買う前に知っておきたい、ブライドルレザーのホントのところ。英国の伝統皮革の真髄にせまる

ブライドルレザー

男性に人気のある皮革、ブライドルレザー。

カッチリとした表情が醸し出す、上質さと品格はNo1。
ビジネスシーンに添えるアイテムの素材として、とても人気があります。

本ページでは、ブライドルレザーの特徴について、ご紹介します。

ブライドルレザーのメリット・デメリット、気になるエイジングなどについて、ホントのところを紹介します。

高価な皮革ですから、本ページをご覧になってからの購入でも遅くないはずです。
ぜひ参考にしてみてください。

上質なブライドルレザーの財布。その選び方とおすすめのブランド

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ブライドルレザーとは何か?

特徴

ここではブライドルレザーの特徴を押さえてみましょう。

カッチリとした堅牢な革

カッチリとしていて、ハリの強い質感。指で押してみると、確かな跳ね返りがあります。指で弾くと、カツンと音がするほどです。yuhaku-bridle-tabaire-22

また、ギュッと握ると「ギュイギュイ」と音が鳴ります。これは時間をかけて、タンニンでなめされた、ホンモノの革だけが奏でることができる音。繊維がギュッと詰まった、丈夫な革の証です。
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ブライドルレザーは、半年以上の時間をかけてタンニンでなめしたあと、革にワックスをたっぷりと染み込ませた革です。ゆえに、しなやかさを持ちつつ、固くて丈夫な仕上がりになるのです。

カッチリとしていて、ハリがあって、そして重みがあります。これがブライドルレザーの特徴であり、醍醐味です。まさに「男の革」といったところでしょうか。「所有欲」を満たしてくれる皮革です。

ただし、この特徴は、好みが分かれるポイントでもあります。

革に求めることは人によって違うはずです。「優しさ、やわらかさ、あたたかさ」を味わいたいなら、ブライドルレザーをチョイスするべきではないのです。(ミネルバを選んだ方が幸せになれるでしょう)。

ブライドルレザーの表情

ブライドルレザーの表面に見える、白い粉状のものは、「ブルーム」と呼ばれます。

ブライドルレザー

ブルームの正体は、革に染み込ませたワックスです。

ワックスは革の芯まで浸透していて、時間の経過などで少しずつ表面ににじみ出てきます。浮き出た分が白く固まることで、独特の表情を見せてくれるんですね。

ブルームはどちらかというと個性として好まれます。そのため、ブライドルレザーを使ったアイテムは、ブルームが見える状態でお店に並びます。

しかし、ブルームが濃く浮き出た表情を楽しめるのは、最初だけ。
普通に使うだけでブルームは薄くなっていきます。ポケットやカバンに入れたり、手で触れたりすることで、徐々にブルームが革全体に馴染んでいき、ツヤに変わっていきます。

毎日使う財布などの小物では、ほとんど目立たなくなっていきます。

水分に強い

ブライドルレザーは天候が安定しない、英国で作られた革です。

雨に降られても、革がへたらないようにワックスを浸透させているんですね。
オイル(ワックス)と水は混ざらないため、表面がオイルコーティングされた状態にある、ブライドルレザーは、革の芯部にまで水が浸透しにくいのです。

一般的な革と比べて、水分に強い革といえます。
もともとは馬具の素材として作られた革ですから、外での長時間の利用に耐えられるだけの強靭さが求められたわけですね。

その他の革との違い

日本の革工房で採用されるスムースレザーは、20種類くらいしかありません。

ブライドルレザー、ブッテーロ、マレンマ、ミネルバ、サドルプルアップ、…。など、日本人が満足できる皮革、いわゆる名革と呼ばれるものですね。

これらの銘革と比べてみての、ブライドルレザーの特徴をピックアップしてみましょう。

  • 硬くてハリが強い
  • なめらかな質感
  • 厚みがあり、所有欲が満たされる
  • ブルームの味わいがある
  • エイジングは、ツヤの変化

具体的に、他の革と比べてみましょう。

こちらは、ミネルバリスシオ。やわらかく、しっとりと手に吸いつくような質感です。
ミネルバリスシオ アップ

革にはそれぞれ個性があります。どちらの皮革が良いということはありません。
使う人が、「どちらを気に入るか」ということなんですね。

カッチリとしていて、凛とした力強い風格を楽しみたいなら、ブライドルレザーの方が満足度は高いはず。(一方、優しい、やわらかな雰囲気を味わいたいなら、ミネルバの方がオススメです。)


ブライドルレザーの一番の特徴は、やはりその堅牢さにあります。

一般的な革に負荷をかけたとき、耐えきれずに割れたり、裂けたりしてしまいます。ブライドルレザーはこういった過酷な使用の耐性がダントツです。

そもそもブライドルレザーは、馬具の素材として作られ始めた皮革です。そこに求められることは、過酷な環境でも長く愛用できること。古くから過酷な環境下で使われる革として愛用され続けているわけです。

サドルレザーとの違い

カッチリとした牛革は他にもあります。
代表的なものが、サドルレザーですね。その名前が示す通り、サドルなどの馬具に使用される革のことです。

では、サドルレザーとは何が違うのでしょうか?

サドルレザーはなめし後に、特別な仕上げをしません。

一方、ブライドルレザーは、ロウや植物性油などを成分とするワックスで仕上げます。
革の芯まで浸透したワックスは、革の密度を高め、しなやかさと強靭さが増した革に変化するのです。

つまり、ブライドルレザーの方が、丈夫で、固くて、長持ちする素材として優秀なんですね。

ブルームを取り除く、ビフォアアフター

こちらは英国のタンナー、トーマスウェア社のブライドルレザーです。表面にはブライドルレザーの特徴である、ブルームがかなり濃く出ています。DSC06097

びっしりとブルームが見えるのは、最初だけ。
ふつうに使い続けることで、ブルームは落ちていきます。

無理やり落とす必要はありませんが、場合によってはこのブルームがよろしくないこともあります。例えば、スーツなど濃色の服を着るシーン。強くこすれるとブルームが付着してしまいます(もちろん、払えば落ちるのですが)。

また、人に見せるアイテムならば、あまりに強く出ているブルームは個性が強すぎるかもしれません。例えば名刺入れに浮き出ているブルーム。それを見た相手がどう思うか、ということですね。ブライドルレザーが好きならたまらないと思うのですが、革に詳しくない人が見ると、強烈な印象を持ってしまうかもしれません。

ブルームが気になる場合、あらかじめ払ってみると、いい感じの表情に落ち着きます。

というわけで、実践してみましょう。DSC06110

柔らかい毛先のブラシで何度か払ってみましょう(馬の毛でできた、靴用のブラシでOKです)。必ずしもブラシである必要はないのですが、タオルでの乾拭きなどですと、あまりブルームは落ちないと思います(ブラシの方が効率良く落とせます)。

一方向に、傷つけないように。払うような力加減でブラッシングしましょう。
何度か繰り返すと、ブルームが薄くなっていき、次第にその表情に光沢が生まれてきます。
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ブラッシングの有り/なしで、濃淡がハッキリと分かれました。違いは一目瞭然ですね。
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ブラシで払っただけの状態がこちら。
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光を取り込んで、外観を映すほどの光沢が現れてきます。
ブライドルレザーのブラックは、キリッとした表情が美しいですね。

さて、この状態で触れると、指で触れた部分に、くすみが出来たように見えるかもしれません。
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人の指にはうっすらと油の膜があるので、それが移ることでくすんだように見えるんですね。

この手から移る油分と、ブルームが重なり、ブライドルレザーがこすれることで、さらに光沢が増していきます。初めてブライドルレザーを使うなら、気になってしまうかもしれませんが、このくすみこそが、美しく変化するキモとなるわけです。あまり気にせずガシガシ使ってあげましょう。


革のアイテムを使っていると、とても幸せになれる時間があります。
私にとっては、ブライドルレザーの表情の変化が見てとれたときが、その時間ですね。一番の魅力は、表情の変化だと思います。使えば使うほどにその様子が変わっていきますから、次第に愛着も増していきます。

あえてブルームを落とすことで、一気に、そしてハッキリと表情の変化を楽しめるわけです。これは新品のときにしか味わえないことですから、ご興味があればお試しください。

繰り返し申し上げますが、ブルームは自然に落ちます。それを早く落とすも、自然に落とすも使う人次第。みなさんの好きなように、ブルームを楽しんでみてください。

ブルームの復活

使用するにつれて、ブルームは無くなっていくのですが、しばらくするとブルームが復活するユニークな特徴を持っています。革を押したり、表面が乾燥することで、油分を補おうとして、表面に出てきたオイルが固まるからです。

ここでは、ブルームの復活について、見てみましょう。

こちらの写真は1/15のもの。ブルームを落とした状態です。(右半分のブルームも、落とした状態で放置しました)。

そして、6ヶ月、ほぼ使わずにおいたものがこちら。ブルームが復活していますね。
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全体を見ると、さらによく分かります。
1/15のもの。

半年後。
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毎日使っていれば、こういったブルームの復活を目にすることはできません。手で触れたりすることで、つねに全体に馴染んだ状態が続くからです。

このブルームの復活から、分かることがあります。
それは、ブライドルレザーのケアはほとんど不要だということ。

油分が無くなれば、乾きをうるおすように、革の芯部からワックスがにじみ出てきます。そのため、普通に使うことで、革の表面がオイルでコーティングされた状態でキープされます。

ブライドルレザーのワックスと、人の手から移る油分で、適度にうるおった状態にあるわけですから、オイルやクリームなどは基本的に必要ありません(むしろ、ブライドルレザーのハリ・コシが弱まってしまいます)。

ブライドルレザーの歴史

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ブライドレザーの起源はイギリスです。

古くからイギリスではポロ競技が盛んで、当時の馬具には通常のレザーが使用されたそう。
しかし、革を酷使する競技ですから、耐えきれなくなり、手綱(たづな)が切れてしまうことが多かったと言われています。

手綱などの馬具は、人と馬をつなぎ、命にかかわる重要な道具。長く使えて、壊れたり、切れたりしないことが最優先で求められたのです。そのため、丈夫さと、しなやかさ。この2つの性質を持つ革が必要だったんですね。

そこで、ある貴族がもっと強度なレザーを作らせました。これが、ブライドルレザーの誕生といわれています。

ちなみに bridle(ブライドル)とは、「たづな」「くつわ」といった意味。名前からも、馬具を由来としていることが分かります。

日本と海外のブライドルレザーの違い

実は、ブライドルレザーは日本国内でも生産されています。
革の目はやや粗いものの、国内でも有数なタンナーが手掛けており、確かなクオリティがあります。

逆に海外では今でも伝統的な手法でブライドルレザーを生産しています。

セドウィック社、トーマスウェア社などは100年以上続く老舗タンナーで、上質なブライドルレザーを作ることで、定評があります。

ちなみに、手掛けるタンナーによって風合い、硬さ、ブルームの出、しなやかさななどが異なります。ワイルドさのある海外ならではの特徴といったところですね。

ブライドルレザーの作り方

ベジタブルタンニンなめしで作られた革へ、何度もワックス(ロウや植物オイルが主原料)をぬり重ねることで、固く、丈夫な革に仕上げていきます。

ブライドルレザーは油分を革の表面に与えるため、しなやかさを保ちつつ耐久性を持たせることができます。

最後に表面をこすって磨きをかけます。やり過ぎると起毛したレザーになってしまうので、調整が難しい分手間がかかります。ここに職人の技術が活きてくるのです。

同じタンナーで作られたレザーでも、その時の気候条件やなめす際に使われる水の温度・染料の濃さなどで仕上がりが大きく変わってきます。そのため、個体によってかなりばらつきがあるレザーといえます。

手作業でいくつもの工程を経て作られているからこその、風合いとも言えますね。

ブライドルレザーのエイジング

ブライドルレザーのエイジング

出典:http://blog.circleofcircus.com/

ブライドルレザーは使用するほどにツヤが出ますが、実は色によって表れ方が全く違ってきます。

ブラックであれば、ブルームが浮き出てきやすいのですが、キャメルやネイビーではオイルレザーのような風合いになることもあります。(使い方によって変化の仕方がガラリと変わるのは、どの革でも言えることです。)

色の変化は控えめです。他の革に比べて色が濃くなっていくエイジングは目立ちません。
色の変化を楽しみたいなら、他の革を選んだ方が幸せになれるはずです。
(ちなみに、色がグングン変化するのがミネルバですね。)

ブライドルレザーは「ツヤが出ることで深みが増す」といった表現が一番しっくりくる革です。

季節によって違いがあるレザー

多くの革は、一定の表情、質感で、季節によって変わることはありません。

一方、ブライドルレザーは、季節によって違った表情を見せてくれます。呼吸をしていることが、見て取れる皮革なのです。

夏は高温多湿になる為、しっとりとした質感になります。
一方、冬は気温が低く乾燥しやすくなるので、再びブルームが表れてさらっとした風合いになります。

これも、多くの革好きを魅了する、ブライドルレザーの特徴です。

ブライドルレザーの手入れ

日々のメンテナンスは、乾拭きが基本です。特にブルームが革に馴染んでいくまでは、何もしなくてもOK。

使い方によっては、油分がなくなりカサつきがでてくることもあると思います。
ブライドルレザーは厚みがある革ですから、潤いがなくなるとひび割れが起きやすくなってしまいます。いったん割れてしまうと、完全に修復することはできませんから、「ちょっとカサついてきたな」と感じた時は、ケアをしてあげてください。

ブライドルレザー専用のケアクリームを使用するのがオススメです。クリームは付け過ぎず、優しく円を描くように刷り込ませていくと効果的です。

ただ、財布のように全体を手で触れるアイテムなら、適度に指から油分が移りますから、あまり気にする必要はないと思います。毎日使ってあげることが、革にとって最高のメンテナンスです。

あとがき

ブライドルレザーの特徴が、伝わったでしょうか。

強度のあるレザーなので、あまり気負いせず自分なりの扱い方ができるのがブライドルレザーの良さです。

一見すると、変化があまりないので物足りなく思えるかもしれません。
だからこそ、使い込んだ時にだけ出る「渋さ」に魅かれ、シンプルなブライドルレザーに魅力を感じるのかもしれませんね。

最後に特徴をまとめます。

  • 固めでしなやかな革
  • 厚みがあり、無骨さ、力強さを感じる
  • 水分に比較的強い
  • 色の変化は控えめ

最後までお読み下さりありがとうございます。
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