買う前に知っておきたい、コードバンの特徴。メリットとデメリットについて全て紹介します

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美しい輝きが魅力的なコードバン。
靴や財布など、高級な服飾雑貨に使用されています。

その希少性と美しさから、革のダイヤモンドと呼ばれれています。

さまざまな革が手に入る今日においても、その上質さと気品は揺らぐことは無く、コードバンの魅力を求める、たくさんの愛好家から親しまれています。

今回はコードバンの特徴や、メリット・デメリットをご紹介します。

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そもそもコードバンとはどういう革なのか?

コードバンとは、馬の臀部(お尻)から採取できる革を指します。

だったら貴重じゃないじゃないか、と思うかもしれませんが、すべての馬から取れるわけではないんですね。サラブレッドやポニーなどの小型馬からは、製品として使えるサイズのコードバンを作ることはできません。

主な原皮は、馬肉の文化があるヨーロッパ。
農耕馬からだけ採取できます。食用部分で残った個所がコードバンとして利用されます。

通常の皮革と違い、コードバンは非常に希少性が高い部位です。
これは、1頭に対して採取できるコードバンになる部分はわずか2枚のみだからです。

非常にまれに、左右のお尻のコードバン層が繋がっていることがあり、これは「メガネ」と呼ばれます。もともと、左右で分かれていた部分がつながっているため、ベルトなどの1枚革で仕立てられる製品に使用されることがあります。ただ、これは非常に希少で、さらに高額になるため、高級な製品にしか使われません。

このお尻の革から、コードバンを作りだします。

コードバンの作り方

お尻の皮がそのままコードバンになるわけではありません。

たくさんの作業を経て、独特の輝きを生み出しているんですね。
ここでは、コードバンの作り方を見てみましょう。

原皮の加工

原皮は、数ミリ。革の中間に位置する、わずか1mmの層(コードバン層)。これがコードバンです。

毛が付いている表面と、その反対側の層は、コードバンにはなりません。

最初は、馬の毛が付いた原皮の状態。ここからコードバン層を取り出していきます。
熟練した職人が原皮から、ミリ単位でコードバン層のみを削りだします。削ってい行く様が、宝石の採掘作業に酷似していることから、コードバンは「革の宝石/革のダイヤモンド」と呼ばれています。

これで、やっと、コードバンの基を取り出すことができました。
この後、製品として長く使えるように「なめし」を行います。

なめし

タンニンで時間をかけてなめすことで、しっかりと革の芯部までタンニンを浸透させ、ツヤが出るように仕上げていきます。

コードバンは他の革と比較して、以下のような性質を持っています。

  • キメが細かい
  • 毛穴が無い
  • 凸凹が無い

このため、非常に滑らかな革に仕立てることができます。

こういった性質を持つコードバン層に、さらに磨き上げの仕上げを行うことで、独特の光沢が生まれるのです。コードバン以外の革はこういった特徴を持っていないため、塗料やオイルを使わなければ、光沢をもたらすことはできません。

原皮から、仕上げまでに丁寧に行うため、約10ヶ月もの期間を要します。

コードバンの特徴

革面は、キメ細かく、スムースで、大変美しい輝きを表現できます。

10ヶ月もかけて丹念に仕上げられた革は、強度、美しさ、経年変化ともに最高の価値がある革として親しまれています。

コードバンと他の皮の構造の違い

通常、牛や豚などの皮革は、表革となる「銀面」と裏革になる「床」が重なって出来ている2層構造になっています。そのため、手入れをしっかり行っていても、経年変化で層が歪んでしまい型崩れが起きます。

対してコードバンは、表革と裏革の中間にあるコードバン層を削りだした単層構造になっています。そのため、長年使用しても歪んだり、型崩れが起こりにくいんですね。

コードバンの経年変化

コードバンは最初こそハリや硬さがあるものの、使い込むごとに奥深い光沢がでると同時にほぐれてきます。次第に手に吸いつくようなしっとり感も出てきます。

1年使用した頃には、表面はなめらかになり、うっとりするような艶やかな雰囲気に育ちます。

コードバン経年変化

出典:グレンチェック

コードバンを作ることができるのは、世界で2社だけ

コードバンは革自体が希少ですが、作ることができる業者も少なくなりました。

1970年代はタンナーも多かったのですが、時代の流れとともに減少。
現在では、アメリカのホーウィン社と日本の新喜皮革(しんきひかく)のみとなっています。

実際にはあと数社あるのですが、世界トップレベルのコードバンを作ることができるのは2社のみです。

シェルコードバンとコードバンの違い

財布などの商品説明を見てみると、「シェルコードバンを使用」と記載されていることがあります。

通常のコードバンと何が違うのでしょうか。

違いは、染料の染め方にあります。
シェルコードバンの場合は水染めされています。(水染めとは染料にコードバンをじっくりと浸すことで染める手法のことです。)
そのため、線維組織の奥までしっかりと染まっているんですね。
通常のコードバンよりも光沢の出方が大きく異なるのが特徴です。

コードバンを扱う上での注意点

牛革の2~3倍の強度があるコードバンですが、水に弱いという弱点があります。

濡れたまま放置してしまうと、斑点のような白い水シミが残ってしまいます。
また、長時間放置すると、濡れた部分が水ぶくれが生じてしまいます。

一度ついてしまうと、完全に除去するのは難しいため、応急処置がキモとなります。
濡れてしまった場合、すぐにしっかり拭きとりましょう。

水だけではなく、汗も苦手です。汗に含まれる、塩分とアンモニアが変色などを引き起こす原因となります。

コードバンの水ぶくれ

出典:http://cou-shop.jugem.jp/

そのため、コードバンの財布をお尻のポケットに突っ込むのはオススメできません。
基本的には、カバンやスーツの内ポケットに入れての取扱うものだとお考えください。

コードバンのお手入れ

基本的に通常の手入れは、柔らかいクロスでの空拭きだけで十分です。

ブラシを使用してもいいのですが、個人的にはクロスでの手入れの方がキズが付きにくいのでオススメです。

空拭きする際も、力をいれるのではなく、優しくなでるようにしましょう。
表面がやや乾いてきてら、専用のクリームなどで油分を足すと、また光沢がでるようになってきます。

財布などの小物の場合、特段してメンテナンスは不要です。
これは人によって考え方が違うのですが、「財布のような小物」の場合、毎日手にとって使うはずです。普通に使うだけで、手のオイルが財布に移るため、コードバンは潤った状態が保たれるのです。
ここで、オイルやクリームなどが必要かというと、個人的には必要ないと思っています。過剰に油分を与えることで、コードバンが持つしなやかさや、ハリが弱まってしまいます。

あえて日常でメンテするなら、基本的には乾拭きでOK。長期間利用しないことによる革の乾きにだけ気をつけましょう。(乾いてきたなと感じたときに、加脂するといったメンテで十分だと思います)。

ちなみに、艶出しに好評な商品はこちら。
コードバンを知り尽くす、なめし業者のアイテムです。

コードバンの財布

財布はレザー製品の中でも、比較的小さなアイテムですから、一枚革のコードバンを使った贅沢な作りも可能です。
ここでは、日本人がデザインした品質の高いコードバン財布をセレクトして紹介しています。

まとめ

奥深さがあり、革好きなら一度は手に入れたいコードバン。

扱いは牛革よりもデリケートですが、希少性があるのでステータスにもなります。
使い続けることで徐々に増す光沢は、コードバンでしか出すことができない表情です。

コードバンのアイテムでは、オールデンの革靴が有名ですね。
ただ、非常に高価な品ですから、手が出しにくいのではないでしょうか。

まずは、比較的安価なコインケースや財布といったアイテムで、コードバンの魅力を体験してみてはいかがでしょうか。

コードバンは輝きとツヤが独特で、高級感はダントツです。
特別な方へのプレゼントとしても最適だと思います。

以上、コードバンってどういう革? コードバンの特徴と魅力……をご紹介しました。