革工房KUBERA 9981の財布、『ミニカード ウォレット』を購入しました。
特徴は以下のとおり。
- 薄く、小さい財布
- カード、お札、コインを収納できる
- 収納量は多くない
- 素材はレーデルオガワ社コードバン
- エンボス加工でシミ・キズが目立ちにくい
- 色・ツヤが変化するエイジングを楽しめる
本ページではミニカードウォレットの使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
スペック
ブランド | KUBERA 9981 |
---|---|
商品名 | コードバン ミニカードウォレット |
収納力 | ★★☆☆☆ |
お札入れの数 | 1 |
お札の枚数 | 6 |
コインの枚数 | 10 |
カードの枚数 | 5 | サイズ | W120×H85×D13mm | 重さ | 59g |
素材 | 型押しコードバン(レーデルオガワ社) |
カタチ、構造
片手に収まるサイズ感。薄い財布、あるいはフラグメントケースにカテゴライズされます。たくさんは入らないけれど、携帯性に優れる財布です。
とにかく薄い。測定する位置によって厚みは異なりますが、もっとも革の重なる中央で9mmほど。
コインケースのマチ部(膨らんだ箇所)で13mmしかない。
薄くて小さくて、軽い。スーツやシャツの内ポケット、カバンのサイドポケットに入れても邪魔にならない。だから快適に持ち歩ける。
素材は国産コードバン(詳細は後述)。凹凸のある表情がユニークです。
側面にはカードポケットが4つ。
反対の面はコインポケット。
YKKのファスナーが採用されています。薄い財布によく採用されるファスナーですね。KUBERA 9981のロゴが刻印されています。
薄く小さい引き手は、少しつまみににくいのだけど、中央に穴が空いているのがキモ。掴むと指が収まってフィットします。
ファスナーは金属。シルバーカラーのエクセラかな。チャチな感じがしなくて、開けやすい。
コインポケットの内側にも革が貼られています。
上部にはスリット状のポケット。両端が縫われていてマチがありません。こちらにお札を収納します(カードも入る)。
使い勝手
カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。
カード
4つのポケットがあり、厚みのあるカードを5枚収納できます。
カードを縦に収納するポケットが3つ並びます。マチがないポケットです。クレジットカードなどの厚みのあるカードなら1ポケット1枚が良い。革が馴染むと2枚入るようになるかもしれないけれど、ポケットが伸びるので推奨しません。なお、少し大きなカード(クオカードなど)も入る。薄いカードなら1ポケット2枚入りますね。
奥まで入れた状態で、カードが少し出る。識別しやすく、指を添えて取り出せます。
財布を開かずにカードを取り出せるのが本作の魅力。使いやすいです。カードで決済するなら、ここからカードを出してお会計終了。実にスマートです。タッチ決済も可能。Suicaなどの交通系カードを入れておけば定期入れとして使っても良いですね。定期入れよりは大きいですが、財布と定期入れを二つ持ち歩く必要がなくなります。
もう一つは、横にカードが入る。
こちらはカードを収納すると、完全に隠れてしまいます。前述のポケットより見やすさ、取り出しやすさは劣ります。あまり出し入れしないカード(免許証、保険証)を収納すると良いでしょう。
カードを重ねて2枚収納できます。なお、財布が膨らむため、より薄く持ち歩きたいならカードは入れない方が良いです。
また、幅のあるポケットのため、新幹線のチケットやレシートなどを入れるのも最適です。
ちなみにお札を入れるとはみ出てしまいます。
お札
二つに手折してから、収納します。お札を使うときは取り出してから伸ばすアクションが必要になる。これが嫌なら本作は合いません。
お札を収納するスペースはスリット状です。
カードを入れた状態だと、自然と隙間が開くため、入れやすい。お札を出し入れするときに、スペースをこじ開けるアクションは不要です。
お札収納5枚までならスムーズに入る。6枚目はギュッと押し込んで入れる感じになる。
お札の高さジャストサイズです。6枚まではみ出ずに収納できる。
6枚を超えると、はみ出やすくなる。9枚入れると以下のとおり。マチがないため、たくさんは入らないのです。
ひとまとめに入れると、お札を選別しにくい。数枚ごとに分けて収納しておくと良いですね。5千円、1万円の高額紙幣は分けた方が使いやすいです。
コイン
横幅があるためそこそこ開きます。とはいえ、一般的な財布と比べると大きくは開かない。
ポケットの内側に、黒い革が貼られているのが良い。コインがぶつかり合うと金属粉が生じます。これが汚れになる。革が黒いとそもそも汚れが見えません。
数枚まとめて入れることはできるけど、大量のコインを流し入れるのは難しいです。
見やすいですね。
本作と同じようなコインポケットの構造で、より小さいフラグメントケースもあります。それらより、本作の方が使いやすいです。
ファスナーが指に当たりやすい。気になる人は気になるかな。
薄さ、小ささを重視した財布ですので、オーソドックスな財布よりはコインが使いにくいです。ここはトレードオフなので、使いやすさを重視するなら本作は合わないしょう。
最大収納時の使い勝手
カード5枚(厚みのあるカード4枚。薄いカード1枚)。お札6枚。コイン10枚を収納してみました。快適に使える最大容量です。
一般的な二つ折り財布と比べると、収納力では劣りますが、それでいい。この収納力だから薄くて小さいをキープできるわけです。
薄いですね。
たくさん入れたいならラウンドファスナー長財布を選べば良いのです。本作は薄さ、小ささを重視する人にフィットする財布です。
特徴
レーデルオガワの型押しコードバン
レーデルオガワ社のコードバンは均整な美しさを楽しめるコードバンです。レーデルオガワが誇るアニリン染めも特徴のひとつ。奥行きのある美しい透明感があります。
そのコードバンに「型押し」を施したがのがKUBERA 9981のコードバン財布です。凹凸のある表情に、レーデルオガワコードバンの繊細な美しさと光沢が宿っています。
明るさ、調光によって色味が変わる。明るい空間だと、ビビッドなグリーンを楽しめますね。濃淡が現れるのは染料で仕上げた革の証です。
一方、暗い空間だと深みのある緑に見える。
凹凸により、通常のレーデルオガワコードバンより接地面が減る。よりサラリとした手触りです。
外界を鏡のように映し出すコードバンの特性は、エンボスされた本作でも楽しめる。エンボス加工されていないコードバンには劣りますが、指の形、色を映し出すのは流石です。
キズが付きにくい
滑らかな肌目だからこそ、コードバンはキズが付きやすい。引っ掻き傷は避けられません。
でもエンボスなら気にしなくていい。凹凸によってキズが付きにくく、たとえキズが付いたとしても目立たないからです。
仕上げ
コバ
財布のフチの仕上げをコバといいます。KURERA9981のコバは、塗料を塗って仕上げられています。
あらゆるコバが同様。コードバンの断面が見えないように作られています。
革の裏面が見えない仕立て
内側にも革が貼られています。コードバンの裏側が見えないよう、手間がかけられています。
捻
ポケットのフチにはラインが引かれています。これを捻引き(ねんびき)といいます。キリッと締まりますね。
ステッチ
コードバンと同色の糸が使われています。ステッチが目立たないから、コードバンの魅力を堪能できます。
あとがき
たくさんのカードやお金が不要で、快適に持ち歩ける財布をお探しなら、本作はおすすめの財布です。レーデルオガワの型押しコードバンを使った、薄くて小さい財布は、KUBERA 9981のミニカードウォレットのみです。