革工房Crevaleathco(クレバレスコ)の『ブリランテ L字ジップ長財布』をご紹介しましょう。
特徴は以下のとおり。
- L字ファスナー長財布
- お札、コイン、カードを収納できる
- お札、カードが使いやすい
- イタリアレザー、ブリランテを贅沢に使用
本ページでは使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
スペック
ブランド | Crevaleathco |
---|---|
商品名 | ブリランテ L字ジップ長財布 |
収納力 | ★★★★☆ |
お札入れの数 | 2 |
お札の枚数 | 40 |
コインの枚数 | 15 |
カードの枚数 | 12 | サイズ | W190 × H94 × D22mm | 重さ | - |
素材 | ブリランテ |
カタチ、構造
本作は「L字ファスナー長財布」にカテゴライズされる財布です。
素材はイタリアのオイルレザー、ブリランテ(詳細は後述)。
ハリのある素材と相まって、すこし大きく感じる。
1枚の革を折り曲げて仕立てた財布だから、革の手触りを堪能できます。
ファスナーの引き手は使い勝手を左右する大切なパーツ。トップクラスに美しい引手はCrevaleathcoの定番です。本作でも丁寧な仕立ては健在です。掴みやすく操作しやすい。極めて優れたパーツです。
芯材を組み込んだ引手は立体的でカッチリと硬い。開け締めを繰り返すため負担がかかるパーツだけど、丈夫で耐久性も高いでしょう。
ファスナーはエクセラ。ひとつひとつの歯が美しい光沢を見せてくれる、YKKの最高峰ファスナーです。
ファスナーを開くと、特定の場所で止まる。
これ、内側のポケットがファスナーの位置ギリギリの高さまであって、ポケットのフチがファスナーのスライダーと干渉するからです。力を込めて引けば、開くかもしれないけど、スライダーが革に当たっているため、革が擦れてしまう。心配です。
ポケットにぶつけずに開くには、ファスナーを斜め上に引っ張るようにスライドさせる必要があります(ファスナーテープが引っ張られてポケットで引っかからない)。ただ、この方法はファスナーに負担がかかるし、なめらかに開かない。もしくは、いったん引っかかったところで引く力を弱くする。スライダーの角度が浅くなるため引っかからない。
なお、収納量によっても引っかかりやすさが変わります。たとえば、カード12枚、お札を40枚入れると、両端から圧迫されて中央のコインポケットが上に傾きがちになる。結果、引っかかりやすくなる。
カード12枚、お札30枚、コイン12枚くらいだと引っかかららないですね。エイジングによって革のコシも柔らぐでしょう。スムーズに開閉できるようになるかもしれません。
さて、中はこんな感じ。一般的なL字ファスナー長財布と同じです。
中央にコインポケット。
左右にお札を収納し、側面にカードが入ります。オーソドックスなL字ファスナー長財布と言えます。
使い勝手
カード、お札、コインの使い勝手を解説しましょう。
カード
6つのポケット。それぞれに1枚収納できます。これが両サイドにあるから合わせて12枚のカードが収納できる。十分な収納力です。
カードポケットはかなり使いやすい。まず、マチが広いからガバっと開くんですよ。L字ファスナー長財布って、奥の下段のカードが出し入れしにくいものあるんですが、本作ではストレスがない。ガッと開いて、スッと取り出せるからです。
お札が入ると、カードが少し隠れるけど、
仕切りが可動するから、カードは見やすく、取り出しやすい。
ここまで開くL字ファスナー長財布はあまりない。iPhoneがスッキリと収まるほどです。
お札
ガバっと開くから、お札も使いやすい。オーソドックスなカタチのL字ファスナー長財布はいくつも使ってきたのだけど、本作はかなり優秀です。10枚のお札をまとめて入れるときも、引っかかることなくサッと収納できる。
余裕のある収納スペースです。
十分なスペースがあるから、お札をパラパラと数えやすい。千円札と1万円札が混在していても、特定のお札を見つけてカンタン取り出せる。
札入れが2つあるので、色々と使い分けができるのもいいですね。
- 千円札と1万円札
- レシートとお札
- 商品券とお札
両方にお札を入れるなら、お札40枚は入ります。
コイン
中央のポケットがコインのスペース。財布を開いたときに、すぐにコインが使えるのがいい(コインポケットにファスナーがあると、ファスナーを2回開けなくちゃいけない)。ポケットが大きいから大量のコインもまとめて収納できる。使いやすい。
ポケットは財布の底近くまであるので、結構深い。深いポケットはコインが見にくく取り出しにくいのだけど、本作では心配無用。
ポケットがガバっと開くから見やすくて取り出しやすいです。
18枚入れてみました。まだまだ入るけど、入れるほど財布が重く、膨らんでしまう。スタイリッシュなフォルムを保つなら、15枚程度が良いでしょう。
特徴
イタリアのオイルレザー、ブリランテを使用
素材は、ブリランテ。Crevaleathcoの定番レザーです。
微細なシボは見えますが、サラリとしたスムースレザーです。
ハリがあって、カッチリと硬い革。
トラがはっきりと見える。ショルダーレザーかな。トラがあるのは上質なレザーの証。染料仕上げだから、本来の表情・風合いを隠すことはできない。隠さなくても商品化できる上質な革です。
育つ革
染料仕上げ、かつタンニンなめしの革ですから、色・ツヤの変化するエイジングを楽しむことができます。
革を美しく見せるためのデザイン
ファスナーの止め部は、丸みのあるカタチにカットされています。
財布の端までファスナーを開いたときに、スライダーが革にぶつからないように設計されているんですよ。コバの仕上げも大変になるため、技術も必要です。
内装も、すべて「革の表」です。
財布のどこを見ても「革の表面」だけが使われた、贅沢なつくり。
カードの最下段が縫われています。
でも、表面にはステッチがない。
内装のパーツだけを組み立ててから、外装と縫い合わせているんですね。革をなるべく切らず、なるべく縫わない。結果、丈夫になるし、ステッチが無いから革を最大限楽しめる。すごく手間がかかっています。
美しい仕上げ
ステッチ
革と同系色で縫われています。ストレートラインからカーブまで綺麗。手縫いです。
斜めのステッチラインが平行に並んでいます。ステッチをブレなく、均一な糸目が3mmピッチで並ぶ。手縫いだけど「クラフト感がない」のは、緻密かつ丁寧に作られているから。
コバ
厚みのあるコバは、ラウンドしたフォルムに仕上げられています。
つるりとして気持ちいい触り心地。
ポケットは革を折りたたみ、返して仕上げられています。
断裁したままのコバはありません。どこを見ても美しい。
捻
捻引きも美しい。ストレートラインはキチッと。
カーブに沿って捻を引くのは難しい。Crevaleathcoの技術を物語っています
あとがき
細部まで美しく仕立てられた、オーソドックスなL字ファスナー長財布です。