伝統的な財布は、大きく2種類にカテゴライズされます。
二つ折りと長財布ですね。
比べてみると、それぞれに長所と短所があることがわかります。
では、どちらがよいのか?
本ページでは100以上の財布を利用してきた財布マニアの視点で、2部構成でご紹介しましょう。
1.二つ折りと長財布。それぞれの特徴
二つ折りと長財布、どちらも愛用しています。利用者視点で、それぞれのメリット・デメリットに鋭く切り込みます。
2.短所をカイゼンした財布
二つ折り、長財布にはそれぞれ短所があります。そして、その短所をカイゼンした財布もありますので、ご紹介しましょう。
二つ折りか、長財布か。迷っている方は、本ページを見てからの購入でもきっとおそくないはずです。ぜひ参考にしてみてください。
二つ折り財布と長財布 カンタン比較
まず、それぞれの良し悪しをざっくりと見てみましょう。
特徴ごとにまとめました。
特徴 | 二つ折り | 長財布 | |
---|---|---|---|
収納量 | △少ない | ◯多い | |
使いやすさ | お札 | ◯ | ◯ |
小銭 | △ | ◯ | |
カード | △ | ◯ | |
お会計 | △ | ◯ | |
Suica | ◯ | △ | |
持ち歩き | ◯ | △ | |
寿命 | 使い方による | ||
見た目の良さ | 好みによる |
一口で言うと、携帯性と収納力のトレードオフです。
二つ折り財布:コンパクトで、気軽に持ち歩ける。
長財布:収納力に優れ、使いやすい。
一長一短です。言い換えると、「たくさん入って、コンパクト」な財布は存在しないんですね。
これから、各特徴について、1つずつそのポイントを押さえてみましょう。
特徴の紹介
二つ折りと長財布の違いについて、押さえてみましょう。
収納量
財布には、さまざまなアイテムを収納することになります。「収納量」を見てみましょう。
結論からいうと、長財布の方がお札、コイン、カードのすべてにおいて、二つ折りよりも収納できます。
単純に面積が広いため、たくさん入れることができあmす。
例えば、段状になったカードポケット。
二つ折りは、3〜4枚程度のカードポケット。
一方、長財布は、6〜8枚のカードポケットが備わっています。
お札も同様です。折らずに重ねるだけですから、もっともスリムになるのです。
では、二つ折り財布はどうかというと…。
二つ折りは、たくさんの収納はできない。とお考えください。
例えば、お札。2つに折ったお札は、スキマが生まれ、元に戻ろうとするため、厚ぼったくなってしまいます。(隙間が生まれるため2倍以上の厚みになります)紙を半分に折っていくと8回がMAXと言われているのと同じです。
二つ折り財布には、15枚ほどのお札がMaxと考えましょう。20枚以上をひとまとめにしたいなら、長財布を選んだほうが快適です。
使いやすさ
使いやすいことは、多くの人が財布に求めることです。ここでは、財布に入れるアイテムごとに「使いやすさ」をチェックしていきます。
お札
お札の使いやすさに、大きな違いはありません。
あえて言うなら、二つ折り財布の方がサイズが小さいため、取り回しが良いくらいです。片手で支えることができるため、持ち替えも楽です。多少、使いやすく感じるかもしれません。
個人的には、カタチにこだわるより、札入れの数(1層 or 2層)にコダワッた方がよいと思います。言うまでもなく、2層式の方が、使い分けができて便利です。
1層式
2層式
二つ折り/長財布にかかわらず、2層式の財布は、仕切りが増えるため、厚みが増します。お札や商品券などを使い分ける必要がないなら、1層式をセレクトして問題ないでしょう。財布がスリムかつ軽くなります。
小銭
長財布の方が、使いやすいです。
単純に収納する面積が広くなるため、コインが見やすく、探しやすく、取り出しやすいんですね。
また、同じ量のコインでも、長財布は揺すって均すことができます。均等に散らばることで、財布を薄くできるのも長所です。
ちなみに小銭入れには、さまざまなタイプがあります。使いやすさのポイントは、ガバッと開くこと。
このようなマチなしの小銭入れは、避けた方がよいでしょう。出し入れしにくいです。
カード
見やすさ、探しやすさ、そして取り出しやすさの点で、長財布の方がダンゼン有利です。
長財布はこんな感じ。
一方、二つ折りはこんな感じ。
並ぶカード枚数が、ぜんぜん違います。
枚数だけでなく、「見つけやすい」というのも大きなポイントでしょう。一般的な二つ折り財布は、段状のカードポケットは多くても4つほどです。
枚数が多くなると、1つのポケットに2枚入れたりしてしまいますよね。二つ折り財布にカードをパンパンに入れているのを見かけますが、財布の型崩れが起きてしまいますので避けてください。当然ですが、重ねるだけ厚みは増しますから、長財布の方がスリムになります。
以下のような方は、長財布の方がオススメです。
- 型崩れを避けて、長く愛用したい
- カード6枚以上を使い分けたい
お会計
長財布のほうが、お会計しやすいです。
アイテムの見やすさ、収納の多さ、取り出しやすさといった点で、長財布の方が使いやすいと言えます。
ただし、クレジット決済などが多いなら、二つ折り財布で問題ないでしょう。コンパクトで取り回しが良いため、使いやすいはずです。
Suica
二つ折り財布の方が便利です。
二つ折りは、財布とカードがほぼ確実に重なっています。どこをタッチしても快適に使うことができます。
一方、長財布は、どの位置にカードが入っているかを考えなくてはいけません。
Suicaの場所を覚えておき、ときには財布を持ち替えてタッチさせる必要があります。
持ち歩き(携帯性の高さ)
圧倒的に二つ折り財布が優れています。
コンパクトなため、お尻ポケットに入れて気軽に出かけられます。手ぶらで出かけたい人には必須の機能といえるでしょう。
ただ、上述したとおり、お札をたくさん詰め込むと厚みが生まれます。コンパクトにするコツは、詰め込み過ぎないことですね。
長財布はあまり携帯性に優れてはいません。
例えば男性であれば、カバンを持ち歩かない人もいるはず。お尻ポケットに入れて持ち歩くと、ポケットからはみ出した部分に負荷がかかりやすく、ダメージを受けるのでオススメしません。落としたり、盗まれたりといったリスクも大きくなります。
ジャケットの内ポケットに入れるのであれば、なるべくスリムな長財布を選びましょう。一般的には厚みが25mmを超えると内ポケットで不快に感じるはずです。おすすめはシンプルなかぶせ蓋タイプです。
財布の寿命
結論から言うと、寿命はどちらも同じです。
長財布の方が長持ちするとお聞きになったことがあるかもしれません。これは、長財布はカバンや胸ポケットに入れることが多く、結果として財布へのダメージが少なくなるからです。
対して、二つ折り財布はお尻ポケットに入れて持ち運ぶ人が多いため寿命が短いと言われです。
結局のところ、使い方によります。二つ折りでもズボンのポケットに入れなければ長く使えます。
長持ちさせるポイント
財布を長持ちのポイントを2つ紹介します。
1.革製であること
天然素材である革は、大切に使えば10年以上は持ちます。フェイクレザーを使った財布は避けてください。数年で表面のポリウレタンが剥がれてきますので、長く愛用できません。
革のケアは、気にしすぎる必要はありません。天然素材である革は呼吸しますから、吸湿、放湿に優れているため、カビることは滅多にありません。また、普段通りに使うだけで、手から財布に油分が補給されますので、オイルケアも不要です。
ケアが必要になるのは、
- 財布を長期間使わないことがある
- 水に濡らした
といったケースのみです。
参考:財布のメンテナンス
2.シンプルな作りの財布を選ぶ
多くの部品を使っていない、シンプルな作りの財布が長持ちします。
例えば、
- ファスナーがいくつもある。
- マジックテープを使っている。
- 複雑なつくりをしている。
こういった財布は、壊れやすいです。「革以外の部品」が劣化し、リペアが必要となります。
ちなみに、著名な財布ブランドの多くは、公式メンテンナンスサービスがあります。長く使いたいなら、こういったアフターケアがあるブランドから選ぶのも1つの手です。
見た目の良さ
長財布は、大きい。だからこそ、素材の美しさを最大限楽しむことができます。
男性にとっての財布は、ビジネスシーンやデートといった、さまざまな場面で人に見られるアイテムです。道具以上の意味があります。
スーツを着るシーンにおいては、時計と並び「許されるファッション」の1つ。個性を表現できるアイテムなんですね。そのため、上質な革でセレクトするのであれば、長財布をセレクトした方がよいかもしれません。
まとめ
違いがハッキリしたでしょうか。
最後に、特徴をまとめます。
二つ折り財布:コンパクトで、気軽に持ち歩ける。
長財布:収納力に優れ、使いやすい。
どっちが良いの? の答えは、結局のところ、「使い方による」になります。
一長一短あるため、ご自身の使い方に合わせて、財布を選ぶのがベストです。
参考リンク
メイドインジャパンの二つ折りと長財布。
オーソドックスなカタチで、上質なものをまとめています。
短所をカイゼンした機能的な財布の紹介
二つ折り財布と長財布。
どちらが良いか?と迷っている方もいると思います。
例えば、以下のようにお考えの方ですね。
- 長財布のカタチが好きだけど、なるべく小さなものが欲しい
- たくさんのカードを、二つ折りのサイズで持ち歩きたい
今日、こういったワガママを叶えてくれる財布をセレクトすることもできます。
「二つ折り」「長財布」の短所をカイゼンした財布があるんですね。
以降では、そういった財布をご紹介します。
たくさんのカードをコンパクトに収める財布
カードの仕切りが多いほど、財布は分厚くなります。
仕切りを最小限にし、カード同士を重ねあわせることで厚みを最小化することできます。
その財布がこちら。ともに15〜16枚のカードを収納できます。
(一般的な二つ折り財布には15枚ものカードを収納できません。)
エムピウ ミッレフォッリエ
カードの仕切りは2つのみ。カードポケットのマチが確保されているため、カード枚数で財布の厚みが変わることがなく、つねにこのサイズを保つことができます。
たくさんカードを持ちたい。しかもポケットに入れて出かけたいというニーズに答えてくれる財布です。
(エムピウ)m+ millefoglie P25 ミッレフォッリエ2 P25
safuji ミニ長財布 ガイド納富コラボモデル
長財布には珍しく、段状のカードポケットを採用していません。
カードを重ねて入れることで薄さを実現した財布です。
なお、ミニ長財布 ガイド納富モデルのみの構造です(一般モデルは段状のカードポケットです)。
薄さを追求した二つ折り財布
革の重なる枚数を減らしたり、コインケースを工夫することで薄さや軽さを追求した財布がいくつかあります。
詳細は、薄い財布の比較ページでご紹介しています。
内ポケットで快適。スリムな長財布
長財布の魅力は、たっぷりの収納力。
ただ、厚みが気になりスーツの内ポケットに快適に納められるものは多くありません。
持ち歩くにはカバンが必要なんですね。
そんな中、長財布の特徴を活かしつつ、スリムに仕上げた財布がこちら。
スーツの内ポケットにベストな財布たちです。
詳細は、薄い財布の比較ページでご紹介しています。
長財布を限界まで短く。携帯性Upの長財布
safuji ミニ長財布 ガイド納富コラボモデル
「日本一短い」長財布です。
お尻ポケットに入れられる唯一の長財布と言ってよいでしょう。
丈夫な革を使っているため耐久性も問題ありません。
あとがき
これまでは、二つ折り、または長財布のどちらかを使うのが普通でした。どこかに我慢しながら使い続けていたはずです。
今日、財布の短所に着目した機能的な財布が生まれています。
革の財布は3年以上使い続けるもの。だからこそ、気に入ったものを見つけて欲しいと思います。