ココマイスターは日本の革工房。
世界の著名な革を使って、日本の職人が財布を作っています。
いわば本当の革財布。素材の良さ、つくりの丁寧さに定評があります。
ココマイスターは、革の種類ごとにシリーズ展開しています。
シリーズが多くて公式サイトを見てみると、迷ってしまう方もいると思います。
そんな中、私のおすすめはイタリアの革を使った、3つのシリーズ。
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- マットーネ
- マルティーニ
- ロンドンブライドル
多くの財布をラインナップしているため、選ぶのは大変です。
そこで、これらのシリーズで使われる革の特徴や、財布の特徴をご紹介します。
本記事は、はじめての革財布。
はじめてのココマイスターという方におすすめの記事です。
本記事を読むことで、革の特徴、エイジングが分かり、間違いの無い逸品をセレクトできるようになります。
きっとお気に入りが見つかるはずです。
マットーネとマルティーニ。革の特徴を紹介
ココマイスターがラインナップするマットーネとマルティーニ。
ここでは、その革の特徴をご紹介します。
マットーネ
イタリアの老舗タンナー、バダラッシカルロ社。
マットーネには、その代表作であるミネルバリスシオが使われています
手に吸いつくような触り心地のスムースな革です。
部位としては、牛の肩(ショルダー)の革になります。
革になる前(生きていたとき)に、可動域が広く、モノとぶつかることが多い部位。
そのため、キズ、シワ、血管といった「生きていたあかし」が残りやすい部分です。
ただ、繊維が密で丈夫、コシがあり、しなやかといった長所があります。
多少キズがあっても、革の素材としてとても優秀な部位なんですね。
ミネルバリスシオは、その製法に特徴があります。
- 植物タンニン100%でなめされた革
- 革の色は、染料仕上げ
- 仕上げに、オイル(牛脚油)をたっぷりと染み込ませた
これは、8世紀から続く伝統的な「バケッタ製法」と呼ばれるもの。
時間がかかり、ハンドメイドのため、量産できない高級品です。
(この製法の革は、日本に流通する革のわずか10%ほどです)
手間ひまかけて作られたミネルバは、とても美しいエイジングを楽しめるのが特徴です。
時間とともに、タンニンの成分が変化し、色は深みを増します。
また、オイルが表面に移ることで、ギラリと光るツヤが生まれてきます。
エイジングの例は見てみましょう。
こちらはリスシオを使った新品のようす。
一年使うとこんな風にエイジングします。
明るいキャメルカラーは深みを増し、とても落ち着いた風格を身にまといます。
また、たっぷりとオイルを含んでいるため、他の革には無いメリットがあります。
1.水に強い
タンニンも染料も、水に溶ける性質を持っているため、色落ち、色移りがはげしいものです。
水とオイルは混ざらない性質を持つため、多少の雨に打たれても、革の芯部まで浸透することがありません。
2.キズに強い
また、ひっかきキズが付いても、革を揉み込んだり、軽くこすることで、キズが目立たなくなります。
(オイルと染料が革の中を移動することで、元の色に戻るためです。)
3.カビに強い
一度でも、革にカビが発生すると、そのカビ菌を取りきることはできません。繁殖しやすい状態になってしまうんですね。
油にカビ菌が繁殖することはないため、カビの発生を防止してくれるんですね。
こういった特徴を持ったスムースタイプの革は他にはありません。
ミネルバリスシオが親しまれる理由なんですね。
マルティーニ
バダラッシカルロ社の、ミネルバボックスと呼ばれる革です。
製法、特徴はミネルバリスシオと同じ。
仕上げの工程で、揉み加工を施すことで自然なシボ感を作っています。
柔らかな表情が特徴ですね。
揉み加工を施したことで、オイルは革の芯部に移動しています。
そのため、最初はマットな表情。使ううちにオイルがにじみ出てきますから、グングンとツヤが生まれてきます。
色、ツヤの変化といったエイジングの目指すところは、ミネルバリスシオと同じとお考えください。
ミネルバの特徴が分かってもらえたでしょうか。
ハッキリとエイジングによる変化が現れます。
強烈な個性を持った表情に変化する、「育つ革」なんですね。
逆に言うと、新品時の色とツヤ感を長く保ちたい方にはおすすめできません。
手で触れ、長く使うことで、変化が続きます。
次第にあなただけの、風合い、表情に変わっていきます。
変化を楽しめる方におすすめの革なんですね。
ヨーロッパには多くのタンナーがあり、オイルレザーを作るタンナーは他にもあります。
そういった中で、革の風合い、エイジング、しなやかさ、エイジングといった点でダントツなのが、ミネルバです。数あるオイルレザーの中で、最高級の逸品です。
日本にも革を作るタンナーはあります。
栃木レザーなどは有名ですね。
最高の技術を持つ日本の革工房が、わざわざイタリアの革を使っているのには理由があるんですね。
表情が違うことはもちろん、エイジング、風合いといった点で、(残念ながら)ミネルバの方が勝っているからです。
マットーネシリーズ
スムースタイプのレザー、ミネルバリスシオを使ったシリーズです。
たくさんあるので、価格の安いものから紹介します。
2万円台
オリヴェートコインパース
ミネルバリスシオをイントレチャートで仕立てたコンパクトな財布。
一般的な小銭入れより少し大きめのサイズですから、とても使い勝手が良いサブ財布になります。
エイジングの進んだ表情とイントレチャートが組み合わさり、本作だけの独特の風合いを楽しめます。
さらにお金を詰め込むことで、コロンとした、どこか可愛らしさを感じられる財布に変わります。
マルチパース
シンプルな二つ折り財布。内装にヌメ革を使っているため、外と内のコントラストが楽しめます。
マルチウォレット
かぶせ蓋タイプのシンプルな長財布。
札入れの部分はリスシオになっています。手に持ったときにシットリとしたさわり心地を楽しめます。
ラージウォレット
ラウンドファスナーの長財布です。
たっぷりの収納量が魅力です。
3万円台
オリヴェートパース
イントレチャートで作った二つ折り財布。
イントレチャートをコンパクトで楽しめる、オールインワンの財布です。
ヴォルタウォレット
小銭入れが無いタイプ。いわゆる「純束入れ」です。
スリムな仕上がりのため、スーツの内ポケットにも最適。
小銭入れを別に持つなら、こういったタイプも選択肢になるはずです。
オリヴェートウォレット
こちらは小銭入れが付いたタイプ。
内側の全面にカードポケットが付いていて、14枚のカードを見やすく収めることができます。
4万円台
オーバーザウォレット
イントレチャートを最大限楽しめるのが本作。
ラウンドファスナータイプのため、たっぷり収納できるのも魅力です。
エイジングが進み、深みとツヤが増した存在感は、唯一無二。
光を受ける角度が少しずつ違うため、多様な表情を見せてくれます。
とても育てがいのある財布。
使うほどに美しく、風合いのある表情に変わっていきます。
もっと知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
オーバーザウォレットを使ったレビューを見てみる
マルティーニシリーズ
ミネルバボックスの美しいシボが特徴のシリーズです。
こちらは内装もミネルバボックスを使った統一感のあるつくり。
シックで落ち着きのある仕上がりになっています。
シボがやわらかな表情を演出してくれます。
2万円台
クラブコインパース
つくりは「マットーネ オリヴェートコインパース」と同じですから、好きな表情でセレクトして良いでしょう。
シボ感が好きならこちら。
イントレチャートが気に入ったなら、オリヴェートコインパースですね。
3万円台
アーバンパース
内装にもミネルバボックスを使っています。
統一されたトーンの財布。
シックで落ち着きのある印象を受けますね。
コンパクトな財布ですから、ポケットに収納したりすることがあるはず。
長財布に比べてキズ付きやすい使われ方が多いと思います。
ミネルバボックスのシボのおかげで、キズが目立ちにくいのも特徴です。
クラブウォレット
ラウンドファスナーの長財布。
こちらも内装も含めて、ミネルバボックスです。
大きなサイズの財布ですから、見ても触ってもミネルバボックスのやわらかなシボを楽しめます。
4万円台
オーモンドウォレット
かぶせ蓋タイプの長財布。
こういったシンプルな財布は、余計な装飾がないため、ごかましが効きません。
素材の良さ、メイドインジャパンのつくりで勝負できるからこその逸品です。
機能的にも大変よくできています。
中にはポケットがたくさんあり、外側にもフリーポケットがあるので、使い勝手はバツグン。
何よりも、手に持ったときのミネルバボックスのやわらかさがとても気持ちよく感じます。
美しい表情と、所有する満足感が高く、購入しました。
レビュー:オーモンドウォレット
アーバンウォレット
オーモンドウォレットの仕切りを少なくして、少しスリムに仕上げたのがこちら。
スーツの内ポケットにしまうなら、こちらの方が適しています。
ロンドンブライドルシリーズ
ロンドンブライドルは、外装にブライドルレザー、内装にミネルバリスシオを使ったシリーズ。
ブライドルレザーを使った財布は山のようにありますが、このブライドルレザーは本物です。何をもって本物とするかは、人によると思うのですが、ココマイスターのブライドルレザーは、本場イギリスでもっとも高価なものです。
たっぷりとロウを染み込ませた革。
その証拠にブライドルレザーの特徴である「ブルーム」が表面ににじみ出ています。
ブライドルレザーとミネルバ、内と外で2つの違いを楽しめるのが特徴です。
- ロウとオイルによる、異なる風合い、エイジング。
- イギリスとイタリアの異なる文化。
- 内と外で異なるカラー。
ブライドルレザーの固さ、力強さを演出しつつ、手で触れる内側は、しっとりと手に吸いつく質感を楽しめます。
高級感 × 力強さ × エイジング。
この組み合わせの財布は、ロンドンブライドルだけです。
わりとカチッとした印象を受ける表情ですから、ビジネスシーンにも最適です。
2万円台
ショットオーヴァー
コンパクトなお財布。
ブライドルレザーはシャープで固めの印象です。
本作は小さな財布ですから、お金を詰めることで、ポテリと膨らんだ姿に変わり、どこか可愛らしい印象を受けます。
小銭入れを別に持つという方におすすめの逸品です。
3万円台
パースファントム
二つ折り財布はコンパクトで取り回しが良いこと、気軽に持ち歩けることがメリット。
内装に触れることが多い二つ折りですから、リスシオの手触りをたっぷりと楽しめます。
ポケットに入れる人もいると思うのですが、
外装がブライドルレザーに囲まれているため、型崩れしにくいのもポイントです。
グラディアトゥール
ラウンドファスナーの長財布です。
フリーポケットもあり、チケットなどもスッポリと収めることができます。
スプレッドイーグル
シンプルなかぶせ蓋の長財布です。
両面にポケットがあるので、たくさんカードを持ち歩きたい人に最適です。
あとがき
ミネルバの魅力を知ると、財布選びはもっと楽しくなります。
あなたの使い方にあった財布をチョイスしましょう。
どんなシーンで使うか、どうやって持ち歩くか。
人によって使い方は異なるはず。
ココマイスターの財布の外側には、余計な装飾は一切ありません。
ブランドロゴさえ削ぎ落とされた、引き算の美学。
これは本質で勝負できるから。
使っている革が上質なこと。細部の作りが美しいこと。
ロゴは内装に、目立たないようにあしらわれているだけです。
新品のときは、まだ未完。
使ううちに完成に近づいていきます。
ミネルバの変化を楽しむのに、ブランド名さえも不要なんですね。
ミネルバは使い手ごとに、異なるエイジングをしていきます。
唯一無二。あなただけの風合い、表情に変わっていきます。
愛着をもって長く使えるものになるはずです。