2018年、CIRCUS OF HAPPINESSから新しいベルトがラインナップされました。
私がチョイスしたのはサドルプルアップを使った、ナローベルト。
本ページでは、その特徴についてご紹介していきましょう。
使い勝手
サイズ感
本作の特徴のひとつは、25mmのベルト幅。
一般的なベルト幅は3タイプに分けられます。
- 30mm
- 35mm
- 38mm
細いほどドレッシー。たとえば30mmならビジネス用途。
中間の35mmなら、オールラウンダー。
38mmは、カジュアル色が強い。
と、一般的には言われています。
私は全サイズ所有していて、気分に合わせて使い分けたりしています。わずか8mmの違いなのだけど、装着してみるとかなり印象が変わる。この面白さに気づくと、ベルトが増えだすことになります。
では、本作の25mmはどうかというと、やはり、かなり細い。
本作は「ナロー(narrow)ベルト」と名付けられているのだけど、私からすると30mmでも十分にナローです。初めて見たときは、こんな細いベルトあるの?という印象でした。
ただ、試着してみると不思議とドレス用だとは思いませんでした。私自身、カジュアルでも30mmを使っているからかもしれません。感じ方は人それぞれだと思うので、ぜひ試着してみてほしいです。
さて、ラインナップは全4種類。(以下4枚のお写真は、CIRCLEさんのブログより拝借)
革は2種類です。
ひとつは、ドラーロ。イタリアのオイルレザー、ブッテーロに型押ししたものです。カラーはグリーンとブルー。
エキゾチックレザーを彷彿させるのような表情ですが、凹凸はほとんどありません。主張は控えめなので、カジュアルOKの職場ならビジネスシーンにも使えそう。
もうひとつは、サドルプルアップ。こちらはスムースタイプの皮革です。
カラーは、ブラックとチョコ。やっぱりサドルプルアップのチョコはいいです。新品のときからアジがある。
ドラーロのブルー も、サドルプルアップのチョコも魅力的です。東京にお住まいなら、ぜひ見に行ってほしい。写真で見るのとはやっぱり違います。
ちなみに、お値段はサドルプルアップの方が2,000円ほど高いです。つくりは同じなので、単純にサドルプルアップの方が高いのでしょう。あまり気にならないほどの差ですね。ベルトは、5年以上使える長寿命のアイテムだからです。
さて、どちらもエイジングを楽しめる大好きな皮革だから、正直かなり迷った。
結果としては、今回は「40歳を過ぎても飽きずに使える」を切り口に、サドルプルアップのブラックをチョイスしました。
それでは、パーツの細部に迫ってみましょう。
ボディ
サドルプルアップを贅沢に使用
本作で利用される素材は、サドルプルアップ。ベルギーのタンナー、マシュア社の代表作です。
まず、「サドルプルアップのベルト」が非常に珍しいです。ほとんどラインナップされていません。
2017年に、WILDSWANSがサドルプルアップのベルトを発表したのだけど、3万円オーバーのプライス。決して安くはないので、手を出さなかった。
そんな中、CIRCUS OF HAPPINESSがアンダー2万円で、サドルプルアップのベルトをラインナップしてきた。WILDSWANSのプライスが頭にあると、安く感じてしまいます。一般的なベルトに比べると、十分に高いのだけど。
さて、本作のボディを見てみましょう。
25mm幅は、一般的なベルトと比べるとかなり細い。それなのに、存在感がある。理由はぷっくりと膨れたフォルム。中に芯材が入っているのでしょう、肉盛りのボリュームがスゴイ。
肉盛りによって、流麗なフォルムになる。角度が生まれるから、光を反射する面も多様になる。より立体的な表情に見えるんですね。ボリューム感をもたせることで、細身のベルトなのにのっぺりとしないのです。
本作のように上質な革だと、その表情がより映える。高級感があります(実際、高価なのだけど)。
スムースな表情には、微細なシボが見えます。どちらかというとマットな質感。
ただ、これは最初だけ。使い込むことで、光沢が生まれます。マットな質感をずっと楽しみたいなら、本作を選ぶべきではないのです。
別のアイテムだけど、WILDSWANSのキーケース、クリッパー。サドルプルアップのチョコです。300日くらい使っているはず。光沢が素晴らしい。
チョコだと色合いの変化も楽しめます。ブラックも厳密には変化しているのだろうけど、チョコほど「色の変化」が顕著ではありません。光沢が増す感じですね。
わずか25mmのベルトでも、さほどドレッシーに感じなかったのは、このエイジングイメージがあったからかもしれません。
裏面もサドルプルアップの銀面があしらわれていて、床面は一切見えない。非常に贅沢なつくりです。身体に当たる面は、フラットだからフィットします。
ロゴは裏面にひとつだけ型押し。目立ちません。
仕上げ
サドルプルアップを2枚重ねてステッチしたエッジは、コバ磨きされています。
ただ、ところどころささくれ立ったポイントがある。
滑らかさだけを優先するなら、コバ塗料をベタ塗りすればいいい。磨かなくてもスムースな表面になるから、手間も減る。そういったものよりは、ずっと上質なのだけど。装着するとときに、手に当たることがあって、あまり気持ちよくはないですね。
最高品質を求めるなら、気になるでしょう。ここにパーフェクトを求めるなら、WILDSWANSをチョイスしたほうが満足度は高いと思います。もちろん、お値段は更に上がります。
バックル
ベルトの顔のバックルは、真鍮製。
くすみを帯びた色合いなのだけど、これも変化する。オーナが言うには、使い込むことで光沢がましていくそうです。
個人的に真鍮はゴールドのほうが好みなのだけど、シルバーの変化には初トライとなるので、楽しみです。
微細な凹凸があるように見えるかもしれませんが、表面がコーティングされているのか、つるりとした質感です。
ベルトホール
フックをかける穴も、変わった形状です。
ベルトを留める穴は、同心円ではありません。魚のようなカタチ。面白いです。
使い勝手は普通。一般的なベルトホールと一緒です。
CIRCLEのオーナーさんいわく、ベルトは最大でホール1つ分伸びることがある。とのこと。
ファッションにもよると思うのだけど、ベルトをおへその辺り(ハイウェスト)で留めるか、腰骨のあたり(ローライズ)で留めるかは違いますよね。
サイズも豊富なので、お手持ちのベルトと合わせてみればよいと思います。
特徴
パッケージ
財布を買ったときのように、箱はありません。上のようなCIRCLE定番の袋に入れてもらえます。けっこう生地感がいいので、ちょっとした小物入れにも使えますね。
あとがき
財布やカードケースなど、「人が使う革道具」が好きで買っているのですが、ベルトもユニークなデザインのものはいいですね。
高価なベルトなのだけど、ファッションアイテムの中では飛び抜けて長持ちするので、実はコスパが良いアイテムなのです。そういう意味では「本当に気に入った一本」をチョイスするのが一番大事だと思います。
ちょっと変わったベルトをお探しなら、検討してはいかがでしょうか。