safujiの製品はオーソドックスに見える。けど、ユニークで使いやすい。
イタリアの革を贅沢に使った「やわらかさ」を感じるデザインも気に入っているポイントです。
はじめてsafujiの財布を買ったのは2015年。
短い長財布、「ミニ長財布」でした。
ずっとインタビューしたいと思っていたのですが、safujiの職人である沢藤さんにお話を伺うことができました。
本ページでは、インタビュー形式でsafujiのものづくり、特徴、コダワリなどについてご紹介します。
safujiのルーツ
—どのようにして、safujiをはじめられたのですか?
大学では理工系を専攻していたんです。ただ、仕事にするほど入り込めなかったんですよね。
学生時代からレザークラフトが好きだったので、革製品をつくるメーカーで働くことにしたんです。10年ほどバイカーズウォレットやオーソドックスな財布を作っていました。
その後、safujiを立ち上げました。
—ブランド名(safuji)は、どのようにお決めになったのですか?
名字が沢藤(さわふじ)だからです。深い意味はないんですよ(笑)。“sawafuji”だと長いし。言ってもらいやすいよう短くしました。
safujiの制作・デザインについて
—沢藤さんご夫婦で制作なさっているのでしょうか?
一部の作業はお手伝いいただいているんですけど、基本的には妻と制作しています。手縫いの製品は、ほとんどは妻が縫って、僕が組み立てています。
—製品デザインは、沢藤さんの担当ですか?
はい。構造、サイズ、使う革など、製品デザインは僕たち夫婦でやっています。
—ミニ長財布、ミニ折財布、変わった財布が多いですよね。
僕、結構レジ前であわてるんですよ。だから、スムーズに支払えるものを考えて作っています。他のブランドさんもユニークな財布を作っていますよね。そこは「完成された財布」だと思うので、safuji独自の路線が良かったんです。
最初は長財布から始まって、ミニ財布とラインナップを広げてきました。
—定番のお財布はずっと作っているのでしょうか。
はい。作り続けています。でも、定番製品も少し変更しています。
—どんなところを変更しているのですか?
たとえば「ミニ長財布」は「折り畳む部分」をちょっと長くしているんですよ。お客さんの声だったり、作っているときにアイデアが出てくる。少しずつ取り込んで改良しています。
safujiの革
—使っている革は、ブッテーロ、プエブロ、ナッパネビア。イタリアの革ですね。こだわりがあるのでしょうか?
いろんな革を見て触って、作ってきた中で、イタリアの革に魅力を感じていました。パリッとした印象や、オイルを含んだしなやかさ、質感が馴染んでくる変化だったり。ずっと好きで使っていますね。
※筆者が2015年に購入したミニ長財布で使われている革は、ナッパビアとブッテーロ。2020年も、同じ素材で作られています。
safujiを見て、触れる場所。購入方法
—safujiの製品を見たり、触ったりができる場所って少ないですよね。あまり店舗にも置いてないですよね。
お取り扱いいただいている店舗は少ないです。safuji公式サイトやInstagramでも通販していません。
あとは、ポップアップイベントでも見ていただけます。関東だけでなく、九州や北海道など各地でイベントに参加していますので、お近くでイベントがあるときに見てもらえればと。
※ポップアップ情報は、safuji公式サイトやInstagramで発信されています。
—製品ラインナップが多いのは、アトリエテンポでしょうか?
はい。定番アイテムをご覧いただけます。
ただ、在庫があまり無いんですよね。(2019年時点では)オーダーいただいた製品を作ってお渡しするのがほとんどでして。今後は、在庫がある状態にしたいと思っています。せっかく来ていただいていますから。手にとって持って帰れるのが一番ですよね。
それと、ディスプレイしている製品は、新品とは限らないんですよ。
—色ツヤが変化しているということですか?
そうなんです。最初は新品を展示しているんですけど、お客様が触れるし、紫外線や照明も当たります。お店に並んでいるものは、作ったときから大きく変わっていることもあります。
ただ、「新品の革」を見ていただくことはできます。例えばこれ、「ミニ長財布」の裁断した革です。イメージを持っていただければと。
—アトリエテンポでは、その場で購入できるのですか?
在庫があれば、ご購入いただけます。
ただ、申し訳ないのですが・・・。現状(2019年)、すべての製品の在庫があるとは言えない状況なんです。お待ちいただくことにはなりますが、その場でオーダーもお受けしています。
オーダーでできること
—どのようにオーダーできるのでしょうか?
製品を選んでもらって、革の種類と、革の色を決めてもらいます。
※いわゆる「パターンオーダー」。サイズ変更などのフルオーダーはしていないそう。
—色を選べるのは楽しいですね。人によっては悩ましいかも。
悩まれるお客様もいらっしゃいますね。アトリエテンポにはレザーサンプルも置いています。じっくり見て選んでもらえればと。僕もお客様に張り付いたりしないので(笑。
—たとえば、ブッテーロを使った財布がありますよね。革をプエブロに変更することもできるんですか?
はい。承っています。
—革の種類、色によって、値段も変わったりするのですか?
基本は一緒です。たとえば、ミニ折財布は2種類の革(ナッパネピアとメイン)で作っていて、どちらも同じ値段です。
ゴールドとシルバーの革は、少し値段を変えています。
—オーダーしてから完成まで、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。
現在(2019年)は、2〜3ヶ月くらいですね。
※筆者もオーダーした財布を3ヶ月弱で受け取っています。
—オーダーする製品によって、完成までの時間も違うのですか?
いいえ。どの製品も2〜3ヶ月ほどです。お財布でもカバンでも、変わりません。
最後に
—今後、こだわっていること、やっていきたいことなどお聞きしたいです。
「safujiにしかできない製品」を作っていきたいですね。
僕らはデザイナーでありつつ、職人なんです。だから、定番で作っている製品も、ふとした時に「もっといいアイデア」が出てきたりする。作り手だからこそブラッシュアップして突き詰めることができるんですよね。もっとモノとしてのレベルを上げていきたいと思っています。
手縫いとミシンを組み合わせることを大事にして、safujiだからこその製品を作っていきたいですね。
—ありがとうございました。
参考リンク
safujiの製品をレビューしています。参考になさってください。