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革のバックパックの特徴、メリット・デメリット。革のバックパックをオススメしないワケ

アークテリクス(ARC’TERYX)の代表的なバックパック、『アロー22(ARR…

アロー22のレビューを掲載したあと、質問をいただきました。

なぜ、アロー22なのですか?
革のバックパックを紹介してください。

というもの。

私は革製品が大好きです。100以上所有し、気分に合わせて使い分けているほどに。その道のプロではないけれど、かなりのマニアといえるはず。

「革のバッグ」も愛用していて、当サイトで紹介してきました。だから、読者さんも疑問に思ったのかもしれません。

なぜ、「革のバックパック」ではないのか、と。

結論からいいましょう。

革のバックパックは、機能的でないから。これに尽きます。

本ページでは、革のバックパックの特徴を紹介します。メリットだけでなく、デメリットにも鋭く迫ります。

最後までお読みいただければ、あなたにとって、革のバックパックが最適なのか。
それとも、アロー22のように、革以外のバックパックが良いのか。はっきりするはずです。

高価だからこそ、買う前に知っておきましょう。ぜひ参考にしてみてください。

革のバックパックのメリット・デメリット

メリット

まずは、革という素材だからこそのメリットをご紹介しましょう。

革の風合いを楽しめる

革は、さまざまな表情を見せてくれます。

明るいシーンでは、透明感のある表情。そして、暗い場所では、凛とした装いを。
ONESWORKER-bodybagg-2

柔らかく豊かな風合い。これは、革だけの醍醐味です。

綿やコーデュラ、ポリエステルでは表現できない高級感がある。だから、装飾品としての完成度が高まる。所有欲を満たされるプロダクトになるのです。

平たくいうと、革よりカッコいい素材はないと思うのです。100年以上前から愛用され続けるのは、理由があるんですね。

良い革を使っているプロダクトは、革の表情が良い。それがウリなわけです。特に、バックパックの場合、他のカバンよりも多くの革を使っているため、革の表情をより楽しめるわけです。

エイジングを楽しめる

上質な革は、エイジングを楽しむことができます。色は深みを増し、ツヤが出てきます。また、オイルが革の表層にも行き渡るため、全体的にクタッとしたヤレ感が出てきます。

Before
ONESWORKER-bodybagg-2

After

この変化がたまらない。

ただし、エイジングしないものもあります。安価なバックパックのほとんどは、クロムなめし革が使われています。

エイジングする革:タンニンなめし
エイジングしない革:クロムなめし

クロムなめしの革の方が、安いです。水や汚れ、引き裂きにも強いため、日本の革製品の90%はクロムなめし革なのです。

どちらがいい。ということはないのだけど、エイジングを楽しみたいなら、タンニンなめしの革でできたバックパックをチョイスしましょう。

参考:タンニンなめしとクロムなめしとは何か

デメリット

完璧な素材は存在しません。革だからこそのデメリットがあります。
バックパックというプロダクトを切り口に、見ていきましょう。

重い

革は、繊維密度の高い素材です。だから、綿などより重い。

また、バックパックは全体を包むように仕立てるため、他のカバンに比べて革の使用量が多いのです。だから、よけいに重い。

革のバックパックに、軽さを求めてはいけません。軽さこそ正義。とお考えなら、やはり革のバッグは向いていないのです。

機能的ではない

私が、絶対に欲しい機能は2つ。

サイドポケット。
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そして、「よく出し入れするアイテム」を収納するためのポケット。
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バックパックの魅力は、バツグンの収納力にあります。

その反面、「荷物が取り出しにくい」というデメリットがあります。

メインコンパートメントに収納したアイテムは、バックパックの底に沈み込んでしまいます。

かさばる衣服を入れるときや、旅先のホテルでの出し入れなど、ある特定の用途には最適だけれども、小さなアイテムをよく使うときには、不便なのです。
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だから、メインコンパートメントとは別の、「よく使うアイテム」を出し入れしやすいポケットが、使い勝手の「キモ」になるわけです。

たとえば、上記の写真のとおり、アロー22では、フロントポケットとサイドポケットを備えることで、使い勝手をグッと高めているわけです。

ところが、革のバックパックにはこういったポケットを備えたものが、ほとんどありません。決して機能的とは言えないのです。

ちなみに、「機能的なバックパック」をチョイスするなら、登山ブランドが最高です。
残念ながら、カリマーもアークテリクスも、モンベルも、革のバックパックは一切作っていません。

ガシガシ使えない

バックパックを背負って歩き回ると、汗をかきます。これも、気になっていること。汗は革の大敵で、シミや退色の要因だからです。

クロムなめし革のバックパックなら、汗や水に強いため気にしなくてOK。

ただ、クロムなめし革のバックパックはエイジングを楽しむことができません。変化を楽しみたい人は、タンニンなめしをチョイスするしかないわけですが、水や汗に弱いのでガシガシ使えません。

革のバックパックは高い

バックパックのメリットは両手が空くこと。両肩に負荷分散できるため、重い荷物を入れたときも軽く感じます。

私の場合、買い物や、ノートPCを持ち歩く用途で使うので、20リットル以上の容量が必要になります。

で、容量が大きなバックパックは、たくさんの革を使うため、値段が高い。これもネックです。

まとめ

ルックス、質感、エイジング、高級感。これらは革がダントツに優れていると思います。
ここを重視するなら、革のバックパックはオススメ。というか、革以上の素材はありません。

だから、本音を言うと、欲しい

しかし、使い勝手の良さ、軽さ、気軽に使えることなどの「機能性」を求めると、どうしても革のバックパックは選択肢から外れてしまいます。

(革のバックパックがだめ、ということではなくて、私の用途にあったものを見つけられていないだけです。)

なんだかんだで、もう1年以上探しているのだけど、長く愛用できそうな革のバックパックを見つけられていません。

だから、私は革のバックパックを紹介していないのです。

シンプルで、美しい革のバックパックを大切に使う。
そういった用途なら、全く問題ないと思います。