機能的な革製品をラインナップする、SYRINXの『《結ぶ》キーケース』をご紹介しましょう。
特徴は以下のとおり。
- 革だけで作られたキーケース
- カギとほぼ同じ。極小サイズ
- 1〜10本のカギを収納できる
- 色ツヤが変化するエイジングが味わえる
SYRINXのプロダクトは「普通じゃないデザイン」が魅力なのだけど、本作もエッジの効いたキーケースです。人と違うキーケースをお探しなら、検討してみてはいかがでしょうか。
動画
《結ぶ》キーケースのサイズ感や、エルバマットの質感が伝わるといいのですが。
カギの取り付け
パッケージを開けると、V字型のパーツがお目見え。まだキーケースのカタチにはなっていません。
素材はイタリアの革、エルバマット。カラーは「Cammello」をチョイスしました。もっとも色合いが変化するだろうカラーです(カラーバリエーションは10くらいあるので、ちょっと迷うかも。)
革のヒモが出ています。
こんな感じで、カギをくくり付けて完成します。
まずは、ヒモにカギを通します。2本以上のカギをセットする場合も、同じように通していきます。公称スペックでは、10本までセットできるとのこと。
《結ぶ》キーケースのサイズは、カギとほぼ同じ。写真のカギだと1mmくらいしか余裕がない。このギリギリのサイズだからこそコンパクトなのです。
「カギを通すヒモの中央」から、革端まで約60mm。お手持ちのカギが収まるか、サイズをチェックしてみてください。車のカギなどは収まりません。
反対側の穴に、ヒモを通していきます。キツめに締めましょう。ゆるみがあると、カギがくるりと出てきてしまうかもしれません。
カギの本数にもよるのだけど、ヒモが余ります。邪魔なので、カットします。
少し余裕を持たせた方がいいかもしれません。カギが増えたときも安心ですし、使ってみて長いと感じたら短くすれば良いでしょう。
革でカギをはさんで、結ぶ。だから「《結ぶ》キーケース」。シンプルかつユニークなネーミングです。
使い勝手
手のひらで包み込むと完全に隠れてしまう。とにかく抜群にコンパクトです。
新品同様だから、折り曲げた箇所のハリがすごい。エルバマットの質感の変化は、SYRINXの《単》長財布で体験済み。スリムになることが分かっています。だから、本作のポテッとした丸みのあるフォルムも、ぺたんとなってくるはず。
さて、使い方です。
カギをしまった状態がこちら。
こんな感じでカギが収まっています。
カギに指を添えて、くるりと回して出します。カギを留める仕掛けがないからこそ、最小限のアクションで取り出せる。しまう時は、この逆。シンプルです。
そのままカギを使えます。
傾けたり、振ったりするとカギが出てきてしまう。
「ヒモを通す、カギ穴のサイズ」にもよるのかな。断言できないけど、私のカギの場合は出てきます。使っているうちに革が馴染んで、ピタッとカギをはさめるようになるかもしれないし、ヒモをギュッと結べば改善されるかもしれない。これは使い込んでみてご紹介できればと。→改善しません。カギが出てきてしまう。
キーケースの役割のひとつは「カギで他のアイテムを傷つけないこと」。この点でみると、オーソドックスなキーケースの方が優れています。(出し入れするときのアクションが多くなるため、使いやすさとはトレードオフです)。
カギの収納量と使い勝手について
《結ぶ》キーケースには最大で10本収納できるみたい。ただ、「重なったカギの中から、使いたい一本を素早く選別すること」は難しいでしょう。
《結ぶ》キーケースの携帯性と使いやすさを体感できるのは、カギを1〜2本収納するときだと思います。カギ1本なら、そもそもカギの選別が不要。ノールック & 1アクションでカギを取り出すことができる。とても快適です。
3本以上のカギをまとめるなら、一般的なキーケースの方が見やすく、選別しやすいと思います。
サイズは大きくなってしまうけど、手のひらいっぱいに革製品を感じられる満足感もある。使いやすさと革製品を所有する満足感はトレードオフです。これは好みでしょうから私がアレコレいうのも野暮ですね。
特徴
エルバマットだけで作られたキーケース
本作の素材は、エルバマット。イタリアの老舗タンナー、テンペスティ社の代表作です。
さらりとした質感が気持ちいい。ポケットに入れて持ち運んでいるのだけど、ずっと触っていたくなる。
植物性タンニンでなめされたオイルレザーのため、質感、色合いが変わっていきます。いわゆるエイジングですね。この変化もレザープロダクトの楽しみのひとつ。
少しずつオイリーな質感に変わっていきます。手の油分が表面に移ること。また、エルバマットはオイルをたっぷりと含んだ革だから、使い込むことで表面にオイルが滲み出てくるのです。
手に吸い付くような質感に変わる。ツヤも出るし、色も深まっていく。だから、このマットな質感は、新品のときだけ。
キーケースは毎日使うため、財布やカバンよりもエイジングスピードは早いはず。本作のような淡い色合いであれば、色の変化も顕著ですね。エイジングは別途ご紹介できればと。
《結ぶ》キーケースの特徴はオールレザーであること。
一枚革で仕立てられていて、ステッチも一切ない。革以外の素材が使われていないのです。いくつかSYRINXのプロダクトを持っているのですが、本作がもっとも革の質感を味わえる一品かもしれません。
小さくても所有欲を満たされる
エルバマットは、薄く漉いていない元厚のままのはず。厚み2mmほどでハリがあるため、一枚革のレザープロダクトなのに、しっかりと革感を味わえる。
他のSYRINXのプロダクトと同じように光沢のあるコバ処理。塗料が塗られていない素磨きです。革の美しさに集中できる。
シンプルなプロダクトだけど、チープさを感じません。
あとがき
《結ぶ》キーケースは、一般的なキーケースとは、見た目も使い方も違います。
1、2本のカギをミニマムに持ち歩きたい。それでいて革のエイジングを楽しみたい。
であれば、本作はとても満足できるキーケースです。このサイズ感で、革だけで作られたキーケースは《結ぶ》キーケース以外に存在しません。