Crevaleathco(クレバレスコ)の『ミュージアムコードバン L字ジップハーフウォレット』をご試供いただきました。
本ページでは使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
スペック
ブランド | Crevaleathco |
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商品名 | ミュージアムコードバン L字ジップハーフウォレット |
収納力 | ★★★☆☆ |
お札入れの数 | 2 |
お札の枚数 | 10 |
コインの枚数 | 15枚 |
カードの枚数 | 8枚 | サイズ | W110×H84×D20mm | 重さ | 81g |
素材 | ロカド社コードバン |
カタチ、構造
「ミニL字ファスナー財布」にカテゴライズされます。オーソドックスな形ですが、他ブランドのものより横が長いで。手にフィットするサイズで持ちやすいですね。
素材は最高級レザー、イタリア ロカド社のコードバンが使われています(詳細は後述)。
ファスナーはYKK最高峰のエクセラ。一つ一つのエレメント(ギザギザの部分)が磨かれた美しいパーツです。
ファスナーの取り付けも美しいです。ファスナーはテンションがかかり、ピンと張っていて開閉もスムーズです。
引き手の素材もコードバン。この小さなパーツからも品質の高さがわかります。
革の中に素材を閉じ込めることで、立体的なフォルムを生み出しています。技術も手間もかかるため量産品では採用されない技法です。
硬くて、厚みがあるからたわみにくい。掴みやすくてイメージした通りにファスナーを動かすことができます。
中の構造です。中央にポケットがあり、その両サイドにお札やカードを収納できます。
なお、ブランドロゴは外装になく、内側に添えられています。そもそもロゴを主張する必要はありません。本作の美しさ、仕立ての良さから上質なプロダクトであることが明白だからです。
使い勝手
カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。
カード
カードを収納するためのポケットが2つ。両サイドにあるため、合計4枚収納できます。
小銭ポケットとの間のスペースにも収納できます。お札の収納量にもよりますが、3枚までが財布に負担がかからなくて良いかなと思います。
なお、一般的なL字ファスナーより横に長いため、JIS規格よりも大きなカード(名刺やコーヒーショップや美容院のカードなど)を収納できるのもメリットです(ほとんどのコンパクト財布では収納できません)。
お札
お札は10枚ほど入ります。3万円ほどを持ち運びたいなら十分です。
サイズに余裕があるため、一般的なミニL字ファスナーより出し入れしやすく、見やすく感じます。
コイン
中央のポケットにコインを収納します。
マチが大きめで、この手のL字ファスナーの中では大きく開きます。
コインポケットが大きいため、一般的なミニL字ファスナーと比べて、出し入れしやすいです。
素材
ロカド社コードバン
外装とファスナーの引き手の素材は最高級レザーのコードバン。イタリアのタンナー、ロカド社が作っています。ご紹介しているカラーはコニャックです。
「ミュージアム」と名付けられてコードバンであり、濃淡を楽しめるように染色されています。
ツヤがあり、光沢も強く感じます。
透明感も抜群で、指を反射するほどのコードバンらしい表情も楽しめます。
まだメジャーではない珍しいコードバンのため、人と被りにくいのもポイントが高いですね。
国産牛革
内側に使われている素材は、国産牛革。きめ細かな表情で、高級感があります。
さらりとした質感でオイリーさは控えめです。
オーダーについて
本作は革とファスナーの色を選んでのカスタムオーダーができます。
外装のミュージアムコードバンは4色から。
内装の国産牛革は5色から選ぶことができます。
どの色を選ぶか迷うかもしれませんが、エイジングは本ページで掲載しているコニャックが最も楽しめるかと思います。
オーダー後に製作となるため、手元に届くまで数ヶ月かかるとのこと。後述しますが、極めて品質の高い財布です。待って良かったと思えるオーダーになるでしょう。
クオリティ
200以上の革製品を使用してきましたが、本作はトップクラスのクオリティです。美しさ、耐久性、細部のこだわりなど、あらゆる点で最高品質です。
耐久性
薄さをアピールする財布のほとんどは、耐久性が高くありません。外装やポケットなどのパーツに、薄い一枚の革を使っているため、長く使える財布とは言いにくいです。
では本作はどうかというと、長く使えるように耐久性も作り込まれています。
一つ一つのパーツは薄さを追求したわけではなく、適度な厚みがあります。
内側のパーツも、革の裏面が見えないように革が張り合わされています。見た目が良いだけでなく、丈夫になります(長く使えます)。
コバ
革の断面をコバと言います。複数の革を重ねたコバも、革の層がわからないほどに滑らかに仕上げられています(技術が必要ですし、時間がかかります)。
滑らかに磨かれています。触って気持ちが良い仕上げです。
内側のポケットは革を折り返して、革の断面が見えないように仕立てられています。
ファスナーの引き手のコバです。綺麗なコバにするには手間がかかるため、量産品ではここまでの作り込みはされません。細部まで美しさが追求されていることがわかります。
切りっぱなしのコバは一切ありません。あらゆるパーツで美しさを体感できます。
美観の追求
あらゆる箇所で、革の裏面が見えないように仕立てられています。どこを見ても上質さを感じられます。
ステッチ
ピッチ間隔は狭く、繊細で高級感があります。
手縫いのステッチラインがとにかく美しい。斜めに並ぶ糸目は手縫いの醍醐味ですね。
裏面まで斜めのステッチになっているのは手縫いだからこそ。財布を開いたときにも美しいステッチを楽しめます。
捻引き(ねんびき)
革のフチにラインが引かれています。これを捻引き(ねんびき)と言います。
見た目が引き締まり、美しさが増します。
あとがき
ミニL字ファスナーは様々なブランドから出ています。コードバンを使ったものもありますし、本作より安価なものがほとんどです。
比べると、本作は別格です。最高級の珍しいコードバン、耐久性、コバの美しさ、そして手縫いによる美しいステッチワーク。全てにおいて、トップクラスの品質で作り込んでいるという点で本作はNo1でしょう。
以前、本作以外のクレバレスコの財布をレビューしたのですが、本作ではさらに品質が向上していると感じました。革職人の西森さんが全ての工程を担う、個人工房だからこその最高の財布です。品質の高いコンパクト財布をお探しの方に、おすすめできる逸品です。