革工房com-onoの財布『TINY-001』を購入しました。本ページでは使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
TINY-001の特徴
- 最小クラスの財布
- コインが使いやすい
- イタリアのオイルレザーを使用
- 色・ツヤが変化するエイジングを楽しめる
スペック
ブランド | com-ono |
---|---|
商品名 | TINY-001 |
収納力 | ★★★☆☆ |
お札入れの数 | 1 |
お札の枚数 | 10 |
コインの枚数 | 10 |
カードの枚数 | 5 | サイズ | W88 × H68 × D20mm | 重さ | 33g |
素材 | 牛革(ドラーロ) |
カタチ、構造
TINY-001 は「小さい財布」にカテゴライズされます。手のひらにすっぽりと収まるサイズ感。
男性の手に収めると、小ささが際立ちます。
今日ではさまざまな小さい財布がありますが、TINY-001は最小の財布です。ストラッチョより小さい。小さい財布abrAsusより縦・横が小さいけど、厚みがあります。ただ、使っていると潰れて薄くなるので厚みは気にしなくても良いかなと。
素材はイタリアの革「ドラーロ」。ブッテーロに型押しした革です(詳細は後述)。
ホックで留めるデザイン。ホックの頭は鏡面のように光る。金色のホックは高級感があって良いですね。
開くとこんな感じ。金箔のロゴがちょっと目立つかな。
手前がコインポケット。
内側は革の裏面です。ホックも丸見え。
奥手がお札の収納スペース。こちらはゴムで留められているため、にゅーんと伸びます。
背面にカードを収納します。こちらもゴム。
黒くて汚れにくいのがメリット。ですが、ホコリなどが付着したときに目立ちやすいです。
財布の上部からストラップが出ています。これはカードをしまったあともピョコンとはみ出るので、好みが分かれるかな。
ストラップの引手はマットブラックの金属。ちゃちな感じはしません。最初からスレがありましたが気になるほどではないです。使っているとキズは付くでしょうし。
使い勝手
カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。
カード
背面のポケットにそのままカードを収納するデザイン。つまり、財布を開かなくてもカードを使えます。クレジットカード決済が多い人は便利です。
ストラップを引張ることで、カードが飛び出てくるギミック。ちなみに、ベルトを引っ張ってカードを取り出せるデザインはBellroyの財布が先行しています。本作は縦に引っ張るのが新しいところですね。
数枚のカードがまとめて出てくる。
最後まで引いても、カードが落ちることはない。少し引っかかっている状態。
カードは重なった状態なので、ここから選別します。スライドして使いたいカードを選ぶ。
カードの取り出しも選別もカンタンです。ただし、ストラップを引き出すアクションが増える(カードを取り出すのに2アクション必要になる)。ここは面倒に思うかもしれません。
収納枚数は5〜7枚くらいです。公称スペックでは5枚となっていますが、厚みのあるプラスチックカードで7枚ほど入る。なお、ゴムがより伸びる状態がキープされるため、耐久性的にはよくないのかもしれない。ちなみに、一般的な小さい財布の収納枚数は5枚ですので、TINY-001は平均以上ですね。
ただ、お札を10枚で、コインも10枚入った状態だと、カード7枚を入れるとホックが閉まらない。コインやお札の枚数は、現金を使うと増えてしまうこともあるので、カード5枚までが現実的です。
さて、カードは入れやすいとは言えません。ゴムは横方向にも伸びるため、真っ直ぐカードを入れる必要がある。斜めに力をかけると引っかかります。
カードポケットの内側には、ストラップを留める帯がある。
ここにカードが引っかかることがあります。
3枚までならスムーズですが、カードが増えるとゴムの引っ張りが強くなって、グイグイと出し入れする感じになる。ここは馴染めばよくなるかも。
お札
内側、奥手のポケットにお札を入れます。
お札は折りたたんで収納します。お札の収納はしやすいとは言えません。
まず、お札を2つに手折りしないと収納できない。もちろん、使うときはお札をだしてから伸ばす必要がある。これが手間だと思うなら、TINY-001は合わないでしょう。TINY-002は手で織らなくても良いので、そちらのほうが気に入るかも。ただし、サイズはアップします。
一般的な「ミニL字ファスナー」も手折りが必要なんですけど、収納スペースに余裕があるので、適当に手織りしたら入ります。でもTINY-001は、ゴムで留める構造のため、マチに余裕がない(ゴムを引っ張ってマチができる設計)。つまり、お札を適当に折ると引っかかりやすいんですよ。手織りも、やや慎重にしないといけない。また、カード同様、真っ直ぐ収納する必要があります。
それと、「革の裏面」のため、毛羽立ちして滑りが良くないです。ここはコスト的に割り切ったのでしょう。なお、TINY-001SPという上位モデルでは、ここにも革が張られていているためお札の滑りがよいです。使いやすさや美観を求めるなら、上位モデルが良いでしょう。
お札の枚数が増えると内側のホックに当たることもあります。ゴムの締付けと相まって、引っかかることがある。
収納枚数は10枚位がMax。これ以上はお札が反発するためホックを止めにくくなります。
二つ折りにした状態で、さらに折り曲げるのでやんわりとお札がカーブすることになります。
コイン
手前のポケットに入れます。
TINY-001は浅くて手前に開くので見やすい。
なお、内装は革の裏面です。明るい色の革を選ぶと、コインの黒ずみが目立つでしょう。これが嫌ならネイビーなどの濃い色をチョイスしたほうがよいです。
小さい財布の中では、かなり優秀です。たとえば、ストラッチョや小さい財布abrAsusより使いやすい。
見やすい。
小さいのに取り出しやすいです。優秀なポケットです。
最大収納時の使い勝手
公称スペックはカード5枚、お札10枚、コイン20枚となっています。ただ、これは無理がある。ホックが閉まらないです。
収納するアイテムのバランスにもよりますが、カード5枚、お札10枚なら、コインは10枚前後が良いです。これでMax。小さい財布としては十分な収納量です。
素材
イタリアのオイルレザー、ドラーロを使用
素材はドラーロ。イタリアのタンナー、ワルピエ社のオイルレザーに「ブッテーロ」があります。そこに型押しを施したがドラーロです。
やや大きめのシボです。
触れると凹凸がわかります。
ブッテーロはスムースでマットな質感なので、ただブッテーロに型押ししただけだと思っていると、イメージが違うかも。シボの中央付近が濃い色になっているので最初から濃淡がある感じ。ややワイルドかな。繊細な感じではないです。
ブッテーロはキズが付きやすいのですが、カッチリと強めにシボが出ているのでドラーロはキズつきにくそう。
色・艶が変化するエイジングを楽しめる
ドラーロはタンニンなめし、染料仕上げの革です。そのため、色・ツヤが変化します。色は濃くなり、ツヤが出てくる感じです。
バリエーション
TINY-001SP
最高級モデル。内側も革が張られています。
TINY-001JA
裏面にスエードを貼ったモデル。裏面が見えないため美観に優れるけれど、スエードは摩擦係数が大きいため上述したお札の出し入れがしやすいとはいえないでしょう。
TINY-001
本ページでご紹介したモデル。TINY-001シリーズでは最も安価です。
TINY-001 RUBBER
オリジナルレザーとのこと。機能はTINY-001と同じかな。こちらを選ばなかったのは、オリジナルレザーの特徴がわからなかったからです。あと、ドラーロがものすごく良い革だから(高価な革でエイジングを楽しめることがわかっていたらから)。
クオリティ
あらゆる製品において「お値段以上の品質」はありえません。TINY-001は1万円未満の革財布です。つまり、2,3万円する財布ほど上質とは言えません。しかしそれで良い。安価だからこそ気軽に使えます。
見栄え
ドラーロの一枚革。革の床面が丸見えです。
コバ
革を切った断面をコバと言います。高価な財布だと染色されていたり、磨かれていたりするのですが、TINY-001は切りっぱなし。
ステッチ
ほとんど縫われている箇所がないのですが、ステッチはきれいです。返し縫いもされています。
あとがき
TINY-001は、最小クラスで持ち運びに最適。他の小さい財布と比べるとコインが使いやすいのがメリットですね。また、イタリアのオイルレザーを使いながら、1万円未満のプライスなのもすごいと思います。