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ヴィンテージリバイバルプロダクションズのroundzip slim walletのレビュー。スリムさと使いやすさを追求したラウンドファスナー長財布。

ヴィンテージリバイバルプロダクションズ(Vintage Revival Productions)は、香川県に居を構える革工房。ユニークな革製品をラインナップしている、お気に入りのブランドなのです。

本日ご紹介するのは、その一品。『roundzip slim wallet』。

特徴をあげてみましょう。

  • ラウンドファスナー長財布
  • コインがダントツに使いやすい
  • 小さくてスリムだから、携帯しやすい
  • オイルカーフのシワ感を堪能できる表情
  • エイジングを楽しむことができる

スリムで使いやすいラウンドファスナー長財布をお探しなら、ぜひ検討してみてほしい一品です。

スペック

ブランドヴィンテージリバイバルプロダクションズ
商品名roundzip slim wallet
収納力★★★★☆
お札入れの数2
お札の枚数20
コインの枚数20
カードの枚数12
サイズW195 × H93 × D18mm
重さ164g
素材牛革(オイルカーフ)

使い勝手

サイズは一般的なラウンドファスナーと同じくらい。決して小さくはなく、ケツポケには適しません。やはりカバンでの持ち歩きがベストでしょう。

素材は、カーフ。一枚革で仕立てられた上質感をたっぷりと味わうことができます。

本作の特徴のひとつは、製品名のとおり、スリムであること。わずか18mmのマチサイズは、一般的なラウンドファスナーと比べると5mm以上も薄い。

このわずか数ミリがどう活きるのかというと、カバンやポケットの中で場所を取らない。だから快適に持ち歩けるわけです。

ファスナートップは、小さめ。少しクスミを帯びた色合いのため、アンティークな装いです。

ちょっと変わったファスナーで、ここも本作の面白いところ。どの場所で止めても、プラプラせずにカチッと固まるのです。ファスナートップが固定されることで、余計なでっぱりを抑えているのでしょう。コンパクトに保つためのデザインですね。

ファスナーの開閉はスムーズです。

それでは財布を開いて、アイテムの使い勝手を見ていきましょう。

カード

カードポケット

片面に6ポケット。一般的なラウンドファスナーと同じですね。

カードポケットのラインが、V字にあしらわれているのが伝わるでしょうか。カードが広く顔をだすので、指を当てやすく取り出しやすいのです。

これが、両面にあります。つまり、12枚のカードを収納できます。

フリーポケット

そして、最上段はフリーポケット。こちらも両面にあります。

カードサイズで区切られているわけではないため、だいたいカード2枚分くらいの広さがあります。レシートやチケットなど、少し長めのアイテムを収納することができます。

コイン

中央の仕切りが、コインポケット。片方が折込マチになっています。

両マチ構造と比べると、「コインの見やすさ」では劣ります。財布をスリムにすることを優先したのでしょう。

ところが、コインの使いやすさにおいて非常に優れています。ポイントは、ポケットがとても浅いこと。500円玉2枚分くらいの高さしかないのです。

だから、コインが見やすく、取り出しやすい。

「財布の底よりも少し上」の位置で、ステッチされているのがわかります。ここまでしかコインが入らないようになっているんですね。

ラウンドファスナー長財布は、ファスナーで覆うデザインのため、どうしても財布のサイズが「高くなる」。結果、コインポケットも深くなって、コインが使いにくいわけです。

一般的なラウンドファスナーはこれくらい。

一方、roundzip slim walletは、指の第二関節が見えるくらい浅い。縫製することで、ポケットを浅くし、コインを使いやすくしているのです。

デメリットは、コインの収納量が減ること。
一般的なラウンドファスナーが25〜30枚入るのに対し、roundzip slim walletは20枚ほど。

個人的には、15枚ほどのコインが入れば良いため、まったく問題に思いません。むしろ、すべてのラウンドファスナーでこのデザインを取り入れてほしいくらいです。

もう1つ、使いやすさのポイントがあります。
roundzip slim walletのコインポケットには、ファスナーがありません。財布を開くとすぐにコインを使うことができます。あれこれと操作する必要がないのです。

一般的なラウンドファスナーでは、コインポケット用のファスナーがあります。財布本体のファスナーを開いて、さらにコインポケットのファスナーも開かなくてはいけない。2ステップが必要なのです。

お札

お札を入れるスペースは、コインポケットの両サイド。
2層ありますから、使い分けてできて便利です。これは一般的なラウンドファスナーと同じですね。

内装が黒なのは、個人的にグッドポイント。なぜなら内装は汚れやすいから。

キャメルのヌメ革は美しいのだけど、手垢だったりお金の汚れによって、黒ずんだ汚れが目立ちやすいのです。お金が見やすいというのはメリットなのだけど、長く美しいルックスを保つという点では、やはりブラックのように濃いカラーがふさわしいのですよね。

長さは十分。一万円札がすっぽりと収納できます。

お札が引っかからず、出し入れしやすいです。

特徴

薄いから、持ち運びに便利

ラウンドファスナー長財布が愛される理由の1つは、革の質感を最大限に味わえることにあります。これは大きな面を持ち、ラウンドしたフォルムだからこその楽しみです。

ただ、一般的なラウンドファスナー長財布は、大きくて、分厚い。だから、たとえカバンでの持ち運びが必須になるし、手ぶらでポケットに突っ込むなどできなかったのです。

一方、roundzip slim walletは、一般的なラウンドファスナーよりも、小さくて薄い。ご紹介したとおり、コインポケットにファスナーが付いていないデザインを採用しているからです。

比べてみましょう。

一見すると、同じように見えるのですが・・・。

高さが数ミリ短い。

厚みも数ミリ短い。

わずか数ミリなのですが、これが快適さのキモ。スペースを取らないため、カバンの中でもスッキリ収納できるわけです。

「コインポケットにファスナーがある。」この当たり前のデザインを見直したのが、roundzip slim walletのスゴイところ。ファスナーが無いから、高さを抑えることができるのです。

ヴィンテージリバイバルプロダクションのデザイナー、塩田裕基氏のセンスに脱帽です。

内装も革だから、所有欲が満たされる

内装はゴートレザー(山羊の革)。柔らかく、気持ちの良い手触りをたのしめます。

写真でお見せできないのですが、カードポケットの裏地など、目に見えないところは、シャンタンで裏張りされています。カードの滑りがよくなり、財布を軽量化できるからですね。

素材による豊富なバリエーション

roundzip slim wallet には、いくつかのバリエーションがあります。

oil calf

本ページでご紹介しているもの。
カーフとは生後2年以内の子牛の革のこと。きめ細やかで柔らかな質感を楽しめるのが特徴です。成牛の革よりも高価です。

ただのカーフではなくて、オイルカーフ。
オイルを含んでいるため、水やカビに強く、さらにオイルメンテナンスも不要です。普通に使うだけでエイジングを楽しむことができます。

シワ加工によって、自然な風合いに仕上がっています。シワのある場所とない場所で、異なる触り心地を楽しむことができます。

触れるとサラリとした質感。これも使い込むことで、しっとりとした触り心地に変化していきます。

エイジングとシワの風合い。カーフならではの柔らかな質感を楽しみたいなら、oil calfモデルが最適です。

oil leather

オイルレザーです。マットでスムースな質感がお好きならこちら。

matte shrink leather

こちらは、シュリンクレザー。シュリンクとは薬剤を使って革を縮めることです。弾力がある質感とビビッドな色合いを愉しみたいならこちらですね。

あとがき

ラウンドファスナー長財布は、人気のカタチ。だから、各ブランドが様々なラウンドファスナーをラインナップしています。

そういった中、roundzip slim walletの魅力をあげるなら、こんな感じです。

  • スリムだから、携帯しやすく邪魔にならない
  • ラウンドファスナー長財布の中で、もっともコインが使いやすい
  • 上質なタンニンなめし革の一枚革で、エイジングを楽しむことができる

お値段もべらぼうに高いわけではない。初めてのラウンドファスナー長財布をチョイスするなら、本作はなかなか良い一品だと思います。