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フィレンツェで上質な革製品を手に入れたいならここ!革マニアが行ってみて満足した厳選ショップの紹介

イタリア トスカーナ州は、世界有数の革の産地。

たとえば、ミネルバボックスで有名なタンナー、バダラッシカルロ社が居を構えるのもトスカーナです。

そのトスカーナの州都が、観光地としても有名なフィレンツェ。

歩いて回れるエリア内に、50以上の革製品のショップがある、革好きにはたまらない街ですが、すべての店舗で、上質な革製品を取り扱っているわけではありません。

限られた時間で、効率的に革製品のショップを回りたい人もいらっしゃるはず。

私はフィレンツェを歩き回り、30ショップくらい見て回りました。
本ページでは、その経験から「上質な革製品」を切り口に、フィレンツェのお店の特徴や、これは行くべき!と思ったお店を厳選してご紹介します。

フィレンツェだからこその革製品を手に入れたいなら、ぜひ参考にしてみてください。満足できるものが、きっと手に入るはずです。

フィレンツェの革ショップ、4つのタイプについて

まず、フィレンツェで革製品を販売するショップのタイプを紹介します。

あなたが気にいる革製品が、どこで手に入るのか。押さえてみましょう。

露店

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安さでチョイスするなら露天。

ただし、「上質な革」を求めるなら、避けたほうがよいでしょう。日光にあたり、雨風にさらされた革は、決して状態が良くないからです。

そもそも、そういった劣悪な環境にさらされるアイテムに、上質な革が使われるわけがありません。

たとえば、タンニンなめしで作られた革(エイジングを楽しめる革)は、ありえません。日光に当たると色が変わるため、露天では販売されないのです。露天では「見栄え」を優先した革が使われています。

ただ、店舗タイプ(後述)よりずっと安いので、革にこだわりが無ければ露天でチョイスしても良いでしょう。

値札が付いておらず、旅行者にはふっかけてきます。納得できるプライスまでちゃんと交渉しましょう。

セレクトショップ

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見た目の美しさは、やはりトップクラス。イタリアらしい、ビビッドな色合いのさまざまなアイテムが揃っています。

  • カバン
  • 財布
  • 小物
  • ブックカバー
  • ベルト

など、あらゆる革のアイテムがディスプレイされています。まずは1店舗入ってみて、価格や品質を見てみると良いでしょう。

フィレンツェは世界中から人が集まる、人気の観光地。だからでしょうか、世界中の人に「売れるアイテム」が並んでいる印象を受けました(「上質な革」というよりも、「見栄えの良い商品」が多い印象)。

置かれているのは「クロムなめしの革」のアイテムが多いですね。
新品の美しさを長く楽しみたい方には、おすすめできます。キズや水にも強いので、メンテナンスもあまり必要ありません。

ただ、エイジングを楽しむことができないため、革がお好きなら満足できないかもしれません。(色・ツヤの変化を味わいたいなら、このあとご紹介する「伝統技法」で作られたアイテムをセレクトする方が良いでしょう)。

クロム革とタンニン革、どちらが良いというわけではありません。使う人が、どういった革が好きなのかによるのです。

店員さんは、革に詳しくない人もいます(クロムなめしのペラペラの革を、「Good Quality」と言う店員さんもいましたし、革好きには少し物足りないかもしれません。

革工房

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革のプロダクトを作り続けて数十年のベテラン職人が、制作から販売まで一環して行っているショップです。工房とショップが併設されているため、手作りする様子を、お店で見ることができます。

光沢のある表情は、タンニンなめしの革を木型で整形して作ったもの。作成に数十日かかる、フィレンツェの伝統工芸です。
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このタイプの革製品は、露天には売っていません。外に置くと、エイジングしてしまうからです。

職人さん直売のため、セレクトショップよりも1,2割ほど安く買えます。

手工皮具学校

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フィレンツェだからこそのショップ。

革の技術を学ぶスクールで、革製品を販売しています。
制作現場も見学できる、世界的にも珍しいスタイルです。

フィレンツェのおすすめショップ

数多くあるショップの中から、厳選してご紹介しましょう。
すべてのショップは、以下のマップ内にあります。A or B のどちからを起点にしてフィレンツェを楽しみながら行ってみてください。

手工皮具学校(Scuola del Cuoio)

Scuola del Cuoioとは、イタリア語で「皮革学校」。名前のとおり、革に対するさまざまな知識・技術を学び、フィレンツェの伝統技法を学ぶ学校です。

場所はちょっと分かりにくいかもしれません。
目印は、サンタ・クローチェ聖堂。
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聖堂の横の道を進むと、ひっそりと入り口があります。これが目立たないのでわかりにくい。
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ジャケット、財布、伝統技法の小物と、商品ラインナップは多岐に渡ります。
牛革、オーストリッチやクロコダイルを使ったアイテムもあって、どれもリーズナブルです。

ジャケットは300〜400ユーロほど。セール品があればラッキー。
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素材はシープスキン。サラリとした肌触りの良い質感です。仕立ても上質ですから、かなりお買い得。Firenze-leather-9

ただ、日本のものと比べて大きなサイズで、48からしかありませんでした(日本のM-Lサイズですね)。身幅も袖丈も大きく、タイトな着こなしを好む方には合わないと思います。

牛革のベルトは50ユーロほど。
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クロコダイルのベルトもあります。お値段250ユーロほど。日本ではまず買えない商品ですので、見るだけでも楽しいはず。

こちらが、イチオシのアイテム。
伝統工芸品です。染料で彩られた透明感ある表情が見事な逸品。けっこう無造作に置かれているため、気軽に袋から取りだして手にとって見ることができます。
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すべての伝統工芸品には、金色の装飾が施されています。なんとこれ、純金だそう。精巧にあしらわれた装飾デザインは好き嫌いが分かれるかもしれません。
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商品の数、カラーラインナップは、フィレンツェでNo1だと感じました。伝統工芸を見たいなら、まず訪れるべきです。ちなみに、価格は、革工房と同じか少し安いぐらい。

購入すると、イニシャルを刻印をしてもらえます(無料で3文字まで)。
金箔・銀箔・素押しからセレクトできますし、文字のサイズも3種類あるので、アイテムのサイズに合わせてセレクトするとよいでしょう。
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白衣姿の職人さん。カバンや財布を作っている様子を見学できます。
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日本では、こういった制作現場を見ることができません。革製品が好きなら、とても楽しめるはず(私は90分ほど滞在していました)。

ちなみに、伝統技法でつくられていないアイテムもありますが、あまり魅力を感じず。
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たとえば財布。「お札」は通過によってサイズが違うのですが、やはり観光地だけあって、「世界中のお札が入るサイズ」にデザインされているのかもしれません。とにかくサイズバランスが独特で、あまり美しいとは感じませんでした・・・。やはり、日本の革工房の財布は世界一だと感じます。
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セレクトショップ

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フィレンツェでは、50m歩けば革のセレクトショップが目に入ります。行きたい店が決まっていないなら、テキトウに入ってみればよいでしょう。

いろんなアイテムを見たいなら、なるべく大きなお店の方に入りましょう。オススメは、サンタ・クローチェ広場の辺りのショップ。比較的大きなお店がいくつかありますから、手工皮具学校に行くついでに見て回ればよいと思います。

革工房 The Bussetto Florence

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ジュゼッペ・ファナーラ氏が息子さんと開いているお店。アトリエ兼店舗です。

フィレンツェの伝統技法で仕立てられたアイテムのみ。代表的なコインケースがずらりと並びます。可愛らしいルックスに惹かれます。
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この道30年以上のベテラン職人のお店。専門店だからこそのバリエーションも見事です。
たとえばコインケースだけでも、サイズの違う4タイプがあります(大中小・ロングタイプ)。スタイルに合わせてセレクトできます。
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内装も革張りされた、ゴージャスなスペシャルモデルもあります。
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参考:IL BUSSETTOのコインケースのレビュー

革の仕入れから、制作、販売まで一環して行っているためでしょう。セレクトショップよりも安価です。

何より、アイテムを作った職人さんが目の前にいることが一番のワクワクポイント。革を知り尽くす職人さんですから、安心して買えますし、その体験も楽しいのです。

ジュゼッペ・ファナーラさんは、日本語も堪能。親身になって説明してくれます。

買ったその場で、イニシャルの刻印してくれます。これも、工房だけの醍醐味ですね。
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革に対する知識が豊富で、何でも答えてくれます。
どういった革なのか、色はどのように変化していくのか、どうやってメンテナンスするのか、など。

伝統技法で作られた革のアイテムに興味があれば、ぜひ行ってみてほしいお店です。

ちなみに、amazonで購入可能です。コインケースはそれほど高くないので、フィレンツェ伝統技法のアイテムが気になるなら最適だと思います。フィレンツェまで行けないという人もチェックしてみてはいかがでしょうか。

靴屋 Mannina

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靴屋さんです。
フィレンツェでもっとも有名な橋、ポンテヴェキオを渡ってすぐにあります。

ストレートチップから、ホールカット、サイドゴアブーツなど、ひと通りの革靴が揃っています。メンズ・レディースともにラインナップが豊富ですから、カップルで行っても楽しめるはず。

仕立ては、とても上質。縫製、ソール、内張り、どの部分も丁寧に作られています。何足か試着させてもらいましたが、フィッティングが良かったです。日本人の足にも合うと思います。

珍しいカラーリングもあるので、日本の革靴とは違った楽しみがあります。

お値段は200〜400ユーロほど。決して安くはありませんが、1足でタックスフリーが使えます。この価格帯の靴の中では飛び抜けて高品質ですから、靴好きならきっと満足できるはずです。

海外で靴を買うときは、コミュニケーションの心配があるかもしれません。
ただ、Manninaは日本の方が接客してくれるため、日本と同じように試着できます。(実際、私が見ていたときも、日本のお客さんが他にもいらっしゃいました。けっこう有名な靴屋さんなのかもしれません。)

シンプルで美しい靴をお探しなら、おすすめです。

無駄なくお店を周る、おすすめ最短ルート

革好きなら、The Bussetto Florence(マップA)と、手工皮具学校(Map B)は絶対に行って欲しいお店です。

2店舗は歩いて30分かからないほどです。どちかをスタートして、もう片方に行くコースで良いでしょう。もちろん、途中にセレクトショップもあります。靴がほしいなら、途中でポンテヴェキオ橋を渡ってManninaに行くのもアリでしょう。

あとがき

フィレンツェを歩いてみると、革製品のショップの多さに驚くはず。旅行で行くならあまり時間も無いと思いますので、行きたいお店をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

本ページでは、実際に歩いて回って、これは良いと思ったお店を厳選して紹介しました。お気に入りの革製品が見つかると良いですね。