一般的な牛革や豚革と違い、爬虫類などの特殊な革は「エキゾチックレザー」と呼ばれます。
エキゾチックとは英語で「外来の・別世界の」といった意味を表します。
意外と種類豊富な革なので個別に紹介していきます。
爬虫類編
ワニ革
エキゾチックレザーと言われて一番最初にイメージする革といっても過言ではありません。
お腹と背中のどちらから切り出すかによって革の表情が全く異なるのが特徴です。
一般的に使われるのは、お腹から切り始めた「腹ワニ」と呼ばれる革です。
うろこが小さく、きれいに四角い形に残っているものは「スモールクロコ」として、牛革の30~40倍の値段で取引されています。
トカゲ
リザードととも呼ばれ、比較的エキゾチックレザーの中でも安価な部類にはいります。
主に時計のベルトなどの小物のパーツとして使われることが多いのが特徴です。
一番使われる革としては、表面がわっかのようになっているリングリザードが多いです。
ヘビ革
エキゾチックレザーの代表格でもあるヘビ革。
もっとも有名なのがパイソンレザーとして多くの革好きから人気を集めています。
ダイヤモンド模様の「ダイヤモンドパイソン」と石垣模様の「モラレスパイソン」の2種類の模様で呼び名が変わります。
また、ワニ革同様、お腹から切り始めた場合(ベリーカット)と背中から切り始めた場合(バックカット)とで印象が変わります。ベリーカットは派手好き向け、バックカットはシック好き向けに人気です。
鳥類
オーストリッチ
鳥類のエキゾチックレザーは「オーストリッチ(ダチョウ)」のみとなっています。
革の表面に見られるツブツブは「クイルマーク」と呼ばれており、オーストリッチの象徴です。牛革に比べると数倍の強度を誇っているので、エキゾチックレザーの中では耐久度が高いと言われています。
魚編
エイ
別名「泳ぐ宝石」と呼ばれており、非常に希少価値が高い革です。
主な生産地はタイやインドネシアなどの東南アジア周辺。革の表面はビーズが散りばめられたようになっており、中央部分にビー玉大のようなものがあります。これはスティンレイハートと呼ばれており、この部分を目立たせるような加工をするケースが財布などで多いです。
その他
エレファント革
実は象革もれっきとしたエキゾチックレザーとして扱われています。
ワシントン条約での制限により、あまり市場に出回ることは少ない革です。
元々活動的な動物なのでキズが多く、体格が大きいので摂取する部位によって表情が大きく変わります。
エキゾチックレザーの基本的な手入れについて
エキゾチックレザーは非常に革線維が繊細なものが多いので、通常のものに比べて丁寧に扱う必要があります。間違った手入れを続けると、くすんできてしまいせっかくの高級感が失われてしまうので注意しましょう。
お手入れ手順
1.クロスで表面を優しく拭きとるようにして磨く
2.エキゾチックレザー専用のクリームを米粒くらいの量を塗布する
※隙間などにクリームが溜まらないように注意する
3.クロスで軽くから拭きする
基本的には、ブラシではなく目の細かいクロスを使用するようにしましょう。ブラシを使うと革によっては表面を傷つけてしまいます。
お手入れに対しての注意事項
エキゾチックレザーには表面を機械で挽く事で自然な風合いを出した「グレージング」タイプと仕上げ剤を使った「ラッカー塗装」タイプに分かれます。
ラッカー塗装の場合は、クリームを使うことができません。
塗装がクリームと化学反応を起こしてツヤが失われる為です。
グレージングのタイプはクリームを使えますが塗布する量はごく少量でOKです。
元々グレージングによって自然なツヤがあるので補修する感覚で問題ないです。
まとめ
一口にエキゾチックレザーと言っても、動物の種類によって財布になったときに印象は大きく変わります。普通の革に飽きたらオーダーメイドでエキゾチックレザーの財布を作るのもいい趣味ではないでしょうか。
見た目の印象も牛や豚とは異なるため、目を引く一品が多いです。
その多くが、高価で貴重なもの。
日本国内で正規ルートでの入手時には、一般的な革製品と比べ高価です。
ちなみに、タイなどの東南アジアでは格安で手に入るのですが、細部の質は日本製品に劣りますし、ワシントン条約により輸入禁止なアイテムの場合持ち込めませんのでご注意ください。