アルマスはバッファローレザーを使った、土屋鞄の人気シリーズ。
シックでシンプルなデザイン。独特のシボとツヤ感が魅力で、力強い表情から、男性に人気のあるシリーズです。
アルマスシリーズの中でも一番人気のカバン、『アルマス バッファロービジネストート』の使い勝手、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
以前使っていたトートバッグには、いくつか不満がありました。本作購入前に考えていた条件は、以下のとおりです。
- 15インチのノートPCを収納できる、たっぷりサイズ
- 肩掛けできる
- 内側のポケットに、長財布を収納できる
- シンプルな見た目。オンオフ共に利用できる
- 革のエイジングを楽しめる
- 10年は使える丈夫さ
この条件を満たしたのが、土屋鞄の「アルマス バッファロービジネストート」です。
それでは、詳細にご紹介しましょう。
スペック
ブランド | 土屋鞄 |
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製品名 | アルマス バッファロービジネストート |
価格 | 66,000円 |
サイズ | 外寸:縦28.0×横47×最大マチ22.5cm 内寸:深さ28.0×横幅45cm×底マチ15.5cm |
重さ | 1540g |
素材 | メイン部:水牛 サブ:牛革 |
機能 | ファスナーポケット×1、ホック付きポケット×1、 フリーポケット×2、ペン刺し×3 |
一般的なトートバッグより、少し大きめのサイズです。
使い勝手
私がトートバッグに求めることの1つは、機能性なのですが、バッファロービジネストートは、機能性が高く、使いやすいトートに仕上がっています。
大きめサイズ。15インチのノートPCもらくらく収納できる
条件の1つが、愛用しているMacbookPro 15インチを横向きで収納できること。意外と15インチサイズのPCを収納できるトートは少ないですね。
バッファロートートはPCを余裕で収納できます。
収納した状態で、かなりのスペースが空いています。
カバンをチョイスするときに、見落としがちですが、収納できる量を確認しましょう。PCサイズギリギリに収納できるカバンには、PCしか入りません。スペースがあることで、PC以外のアイテムもたっぷりと収納できるんですね。
私がよく持ち歩くアイテムをざっと並べてみると、こんな感じ。
- MacBook Pro15
- kindle or iPad
- 財布
- キーケース
- カメラ(RICHO GR)
- モバイルバッテリー
これだけ収納しても、まだかなり余裕があります。
さらにプラスして、シャツ2枚+下着2日分も入ります。つまり、1泊2日程度の旅行や出張ならこれ1つで事足ります。
内装は、明るいカラーの布です。カバンの内装がブラックだと、入れたアイテムが探しにくいですよね。特に男性向けのアイテムほど、内装が黒いものが多い気がします。
比べてみると、アルマスの布地は薄いグレーのため、中に入れたアイテムを探しやすいのです。
一方で、汚れが目立ちやすいという弱点もあります。個人的には、人の目に触れないポイントだから良いかと思うのですが。まぁ、これは人それぞれですね。
ちなみに、内装は、完全に縫い付けられているわけではありません。このように、外に出すことが可能。
掃除したり、水をこぼしたときに乾燥させたりといったメンテナンスがしやすくなっています。
また、外側の革よりは当然ダメージを受けやすいわけで、いつかはリペアが必要になるでしょう。完全に縫われていないため、修理にかかる時間が減り、修理代も少なくてすむはずです。
肩掛け可能なトートバッグ
たくさん詰め込むと、当然重くなります。
トートバッグのデメリットは、片手で重さを支えなくてはいけないこと。
リュックのように両肩に負荷を分散できないので、重い荷物を長時間運ぶことには適しません。
そこで、ポイントになるのが肩掛けができること。
手で持ったり、肩にかけたりと、持ち方を変えられますから、疲れにくいわけです。特に、肩かけは、背中で背負うカタチになるため、重みを分散できます。手で持つよりもずっと軽く感じるんですね。
バッファロートートは、持ち手が長く、肩掛けするのに丁度良い長さ。短すぎず、長すぎず、絶妙な長さです。もちろん、手で持っても不自然になりません。
ちなみに、このハンドル部は「カウハイド」。固めでしっかりとした厚みがあります。
重いアイテムを詰め込んで持ちあるくときに、しっかりと握ることができます。
また、繊維がギュッと詰まった革ですから、革が伸びることがありません。
固いため、身体への当たりは優しくありませんが、使い続けるうちに少しずつ馴染んできました。もう少し馴染みが出てくると、肩かけしたときのフィット感がもっと良くなりそうです。
4つの使いやすい内ポケット
トートバッグが使いやすいのは、気軽にポイポイとアイテムを放り込めること。
一般のトートバッグに比べて、バッファロートートの収納力は大きいといえます。
言い換えると、考えずにモノを入れると、アイテムを探すはめになります。
バッファロートートの特徴の1つが、利便性の高い4つのポケットを準備していること。
これによって、アイテムを整理でき、探しまわることがなくなります。
さらに、このポケットへのアクセスが素晴らしい。
肩掛け時の使い勝手がとても良いのです。肩から外さずもう片方の手で、4つのポケットにアクセスできて、かなり使い勝手が良いです。
例えば、
- 自販機で、財布を取り出す
- スマホを取り出す
- カギを取り出す
こういったよくある機会で、バッグをかけたままアイテムを取り出すことができます。
ちなみに写真のU字形の部分は、フックをかけるためのもの。
こんな感じで、カバンを留めることができます。
完全にとはいきませんが、覗き見の予防にはなります。
続いて、それぞれのポケットの紹介です。
最も大きい側面のポケット
A4サイズのアイテムを折らずに収納可能。
ほぼ、マチはありません。ただ、仕切りが柔らかい布のため、厚みのあるアイテムも収納できます。
ホックで留めることとで、広がりを抑えることができます。
私は、ここにiPadなどを入れています。
3つのペン差しも搭載しています。
大人になるとペンケースを持たない人もいると思うのですが、スッとさせて、サッと取り出せるのでとても便利です。
ファスナー付きポケット
長財布を横にしてそのまま収納できるサイズ。
縦も横も、かなり余裕があります。
ちなみに深さが結構ありますから、小物をたくさん入れるのはおすすめしません。
探すのが大変です。
バッファロートートは、上部が大きく開くつくりですから、盗まれたり、紛失しては困るものなどをここに入れておくと安心です。
個人的にはここに財布を収納しています。
少し話が逸れるのですが、革のエイジングにはとても最適なポケットです。
布を使った生地ですから、ここに財布を入れて持ち歩くことで、自然と財布が「乾拭き」されます。革財布をキレイにエイジングするポイントですから、革好きの私にとっては嬉しい効果です。
サブポケット
長財布を横に入れてジャストサイズ。
さらに隣に小さなポケットがあります。
こちらだけ何故かマチがあるつくりですね。そこそこ厚みのあるものも収納できます。
以下のアイテムのように、よく使うものを入れると、使い勝手が良いです。
- iphone7
- キーケース
- 香水
- モバイルバッテリ
- ハンドクリーム
特徴
バッファローレザー特有の上質さ
バッファロー(水牛)は、実に美しい素材です。ひと目見たときに、惚れ込んだのがその表情。
実際の革質は、写真で見るよりずっとツヤがあります。細かで自然なシボ感が独特です。
さらに、光があたると表情が変わる。
アップするとこんな感じ。
磨き仕上げられた革は、独特の光沢があり上品さを演出してくれます。
「ビジネストート」と名付けるだけあって、嫌らしく感じない絶妙な質感。
職場でもプライベートでも利用できるカバンとして、使うシーンを選ばないのも嬉しいポイントです。
たっぷりとオイルを含んだ革は、しなやかで、吸いつくような手触りです。
肩掛けのときは、バッグの側面に手のひらがあたりますから、自然とさすりたくなります。
クタッとなりすぎない適度なハリがあって、しっかりと自立します。
上質な革。エイジングの楽しみがある
アルマスシリーズの革は、上質で手間暇かけて作られています。
原皮は、若い水牛(バッファローキップ)。
牛革を例にすると、いわゆる「カーフ」に該当します。
個体が大きくないため、原皮があまり取れず高価なんですね。
ただ、若いため、キズが少なく、キメの細かい質感を生み出すことができます。
なめしは、タンニンなめし。
しかも、時間がかかるピットなめし+ドラムなめしで、しっかりとタンニンで鞣されています。
タンニンを含んだ革は、使い続けることで色に深みが増していきます。
(アルマスシリーズは濃色のものが多いため、劇的な変化は確認できないと思います。)
着色は染色仕上げ。
革の風合いを活かす着色方法です。
これも革の表情で勝負できるからこそ採用できる方法。
生きていたときの、キズやシワを隠さずに、革の風合いとして楽しむことができます。
アルマスシリーズのアイテムの表面には一切の装飾がありません。
上質な革はそれ自体が上品さを表現します。ブランドロゴなど必要ないわけです。
ちょっとマニアックになってしまいました。
まとめます。
「育てる革」として最適な逸品だということです。
カンタンなケアをたまにしてあげることで、ずっと使え、使い手ごとの表情に育っていきます。
色味が深まり、ツヤが増す。
上質な革だからこその上質なエイジングが楽しめます。
ちなみに、肩かけの場合、バックの側面が服とよくスレることになります。オイルレザーは乾拭きすることで、オイルが均等に循環し、美しい表情に変わっていきます。肩かけする人ほど早くエイジングを楽しめます。
長く使えるつくり
カバンの底に、底鋲が取り付けられています。
革は摩擦にあまり強くないため、スレの多い底面はダメージを受けやすいんですね。
底鋲はダメージや汚れから守ってくれるため、長く使いたいなら必須の機能です。
丁寧な仕上げ
土屋鞄は、歴史ある革工房。
名前が有名なのは、マーケティング力ではなく、品質の高さからです。
バッファロービジネストートでも、丁寧な仕上げは細部に見られます。
例えば、
カバンのフチは、革が折り込まれていて、断裁面が見えないようになっています。
見た目の上質感を高めるのはもちろん、手や腕で触れた際の当たりが優しくなっています。
ちなみに、ダメージを受けやすいところですから、たまにオイルケアをしてあげましょう。
革から油分や、水分が抜けて乾燥すると、剥がれやキズといったダメージが起きやすくなります。いつも目に触れるところですから、キレイに使い続けたいですね。
ケアのオススメはM.MOWBRAYのデリケートクリーム。とてもカンタン、かつ安い。様々な革製品に使えますし、3年ほどは持つので持っていて損はないアイテムです。
あとがき
今日、丈夫で軽い素材、例えばCORDURAといった化学繊維で作られたカバンもたくさんあります。軽くて、劣化も起こりにくく、ケアも不要です。
一方、天然素材である革は、購入後のケアが必要になります。特にカバンのように面積の大きなアイテムは、手で触れない部分が多いため、オイルケアをおすすめします。(した方がずっと長持ちしますし、キレイに見えます)
また、使い続けることで、キズもついてしまうでしょう。それも含めて使い続けることで、何とも言えない迫力を身にまとってきます。
結局のところ、革のアイテム選ぶなら、多少のやせ我慢やケアが必要になってきます。それと引き換えに、革だけのツヤ、光沢、色気といった特徴を楽しめるわけです。もちろん、エイジングもですね。
以前使っていたカバンは、クロムなめしで、顔料仕上げのレザートート。3年で、塗料が剥がれてきましたし、エイジングも楽しめませんでした。
一方、アルマスバッファロートートは、タンニンなめし、かつ染料仕上げの革。しっかりと育ち、長持ちする革です。
10年は使えるトートバックが欲しい。
そう思うなら、本作は最適な逸品です。
人気があって、なかなか再販されないのが難点でしょうか。
上質なトートバックを探している方におすすめの逸品です。