革工房リュテス(LUTÈCE)の名刺入れ『Regalo(レガロ)』をオーダーしました。
本ページでは使い勝手、特徴、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。
特徴
特徴は以下のとおりです。
- 2つの収納スペース
- 名刺の出し入れがしやすい
- 美しく、ユニークなカタチ
- 丈夫で壊れにくい。長く使える
- 美しいハンドステッチを堪能できる
動画
カタチ・構造、美しい仕立てなどを紹介しています。ミネルバのエイジングも。
カタチ、構造
オーソドックスな名刺入れと同じくらいのサイズ感です。
素材はミネルバリスシオ(詳細は後述)。色はオリーバでオーダーしました。
サラッとしたスムースな質感と、丸みのあるフォルムが相まる。触っていて気持ちがいい。「手に収めたくなる」ワクワク感がある。
正面に切り込みがある。ここにフラップを差し込んで留める構造。
スッとフラップを抜き出す。
フラップを外すと、少し手前に倒れる。
手前のスペースに名刺を入れます。
フラップ側、奥のスペースにはスリット状のポケット。こちらにも収納できます。
使い勝手
結論から言うと、リュテスの名刺入れは使いやすい。素晴らしい製品です。
ポケット1
ここをポケット1と定義します。
前方に倒すことができる。
けど、倒れすぎない。90度で止まるんですよ。だから、名刺が落ちることはありません。
よく考えられています。ポケット1の革を、もう一つのポケットと縫い合わせることで、ポケット1が倒れきらないように留めているんです。美しさと機能を作り込まれた、優れたデザインです。
さて、名刺の出し入れについて解説しましょう。
比較のため、まずはオーソドックスな名刺入れの折マチ構造。サイズを小さくするため、名刺サイズギリギリに作られていることがある。また、マチが邪魔になって名刺を入れるときに引っかかることがある。
一方、リュテスの名刺入れ。収納スペースが大きく開いている。
さらに、マチの部分が屈曲せず、ストレートです。指で開くことなく、収納スペースが最初から開いている。
だから、名刺が入れやすい。
複数枚、まとめて名刺を入れるときもマチに引っかかることがなく、スムーズに収納できます。
収納枚数は薄いカード、名刺ならMax40枚。少し余裕がある方がスムーズに取り出せる。30枚くらいが無理なく入り、バランスが良いと思います。
ポケットの前面はストレートライン。
背面は凹むようにカーブしている。
見た目が美しいだけじゃない。背面側からも名刺を引き出しやすい。機能的です。
ポケット2
マチががありません。収納できるのは1,2枚くらい。馴染めばもう少し入るかな。
コントラストのある配色で目立つ。いただいた名刺を収納する「特別なポケット」として使うと印象も良さそうです。
3辺が縫われているため、落ちることはありません。
挟んで収納する
中央に挟み込むこともできる。
フラップを留めると横にしても落ちません。
ただし、非推奨です。あくまでも収納しきれなかったときの予備としてですね。入っていることを忘れて開くと、名刺が落ちますから。
素材
ミネルバリスシオの名刺入れ
リュテス定番の素材、ミネルバリスシオです。イタリアのタンナー、バダラッシカルロ社の代表的なオイルレザーです。
ミネルバは色が豊富です。今回は「オリーバ」をチョイス。オリーブオイルを濃くしたような色合いです。ミリタリーテイストがあるかなと思ったのですが、とても落ち着いた色味。珍しい色。「遊び」を求めるならオススメです。
ちなみに、赤や黄色とビビッドな色もあります。
微細なシボが並びます。美しい。
サラリとした手触りが気持ち良い。凹凸は感じません。
2トーンを楽しめる
内側のポケットもミネルバです。本体カラーとは別の色が使われていて、コントラストが楽しめます。ちらりと見えるのがいいんですよ。
色・ツヤが変化するエイジングを楽しめる
ミネルバはタンニンなめし、染料仕上げの革です。色は深まり、ツヤも増していきます。(写真はミネルバの財布です。)
サラリとした手触りも変化する。使っているうちに革の内部からオイルが出てきて、オイルコーティングされる。キュッとフィットする手触りになります。
革だけで作られた、丈夫な名刺入れ
革と糸だけで作られています。ホックもない。リペアが必要なパーツが少ないのです。
負担のかかるポイントは返し縫いがされているため、糸が切れが起こりにくい。
ミネルバは柔らかなイメージがありますが、本作ではハリ・コシがある。ある意味ミネルバらしくない、堅牢さを感じられます。
革を薄くして作った方が薄く、小さくできる。リュテスの名刺入れは薄くしすぎないことで、耐久性を高めているのでしょう。
どんな革製品でも修理はできる。でも、本作は修理がなるべく必要ないように作られています。
美しく、機能的なフォルム
造形が美しい。
ミネルバのようにオイルを含む革を折り曲げるとシワができたり、色の濃淡が出てしまう。滑らかなカーブを作り出すのは、難しいはずです。リュテスの名刺入れは、なめらかな表情のままです。折ジワもない。
収納スペース(マチ)を作る方法はいくつかあるのだけど、本作ではミネルバの厚み、コシを活かして美しく見えるように仕立てられています。それでいて、前述した使い勝手の良さがある。素晴らしい名刺入れです。
クオリティ
リュテスの美しいモノづくりを見て取れる、高品質なカードケースです。
床面の処理
内装の一部は革の裏面が見える。しかし、きれいに処理されています。ザラつきもなくスムースです。
手縫い
斜めに並ぶ、美しい糸目。ハンドステッチによる仕立てです。
光沢の少ないリネン糸。サラリとしたマットなルックスで、革を主役にしてくれます。
どこを見ても、縫い目が美しい。
コバ
リュテスはコバの美しさも魅力です。本作でも健在。
一枚革のフラップ部分。角が落とされた、丸みのある美しいコバ。
革を張り合わせた部分も。
あらゆるコバが磨いて仕上げられています。いつか剥がれてしまう塗料ではなく、染料による磨き仕上げ。長く、美しく使えます。
捻引き
フチに引かれたラインを捻(ねん)といいます。
見た目を引き締めるだけじゃなく、コバを硬く、丈夫にしているんですね。
あとがき
「Regalo」とはイタリア語で「贈りもの」を意味します。その名のとおり、特別感のある逸品。色・ツヤの変化する美しい名刺入れをお探しなら、本作は極めて優れています。