日本一メジャーなブランド、ポーター(PORTER)。学生さんに人気の「カジュアルブランド」のイメージをお持ちかもしれません。
しかし、それは違います。上質な革財布をラインナップする日本屈指のブランドです。
本ページでは「30代のビジネスパーソンも使える上質な財布」を切り口に、ポーターのシリーズを厳選して紹介します。いわば「大人のポーター財布」のみをチョイスしました。ポーターは学生が持つもの。そんなイメージをお持ちの方にこそ読んでもらえると嬉しいです。
ピックアップの条件は以下のとおり。
- 革製の財布
- どこで出しても恥ずかしくないデザイン
- 上品さ、高級感を感じられること
- ポーターのロゴが目立たないこと
「恥ずかしくないデザイン」ですが、リアルに30代男性である私の感性でセレクトしました。
ちなみに、キレイ目ファッション好き、革オタク、財布オタクなので、ソコソコ見る目はあるはず。
本ページで紹介する財布は、私が店舗で触り、いいなと思ったシリーズを厳選しています。最後までお読みいただければ、カッコよくて、上質で、リーズナブルなポーターの財布が分かるはず。
目次
大人になった今、ポーターを選ぶメリットは?
30代になり、ポーターの財布を買いました。学生のとき以来ですから、10年ぶりかな。
選んだのはウォールシリーズのウォレットL。お値段は12,000円ほど。ブランド財布と比べると、とても安価です。
購入のきっかけは、リーズナブルなうえに、革質が良く、コバや縫製といった仕上げも丁寧だったこと。アパレルブランドの数万円の財布よりも革質、機能性、仕立てなどは、ポーターの方が良いですね。
ウォールウォレットLに決めるまで、ポーターの革財布を調べて、店頭に見に行きました。
すると大人でも使える上質な財布がけっこうあったんですね。30代の男性が持っていてもまったく恥ずかしくない財布です。
今回はその際調べた財布をご紹介したいと思います。
いずれも、大人の男性が持って恥ずかしくないもの。誇れる逸品だと思います。
大人の男性にオススメのポーター財布のシリーズ
ポーターは素材(革)ごとにシリーズが別れていて、シリーズ内で多くの財布を出しています。ですから、財布の表情や、好きな素材があれば、気に入る財が見つかるはずです。
財布の形の好みは人によりますので、消費者にとっては嬉しいですね。
例えば、比較的新しいタイプである、L字ファスナーの財布。
シリーズ内にたくさんの財布があります。
ここではそのシリーズと財布の種類、特徴を紹介していきます。
グルー(GLUE)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、コインケース |
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価格(税抜) | 18,500〜23,000円 |
高度な職人技と、高級感のあるイタリア製のキップで仕立てた財布です。
表面は型押しの仕上げがされていて、ポーターのロゴはありません。
高度な職人の手で、薄く漉いた2枚の革を張り合わせる「ベタ張り」で仕立てられた財布は、表裏ともに、美しく均一感のある仕上がりになっています。
薄く、美しい表情は、冠婚葬祭をはじめとするフォーマルなシーンでも活躍できるでしょう。
最もサイズの大きな長財布(小銭入れ有)でも、105gという重量は、一般的な長財布では勝負にならないほどの軽さです。胸ポケットに財布を収めるビジネスパーソンにとっては、最上の快適さを提供してくれるはず。
カジノ(CASINO)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有)、コインケース |
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価格(税抜) | 12,500〜24,000円 |
カジノはブライドルレザーを使ったシリーズ。
ブライドルレザーは英国発祥、伝統的な馬具に使われてきた革です。各式の高さ、力強さは、現代でも最高のものです。
厚みがあり、固めの革からはしっかりとした力強さを感じます。表面に見えるのは「ブルーム」といわれるワックスで、ブライドルレザーの特徴です。使い込むうちに無くなり、艶が生まれてきます。
カジノは、作りがシンプルな分、ポーターのモノづくりに対する丁寧さが際立つシリーズ。
例えば、コバは革の風合いを活かした「磨きコバ仕上げ」がなされています。これは、タンニンなめしで時間をかけて作られた革にしか採用できない仕上げです。(クロムなめし革は、磨きコバ仕上げは難しいため、塗料を塗った仕上げがされています。)
こういった仕上げこそ、メイドインジャパンでしか出せない美しさだと思います。
ブライドルレザーは、革自体がブランドになるほど著名な革。英国直輸入の革で仕立てられたカジノは、紛れも無くホンモノです。年齢を重ねた大人の男性にこそふさわしい、上質な逸品です。
レビュー:ポーター CASINO 折財布
ベット(BET)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有) |
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価格(税抜) | 27,500円〜32,000円 |
ゴートスキンを使用した財布で、上質さ、高級感を求める人にとてもオススメです。
山羊革の特徴は、表面に生まれる特殊な凸凹。
これは、毛穴がシボとして残ったもので、いわゆる薬剤によるシュリンクとは異なるため、すごく自然な風合いが生まれるんですね。
で、この革ですが、イタリア産だけあって、透明感のある色と艶が素晴らしい仕上がりです(イタリアは伝統的なバケッタ製法のなめしを得意とし、ヨーロッパの革の生産の6割を担う革大国です)。
タンニンなめし、かつ染色仕上げされた革は、使い込むことで色味が深まるエイジングを楽しめます。
あえて、仔山羊ではなく、山羊を使ったのは、財布の用途を考えてのことでしょう。しなやかでありながら、しっかりとした質感からは、上質さと上品さがしっかりと伝わってきます。
惜しいのは、オーソドックスな2タイプの財布のみな点ですね。
シーン(SHEEN)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無) L字ファスナー、コインケース |
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価格(税抜) | 9,500円〜15,000円 |
均一な色、艶、加工の無い表面。
この条件をみたすポーターの革財布はシーンしかありません。
着色は、染色仕上げと顔料仕上げの合わせ技。
染色仕上げだけの着色は水に弱いため、色落ちや色移りが起きてしまいます。
一方、シーンは染色仕上げ後に、少量の顔料でコーティング仕上げされているため、色落ちやキズにとても強いんですね。
新品当初の艶と、輝きが長持ちするということです。
逆にいうと、エイジングは出にくいと思います。
ただ、シーンは濃色のみですし、最初から艶がある仕上げがされていますから、キレイな状態を長く使いたい人に最適といえます。
カレント(CURRENT)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有/無)、長財布(小銭入れ有/無)、 L字ファスナー、ラウンドファスナー、コインケース |
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価格(税抜) | 10,500円〜21,500円 |
エンボス加工された表情が特徴のシリーズ。
ルイヴィトンのエピを思い出しました。エピよりもすこし細やかな型押しで、サラリとした質感。品のあるシリーズです。落ち着いた印象になると思います。
コンビネーションなめしの革に、エンボス加工が施されています。キズや水分に強く、ガシガシ使えます。
ポーターのロゴが貼ってあります。革の質で勝負できるシリーズだから、ブランドロゴは不要だと思ったりもするのですが。
カレントをピックアップしたのは、ロゴが悪目立ちしないからです。金属プレートのロゴは、主張し過ぎることがありませんし、あまり金属製のポーターロゴを見ないせいかもしれませんが、ちょっと特別感を感じました。ロゴの好き嫌いは趣味嗜好によると思います。
メトロ(METRO)
種類 | 長財布、二つ折り財布、L字ファスナー、コインケース |
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価格帯 | 9,000円〜32,500円 |
微細な凹凸のある革を使ったシリーズ。シボの生み出すやわからかな表情が魅力です。
柔らかな革で、軽い。気軽に使いたくて、上質感のある財布ならメトロが良いでしょう。
ウォール(WALL)
種類 | 長財布、二つ折り財布、L字ファスナー、コインケース |
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価格(税抜) | 9,000円〜22,500円 |
白くもやがかった表情が目を引きます。一見、ブライドルレザーのように見えますが、このもやの正体はロウ。次第にこれは無くなっていき、艶が生まれてきます。
ブライドルレザーと比べ、薄い革が使われていて、軽く、しなやかな仕上がりになっています。重厚感、力強さではブライドルに劣りますが、革の質感は十分に上質。
タンニンなめしされた革ですから、色味が深まるエイジングが楽しめます。
ウォールシリーズの中でも、特に気に入ったのがWALLET(L)、写真のものです。
実際、購入したのですが、革の質感、丁寧な仕上げ、薄さ、価格とのバランスが素晴らしいです。というか、こんな財布が出てしまったら、差別化できないブランドは勝負にならないでしょう。
ちなみに、このシリーズ、カラーが豊富で、それに合ったパッケージが準備されています。開けるときのワクワク間を演出してくれる、ちょっとした嬉しいポイントです。
レビュー:ポーター ウォール ウォレットL
レビュー:ポーター ウォール ウォレットS
選考外(大人が使うにはちょっと……な財布)
「大人が使える」という点で選びました。
上記のシリーズは気に入った点を述べていますが、該当しないシリーズもあるので、参考までにご紹介します。
けなしているわけではなくて、あくまでも今回の条件に合わなかっただけです。ものとして悪いわけではありません。
パフ(PUFF)
種類 | 二つ折り |
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価格(税抜) | 14,500円、15,500円 |
二つ折り財布のメリットは携帯性の良さだと思うのですが、少し分厚いなと。
財布の角が丸みを帯びたデザインのため、力強さ、スタイリッシュといった印象より、優しさ、柔らかさを感じます。
パフは、二つ折り財布のみリリースされています。
ヌメ革を使っていて、内装は染色されていない素の状態。
アメ色のエイジングを楽しむにはとても良い商品だと思います。
ソーク(SOAK)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有)、コインケース |
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価格(税抜) | 7,500円〜22,500円 |
丸みのあるデザインはやわらかな印象を受けました。
実際、その質感も柔らかで、しなやかなです。
グニャリまでとはいかないのですが、力を加えるとカンタンに曲がる質感は、上品さを感じることができませんでした。
逆にいうと、革の質感からは、優しく、可愛らしい印象を受けます。
しっかりと手に馴染む質感は革の特徴の1つです。
実はこれ、10年以上前からあるシリーズです。
(当時も財布を探していて、迷ったあげく、結局買わなかったのですが…。)
現在も生産されていることは、人気の裏付けでしょう。
柔らかな革を活かした、感触は、ソーク独自のものですし、カジュアルな選択としてはユニークで面白い逸品かなと思います。
革の良さが分かるようになった、30代の男性も、ちょっとした遊び心のある財布としてセレクトしてみてはいかがでしょうか。
ダブル(DOUBLE)
種類 | 二つ折り(小銭入れ有)、長財布(小銭入れ有)、コインケース |
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価格(税抜) | 13,500円〜21,000円 |
ゴートスキンを使ったシリーズ。
表情は良いのですが、内装が白いのがいただけませんでした。
(財布の色によって違うのですが、いずれも明るいカラー)
内側と外側のコントラストがありすぎて、財布がかなり目立ってしまいます。
また、明るめの内装は小銭やお札の探しやすさはアップしますが、汚れが目立つんですね。
私は、この汚れが嫌なので、内装が明るいカラーの財布は遠慮しています。
そもそも、ポーターとは何か
設立から50年以上経ったポーター。今日においても、名実ともにトップブランドなのは、広告戦略の成功ではありません。
ここでは、カンタンにポーターの歴史を振り返ってみましょう。
吉田カバンは1935年に設立された老舗のカバンメーカー。
以下のように、多くのブランドを手がけています。
- ポーター
- ラゲッジレーベル
- ヨシダ
- HEAD PORTER
この中でもポーターは初の自社ブランドとして1962年に生を受けました。
当時は、ブランドといった概念がなく、良い物は百貨店で買うような時代。しかも、買ったアイテムがどのブランドは分からなかったのです。カバン業界において、当時の人たちに「ブランド」という概念と、ブランドの指名買いを推し進めたのは、ポーターの功績といえます。
1983年。かの有名なタンカーシリーズが発表されました。
90年代後半からBEAMSをはじめとする大手セレクトショップの取扱いにより、爆発的な人気となり、中高生にとっても名実ともにNo1になりました。
この頃から、ポーター=ファッションの毛色が強くなってきたと記憶しています。(ちなみに、私が最初に手に入れたポーターの財布が、タンカーの財布でした。)
ただ、このタンカーの普及が、あまり良くない結果も生み出してしまったんだと思います。リーズナブルな価格も相まって、学生がこぞって持つようになったため、若い人のブランドという印象が生まれてしまったのです(私自身もそう思っていました。)
特にタンカーの財布は、その好例(悪例?)といえます。
財布を開くときのベルクロのバリバリという音、光沢のある柔らかな素材。
ここから上品さを感じることは難しく、実際、社会人となった今日、私のまわりではポーターの財布を使っている人はほとんどいません。
ただ、その実体はというと、ここまでご紹介したとおり。とても良い革財布を発表しているんですね。
設立以来、ずっと成長を続け、デザインチームだけで10名以上存在する、大きなブランドになっています。だからこそ、斬新で幅広いラインナップのリリースが続けられるのでしょう。
ポーターの強み
リーズナブルである
ポーターの強みの1つが、リーズナブルなこと。
例えば、カレントというシリーズ。
2011年に発表された人気シリーズで、ポーターの中でもとりわけ多くのバリエーションを揃えています。
こういったバリエーションの多さこそが、ポーターのような大企業にしかできないことです。
ユーザーは好きな種類の財布をリーズナブルな価格で手にすることができます。
同じ素材(革)でたくさんのアイテムを作ることで、いわゆるスケールメリットを活かしたコストダウンが図れるんですね。
ポーター以外が同じ財布を作っても、同じ価格で販売することはできないでしょう。
ですから、ポーターの財布には、安かろう、悪かろうのアイテムは無いように思います。
ちなみに、革以外でも良い財布はたくさんあります。
タンカーの財布は10年以上たった今でも活用しています。
(旅行に最適なんですよね)
全国で保証してくれる
ポーターほど全国で取扱いのあるブランドはありません。
長年使った財布も、カバンも、どこでだってリペアサービスを受け付けてくれます。
ずっと長く愛用できるんですね。
あとがき
ピックアップした財布は、いずれもお店で確認できたシリーズです。
意外なことに、ポーターショップにもすべてのシリーズは置いてないんですね。
おかげで数店舗、回ることになりました(汗。
今回セレクトしたものは、オーソドックスで余計な装飾がないものばかり。
だからこそ、素材と質で勝負するしかありません。
実際、ご紹介したとおり、30代の男性が持っていても十分にカッコイイ財布がラインアップされているわけです。
40代でも十分に使えるのではないでしょうか。
ハイブランドやアパレルブランドのものと比べると、勝っている部分がたくさんあります。
リーズナブル、素材の良さ、仕立ての良さ、ジャパンメイドである点。
総合的に見てみると、ポーターの財布はかなり上質と言えます。
これまで、ポーターが選択肢に入らなかった、大人の男性も、ぜひ手にとって見てください。
仕上がりの素晴らしさに、ポーターの良さを再認識できるはずです。
以上、30代男性にも全力でオススメ!大人のためのポーター革財布のまとめを紹介しました。
最後までご覧くださり、ありがとうございます。
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