レーデルオガワ社から『レーデルオガワ コードバンケアワックス』が出ました。
本ページでは、実際に使ってみての検証結果をわかりやすく解説します。
国産コードバンをつくるレーデルオガワ社が「コードバンケア」と名付けた、コードバンに最適化されたワックスです。
さて、結論から言うと、非常におすすめです。
レーデルオガワ、新喜皮革、ホーウィンのコードバンだけでなく、ブッテーロなどの革にも使えます。しかも、一般的なワックスとは異なり、拭き取らなくてもベタつくような残り方がしなく、とても扱いやすいです。
本ページでは様々なタンナーのコードバンを対象に、レーデルオガワ コードバンケアワックスを使ってみた結果をご紹介します。
コードバン用ケアワックスの購入を検討されている方は参考にしてみてください。
検証対象
4種類のコードバンで検証しました。
ワックスの購入は2020年4月。「使用したコードバン」で2021年1月に検証しています。
動画
メンテナンス方法、表情の変化などは動画のほうがわかりやすいと思います。
結果
結論から。すべてのコードバンで使えます。
レーデルオガワ
染料仕上げのコードバン財布。フラグメントケースって胸ポケに入れられて、比較的使用環境が良いと思うのですが、本作は違います。私はケツポケして使っていました。
酷使された状態にしては極めて状態がよく、曇りなどもほとんどなかった。なので、BeforeAfterの差分がわかりにくかったのですが、結果は、透明感のあるツヤ、光沢が出ました。
新喜皮革
染料仕上げのオイルコードバンです。こちらは屈曲する部位にカサつきがあった。ここに滑らかさを取り戻すのがゴール。これもかなり改善されました。しっとりとした質感に。
片側にだけ塗ったのですが、少し色の違いが出ました。写真じゃわかりにくいと思うのですが、少し濃くなった感じ。
ホーウィン社
レーデルオガワや新喜皮革と比べて、もっとも状態が悪かった。曇り、濁りが出ていました。
光沢、艶を出すと点ではもっとも効果がでました。
利用する道具
- レーデルオガワ コードバンケアワックス
- 馬毛ブラシ
- 生地
- 不織布
- レザーグローブ
レーデルオガワ コードバンケアワックス
成分は4種類。これだけしか使ってないとのこと。
- 蜜蝋
- アルガンオイル
- ホホバオイル
- ワセリン
無色透明ではありません。淡い黄色。淡い色のコードバンにも使いやすそう(色変化が少なそう)。
他のワックスと比べるとかなり違う。色が濃い方は長谷革屋のコードバンワックスです。
他のワックスと比べると匂いがキツくない。指で触れても嫌な感じがしないし、気軽に使える。指で触れると、すぐに溶ける感じ。ベタつきが少ない。リップクリームのようなテクスチャです。
馬毛ブラシ
いつも愛用しています。コロニルのブラシ。
生地
いつも使っています。無印良品の布巾。使いやすいサイズに切ってストックしておくと良いです。
不織布
財布など買ったら包まれている袋です。捨てずに取っておきましょう。使い捨てではなく、何度か利用できます。
レザーグローブ
ペダックのレザーグローブ。メンテナンスしやすい。WILDSWANSでも使われているのを見て良さそうで購入したのですが、もう何年も使っています。とてもオススメ。
レーデルオガワ コードバンケアワックスを使ったケア
ブラッシング
馬毛のブラシを使っています。これはいつもどおり。あえて言うなら、コードバンはキズが付きやすいので力いっぱいゴシゴシやっちゃだめです。払うように。
ワックスを塗る
指で塗りました。ワックスの伸びが良いので、生地を使って伸ばす必要もない感じ。足りないと思ったら、後で追加することはできるため、少しずつ付けましょう。
放置する
ワックスを浸透させます。このあと磨きの工程に入りますが、浸透する前に磨いちゃうと表面についたワックスを拭き取るだけになるからです。特に今回は酷使したコードバンをケアする観点として、「油分の追加」もポイントでした。
油分を追加しすぎると柔らかくなりすぎるので、少しずつやりましょう。
ちなみに、今回は5分放置。
時間はコードバンに触れてみてだったり、この跡の磨きの工程後に、足りないと思ったら繰り返して実施すると良いでしょう。
磨く
ワックスを拭き取りながら磨きます。
薄塗りなら、1枚の生地で拭き取りと磨きが同時にできますね。それくらい、ベタつきの少ないワックスです。コードバンの状態にもよりますが、濁った、曇った表情であれば、この時点でツヤ、透明感が出てきます。楽しい。
なお、このさい全力で磨くとコードバンの染料が落ちてしまうことがあります。以下を参考にしてみてください。
仕上げ
不織布で軽く磨きます。
レザーグローブを育ててるなら、レザーグローブだけでも良いかな。
あとがき
良いワックスだと思います。何が良いって、気軽に使えること。
ベタつきがほとんどないから、正直手を洗わなくても気にならないくらい。コードバンに伸ばしやすく(塗りやすく)、浸透も早いので薄っすらと塗るなら指で塗って、そのまま使えます。