買う前に知っておきたい コードバンのホントのところ。そのメリットとデメリットを全て紹介します

コードバン テリとキズ

コードバンの魅力を1つだけピックアップするなら、やはり「ダントツの美しさ」に尽きます。その存在感と気品がトップクラスだからこそ、最高級のアイテムに採用されるわけですね。

そんなコードバンですが、希少なこともあり、決してメジャーな皮革とは言えません。正直、よく分からない点があるのではないでしょうか。

そこで本ページでは、コードバンについての、あらゆる情報をまとめました。

コードバンの特徴や、メリット・デメリット。さらにコードバンの歴史、作り方といったマニアックな知識までご紹介します。(大人の事情によって)コードバンのデメリットについて言及されていないサイトもありますが、本ページでは、コードバンを利用する目線で、その特徴に鋭く迫ります。

最後までお読みいただければ、立派なコードバンマニアになれるはずです。

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コードバンの特徴

コードバンは、あらゆる皮革のなかで、最高の価値がある革として親しまれています。

その理由を、ざっとピックアップしてみましょう。

  • キメ細やかな美しい表情
  • スムースで、サラリとした質感
  • ギラリと輝く、迫力が増すエイジング
  • 牛革の2〜3倍の強度。トップクラスの堅牢性

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あらゆる革の中で、もっともキメ細かく、スムースで、バツグンに美しい輝きを表現できる素材です。だからこそ、その存在感と高級感はNo1(実際、高価なのですが…)。

力強さと気品を合わせもつ表情は、多くの人の目を引くはず。あらゆる空間で映える、そんな素材なんですね。
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コードバンとはどういう革なのか?

コードバンの原料について

コードバンとは、馬の臀部(お尻)から採取できる、革のことです。
馬の皮がどうして貴重なの?と、思うかもしれませんが、お尻の皮は全体の1割に満たないのです。一頭あたりの採れる量が少ないのも、その希少性に拍車をかけています。

右下のSHELLS(シェル)と呼ばれる部位だけがコードバンを採取できる部分になります(英語で「Shell Cordovan」と称されるのは、シェル層を使っているからですね)。

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出典:horweenHP

さらに、コードバンは、すべての馬から採れるわけではありません。

コードバンの原皮を採ることができるのは、農耕馬からだけ。馬肉文化のあるヨーロッパにおいて、「お尻の皮だけ」がコードバンとして利用されるのです。1200px-Haflinger_horse_on_pasture_in_the_Netherlands

コードバンの正体は、線維密度の高い「コラーゲンのカタマリ」です。
放牧されていた農耕馬が、オオカミなどに噛みつかれても重症にならないよう身につけたもの。いわば、自然の産物です。そのため、「自然に近い馬」からしかコードバンを採取することができません。

例えば、サラブレッドやポニーといった「走るための馬」には、そもそも「コードバン層」がほとんどありません。「製品として使えるサイズのコードバン」をそもそも持っていないのです。1280px-Deep_Impact_20090813

機会化が進んだ現代では、農耕馬が少なくなっていること。さらに「大きなコードバン層」を持つ農耕馬が少なくなっていることから、コードバンの希少性が高まり、価格は上がり続けています。
(1990年代には、一枚革で作られたコードバンのカバンを手に入れることができました。しかし今日では、一般的には販売されていません。コードバンのサイズが小さくなっているため、そもそも作成できないからです。)

では、一般的な革、例えば牛革はどうでしょうか?
1頭の牛から、「ショルダー」「ネック」「ベンズ」といった、堅牢な部位の革を作ることができます。1頭あたりの採取量がコードバンよりも多いため、安価に量産できるんですね。素材としての希少性は高くないのです。

コードバンと他の皮。その構造の違い

牛や豚などの皮革は、その表側(銀面)と裏側(床面)が重なった2層構造になっています。1枚に見える革も、厳密には分かれているんですね。そのため、手入れをしていても、経年変化で層が歪んでしまい型崩れが起きることがあります。

対するコードバンには、表裏といったものが存在しません
コードバンは、皮の中間に位置する「コードバン層(シェル層)」だけを使った皮革なのです。
コードバン 厚み

コードバンは「単層構造」になっているため、長年使用しても歪んだり、型崩れが起こりにくいんですね。

コードバンとは、線維密度がバツグンに高い、コラーゲンの集合です。その強度は、牛革の2〜3倍と言われていて、引き裂きや押し込みなどに、とても強い皮革なんですね。

一般的な革と比べて、薄くて、軽くて、丈夫なため、長く愛用されるアイテムの素材にふさわしいのです(乱暴に扱われがちな、ランドセルの素材としてコードバンが使われているのは、軽くて、丈夫で、6年間使うことが実証されているからです)。

コードバンは、どのように変化していくのか

皆さんは、コードバンに対して、どういったイメージをお持ちでしょうか?

多くの人は、「ツヤがあり、ギラリと光る革」と、お考えになるかと思います。

実際のところ、「半分正解」といったところでしょうか。

コードバンの輝きを生み出しているキモは、圧倒的にスムースな表面と、そこにオイルが行き渡ることです。そのため、新品のコードバンは「マットな質感のもの」もあります。

例えば、こちらは新品のコードバン財布。まだ、ギラリとした光沢はありません。
WILDSWANS コードバン 表情

表面に油分が行き渡っていませんし、目には見えないほどの線維の凹凸がある状態です。

ここから、使い込むことで、コードバンの中に浸透しているオイルと、手の油分が、表面を覆うようになっていきます。また、触れることによって、よりスムースな表面になっていきます。結果として、光沢と重厚感を持つ、美しい表情に変化するのです。

コードバン経年変化

出典:グレンチェック

また、質感も少しずつ変わっていきます。最初こそハリや硬さがあるものの、使い込むごとに奥深い光沢がでると同時にほぐれてきます。次第に手に吸いつくようなしっとり感も出てきます。

1年使用した頃には、表面はなめらかになり、うっとりするような艶やかな雰囲気に育ちます。初めてコードバンを手に入れたときに、「あれ?光ってない」と感じるかもしれませんが、それは最初だけ。次第に、「みなさんがイメージする、美しいコードバン」に育っていきます。
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補足:新品のコードバンの表情は、馬の個体、仕上げ、気温、ロットなどによって、変わります。最初からハッキリ光沢を出すように仕上げたコードバンもあるので、すべてが「マット」とは限りません。いずれにせよ、光沢が増すエイジングを楽しむことができます。


まとめます。

コードバンは、新品のときは、まだ未完成。使い込むほどに美しく変化していく皮革です。
使い手と一緒に、「育つ皮革」なのです。変化を楽しみたい方ほど、ハマる素材です。

(逆に言うと、「新品のままの状態を長く楽しみたい」とお考えの方には、合わない皮革なのです。)

コードバンを扱う上での注意点

コードバンは牛革の2~3倍の強度があると言われています。ただし、それはあくまでも耐久性のはなし。

実は、コードバンにも弱点があるのです。
その弱点を押さえて、長く愛用するためのポイントを知っておきましょう。

コードバンは水に弱い

コードバンは、水に弱いという弱点があります。

濡れたまま放置してしまうと、斑点のような白い水シミが残ってしまいます。
濡れた状態で、さらに長時間放置すると、濡れた部分に水ぶくれが生じることがあります。(水が浸透することで、ギュッと凝縮された線維が元に戻るからです。)

この跡が付いてしまうと、完全に除去するのは難しいため、応急処置がキモとなります。濡れてしまった場合、すぐにしっかり拭きとりましょう。

水だけではなく、汗も苦手です。汗に含まれる、塩分とアンモニアが変色などを引き起こす原因となります(これはコードバンに限らず、あらゆる皮革に言えることです)。

コードバンの水ぶくれ

出典:http://cou-shop.jugem.jp/

そのため、コードバンの財布をヒップポケットに突っ込むのはオススメできません(夏場は特にです)。汗を吸い込みやすい環境ですから、キレイなエイジングを楽しめなくなる恐れがあります。

基本的には、カバンやスーツの内ポケットに入れて取扱うものだとお考えください。

コードバンは傷つきやすい

コードバンはスムースな皮革です。そのため、(シボやエンボスのある皮革と比べて)キズが付きやすいと言えます。(コードバンに限らず、スムースな表情の革は傷つきやすいものです。)コードバン キズ

ただ、あまり気にする必要はありません。
使い込むことで、キズは次第に目立たなくなっていくからです。

コードバンはタンニンなめしで作られた皮革です。エイジングによって、そのキズが目立たなくなっていきます(染料とオイルによって、キズが馴染んでいくから)。
大きなキズが完全に隠れるわけではないのですが、コードバン自身が、光沢とツヤを増していくため、小さなキズはほとんど気にならなくなります。

どんなプロダクトにも言えることですが、「初めてのキズ」にはショックを受けるものですよね。でも、コードバンは、そのキズも含めて味わいとなっていきます(こういった点が、金属などでは味わえない、革ならではの醍醐味です)。

個人的には、ガシガシ使って、育てた方が、楽しめると思います。
(気を使いすぎるのは、あまり楽しくないですよね。)

コードバンのお手入れ

基本的に通常のお手入れは、柔らかいクロスでの空拭きだけで十分です。力をいれるのではなく、優しくなでるようにしましょう。

ブラシを使用するなら、細かい折り目に入ったホコリを払うていどにしましょう。優しく掃き出すようにしてください。個人的にはクロスでの手入れの方がキズが付きにくいのでオススメです。

さて、毎日手にするコードバンに、オイルやクリームなどが必要でしょうか?

革製品のメンテナンスには、いろいろな考え方があるのですが…。
個人的には、財布などの小物の場合、特にメンテナンスは不要だと思っています。毎日手にとって使うものなら、手のオイルがコードバンに移り、潤った状態が保たれるからです。
(むしろ、過剰に油分を与えることで、コードバンが持つしなやかさや、ハリが弱まってしまいます。)

あえて日常でメンテするなら、乾拭きだけでOK。ちなみに、おすすめがこちら。コードバンだけなくあらゆるレザーグッズに使えるので、1つ持っておくと便利です。
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参考:革財布のカンタン メンテナンスについて

革の乾きにだけ気をつけましょう。
長期間利用しない場合、コードバンが乾いて、光沢が落ちたように感じるかもしれません。そういったときに、専用のクリームなどで油分を足すので十分です。また光沢が復活します。

ちなみに、艶出しに好評な商品はこちら。コードバンを知り尽くす、なめし業者のアイテムです。

コードバンの歴史

コードバンの起源には諸説あるのですが、もとは山羊の皮から作られた説が定番となっています。その起源は16世紀に遡ります。

「コードバン(cordovan)」という名前の由来は、最初にコードバンが作られたとされる、スペインの都市コルドバ(Cordoba)です。(今日でも、コルドバでは、伝統的なコードバンの職人を見つけることができるそうです)

コードバンの品質、美しさ、耐久性は当時もトップクラス。特別な皮革でした。

貴重な皮革だったため、結婚のお祝い品などに重宝されていたようです。他国の王族同士の結婚を通じて、ヨーロッパ全土、そして世界へと広まっていきました。

19世紀後半、ドイツのタンナーが「タンニンなめし」によってコードバンを作る技術を編み出しました。より美しく、ハリがあり、輝くコードバンを作ることができるようになったんですね。

同じ頃、ドイツのタンナーからアメリカに、コードバン作りの技術が渡りました。これをきっかけに、コードバンで有名なホーウィン社が、めきめきと成長していくことになるわけです。

面白いことに、ホーウィン社がコードバンを作り出したきっかけは、カミソリの刃を研ぐための「革のストラップ」でした。
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ところが使い捨てのカミソリばかりになり、売上は激減。革のストラップは無用の長物となったのです。

この逆境をきっかけに、「革靴用のコードバン」を作りだすことになりました。
その結果は、御存知の通り。男性の革靴「ALDEN」をはじめ、世界中のトップメゾンで愛用される素材になったのです。ホーウィン社は、コードバンタンナーとして名実ともにNo1です。

コードバンの作り方

馬のお尻の皮が、すぐにコードバンになるわけではありません。

原皮から、仕上げまでに丁寧に行うため、半年〜10ヶ月もの期間がかかるのです。たくさんの作業を経て、独特の輝きを生み出しているんですね。

ここでは、コードバンの作り方を見てみましょう。

皮をなめす

原皮そのままの状態では、乾燥したり腐ったりするため、長く愛用することができません。
そこで「皮をやわらかく、何年も使える素材」に変化させる必要があります。これを、「なめし」といいます。

時間をかけて、タンニンのなめし剤に漬け込んでなめすことで、しっかりと革の芯部までタンニンを浸透させることができます。これによって、ツヤ、色の変化を楽しむ革に仕上げることができるのです。
(コードバンに限らず「革がエイジングする」、最大の理由はタンニンが酸化していくからです)スクリーンショット 2017-04-04 18.58.03

原皮の加工

コードバン層を削りだす

馬のお尻の皮の、表面と裏面は、コードバンにはなりません。
中間にある、わずか1mmほどの層だけが、コードバンになるのです。

なめした革から、コードバン層を取り出していきます。
熟練した職人が原皮から、ミリ単位で「コードバン層だけ」を削りだします。削ってい行く様が、宝石の採掘作業に酷似していることから、コードバンは「革の宝石/革のダイヤモンド」と呼ばれています。

コードバンを切り出す

馬は大きな動物ですから、全身から採れる革の量もそこそこあります。
ただし、コードバンはお尻の極一部、線維の集まった密度の高い部分にしかありません。ここを切り取ることになります。

この大きな面は、馬の下半身なのですが、ここから採れるコードバンは、半分以下です。スクリーンショット 2017-04-02 15.23.31

ほとんど場合、コードバンはお尻の左と右で分かれています。
(つまり、1頭から2枚作ることができます。)

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サイズはこんな感じですね。決して大きな革ではないのです。スクリーンショット 2017-04-04 18.35.33

非常にまれに、左右のお尻のコードバン層が繋がっていることがあります(「メガネ」と呼ばれます)。こんな感じで、大きな面を採れることがあるんですね。スクリーンショット 2017-04-02 15.23.20

「メガネ」は大きな個体かつ、コードバン層の繋がった馬からしか採ることができないため、本当に希少です。
ベルトやカバンなど大きな面を使うもの。それも、1枚革で仕立てるメリットのある高級品にしか使われません。もちろん、とても高価になってしまいます…。

コードバンの仕上げ

コードバンの染色

この時点では、コードバンには、タンニンの色がついているだけ。

ここに、カラーリングを施すことで、ブラックや、バーガンディといった美しい色合いをもたせます。

コードバンには、「染料仕上げ(アニリン仕上げ)」で色を付けていきます。

染料は、水に溶けやすい成分のため「均一な色合い」にするのは難しいのですが、その代わり、革本来の風合いや表情を残した、自然な色に仕上げることができます。

コードバンの風合いや表情を活かす染色といえるでしょう。

これに対して、「顔料仕上げ」と呼ばれる染色方法もあります。
革の表面を「水に溶けにくい塗料」でベタッと塗ることで、均一な色合いを表現することができる技法です。ただし、革の風合いを殺してしまうため、コードバンのような美しい皮革には採用されません。

コードバンを磨き上げる

コードバンの表面を磨き上げることで、独特の光沢を作り出していきます。
スクリーンショット 2017-04-02 15.25.14

コードバンとは、コラーゲンを削り出したもの。本来、その表面は、線維がむき出しの状態で、少し毛羽立っています(ヌバックやスエードに近いイメージですね)。
コードバン 毛羽立ち

つまり、削り出した時点では、どの革よりもスムースではない状態なのです。そこに磨きをかけることで、半ば強引に線維を寝かせ、滑らかな表情を作り上げているんですね。

コードバンの、景色を映し出すほどの美しい表情は、熟練した職人の感性と技術で生み出されているものなのです。

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なお、この「磨きの度合い」はさまざまです。

あえてマットに仕上げるなら、磨きを少なめに。
最初から光沢をハッキリと出すなら、多めに磨いていきます。

この度合いは、コードバンの用途によって変わるそうです。
(「最初から光沢のある財布」を作るなら多めに磨く。といったように、タンナーと革工房で、磨きの度合いを決めるそうです)。

検品

最後に職人が、「コードバン」の品質基準をチェックします。

手ざわりと、ハリを検品のプロが見定めるのです。スクリーンショット 2017-04-04 20.04.04 スクリーンショット 2017-04-04 20.04.40

コードバン(シェル)ではない部位が見つかったら、切り取ります。
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これで、製品として出荷できるコードバンの完成となります。


これらの工程に6ヶ月〜10ヶ月ほどかかります。

時間をかけて、作られる皮革なんですね。
(ちなみに、日本に流通する90%の皮革は、クロムなめしで作られています。わずか数日で完成するため、アパレルブランドなどの、シーズン売りのアイテムに広く使われる安価な革です。)

コードバンを作ることができるのは、世界で2社だけ

馬の原皮から一貫して、上質なコードバンを作ることができる会社(タンナーは、2社しかありません。

(実際にはあと数社あるのですが、ハリ、輝きなど、この2社に及びません。)

1970年代はコードバンを作る会社(タンナー)も多かったのですが、時代の流れとともに減少していきました。これには、大きく2つの理由があるとされています。

  1. コードバンを採取できる量が減ったこと
  2. コードバン作りに時間がかかるため

コードバンの完成までに半年以上かかるわけですから、タンナーにお金が入るまでの時間がとても長いのです。ビジネス的にリスキーな革なんですね。(だからこそ、参入障壁が高く、新しくコードバンを作り出すタンナーもほとんどないのです)

コードバンを作り続けたホーウィン社と新喜皮革は「上質なコードバンを安定して供給できるタンナー」として定評があります。

コードバン愛好家から見ても、やはりその品質はダントツ。非常に信頼できるタンナーなんですね。

さて、私はというと、ホーウィン社と新喜皮革、どちらのコードバンも大好きです。
両者を比べてみましたので、どういった違いがあるのか知りたい方は参考にしてみてください。先に結論を言うと、どちらをセレクトしても満足できるはずです。
=>ホーウィン社と新喜皮革。どちらのコードバンが優秀なのか?

シェルコードバンとコードバンの違い

コードバンのアイテムを見てみると、「シェルコードバンを使用」と記載されていることがあります。「コードバン」と何が違うのでしょうか。

これは、各ブランドの表現の違いでしかありません。

例えば、アメリカホーウィン社は、オイルをたっぷりと含ませ、染料で色を付けたコードバンを「シェルコードバン」としてラインナップしています。

一方、革工房キプリスは、水染めしたものを「シェルコードバン」と言っていてます(水染めとは染料にコードバンをじっくりと浸すことで染める手法のこと。)線維組織の奥までしっかりと染まっているんですね。

つまり、各社がそれぞれ、呼び名を付けているだけなのです。
そもそも、「シェル」とは、外層の下にある隠れた線維、つまり「コードバン層」を指すのです。(日本では「コードバン」と呼ばれることが多いのですが、英語圏では「シェルコードバン」と呼ばれています。)

なぜコードバンの価格が上がり続けているのか

ここ10年ほど振り返ってみると、コードバンのアイテムは3割ほど値上がりしていると感じています。

これは、アイテムを仕立てる職人の賃金が上がったからではありません。
コードバン自体が値上がりしているからです。

コードバンは、農耕馬からしか採れない希少な素材です。
機会化により大きな個体の馬が少なくなったため、コードバンを採取できる馬が減っているのです。
また、大きな馬も減っていて、「メガネ」の採取も難しくなっています。(「コードバンのベルト」の価格は5割ほど上がっていると思うのですが、「メガネ」が取れなくなったからですね。大きなコードバンの価値が高まっているわけです。)

また、コードバンは中国の業者がたくさん買っていくそう。輝くものに惹かれるのは、皆同じですね。コードバンの需要が上がり、それに追いついていないのです。

というわけで、コードバンのアイテムの値段が、年々上がっているのは仕方ないんですね。


さて、こういった背景を見てみると、個人的には「今欲しいなら、今買ったほうがいい。」と思っています。

今後、コードバンの生産量が上がることはないでしょうから、値段が下がるとは思えません(超円高になれば話は別ですが、それは誰にも分からないことです)。

今、「ちょっと欲しいな」と思っているアイテムも、値上がりするかもしれません。今の値段が、「買えるギリギリ」なのであれば、今が買い時だと思います。

まとめ

奥深さがあり、革好きなら一度は手に入れたいコードバン。

扱いは牛革よりもデリケートですが、希少性があるのでステータスの高さはバツグンです。
使い続けることで徐々に増す光沢は、コードバンでしか出すことができない表情です。

コードバンのアイテムでは、オールデンの革靴が有名ですね。
ただ、非常に高価な品ですから、手が出しにくいのではないでしょうか。

まずは、比較的安価なコインケースや財布といったアイテムで、コードバンの魅力を体験してみてはいかがでしょうか。

コードバンは輝きとツヤが独特で、高級感はダントツです。
特別な方へのプレゼントとしても最適だと思います。

関連リンク

コードバンと世界の名革。その違いについて

コードバン以外にも、世界には「名革」と呼ばれる皮革がいくつもあります。
サドルアップ、ミネルバ、ブライドルレザーなどですね。

これらの皮革を使い比べてみての、コードバンとの違いをまとめてみました。他の革との違いを押さえたい方は参考にしてみてください。
=>コードバンと世界の名革。その特徴を徹底比較

コードバンの財布

財布はコードバンを使ったプロダクトの中でも、比較的小さなアイテムです。

1枚革のコードバンを使った贅沢なものが多く、満足度の高い財布が数多くラインナップされています。
ここでは、日本人がデザインした品質の高いコードバン財布をセレクトして紹介しています。
=>上質なコードバンを見抜くポイントと、最高のコードバン財布ブランドについて