機能的なアイテムをラインナップする日本の革工房、エムピウ。
私の大好なブランドの1つ。当サイトではミッレフォッリエをはじめとするユニークなアイテムを紹介してきました。
今回は、エムピウのベルト、DUEをご紹介します。
ざっと特徴をあげるとこんな感じです。
- 美しいデザイン
- 着脱がカンタン。スピーディー
- 美しい革の表情がたっぷりと楽しめる
- ジャパンメイドの美しい仕上げ
- リーズナブルな価格
DUEは独特の使い勝手が面白いですね。ユニークなベルトが欲しい方におすすめです。
動画
ユニークな使い方、質感などが伝わるように動画にしてみました。
※動画のDUEは、購入してから3年ほど経過したものです。
DUEの特徴
着脱がカンタン!早い!独特の使い勝手
エムピウのアイテムは、独特の使い方のものが多いのですが、それはDUEでも同じです。ベルトの着脱がカンタンにできるようにデザインされています。
秘密はこのバックルにあります。
一般的なバックルと異なるカタチ。「数字の2」を模したデザインとなっています。
特注の金型で作られた、DUEだけの美しいフォルムです。
少しくすみのある金色。
ピカピカな輝きではなく、落ち着いた印象で目立ちません。
ベルトカラーとのバランスもあると思うのですが、私がセレクトした「オーシャン」は落ち着きのある色味です。金属の重厚感と相まって、どこか凛とした美しさを感じます。
真鍮でできているためサビませんし、金属特有の経年変化も楽しめそうです。(ミッレフォッリエの真鍮は、味わい深い経年変化を見せてくれました。)
ちなみに、商品名の「DUE」はイタリア語で「2」を意味するそう。このバックルのカタチから名付けたとのことです。
エムピウのアイテムは、イタリア語で名付けられていることが多いのですが、これはデザイナーの村上氏がイタリアの工房で修行していらしたからでしょう。独特のセンスは、イタリアで培われたのかもしれませんね。
話がそれました…。DUEの紹介に戻ります。
中央に突起があるのが分かるでしょうか。
こちらを、ベルトの穴にはめて、留めるデザインとなっています。
ベルトの使い方はとてもシンプルです。パンツが下がらないサイズに調整して、キュッと締めるだけ。この所作を、できるだけカンタンにスピーディーにしたのが、DUEの最大の特徴です。
下からベルトを差し込み、上から納めます。その後ベルトをスッと引っ張っると、留め具が引っかかります。最後に軽く押さえることで、スポッと穴にはまる造りになっています。
外すときは、ベルトの先端をナナメ上に向けて引っ張るだけ。片手で外せますから、ものぐさな私にはとても嬉しい機能です。
DUEはこれまでのベルトの着脱とは違う所作ですが、これがとても画期的です。
最初は戸惑ったのですが、慣れるとノールックで着脱できます。数日経てば、DUE以外のベルトは煩わしく感じるはずです。
お食事中の方には申し訳ないのですが、少しだけトイレの話をします…。私は男性なのですが、トイレで小をするときにベルトを外すクセがあります。(意外と男性には多いものです。)
一日に何回もトイレに行き、その度にベルトを着脱するわけです。この度にDUEの快適さを実感できます。
それから、ちょっと食べすぎてベルトがキツイときなど、着席時にだけベルトを緩めたいことがあります。こういったシーンでも、スピーディーに緩められて便利です。
これまでのベルトは、装着するときには必ず、「バックルの小さな囲み」に先端を通さなくてはいけませんでした。また、付けるときも、外すときも、両手を使わなくてはいけません。DUEを体験すると、これは面倒に感じます。
何十年も変化の無かった、ベルトに使いやすさを追求し、それを実現したのがDUEです。
エムピウはベルトにおいても、「これまでの当たり前に」変化を生み出しわわけです。また少し、好きになりました。
美しくハリのある革
使われている革は、イタリアの牛革です。
厚みはだいたい、3mmほど。しなやかでハリのある革で、ぐにゃりと曲がる柔らかいものではありません。
シボやシワといった革の魅力がたっぷりと味わえる表情となっています。
この風合いが、本当に美しく、とても上質なベルトに見えます。
部位によって表情が異なるのは、天然の素材だからこそ。個体差があり、少しずつれ違った表情となっています。それも含めてアジとして楽しめる方におすすめです。
美しいエイジングを楽しめる
動物の皮を、「革製品」として最適な状態にする必要があって、この作業を「なめし」といいます。
なめしには、いくつかの方法があるのですが、DUEはタンニンの成分で皮を柔らかくし、染料で色を施したものです。(ちなみに、この製法の革は、日本に出回るうちのわずか10%だけです)
タンニンなめしで作られた革だけが、美しいエイジングを楽しめます。
タンニンの成分が空気と触れることで、色は深みを増していきます。また、手のオイルがベルトに移ることで、ツヤが生まれてきます。
つまり、DUEはエイジングを楽しむのに最適なベルトです。
逆に言うと、「新品同様のカラーをずっと楽しみたい」ならおすすめできません。そういった方は「クロムなめしの顔料で色を付けられたベルト」を買うべきです。(ビビッドで均一な色味のベルトはだいたい、この製法で作られています。)
(私の場合)ベルトは10年は使います。その中で、きっと美しく変化していくでしょう。DUEは使い手と一緒に、育っていくベルトなんですね。
美しい仕上げ
DUEはジャパンメイドのベルト。
アイテムの各所に、美しい仕上げがされています。
ベルトの側面は切りっぱなしではありません。
丸みが出るように磨かれています。少し光沢があるのが分かるでしょうか。高価なアイテムでよく見られる、コバ磨きと呼ばれる仕上げです。
削って、磨いて。
これを何度も繰り返すことで、手触りがよく、見た目が美しく、それでいて丈夫なベルトになります。とても手間と時間のかかるコバ磨きは、安価な製品では採用されない仕上げです。
革を断裁したままのものは、ベルトへのダメージが伝わりやすく、すぐにダメになってしまいます。DUEは美しいだけでなく、丈夫で長く愛用できるように作られているわけです。
豊富なカラーリング
エムピウは、たくさんのカラーをラインナップすることでも有名なのですが、DUEでもそれが見てとれます。
カラーは全部で6色。どれも魅力的です。
(写真は、エムピウの公式サイトから引用させていただいております。)
キャメル
明るめのカラーの発色の良さは、イタリアの革ならでは。
このビビッドな色合いと風合いが、イタリアの革でしか出せません。多くの日本の革工房が、イタリアの革を使い続けるのには理由があるんですね。
革の迫力を楽しみつつ、優しい印象を生み出してくれる、バランスの取れたカラーだと思います。
ダークブラウン
落ち着いたカラーなら、ビジネスカジュアルにも最適です。
ビジネスパーソンにとってのベルトは、オシャレが許される数少ないアイテムです。特徴のあるバックルが、しっかりと個性を主張できますね。
ブラック
ザ・ベーシックの黒。全体が引き締まるような印象です。
オーシャン
本ページで紹介しているのが、こちらのカラー。
ネーミングセンスも素晴らしいですが、何より独特の色合いが大変美しいと思います。
深みのある青と緑の中間色といったところ。
エイジングによって、さらに深みを増したとき、奥行きのある透明感が生まれてくるはずです。(タンニンなめしの革で、青系統のカラーは、本当に美しく変化していきます。)
カーキ
無骨な男らしさを感じる、ミリタリーテイストのカラーですね。
しっかりとした存在感があります。
DUEのサイズ
サイズは3つラインナップされています。
- 80
- 85
- 90
一般的なサイズですから、お手持ちのベルトをご確認ください。
きっとサイズの表記があるはずですから、同じサイズを選べば間違いありません。
ベルトの背面に、エムピウのブランドロゴとサイズが目立たないようにあしらわれています。
25mmほどの間隔で5つの穴が空いています。
サイズ80ですと、実寸で76〜88cmほどに対応しています。
参考までに、私のウエスト実寸は76cmほど。80のサイズをセレクトして丁度良いです。細身の方ですと、85は大きいと思いますのでご注意ください。
美しいパッケージ
エムピウのアイテムは、開けるときからワクワクさせてくれます。昔から変わらない、黒くてマットな表情は、サラリとしたさわり心地です。
カッチリとした質感で、大事にとっておきたくなる、そんなパッケージに大切に納められています。
革が呼吸できるように不織布(ふしょくふ)に包んであります。普段はあまり触らない素材だからでしょうか、大事にされている感じがします。
パッケージの美しさ、丁寧な梱包。
受け取ったとき、開けるときに嬉しくなる要素が満載です。
あとがき
私はすでにベルトを5本ほど持っています。
それなのにDUEを購入したのは、独特のギミックを試してみたいと思ったから。結果としては、買ってよかったと思えるアイテムでした。
ベルト着脱の方法をガラリと変えたDUE。これまでに使い勝手の良さを実感できる逸品です。ベルトにとっては、数十年ぶりに起きたイノベーションなんじゃないかと思います。
機能的なだけでなく、美しく、上質なMAID IN JAPANのベルト。
それでいてリーズナブルな価格ですから、プレゼントにも最適だと思います。
ベルト選びで悩んだときは、ぜひ検討してみてください。