エムピウは機能性の高いアイテムを作る、日本の革工房。
当サイトではミッレフォッリエをはじめ、ユニークなエムピウの財布を紹介してきました。
今回は趣向を変えて、カバンを紹介します。
エムピウのショルダーバック、DUNA Ⅱ(ドゥーナ2)です。
スペック
ブランド | エムピウ |
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製品名 | DUNAⅡ(ドゥーナ2) |
価格 | 36,000円 |
サイズ | W310×D50×H350mm |
重さ | 1000g |
素材 | 外装:プルアップレザー(タンニンなめし牛革) 内装:綿 |
機能 | メインポケット×1、 インナーファスナーポケット×1、 インナーサブポケット×3、 サイドポケット×1 |
使い勝手
DUNAⅡはパット見、普通のショルダーバック。
でも、そこはエムピウ。
しっかりと、ユニークで、使いやすい仕上がりになっています。
メインポケット
フラップを開けると、大きなメインポケットにアクセスできます。
私がカバンに求める最低限の収納力は、以下のアイテムを入れられることです。
- コンパクトカメラ
- iPad
- 手帳
- ペットボトル(500ml)
- 折りたたみ傘
- A4サイズのファイル
DUNAⅡ は、これらをしっかりと収納してくれます。
ちなみに、これだけ入れても、まだ余裕があります。
メインポケットは310×320mmほどのサイズ。
A4サイズがしっかりと収まるサイズ感とお考えください。
メインポケットには仕切りがありません。
たくさんの「小さなアイテム」を入れると探す手間が気になるかもしれません。
よく出し入れする「小さなアイテム」は、サブポケット(後述)に入れると便利です。
実測のマチは、50mmほど。
一般的なバッグに比べると、とてもスリムです。
マチがスリムなことで、中に入れたアイテムがごろごろしないメリットがあります。
「肩にかけたまま中のアイテムを取り出す」使い方が多くなるはず。
アイテムがあちこちに移動しないため、見つけやすく取り出しやすいんですね。
DUNAⅡ は、大きくてかさばるアイテムは苦手です。
例えば洋服、一眼レフカメラなどを入れるのには適していません。
旅行などの荷物が多くなるイベントでは別のバッグを使ったほうが良いですね。
(もしくは、DUNAⅡ との2つ持ちか)
DUNAⅡ に入る量は、「そこそこ」です。
ショルダーバックは片方の肩で支えるものですから、これは理にかなったデザインです。
大きくてたくさん入るショルダーバックだってあるのでしょうが、重いバッグを支え続けるなんてごめんです。
たくさん入るものならメッセンジャーバッグなどの、もっと最適な「バッグのカタチ」があるわけです。
DUNAⅡ は必要最低限のアイテムを持ち歩けるサイズ感とお考えください。
ちょっとしたお出かけ用のカバンとして最適なんですね。
4つのサブポケット
メインポケットの中に、4つのサブポケットがあります。
まずはこちらのファスナーポケット。
無くすと困る貴重品を入れるのに最適。
私の場合、新幹線のチケット、ハンコなどをここに入れています。
サイズは150mm×150mmほど。
二つ折り財布なら入りますが、長財布はファスナーを閉じられません。
反対側には3つのオープンポケットがあります。
真ん中が一番大きな作り。両サイドは長方形のポケットです。
財布、モバイルバッテリー、スマホ、クルマのカギなどを入れています。
深さは140mm。
iphone7がスッポリ隠れるほど。
文庫本がちょっとはみ出るサイズ感です。
これらのインナーポケットは、わりと高めの位置に取り付けられています。
肩にかけたままアクセスしやすく、慣れるとノールックで取り出すことができます。
使いやすい、サイドポケット
カバンの外側に、ポケットが1つ。
フラップの反対側、身体に面する箇所に備え付けられています。
サイズは、文庫本がスッポリと入るほど。
私はここに文庫本を入れたりしています。
カバンを開けなくてもアクセスできるため、よく出し入れするものを入れておくと便利だと思います。
カバーするものは何もないので、貴重品は避けたほうが良いでしょう。
身体に気持ちよくフィットする
肩にかけるためのショルダーストラップ。
これも革でできています。
極細のショルダーストラップは、肩に食い込んで痛みをかんじることがあります。
一方、DUNAⅡ は太さ40mmほど。重みを分散し、肩へのあたりを優しくしてくれます。
一枚革を半分に折って縫製したつくり。
適度なクッション性があります。
しなやかでコシのある革です。
ギュッとの握ると、「キュッキュッ」と小気味良い音を鳴らすのは、上質な革である証拠。
所有する満足感をグッと高めてくれます。
ストラップの留め具はこんな感じ。
この留め具が両サイドに付いていて、自由に調整できます。
使う人によって、身長や腰の位置はまったく違うわけですが、誰にでも使いやすい位置にカバンを持ってこれるわけです。
ピンホールで留めるタイプではないため、かなり細かく調整できますし、革の面で留めるので、革が伸びにくいんですね。(ベルトによくある、ピンホール式は、穴が広がったりします)
身体にフィットする面はこんな感じ。
革をぐるりと回り込ませて作られています。
縫い目が身体に当たらないので滑りがよく、ストレスを感じません。
ショルダーバックのメリット
DUNAⅡ に限らず、ショルダーバックの良いところをまとめてみます。
両手が空くため、自由度が高い。
例えばカメラは両手が空かないと使えません。
(両手で支えた方が、良い写真を取れる)
荷物が増えたときも、片手で荷物を持つこともできますね。
いつも身体の近くにある
電車やタクシーに乗ったとき、肩にかけつつ、カンタンに身体の後ろから前へ移動させることができます。
座っているときも立っているときも、このアクションはカンタンにできます。
これはバックパックより勝る点
リュックと違って、カバンを前や後ろにカンタンに移動させることができます。
いつも身体によりそう。
そんなバッグなんですね。
だからこそ、安心して持ち歩けるわけです。
特徴
使い勝手以外の特徴を紹介します。
レザーをたっぷり使った贅沢なつくり
DUNAⅡ は、ショルダーストラップさえも革で作られています。
使われている革は、プルアップレザー。
オイルをたっぷりと含んでいて、革をもんだり、曲げたりすることで、オイルが移動するのが特徴。
これが革の表情に、濃淡となって現れていて、独特の雰囲気を醸し出しています。
写真が上手く取れなかったので、公式サイトからお借りします。
革の風合いやシワを活かしつつ、ムラ感があるのが特徴なんですね。
日本に流通する革の、90%は水に溶けない顔料を革にベタ塗りした仕上げ。
こういった革は、ビビッドで均一な色味を得意とし、キズも付きにくいものになります。ただし、革の風合いがありませんし、エイジングも楽しめません。
一方、プルアップは染料につけることで色を染めたもの。
革の芯まで、しっかりと染まっていることが、フラップの裏面を見ると分かります。
使うほどに色、ツヤの変化を楽しめる革なんですね。
エイジングもしっかりと楽しめます。
フラップ面は、まだそこそこですね。
身体に面する部分は、特にエイジングが早く進みます。
ギラリとツヤがでて、色が深くなっているのがみてとれます。
内装は綿が張られています。
これは好き好きだと思うのですが、綿張りの内装は手当たりがやさしいのが特徴です。
ダークブラウンのカラーですから汚れも目立ちません。
また、革ではないため、あまり気を張らずに、アイテムを入れることができます。
汚れても掃除しやすいので、清潔に保てるのもポイントでしょう。
留めない、フラップの快適さ
本作のつくりで面白いのが、フラップの留め具が無いことです。
一般的なバッグは、中身が飛び出さないように、ファスナーやボタンで留めるつくりのものがほとんど。
そんな中、DUNAⅡ は、フラップで隠すように閉じるだけ。
ファスナーを開けたりといった余計なアクションを削ぎ落としたデザイン。
カッチリと閉じ込める仕組みがないんですね。
結果として、中にアクセスしやすい仕上がりになっています。
収納したアイテムを使いたいときは、フラップを上げてすぐにアクセスできます。
この快適さがDUNAⅡの持ち味で、ちょっと出かけるときに気負わず使える理由です。
一番の心配は、中身が落ちないか?という点だと思います。
今のところ、そういった事故は起きていません。
持ち歩くとき、歩いたり座ったりするときも、フラップはちゃんと閉じられているので、中身が落ちることはありません。
フラップがけっこう長いので、カバンからアイテムが多少はみ出しても、シッカリと留めてくれます。
つまり、中身が散らばるとしたら、こんなケースだけのはずです。
- ころんだ
- カバンを逆さまにして持ち上げた
幸運なことに、今のところこういった状況にはなっていません。
あとがき
DUNAⅡ の魅力をいくつか紹介しました。
育つ革、使いやすいこと、etc・・・。
中でも私が気に入ったのは身体へのフィット感です。
移動するとき肩にかけ、腰へのあたりがやわらか。
身体によりそうショルダーバッグとして優秀です。
「育つ革」ですから、使い手とともにしっかりとエイジングしていきます。
二十歳を超えた大人にこそ使い続けて欲しい、本物の革のカバンとしておすすめです。