英国発祥の革。ブライドルレザーのホントのところ

ブライドルレザー

男性に人気のある革の1つが、ブライドルレザーです。

カッチリとした革の表情からは、上質さと品格を感じ取ることができます。

今回は、そのブライドルレザーの特徴をご紹介します。

たぶん、本ページをご覧の方はブライドルレザーの小物をご検討中のはず。
気になるエイジングなどについてもホントのところを紹介します。

スポンサーリンク

ブライドルレザーとは何か?

ブライドルレザーは、タンニンで時間をかけてなめしたあと、革の表面にワックスをたっぷりと染み込ませた革です。

特徴

革質について

固くて丈夫なため、十年以上もの長い時間、使い続けることができます。

よく、「堅牢性が高い」と表現されていますが、これは、「固くて丈夫」ということです。

革の表情

ブライドルレザーの表面に見える、白い粉状のものは、「ブルーム」と呼ばれます。

ブライドルレザー

この正体は、革に染み込ませたワックスです。

ワックスは革の芯まで浸透していて、時間の経過などで少しずつ表面ににじみ出てきます。浮き出た分が白く固まることで、独特の表情を見せてくれるんですね。

ブルームは、ふき取ることもできます。ただ、時間が経つと自然にブルームが浮かび出てきます。

毎日使う財布などの小物では、あまり目立ちません。普段の利用で、ポケットやカバンに入れたり、手で触れたりしますから、徐々にブルームが革全体に馴染んでいき、ツヤに変わっていきます。

ブルームはどちらかというと個性として好まれます。そのため、製品後も、ブルームが見える状態でお店に並びます。ただ、上記でご説明したとおり、普通に使うだけでブルームは薄くなっていきますから、お店にある状態のままで使い続けられるわけではないんですね。

水分に強い

もともとブライドルレザーは天候が安定しない、英国で作られた革です。

雨に対する耐性としても、ワックスは効果的。革の弱点である、水を防ぐのに役立ちます。

一般的な革と比べて、水分に強い革といえます。
もともとは馬具の素材として作られた革ですから、当然ながら外での長時間の利用に耐えられるだけの強靭さが求められたわけですね。

一般的な革との違い

一般的な革と、ブライドルレザー。

同じ負荷をかけたとき、一般的な革は、耐えきれずに割れてしまいます。馬具に求められることは、過酷な環境でも長く愛用できること。

これを満たす強靭さゆえに、古くから過酷な環境下で使われる革として愛用され続けているわけです。

サドルレザーとの違い

しっかりとした牛革の代表として、他にサドルレザーがあります。
その名前が示す通り、サドルなどの馬具に使用される革。

サドルレザーはなめし後に、特別な仕上げをしません。
(一方、ブライドルレザーは、ロウや植物性油などを成分とするワックスで仕上げます。)

革の芯まで浸透したワックスは、革の密度を高め、しなやかさと強靭さが増した革に変化するのです。

つまり、ブライドルレザーの方が、丈夫で、固くて、長持ちする素材として優秀なんですね。

ブルームを取り除く、ビフォアアフター

DSC06097表面にびっしりとブルームが見えるのは、最初だけ。普段どおり使うことで、落ちていきますから、無理やり落とす必要はありません。

ただ、男性ならばスーツなど濃色の洋服を着ることが多いと思います、強くこすれるとブルームが付着しますし、人に見せるアイテムならば、あまりに強く出ているブルームは個性が強すぎます。例えば名刺入れにブルームが出ているなら、それを見た相手がどう思うか、ということですね。

ブルーム気になる場合、あらかじめ払ってみるとで、いい感じの表情に落ち着きます。

こちらは英国のトーマスウェア社のブライドルレザーを使った財布です。
その表情にはブライドルレザーの特徴である、ブルームがかなり濃く出ています。ブライドルレザーが好きならたまらないと思うのですが、あまり詳しくない人が見ると、強烈な印象を持ってしまうかもしれません。DSC06110

これを柔らかい毛先のブラシで何度か払ってみましょう(馬の毛でできた、靴用のブラシでOKです)。別にブラシである必要はないのですが、タオルでの乾拭きなどですと、あまりブルームは落ちないと思います。

払うときは一方向に、革を傷つけないように払うような力加減でOKです。
何度か繰り返すと、ブルームが薄くなっていき、次第にその表情に光沢が生まれてきます。
DSC06114

違いは一目瞭然ですね。
DSC06122

ただ、ブラシで払っただけの状態がこちら。
未使用の状態なのですが、光を取り込んで外観をうっすらと映すほどの光沢が現れてきます。
DSC06125

やはりブライドルレザーのブラックは、キリッとした表情が美しいですね。

さて、この状態で触れると、指で触れた部分に、くすみが出来るように見えるかもしれません。人の指にはうっすらと油の膜があるので、それが財布に移ることでくすんだように見えるんですね。
DSC06136 DSC06137

この手から移る油分と、ブルームが重なり、ブライドルレザーがこすれることで、さらに光沢が増していきます。初めてブライドルレザーを使うなら、気になってしまうかもしれませんが、このくすみこそが、美しく変化するキモとなるわけです。あまり気にせずガシガシ使ってあげましょう。


革のアイテムを使っていると、とても幸せになれる時間があります。
私にとっては、ブライドルレザーの表情の変化が見てとれたときが、その時間ですね。一番の魅力は、革の表情の変化だと思っていて、使えば使うほどにその様子が変わっていきますから、次第に愛着も増していきます。

あえてブルームを落とすことで、一気に、そしてハッキリと表情の変化を楽しめるわけです。これは新品のときにしか味わえないことですから、ご興味があればお試しください。

繰り返しますが、ブルームは自然に落ちます。それを早く落とすも、自然に落とすも使う人次第なわけです。自分の好きなようにブルームを楽しんでみてください。

ブライドルレザーの歴史

camargue-758709_960_720

ブライドレザーの起源はイギリスです。

古くからイギリスではポロ競技が盛んで、馬具には通常のレザーが使用されていました。
しかし、革を酷使する競技ですから、耐えきれなくなり、すぐに手綱(たづな)が切れてしまうことが多かったと言われています。

そこで、ある貴族がもっと強度なレザーを作らせました。これが、ブライドルレザーの誕生といわれています。

手綱などの馬具は、人と馬をつなぎ、命にかかわる重要な道具。だからこそ、丈夫さと、しなやかさ。この2つの性質を持つ革が必要だったんですね。

ちなみに bridle(ブライドル)とは、「たづな」「くつわ」といった意味。名前からも、馬具を由来としていることが分かります。

日本と海外のブライドルレザーの違い

実は、ブライドルレザーは日本国内でも生産されています。

革の目はやや粗いものの、国内でも有数なタンナーが手掛けており、確かなクオリティがあります。

逆に海外では今でも伝統的な手法でブライドルレザーを生産しています。

セドウィック社、トーマスウェア社などは100年以上続く老舗タンナーで、上質なブライドルレザーを作ることで、定評があります。

ちなみに、手掛けるタンナーによって風合い、硬さ、ブルームの出、しなやかさななどが異なります。ワイルドさのある海外ならではの特徴といったところですね。

ブライドルレザーの作り方

ベジタブルタンニンなめしで作られた革へ、何度もワックス(ロウや植物オイルが主原料)をぬり重ねることで、固く、丈夫な革に仕上げていきます。

ブライドルレザーは油分を革の表面に与えるため、しなやかさを保ちつつ耐久性を持たせることができます。

最後に表面をこすって磨きをかけます。やり過ぎると起毛したレザーになってしまうので、調整が難しい分手間がかかります。ここに職人の技術が活きてくるのです。

同じタンナーで作られたレザーでも、その時の気候条件やなめす際に使われる水の温度・染料の濃さなどで仕上がりが大きく変わってきます。そのため、個体によってかなりばらつきがあるレザーといえます。

手作業でいくつもの工程を経て作られているからこその、風合いとも言えますね。

ブライドルレザーのエイジング

ブライドルレザーのエイジング

出典:http://blog.circleofcircus.com/

ブライドルレザーは使用するほどにツヤが出ますが、実は色によって表れ方が全く違ってきます。

ブラックであれば、ブルームが浮き出てきやすいのですが、キャメルやネイビーではオイルレザーのような風合いになることもあります。(使い方によって変化の仕方がガラリと変わるのは、どの革でも言えることです。)

色の変化は控えめです。他の革に比べて色が濃くなっていくエイジングは目立ちません。
色の変化を楽しみたいなら、他の革を選んだ方が幸せになれるはずです。
(ちなみに、色がグングン変化するのがミネルバですね。)

ブライドルレザーは「ツヤが出ることで深みが増す」といった表現が一番しっくりくる革です。

季節によって違いがある珍しいレザー

多くの革は、一定の表情、質感で、季節によって変わることはありません。

一方、ブライドルレザーは、季節によって違った表情を見せてくれます。

夏は高温多湿になる為、しっとりとした革になります。
冬は気温が低くなり乾燥しやすくなるので再びブルームが表れてさらっとした風合いになります。

まるで呼吸をしているような様。
これも、多くの革好きを魅了する特徴です。

ブライドルレザーの手入れ

日々のメンテナンスは、乾拭きが基本です。特にブルームが革に馴染んでいくまでは、何もしなくてもOK。

使い方によっては、油分がなくなりカサつきがでてくることもあると思います。
ブライドルレザーは厚みがある革ですから、潤いがなくなるとひび割れが起きやすくなってしまいます。ちょっとカサついてきたなと感じた時は、ケアをしてあげてください。

ブライドルレザー専用のケアクリームを使用するのがオススメです。クリームは付け過ぎず、優しく円を描くように刷り込ませていくと効果的です。

ただ、財布のように全体を手で触れるアイテムなら、適度に指から油分が移りますから、あまり気にする必要はないと思います。
毎日使ってあげることが、革にとって最高のメンテナンスです。

あとがき

ブライドルレザーの特徴が、伝わったでしょうか。

強度のあるレザーなので、あまり気負いせず自分なりの扱い方ができるのがブライドルレザーの良さです。

一見すると、変化があまりないので物足りなく思えるかもしれません。
だからこそ、使い込んだ時にだけ出る「渋さ」に魅かれ、シンプルなブライドルレザーに魅力を感じるのかもしれませんね。

最後に特徴をまとめます。

  • 固めでしなやかな革
  • 厚みがあり、無骨さ、力強さを感じる
  • 水分に比較的強い
  • 色の変化は控えめ

最後までお読み下さりありがとうございます。
お役に立ちましたら、ブックマークやシェアをしていただけると幸いです。

スポンサーリンク

フォローする