の製品を売る」ことを生業としています。革を作る会社(タンナー)から革を仕入れないと、そもそもビジネスが成立しないわけです。

工房からすると、タンナーは取引先ですから、その革の悪口は言えません。コードバンとブライドルレザーといった、「違うタンナーの革」を比べて、どっちの方が美しいと紹介するのは難しいのです。(だって、仕入れさせてもらえなくなるかもしれないから。)

これは革製品に限らず、あらゆるプロダクト/サービスでも同じです。
docomoはサービスを比較するときに、S社、A社とぼかしています。
「どの会社のスマホが一番素晴らしいか」宣伝していません。

これらも同じ理由です。

どんなビジネスでも、「仕入先」や「お金を出してくれる側」は神という、逆らえない法則があるわけです。

一方、当サイトでは、それができます。
さまざまな皮革を手に入れ、さまざまなブランドの財布を使ってきた経験から、比べてみての批評ができるんですね。