本ページでは、バダラッシ・カルロ社の革、プエブロのエイジングをご紹介します。
色、ツヤ、質感、手触り、カタチがどのように変わるのか、本当のところを解説しましょう。
条件
エイジング対象
プエブロで作られたONES WORKERの名刺入れです。
厚みは2mmほど。裏張りされていない、プエブロ一枚革の仕立てです。
色はペトローリオ。青と緑がMixされた、独特の色合いです。
使い方
2019年の6月〜2020年6月までの一年間、パンツの前ポケットに入れて持ち歩いていました。
カードケースとして10枚前後のカードを収納。また、パスケースとしても使っていました。ラフな使い方で、使用頻度もかなり多い。
200日ほど持ち歩いています。
クリーム、ワックスなどの油分を追加するメンテナンスはしていません。1,2ヶ月に一度、ブラッシングしたくらいです。
おことわり
プエブロは個体差があります。また、使い方によってもエイジングは変わります。すべてのプエブロが本ページと同等の変化をするわけではありません。
一年間のエイジング
動画
動画の方が、光沢がわかりやすいかもしれません。見てもらえると嬉しいです。
色の変化
新品のとき。
1年後。
新品のプエブロと比べると、全然違います。グッと深みが増しました。暗めのネイビーです。
光の当たり方によっては、深い緑にも見える。複雑な色です。
プエブロには「ネイビー」もあります。でも、「大きく変化する楽しみ」ならペトローリオを選んだ方が良いかと思います。色の変化の楽しみをより楽しめるからです。
表情の変化
新品のときは、「毛羽立った部位」が白く目立ちます。
色が深くなることで毛羽立ちが目立たなくなる。
毛羽立ちこそプエブロの個性だと思うのだけど、少し落ち着きます。
ツヤの変化
マットなルックスは新品のときだけ。プエブロはオイルレザーですので、使っているうちに油分が表面に出てきます。その油分でコーティングされることで光沢が生まれます。ツヤツヤに変化するんです。指のカゲだけじゃない。色まで映し出しているのが伝わるでしょうか。
特に折れ曲がる部位が好きです。光をさまざまな角度から受け、オイルレザーならではの光沢を見せてくれます。
手触りの変化
プエブロの表面は毛羽立ちが乱舞しており、新品のときは和紙のような手触りがあります。
繊維が寝てスムースになった。油分でコーティングされているため、つるり・ピタッとしたオイルレザー特有の手触りに変化します。
ハリの変化
新品のときより、柔らかくなりクタッとした感じになる。しかし、ぐにゃりと曲がるほどではないです。
なお、ハリはプエブロの厚みや部位、製品の仕立て方によっても変わります。
考察・あとがき
プエブロとはバダラッシカルロの「ミネルバ・リスシオ」を毛羽立たせた革であり、特性はミネルバと似ています。
ミネルバ同様、クリーム、ワックスによる油分は不要(むしろオイルを追加することにより、毛羽の表情が均等には変化しずらくなってしまうかもしれない)。
パンツのポケットに入れていたわけで、夏場は汗も吸い込んでいます。しかし面倒なメンテナンスをすることもなく、美しく変化してくれました。ラフに扱いたい、それでいてエイジングを楽しみたいという願望を叶えてくれる、優秀な革と言えます。
プエブロは、色・ツヤがスピーディーに変化します。エイジングがお好きならきっと気にいるでしょう。