リュテス mcw-01のレビュー。ミネルバとプエブロを贅沢に使った、マネークリップ型のスリムな財布。使い勝手や特徴に迫る

トップクラスの革製品を作る、日本の革工房リュテス(LUTÈCE)。財布ラインナップの中から、『マネークリップウォレット』をご紹介しましょう。

特徴は以下のとおり。

  • マネークリップ
  • お札がスゴく使いやすい
  • コイン、カードも収納できる
  • スリムで、携帯しやすい
  • トップクラスの丁寧な仕上げ
  • 美しく変化する、イタリア革を使用

ユニークで機能的な財布。ただし、少しクセがあります。

本ページではリュテス マネークリップ(以降、mcw-01と表記)の使い勝手や特徴、メリット・デメリットなどを、わかりやすく解説します。参考にしてみてください。

動画

使い方や特徴。革の上質さ。美しい仕立てが伝わるように動画にしました。マネークリップを使ったことが無い人も、使い方が分かるはず。ぜひ参考にしてみてください。

スペック

ブランドリュテス
商品名マネークリップウォレット mcw-01
用途メイン
収納力★★★☆☆
お札入れの数1
お札の枚数10
コインの枚数10
カードの枚数5〜6
寸法W120 × H87 × D10mm
重量83g
素材牛革(プエブロ × ミネルバリスシオ)

mcw-01を取扱サイトで見てみる

カタチ・構造

パタンと折りたたむ、二つ折りタイプ。正面から見るとクラシカルなマネークリップだと思うかもしれません。が、本作はリュテスだからこその、ユニークな財布です。

まず、極めて薄い。もっとも厚みのある中央部分でわずか12mm。オーソドックスな二つ折り財布は25mm前後ですから、半分未満です。ずば抜けてスリムです。

表の革はプエブロ(詳細は後述)。色はネイビーをセレクトしました。なお、リュテスの製品はオーダメイド可能。「革の色」を自由に変更できます(後述)。

裏の革は、ミネルバリスシオ(詳細は後述)。色はオルテンシアを選びました。イタリア語で「あじさい」を意味します。ミネルバリスシオはいくつも所有しているのだけど、一番好きな色です。さて、裏面にはコインポケットが付いています。本作は「コインも収納できるマネークリップ」なのです。

表と裏。プエブロとリスシオ。異なる革を楽しめるのもmcw-01の魅力です。見た目も、質感も違う。手触りも異なる。とにかく新鮮です(2つの素材をミックスさせた財布はほとんどない)。ちなみに、カラーバリエーションによって、色の組み合わせも違います。

パタンと閉じるだけの「かぶせタイプ」。1アクションで開くことができる。

開くとこんなかんじ。カードとお札を収納します。

使い勝手

カード、お札、コインの使い勝手を解説します。

カード

mcw-01には、2種類のカードポケットが備わっていて、合計5枚のカードが収納できます。薄いカードなら、もう少し入るかな。

段状のポケット

左側には、段状のカードポケット。カードが3枚収納できます。一段だけ、プエブロ。他はミネルバリスシオ。内装にも2種類の革が使われています。

ポケットには一枚ずつ入れましょう。革が馴染むと2枚入れることもできるけど、不格好になる。おすすめできません。本作のように「薄い=カッコいい」財布では、避けたほうが良いです。

使い勝手の点でも1枚の方が良い。見やすくて取り出しやすいからです。2枚重ねると選別する手間が増えます。

スリットタイプのポケット

スリット構造のフリーポケットにも、カードを収納可能。

ここも1枚がベスト。革は伸縮する特性があるため、2枚入れることもできるけど、ボテッと膨らんでしまうためオススメできません。

お札を右側に倒して、カードを出し入れすることになります。このポケットは使いやすいとは言えません。収納したカードが完全に隠れてしまうし、マチがないからガバっと開かない。出し入れしにくいのです。

右側にも同じ構造のポケットがあります。こちらの方がポケットが短い。奥まで差し込んでも完全に隠れません。

右側はクリップが干渉するため、さらに出し入れしにくいです。一時的に使うのがいい。たとえば、折りたたんだレシートの収納などですね。

まとめます。

スリットには、「あまり使わないけれど、持ち歩きたいカード」を入れておくと良いでしょう。

左側には免許証、保険証などのたまに使うカード。右側には、Suicaなど。ほとんど出し入れしないカードやタッチ決済するカードの収納がおすすめです。

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お札

中央に位置するクリップで、お札を留めます。

このクリップは真鍮製とのこと。私は真鍮が好きで、いくつも真鍮のアイテムを購入していますが、リュテスのマネークリップで採用されたパーツは独特です。まず、「真鍮らしくない」光沢がある。シルバーと黒がミックスされたような、少しニブイ光沢を放っている。極めて美しいクリップです。

ここまで開く。クリップも様々なメーカーが作っていて、形状もそれぞれ異なります。本作のクリップはエッジのあるフォルムで、手当たりはイマイチ。ちょっと食い込む感じがある。もう少し丸みがあると気持ちよく操作できると思うのだけど、ソリッドなルックスを選択したのかもしれません。

クリップの開閉時に音がすることがあります。音の感じ方は人によるので、断言しにくいのだけど、気になる人は気になると思います(私はいくつかマネークリップを持っているので、比べてしまうのかもしれない)。使い込んでいくと馴染んで、音が消えていくかも。後日ご紹介できればと。

クリップの手当たりや音は、あまり気にしなくて良いと思います。そもそもクリップを上げ下げするシチュエーションが少ないからです。

5〜6枚のお札なら、クリップが閉じたままでもスライドして出し入れできます。10枚でも、ゆっくり入れればキチンと入る。

クリップを上げた方が便利なのは、お札が入った状態で、奥の方に差し込んだり、途中に差し込むときだけです。つまり、クリップを開け締めすることが少ないのです・・・。一万円札をATMからおろしたときくらいですね。

    クリップはお札をしっかりと留めてくれます。逆さまにしても抜け落ちたりしません。1枚でも、10枚でも大丈夫。

    右側には「かぶせ」があります。素材はプエブロ。ひとつひとつのパーツがとにかく美しい。

    かぶせに挟むことで、お札をしっかりと留めることができます。たくさんのお札を収納するときは使った方が良いかな。ヒラヒラが抑えられるし、丸見え感も控えめになります。

    かぶせにお札を入れず、カードも収納可能。カードが大きく出るため、取り出しやすい。

    革で挟むだけですから、上記で紹介した「段上のカードポケット」よりはフィット感は少なめです。落とす可能性が無いとは言えないので、カードを入れるなら自己責任で。

    お札は15枚くらいまで収納できます。ただし、薄く携帯したいなら10枚くらいがベスト。

    20枚はちょっと無理がある。たくさんのお札を入れたいなら、長財布をセレクトしましょう。

    使い勝手は、抜群にいいです。

    お札がハッキリと見えるし、パラリとめくりやすい。だから、スムーズに数えられる。

    クリップで挟んだまま、スムーズに抜き出すことができる。クリップを上げる必要はありません。マネークリップだけの使いやすさです。

    何より「使っていてカッコいい」。日本ではマネークリップを使っている人が少ないので、目を引きますね。所有欲をくすぐられるアイテムです。

    お札の操作感は、なかなか文章では伝わらないかと・・・。マネークリップを使ったことが無い方は、動画の方がイメージしやすいと思います。以下の動画を再生すると、お札の使い方からはじまります。

    コイン

    裏面がコインポケット。マネークリップなのにコインも収納できる。これもmcw-01の魅力。

    美しく研磨された立体感のある歯。たぶんエクセラ。美しさ、耐久性に優れるYKKの最高峰ファスナーです。スムーズに開け締めできます。

    ファスナーの引手は小さくて、少しつかみにくい。大きな引き手を付けるとスタイリッシュな見た目が損なわれてしまう。使い勝手とルックスとのバランス感で決めたのでしょう。

    片マチ構造のポケット。マチにプエブロがお目見え。遊びがあるデザインですね。

    薄さを優先するための、片マチ構造。ガバっと開くことはできないし、ポケットも小さいから、コインはMax10枚かな。

    10枚入れても、「コインの偏り」を均せば、ここまでフラットになります。

    たくさんのコインを入れたい。コインの使いやすさを求めたい。であれば、本作は避けた方が良いでしょう。オーソドックスな二つ折り財布は15枚ほど入るし、ガバっと開いて使いやすいものもある(もちろん、本作よりずっと分厚くなります)。

    mcw-01のウリは、薄さやカッコよさであり、収納力ではない。だから、これでいい。これがいいのです。

    使い勝手のまとめ

    お札10枚。よく使うカードが3枚に抑えられるなら、非常に使いやすい財布です。

    たくさんのカード、現金を持ち歩かないライフスタイル、たとえば、カードでの支払いが多いなら、全く問題ありません。そういう人に最適な財布です。

    当たり前ですが、長財布と比べてしまうと、カードやコインの収納量は、少なめ。たくさん持ち歩きたいなら、素直に長財布にしましょう。小さくて沢山入る財布は存在しません。ここはトレードオフです。

    特徴

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    美しく育つ、イタリアの高級レザーを使用

    今日、「革財布」と広告しながら、革以外の素材(ナイロンなど)を使った財布もあります。これが悪いとは断言できません。軽量化できるし、財布の価格も下げることができる。(キプリスなどの日本有数の工房も、一部シリーズでは革以外を使っています。)

    とはいえ、やはりオールレザーだからこその満足感というものがあるわけです。
    mcw-01はそれを満たしてくれます。

    素材は、ミネルバリスシオとプエブロ。
    どちらも、イタリアの名門タンナー、バダラッシカルロ社のオイルレザーです。

    「動物の皮」を、何年も使える「革」にする工程を「なめし」といいます。なめしには、さまざまな方法があるのだけど、バダラッシカルロ社は、タンニンなめし、かつ染料で染め上げる伝統的な製法、「ヴァケッタ製法」で革を作り続けています。

    ヴァケッタ製法のメリットは、透明感のある色合いや、自然な風合いが活きる表情にできること。また、美しいエイジングを楽しめるからです。

    ミネルバリスシオはスムースな表情。サラリとしたマットな質感です。

    色は深みを増し、ツヤも現れてくる。「エイジング」を楽しむことができます。様々な革を使ってきましたが、バダラッシカルロ社の革は、エイジングによる変化率が世界一だと思います。

    本ページで御紹介しているカラー、オルテンシアは緑がかった青ですね。凄く好きな色で昔から愛用しています。こんなに変化する。(別のプロダクトです)
    ONESWORKER-bodybagg-1

    お時間あれば、Youtubeもご覧ください。ミネルバのツヤ・色の変化のスゴさが分かってもらえるはず。新品のオルテンシアとの比較もしています。

    このミネルバリスシオを、ポケットの内装にも使っている。これが凄いところ。ミネルバは高価なため、一般的には内側には使われません。

    もうひとつの素材がプエブロ。
    ミネルバリスシオを毛羽立たせたものです。

    スエードやヴェロアのように、全体的に均一に起毛しているわけではありません。
    繊維が表面にはりつく程度の起毛感です。乱舞する繊維が起毛したところです。この表情が均一ではなく、バラつきがあります。サワサワとした、まるで和紙のような手触りです。

    プエブロもグングンとエイジングが進む。光沢も現れ、触り心地も変わっていきます。

    新品のプエブロと、1年間ポケットに入れていたプエブロを比較した動画です。

    以下はミネルバとプエブロのエイジングの比較です。

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    極めて薄い

    財布を薄くするのはカンタンです。革を薄くすればいい。

    しかし、本作は革が厚く、カッチリとした堅牢なボディ。なのに、薄い。

    コイン8枚。お札10枚。カード5枚を入れて、わずか16mm。
    使い込んで馴染むと、もう少し薄くなるかもしれません。

    どんなポケットにも収納できる。モノを入れるのに相応しくない、スーツの内ポケットにさえ最適な一品です。

    中央のコバが薄さのヒミツ。

    初めて見たとき、財布の中央にコバがあるのか不思議でした。
    これは・・・、革を張り合わせてステッチすることで、よりスリムなボディに仕上げることができるからですね。

    オーソドックスな二つ折り財布(マネークリップ含む)は、「一枚革」で作ることが多い。一枚革の場合、革のハリによって財布が開いてしまう。革を薄くすることで「開き」を解決できますが、耐久性や堅牢性が犠牲になってしまう。

    mcw-01はユニークな構造でスリムに仕上げている。しかも、美しく・ハリ、強度もある。モノと持つ喜びをたっぷりと味わえます。

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    オーダーメイド

    Mens Leather Storeなら、オーダーメイド可能。

    以下のパーツの色を変更できる、カラーカスタムオーダーとなります。

    • 外装の革
    • 内装の革
    • クリップ
    • ファスナー
    • ファスナーテープ

    日本トップクラスの仕上げ

    リュテスの仕上げは、日本トップクラスです。「上質さ」を求める人も満足できるはず。

    コバ

    目を引くのは、中央のコバ。とにかく美しい。

    中央のコバの部分は6枚ほどの革が重なっているはず。そのまま重ねてステッチすると、厚ぼったくなってしまうでしょう。しかし、本作は極めてエレガントです。スタイリッシュに見えるようにコバの近辺で革の厚みを調整しているでのでしょう。また、6,7mmほどのコバはササクレが一切なく、つるつるとした手触りで気持ち良い。光沢が出るまで磨き上げられています。

    裁断した革を重ねただけでは、垂直なコバになります。一方、本作のコバは丸くなだらかです。つまり、コバを面取りしたうえで磨いている。薄っすらと「革の層」が見えるのは、塗料で隠さず、染料で磨き上げている証です。見ているだけでワクワクする。

    コインポケットの端や、カードの段。あらゆるコバが丁寧に仕上げられています。

    コバにはさまざまな仕上げがあります。何をNo1とするかは趣味嗜好により分かれるでしょう。もっとソリッドな佇まいが好みなら、GANZOのコバの方が気にいるかもしれませんね。

    しかし、驚嘆です。ここまで美しいコバはほとんどありません。トップクラスだと思います。

    なんとかこの美しさを表現したくて、写真をたくさん撮ったのだけど上手く撮れなかった。天候によって上手く撮れないことがあります。すみません。コバなど仕上げの美しさは、以下の動画の方が伝わると思います。以下のリンクから再生するとコバ紹介から始まります。

    ステッチ

    斜めに糸が並ぶ、立体感のあるステッチワーク。手縫いです。角度や力を調整しながら、両サイドからハリを交互に通す、手間と技術が必要な製法です。

    使用されている糸は、高品質な麻糸。革の美しさを邪魔しない、マットな色合いです。

    捻引き

    財布の端とステッチの間、キレイにラインが引かれています。これが、捻(ねん)。

    ラウンドした部分も。すべてのフチに均等にラインが入っています。

    表情が締まり、高級感がでる。男性の財布にあしらわることの多いデザインです。

    あとがき

    とてもおすすめです。これまでマネークリップを敬遠してきた人も、 mcw-01なら満足できるでしょう。

    上質で、薄くて、カッコいい。さらに美しく変化するマネークリップをお探しなら、本作を超えるものはほとんど無いと思います。

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