WILDSWANSの財布などを買うと、木製の丸い道具が、ひとつ入っています。
これが「スリッカー」。
本日は、スリッカーの使い方と効果について紹介します。
スリッカーの使い方と効果
WILDSWANSの美しい意匠、コバ。
コバ材で塗装された表情は、つるりとした光沢をまとっています。
ただし、この光沢は、新品のときが最高潮。しばらく使っていると、気づかないうちに凹み・ささくれが生じることがあります。
この状態でも革にまでダメージはありませんから、製品寿命には影響ありません。
気になるとしたら、見た目と手触りでしょう。
これを、なるべく新品に近い状態にしたい。そんなときに、スリッカーを使います。
安定した状態で、財布を固定して。
凹みをコバに沿ってあてて。
押し込むように少し力を加えながら、素早く動かします。
これを10回ほど繰り返してみると、こんな感じ。 まだ少し、毛羽立ちのようなものが見えます。
ちょっとずつ、やってみればOK。だいぶキレイになりました。
なぜ、このようにコバがキレイになるのか?
これは、スリッカーによってコバの塗料がなじむからです。摩擦熱によってコバの塗料が溶け、スリッカーを動かすことで凹みが均等にリペアされていきます。結果、なめらかな仕上がりに復活するのです。
ケア後は、スリッカーの溝にわずかに、塗料が付着します。
WILDSWANSの商品のコバは、ほぼすべてが黒い塗料で仕上げられています。複数のアイテムをお持ちでも、ひとつのスリッカーで使い回せるでしょう。
ただ、「ナチュラル」カラーのアイテムには、「ナチュラル専用」のスリッカーを使った方がよいと思います。ナチュラルのコバは塗料が使われていません。黒い塗料の付いたスリッカーを使うと(使いまわすと)、色移りするかもしれないからです。木目のような美しいコバに黒い塗料が付くのはイヤですよね。
どれくらいの頻度で使うのか
スリッカーの利用頻度は、アイテムの使い方によります。
例えば財布。
カバンに入れて大切に持ち運ぶなら、ほとんど傷つかないはず。何年も必要ないでしょう。
一方、ケツポケしたり、放り投げたりするなら、傷つくのが早いはず。スリッカーの頻度も高まるでしょう。
個人でスリッカーを使う必要はあるのか
じつはWILDSWANSの店舗(京都・銀座)で、「エイジングサポート」を受けることができます。
で、コバのケアなら無料。
(ボタンの取り替えなどの、替えのパーツが必要なリペアなどが有料)
お近くにお住まいなら、自分でやる必要はありません。プロにやってもらえば良いのです。
ちなみに、郵送でもケアしてもらえますが、送料がかかります。
スリッカーについて
研磨された表面はサラリとした触り心地。WILDSWANSのロゴが焼印されています。
1cmほどの厚みがあって、中央部が凹んだフォルム。
触れてみると、中もサラリとしたスムースな仕上がり。コバをケアするための道具ですから、当たり前なのですが、毛羽立ちはありません。
ちなみに、ロゴのサイズやフォントが少しずつ変わっています。新しいものほど、スタイリッシュになっているような。たまに見比べると面白いですね。(上述したとおり、スリッカーは1つで十分なのですが)
ちなみに周年記念のアイテムを買うと、異なるタイプのものが付属することも。ちょっと嬉しいサプライズですね。
あとがき
まとめると、こんな感じ。
- スリッカーは、コバを補修するためのツール。
- 実店舗では、無料でコバの補正をしてくれる。
あえて自分でスリッカーを使う必要はないのだけれど、やってみると意外と面白いです。一度トライしてみてはいかがでしょうか。