ココマイスターのコードバンシリーズでは、さまざまな財布がラインナップされています。
その中からセレクトしたのは、『シェルコードバン スタンフォード』。
特徴は以下のとおり。
- かぶせ蓋タイプの長財布
- たくさんのカードを収納できる
- ホーウィン社シェルコードバンの美しく、存在感のあるルックス
- 外装も内装も、すべてシェルコードバン
本ページでは、スタンフォードの使い勝手、特徴。メリットやデメリットについてわかりやすく解説します。コードバンの長財布を検討されている方は、参考にしてみてください。
スペック
| ブランド | ココマイスター |
|---|---|
| 商品名 | シェルコードバン スタンフォード |
| 収納力 | ★★★★★ |
| お札入れの数 | 2 |
| お札の枚数 | 30 |
| コインの枚数 | 20 |
| カードの枚数 | 14 | サイズ | H93 x W190 x D24 m | 重さ | 143g |
| 素材 | コードバン（ホーウィン社製） |
使い勝手
カタチ・構造
スタンフォードは「かぶせ蓋タイプの長財布」にカテゴライズされます。伝統的で、オーソドックスな長財布ですね。
素材は、ホーウィン社シェルコードバン。ALDENをはじめ、世界のトップブランドが採用する、最高峰のコードバンです。スタンフォードの外装は、シェルコードバンの一枚革が使われているため、継ぎ目がありません。そしてブランドロゴを含めた装飾も一切ありません。スムースで、柔らかな質感を、ダイレクトに楽しむことができます。
シェルコードバンは、オイルをたっぷりと含んでいるため、しっとりとしていて、柔らかな手触りを楽しめます。ブライドルレザーのようにカッチリとした質感ではなく、グニャリと曲がることのない、適度なハリがあります。ちなみに、ココマイスターは他にもコードバンシリーズをラインナップしています。「シェルコードバンシリーズ」以外は国産コードバンが使われているので、ハリ・コシのあるカチッとした質感が好きなら、シェルコードバン以外が良いでしょう。
サイズは一般的な長財布と同じくらいです。男性の私が手に持つとこんな感じ。
今日では、コンパクトさをウリにする財布はたくさんあります。比べると、 スタンフォードは必ずしもコンパクトとは言えません。
そもそも携帯性を重視する財布ではないのです。「広い面を持つ長財布」だからこそ、コードバンの美しさや高級感を、より一層堪能できる。「コードバンを楽しむ」という点で、スタンフォード以上の長財布はありません。
さて、使い勝手について紹介してまいります。
スタンフォードはかぶせ蓋タイプですから、財布を留めるものは何もありません。
1アクションでオープンできて、すぐにお会計できる。見やすくて使い勝手が良いです。
カード
両面にカードポケットが備わっています。
ポケットには、少し太めの「捻引き」。キリッと引き締まった顔になりますね。日本の技術の1つです。
お札入れ、小銭入れの付いた面には、8枚のカードポケット。
もう片面は、6枚のカードポケットが付いています。
つまり、スタンフォードには14枚のカードを分けて収納できます。
長財布には、L字ファスナー、ラウンドファスナーと、さまざまなタイプがあります。しかし、カードが整然と並ぶのは、かぶせ蓋タイプだけです。お気に入りのカードがある人ほど、楽しめるはずです。
使い勝手もバツグンに良い。ガバッと開くため、たくさんのカードがあっても、見やすく、取り出しやすいんですね。
6枚のカードポケットの最上段には、フリーポケットが備わっています。
反対の面は、小銭入れの手前にフリーポケットがあります。
どちらもマチは無いため、たくさんのアイテムを入れることはできません。新幹線のチケットや、レシートなど、少し長めのアイテムも折り曲げずに収納することができる、使い勝手のよいスペースです。
お札
札入れは1つ。折込マチのつくりですから、たくさんのお札を収納することができます。
30枚くらいは余裕。たくさんのお札も、十分に収納できます。
余裕を持たせたスペース。スムーズにお札を出し入れできます。
一般的な長財布と比べてみましょう。
お札入れが、1つのものと、2つのものがあります。
スタンフォードは前者です。
これは好みが分かれるかもしれません。2つに分かれたタイプの方が、仕分けができて便利です。お札や商品券を分けて管理することは、スタンフォードは苦手です。
言い換えると、シンプルな1層にデザインすることで、スリムさと携帯性を優先した財布なのです。（2層式にすると、財布が分厚くなってしまいます。これは避けられません）
コイン
ファスナーは美しいゴールド。この中がコインポケットです。
スタンフォードの良いところは、コインポケットの内装でさえ、同じトーンの色で統一されていることです。カラーラインナップには、ブラックと、ボルドーワイン、ネイビー、ウィスキーがあるのですが、コードバンの色とマッチするトーンで仕立てられています。
コインポケットの内側の素材の色が、深くて濃い色。これが素晴らしい。
汚れが目立たないのです。コインポケットの中で、コインがこすれ合うことで、金属粉が生じる。付着すると汚れたように見えてしまう。スタンフォードの内装のカラーは、濃い。だから汚れがそもそも見えないのです。ずっとキレイに使えるんですね。
コードバンはとても丈夫な素材で、大切に使えば6年以上余裕で使うことができます（乱暴に扱われてしまう、ランドセルの素材になるのは、耐久力がバツグンだからです。）。
ところが、多くの人は、何年も使う前に買い換えてしまいます。理由は「財布が汚れたように見えるから」ではないでしょうか。スタンフォードはそもそも汚れが目立たないので、一般的な財布よりも、ずっと長く愛用できます。
特徴
ホーウィン社シェルコードバンを使った、贅沢な長財布
コードバンとは馬のお尻の革です。上質なコードバンを作ることができるタンナーは、世界に数社しかありません。その中でも最高峰のコードバンを作るのが、創業100年を誇るアメリカの老舗タンナー、ホーウィン社。その代表作であるシェルコードバンが、スタンフォードで採用されています。
最大の特徴は、光沢と存在感。奥行きのある透明感と、濃淡があいまった表情は、高級感にあふれています。世界には様々な名革がありますが、コードバンは一線を画する存在。革のダイヤモンド、革の王と呼ばれるのには理由があるんですね。
指のカタチだけでなく、指の色まで映し出しているのが伝わるでしょうか。まるで鏡のように景色を映すのは、極めてスムースなコードバンだからこそ。
本作スタンフォードの特徴は、ホーウィン シェルコードバンが内装にも使われていることです。
ほとんどのコードバン財布は「コードバン以外の革」で内装が仕立てられています。
財布を使っているときでさえ、バツグンの輝きを堪能できるのです。
スタンフォードのような長財布の場合、（二つ折りなどの小さな財布と比べて）たくさんの革が必要になります。そのため、内装までコードバンで仕立てると、とても高価になります。
また、コードバンが希少なため、総コードバン仕立てのアイテムは、量産が難しいはずです。事実、スタンフォードは基本的には売り切れています（私も販売開始時間に、すぐに購入したのですが、10分ほどで売り切れていました）。
さて、ホーウィン社のコードバンについて、見てみましょう。
ホーウィン社のコードバンを一口で言い表すなら、「荒々しいコードバン」といったところでしょうか。ホーウィン社は、自然の風合いを大切にしているようで表面は自然な仕上がりです。例えば、私が購入したスタンフォードには、ピンホール（毛穴）もあります。
また、色合いは、均一感がなく、わずかに濃淡があります。
少しラフな仕上がりは、シェルコードバンの特性です（ココマイスターに限りません）。個体やロットによっても差があるのですが、自然の風合いを活かした仕上げなのです。
コードバンの正体は、馬のお尻の皮の中間にある「コードバン層」を削り出したものです。馬の個体によって、その厚みが異なるうえ、染料を染み込ませることでカラーリングをほどこしているため、色ムラが生まれやすいんですね。
このラフさが、迫力のある表情を生み出しているのです。「威風堂々」といったところでしょうか。
ホーウィン社のコードバンは使い続けることで、線維が寝ていき、よりスムースさが増していきます。また、たっぷりと含んだオイルによって、光沢のあるツヤが生まれてきます。美しさと迫力が増す、育つ革なのです。
クリームやオイルを追加するケアも基本的には必要ありません。一番のケアは毎日使ってあげること。手のオイルが自然と財布に移るので、潤った状態になります。（自動車の革ハンドルにクリームを塗ったりしませんよね？これも「毎日触ること」でケアをしているからです）。
逆に言うと、しばらく使わない期間があるなら、たまに引っ張り出して乾拭きしてあげましょう。オイルが循環して表面に浮き出てくるため、乾燥から守ってくれます。
ジャパンメイドの丁寧な仕立て
ココマイスターの財布は、日本の熟練職人によるハンドメイド。日本の財布のつくりは世界一だと思っているのですが、本作もまた、とても丁寧に仕立てられています。
ここでは、スタンフォードの代表的な意匠を見ていきましょう。
コバ
財布は落としたり、ものとこすれたりすることが多いため、財布本体にダメージがいかないように、コバの仕上げがとても大切になります。
スタンフォードのコバは、コードバンのカラーと同色で仕上げられています。
磨かれたコバが生み出すのは、美しさだけではありません。ツルリと手触りが良いため、使っていて気持ちいいのです。
スタンフォードのこだわりは、エッジにも見てとれます。ほとんどの長財布からはソリッドな印象を受けるのですが、スタンフォードはどこかやわからかで上品な印象を受けます。この理由は、エッジにあります。
わずかにラウンドしているのが伝わるでしょうか。
この流麗なプロポーションは、角を削り、磨く作業を繰り返すことで作り出される、手間のかかる仕上げです。
ステッチ
ステッチは真っ直ぐで、美しい仕上がりです。
ステッチカラーは、コードバンと合う、ブラック。
糸1つ見ても、コードバンの美しさを堪能できるデザインに仕上げられています。
スタンフォードは、世界最高峰のコードバンを使うだけでなく、日本の職人によって1つ1つ仕立てられています。細部にまで、美しい仕上げがなされた、まさに贅沢の極みといえる長財布です。
ココマイスターのロゴがあしらわれているは、内装の端っこ。素材そのものがスタンフォードの真髄ですから、余計な装飾は必要ないのです。コードバンの質と、仕立ての良さで勝負できる、その自信の現れでしょう。
カラーリング
シェルコードバンを使ったシリーズの、カラーラインナップは2色のみ。
全５色がラインナップされています。
- ブラック
- ボルドーワイン
- ネイビーブルー
- グリーンベレー
- ウィスキー
本ページでご紹介したスタンフォードは、ブラック。
ブラック以外の色は、ココマイスター独自に色の名前がつけられています。
ボルドーワインは、ホーウィン社が「ダークバーガンディ」としてラインナップしているシェルコードバン（いわゆる「No.8」）でしょう。キツイ、華やかな赤ではなく、落ち着いた深みのある色合いです。
ネイビーブルーはネイビー。グリーンベレーはグリーンですね。
ウィスキーはバーボンでしょう。
どちらをセレクトしても、あらゆる空間に映えるカラーです。
スタンフォードはどういった人に合う財布なのか
ココマイスターがラインナップするコードバン財布は、たくさんあります。その中からどれを選べば正解なのか、迷ってしまうかもしれません。
スタンフォードを選んで幸せになれるのは、どういう人か紹介してみます。「あなたにハマる財布かどうか」、押さえてみましょう。
合う人
スーツやジャケットなど着る方、もしくはカバンで財布を持ち歩くなら、スタンフォードは最適です。ヒップポケットに入れて持ち歩きたいなら、二つ折り財布をセレクトした方が満足度が高いでしょう。
長財布にはさまざまなカタチがありますが、スタンフォードのタイプが一番使い勝手が良いです。収納力と携帯性のバランスが良く、あらゆるシーンで使える、汎用性の高い財布です。
二つ折り財布や、ラウンドファスナー長財布よりも薄いため、スーツの内ポケットへの収まりもいい。取り出す所作もカッコイイですし、ジャケットスタイルに映える財布として優秀です。
また、1アクションで開くことができるので、お金やカードの出し入れも楽です。
まとめます。
スタンフォードは、携帯性、収納力、使いやすさのバランスが取れた、オールラウンドの財布です。長財布の中で迷ったらスタンフォードをセレクトしておけば、間違いありません。
合わない人
スタンフォードは長財布ですから、手ぶらにこだわるなら、止めておきましょう。コンパクト持ち歩きたいなら、二つ折り財布の方が良いでしょう。
長財布が良いけど、ファスナーで留めるタイプがお好きなら、ラウンドファスナー型のアーチデュークがおすすめです。
あとがき
すべてシェルコードバンで仕立てた、オーソドックスな長財布。さらに、ジャパンメイドの上質な仕立てを求めるなら、スタンフォード以上のものはまず無いように思います。
カードの収納枚数など、バツグンの使い勝手も含め、コードバン財布の中では最高峰の1品です。そういった意味では、1つのゴールだと思います。
多くの人が、10万円近い財布を買うなら、ボッテガ・ヴェネタなどのハイブランドをセレクトしています。そのため、スタンフォードをセレクトして人と被ることはまずないでしょう。違うものを持ちたいという方にも、とてもおすすめできる1品です。