上質な革製品を日本の革工房、Crevaleathco(クレバレスコ)の『リザード長財布
』の使い勝手、特徴、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
特徴
特徴は以下のとおりです。
- 薄い長財布
- お札とカードを収納できる純束入れ
- リザードのセンター、一枚革を贅沢に使用
- 手縫いによる立体感のあるステッチ
- コバ、縫製などトップクラスの仕上げ
スペック
| ブランド | Crevaleathco |
|---|---|
| 商品名 | リザード 長財布 |
| 収納力 | ★★★☆☆ |
| お札入れの数 | 3 |
| お札の枚数 | 30 |
| コインの枚数 | 0 |
| カードの枚数 | 7 | サイズ | W193×H95×D21mm | 重さ | - |
| 素材 | リザード、牛革 |
カタチ、構造
伝統的なカタチ。コインが収納できない「純束入れ(じゅんたばいれ)」にカテゴライズされます。スリムで携帯しやすく、形崩れも起きにくい長財布です。

外装はリザード。トカゲの革です(詳細は後述)。

一枚革が使われています。継ぎ目がないためリザードの微細なウロコをシームレスに楽しめる贅沢な仕立てです。

ボタンなどの「財布を留めるパーツ」はありません。パタンと開け閉めできるシンプルな構造。最小限のアクションで開け閉めできるから、お金やカードの出し入れがもっともカンタン。スマートな財布です。

開くとき、しっかりと「ハリ」を感じる。堅牢なつくりです。

ほぼフルフラットまで開きます。内部の構造は、非対称ですね。

片面にはカードポケットがひとつ。

カードポケットの上には、お札の収納スペースが2つ。フリーポケットとしても使えます。

反対の面にはカードポケットが6つ並びます。

最上段はフリースペースに。もちろん、お札も収納可能。

使い勝手
カード、お札の使い勝手を解説しましょう。
カード
2種類のポケットが備わっていて、合計7枚のカードを収納できます。
センターポケット
中央のカードポケット。周りの牛革とコントラストが生まれるため「ここがポケット」と分かりやすい。

1枚収納できます。カードを最後まで仕舞うと、以下のようなサイズ感。ぴったりです。

カッティングされたポケットが機能的。指を添えて引き出しやすい。

カードの出し入れもスムーズ。なぜならポケットの裏側に「なめらかな革」が貼られているからです。安価な財布ではありえない。見えない部分もこだわることで、「使いやすさ」を作り込んでいるんです。

収納は1枚がいいかな。後述するポケットよりも幅広に設計されているため2枚入れることもできる。ただし、2枚入れると選別の手間がかかります。1枚の方がカンタンに出し入れできるし、スマートです。

本作でもっとも使いやすいカードポケットですから、一番よく使うカード、たとえばメインのクレジットカードを入れるのが良いですね。または、Suicaなどの交通ICカードを入れておくのもアリでしょう。センターに位置するため、タッチがズレにくくて便利です。
段状のポケット
反対側には階段タイプのポケットが並びます。

6スロット。こちらも1枚ずつが良いです。

カードはこれくらい顔を出す。オーソドックスですね。

お札
お札は3箇所に収納できます。1万円札と千円札、レシートとお札など、分けて収納できて便利。
本作の収納力はMax30枚くらいです。スリムなフォルムを保つなら、20枚くらいにした方がよいでしょう。言い換えると、たくさん入る長財布が必要なら、本作以外をセレクトした方がよい。Crevaleathcoからチョイスするなら、ラウンドファスナーなら40枚は収納できます。
3つのポケット、それぞれの使い勝手を解説しましょう。
札入れ1
カードポケットの上。十分に広いポケット。

マチのないポケットなのは、「薄さ」を優先させているから。

お札を折らずに収納できるのが長財布の魅力ですね。出し入れのたびに折ったり伸ばしたりのアクションがいらない。

ポケットの内側にもスムースな革が当てられているからお札が引っかからずに出し入れできる。ただ、「財布が自動的に折りたたまれる」ように作られているため、財布が閉じないように手で抑えつつ、お札を出し入れする感じになる。ちょっとコツがいる。
本作の作りは、中央の革にもシワが寄りにくいし、閉じやすいのがメリットです。薄さと美しさを求めるなら、本作のつくりがベストだと思うのだけど一長一短ですね。

お札を入れると完全に隠れる。本作は「お札を見せない」純束入れだからです。

15枚収納してみました。

薄いまま。全然膨らまない。マチがないからこそのスリムさです。

複数枚入れると、少しお札が見えるようになる。

札入れ2
反対の面。さきほどと同じ構造。同じつくり。

札入れ3
こちらはカッティングされているので、お札を仕舞った状態でもお札が少し顔をだす。スライドして取り出せるので、こちらが一番取り出しやすい。

ただ、お札が見えます。

「お札を見せない」のが本作のメリットでもあるので、ここにはお札を入れない方がカッコいい気もする。レシートや領収書など、一時的に収納しておくアイテムを入れておくのも良いかもしれません。
コイン
コインは収納できません。コインを使うなら、コインケースを別に用意しましょう。Crevaleathcoなら、同じくリザードを使ったコインケースをラインナップしていますね。合わせて使うとカッコいいですね。
素材
リザードのセンター、一枚革を贅沢に使用
外装の素材はリザード。トカゲの革です。

透明感のある色合い。染料仕上げだと思います。使っていくうちに色・艶が変化するエイジングを楽しめるでしょう。

微細な凹凸がある。クロコほど荒々しくなく、繊細。エキゾチックレザーの中でも使いやすい、選びやすい革だと思います。触れるとわずかに凹凸を感じる。ハリもあります。

光が当たるとキラキラと耀く。美しい皮革です。


センターには矩形のウロコが並び、

横は丸いウロコが並ぶ。

つまり、リザードのお腹の中心から脇腹にかけて使われています。「リザードのセンター採り」でしか作ることができない、贅沢な財布なのです。リザードは大きなものほど希少です。本作のサイズ(20cm × 20cm)ほどのセンター部で、傷の少ない個体となるとかなり高価。1匹から1つしか作ることができないでしょう。

Crevaleathcoの財布はすべて贅沢なのだけど、本作は別格です。カードポケットにもリザードのセンターが使われているんですよ。財布を開いたときにも「リザードの財布を使っている感」が楽しめていい。

自然と折りたたまれれる設計
カードを仕舞ったあと手を離す。すると、自然とパタンと閉じる。「手で折りたたむ」アクションは不要。機能的です。「自然と折りたたまれる構造」に仕立てているから。精巧な技術が必要です。

内装も美しい
内装は牛革。リザードより繊細な凹凸で、サラリとした質感。光沢があって、上質感があります。フランスのゴートみたい(牛革だけど)。外装とは異なる素材、異なるカラーを楽しめるのも本作の魅力ですね。

リザードのポケットと2トーン。異素材同士ですが、うるさくなりすぎず、調和します。

ちなみに、リザード長財布は4つのカラーが展開されているのだけど、どのカラーをセレクトしても内装はブラックです。
オーダーメイド
カスタムオーダーで好みの色で仕立ててもらえる
サイズやポケットの変更はできないけれど、革の色を変更することができます。いわゆるカスタムオーダーです。
外装と内装のリザードで、それぞれ色を指定することができます。
オーダーでは、8色を選択可能。
- ボルドー
- ブラック
- グレイ
- ベージュ
- ミディアムブラウン
- ダークブラウン
- ネイビー
- ブラック
本ページでご紹介したのは、外装がボルドー。外装と内装で、同じ色を選ぶとシンプルで美しいし、NavyとBlackなど近似色でオーダーするのも面白いかもしれません。
クオリティ
財布を薄くするためのコダワリ
カードポケットが重なる部分は、は何枚もの革が重なりあうため分厚くなってしまう。でも本作は薄い。
端の方だけ、革を薄くして仕立てているからです。

長く使える丈夫な財布
革は引っ張られることで馴染み、伸びてしまう。これは避けられません。新品のときはカチッしていたポケットも伸びてくたびれてしまうことだってある。でも、本作ではその心配はなさそう。
ポケットの裏側にも革が貼られているため、革の「伸び止め」の効果があるんです。

仕上げ
個人工房Crevaleathcoの仕上げはトップクラスです。
手縫いによる繊細で美しい糸目
リザードのカラーに合わせた、赤い糸。表面だと糸目は目立ちません。リザードが主役ですからね。

すべて手縫いとのこと。外装と内装で異なる革、リザードと牛革。質感の異なる革を重ね、糸が浮きすぎず・沈みすぎないステッチワークは、力加減で左右から糸を引き締めて一糸ずつ縫いこんだ証。高い技術の裏付けです。

内装は、赤い糸とブラックの革でコントラストが生まれる。斜めの糸目が美しい。

捻引き
パーツの端には捻が引かれています。キリッと締まりますね。

外装にも捻が引かれているのだけど、凹凸のあるリザードだと控えめで目立たないですね。

コバ
磨いて仕上げたコバ。わずかにエッジが落とされ、微細な丸みがある。しかし、本作のスタイリッシュさを活かすように、丸すぎない。絶妙なバランスです。

光沢が出すぎない、少しマットな仕上げですね。手触りがいい。

パッケージ
Crevaleathco定番のパッケージ。ネイビーに金箔押しが高級感を演出してくれる。

ウールのような生地で包まれているのも嬉しい。

あとがき

Crevaleathco リザード長財布は、極めてオーソドックスです。けれど、細部まで丁寧に、機能的に作り込まれた逸品です。上質な長財布をお探しの方に、おすすめです。
